No.157280

真・恋姫†無双  星と共に 第26章

BLACKさん

この作品は真・恋姫†無双が前作(PS2)の続編だったらという過程で作られた作品です。

2010-07-12 22:01:14 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4600   閲覧ユーザー数:4039

 

 

 

真・恋姫†無双  星と共に  第26章

 

 

呉軍を打ち負かしてから一ヶ月強が過ぎた。

建業を完全制圧し、軍議が終わった後、一刀と星は華琳の用事に付き合えといわれた。

 

「一体、用事って何だろうな…」

「さあ?」

 

そんな時、突然爆発音が庭から聞こえた。

 

「隊長!」

 

凪が一刀の側に来る。

 

「今の音は何だ? 襲撃か?」

「分かりません、しかし、工房から……」

「ってことは……真桜か!」

 

一刀達が工房に行ってみるとそこにいたのは一刀の予想通り真桜であった。

 

「酷い有様だな」

「けふっ。けふっ!」

「何で爆発させた?」

「別に好きで爆発させたわけやないで…」

「だろうな」

 

一刀が爆発した跡を見る。そしてその周りにはばらばらになった工具やら、工房の炉やら……。

そこに遅れて春蘭と秋蘭が来た。

 

「何があった! 劉備の襲撃か!」

 

真桜は何があったのかを説明した。なにやら霞の偃月刀の改良をしていたら炉が熱に耐え切れず爆発してまい、

直すにしてもまた同じ事が起こるし、いつもの城にある炉のような改造をしたくても時間がかかり、城に戻ったほうがまだ早いという真桜に秋蘭はあることを言う。

 

「なら、戻ってくればよい」

「ええの?」

「うん? 蜀の攻略って…」

 

一刀と星は呉の完全統一が終わったら間髪入れずに蜀への侵攻だと聞いていたので、その発言には驚いた。

その呉の完全統一はあと少しで終わるところにまで差し掛かっている。

 

「実はまだ話していなかったことがある」

 

そこに永琳と光琳がやってくる。

 

「永琳、どういうことだ?」

「実は次の戦い、二面作戦をするつもりなのよ」

「二面作戦? してその内容は?」

「その名の通り、二手に別れての行動を起すことだ。この建業から蜀に向かう部隊と漢中から蜀の方に南下する部隊とな…」

「それっていつ決めたんだ?」

「確かにそんなに大事な事なら軍議で言うはず……」

 

軍議で華琳は一言もそんな事を言っていないのだ。

 

「それはそうだ。少し前に姉上が決めたことだからな」

「華琳が?」

「ええ、華琳姉さんにしてはかなり突然だったから私も驚いたわよ」

「それで建業に向かう部隊の将はこのまま残そうかと考えている」

「それで、華琳に付いていく将は南下する部隊に組み込まれると言うわけか…」

「そういうことだ」

「華琳様は午後から国元にお戻りになる。その護衛として付いて行けば良い」

「………そうか」

「どうした、北郷」

「いや、華琳がその南下部隊をまとめるのは分かったが、他に華琳が国元に戻ってやるべき用事でもあるんじゃないかと思ってな……」

「そうか…もうそんな季節か」

「?」

(どうやら部隊まとめ以外にも大事な用があるみたいですな)

 

一刀達は華琳の考えが完全には分かってないが、自分達も必要な用事だということだけは分かった。

そして華琳の護衛として、真桜と一刀と星以外には凪、沙和、季衣、流琉、そして錫、澪、咲、永琳、光琳、黒美が付いていった。

沙和は新作の服が出るから、それを買いたいとの事で付いてきた。咲も沙和に付いていく形で一緒にいる。

季衣と流琉は故郷に帰るためであった。

永琳と光琳は当然のことながら華琳の補佐。黒美は南下部隊に一人も軍師がいないのは…と思い、南下部隊に志願したのだ。

その時、桂花も志願したが、許昌に残していた詠やねねも使うことにしていたので桂花は悔し泣きをしながらも残る事になった。

凪と錫は北郷隊である真桜と沙和が行く以上自分達も付いていったほうが良いとして、北郷隊全員が南下部隊に行く事になった。

ちなみに澪は一刀と星がいるなら自分もそちらが良いとして付いていったのだ。

途中で本国の親衛隊と合流し、季衣と流琉は一時故郷に帰った。

季衣と流琉は位置の関係上、華琳達の所には戻らず建業のところに行き、建業から攻める部隊となっている。

 

 

城についてすぐに真桜は工房へ、錫も自分の鉄の棍棒を鍛えなおしてもらいたいとして工房に、沙和と咲は服を買いに、黒美は本を買いに街に出掛けた。

凪、澪、永琳、光琳は少し体を鍛えなおすとして、四人で特訓を始めた。

そして一刀と星は華琳に連れられてとある場所に行った。それは城の近くの森であった。

華琳が道の真ん中で止まり、あるものを見る。一刀と星はその視線の先を見る。

 

「お墓?」

「ええ。橋玄様の墓よ」

「橋玄?」

「私がまだ駆け出しの役人だった頃、春蘭達と一緒に、とてもお世話になった方よ」

「その割には小さい墓だな」

 

その墓は小さい石のかけらを積み上げている程度である。

 

「派手なことの嫌いな方だったの。何度か、私の所で働いて欲しいとお願いにも行ったのだけど…結局、最後まで首を縦に振ってはもらえなかったわ」

「じゃあ、今日は命日なのか?」

「亡くなられたと連絡を受けたのは、もう随分前のことよ。今まで忙しすぎて、挨拶にも来られなかったのだけれど…」

「そんな素振りは見なかったがど…」

「恩師とは言え、他人の死だもの。曹魏の運命を左右するというならまだしも、完全な私用だったしね」

 

華琳は手を合わせ、目を閉じる。一刀も星も華琳と一緒に手を合わせ、目を閉じた。

 

「ねえ一刀。覚えている? あなたと私が初めてあった頃、占い師の話を聞いたことがあった事を」

「ああ、よくな……」

「あの時の占い師も…実を言うと、橋玄様から紹介されていたの。確か名を、許子将と言ったはず」

「つまり最初っからあの占い師を知ってたんだな」

「視察の本来の目的は、許子将に会うことだったの。皆には言ってなかったけれどね。

今では許子将の言うとおり、乱世の奸雄よ。なるほど、言い得て妙だったわね」

「当たるものは当たるんだな」

「確か、一刀達も何か言われてなかった?」

「ああ、確か『大局の示すまま、流れに従い、逆らわぬようになしされ。

さもなくば、待ち受けるのは身の破滅。くれぐれも、用心なされよ?』

だったな……」

「うむ…」

(待てよ……)

(どうなされた?)

 

一刀はふと思った。『大局に逆らえば身の破滅が来る』。

一刀はその言葉の真意が何となくだが、分かった。

 

(大局……歴史の流れの事か)

(しかし歴史の流れなど、前の世界では当たり前かのように変わっておりすますぞ)

(ああ。それに俺はたまに疲れる程度だが、星はなんとも無いんだよな?)

(何かありましたらすぐに一刀殿が気付かれると思いますが……)

(……だよな。となると俺達の占いは外れている? だが俺の体の疲れは一体……)

「どうしたの?」

「いや、何でもない……」

「………そう。橋玄さまへの報告も終わった事だし、帰りましょうか」

「ああ」

 

一刀と星は気付いた真実を華琳に教えないまま帰っていった。

 

(一刀殿、もしや一刀殿の体の不調は左慈達の仲間の仕業では……)

(可能性は否めないな。しかし、仮にそうだとしても何で直接俺を殺しに来ないんだ? その方がてっとり早いはず……)

(それが出来ない理由でもあるのだろうか?)

(かもな……。とりあえずは大局に逆らってみるとしよう。そうすれば分かるかも知れない)

 

一刀と星はあえて大局に逆らう道を選んだ。真実を知るために……

 

 

ある山の祠では……。

 

「魏が呉を打ち負かしたようね」

「そうだな」

 

普浄はそんなことお構いなしに不敵な笑みを浮かべる。

 

「本当にあなた、この世界の事どうでもいいと思っているのね」

「そういうわけでもないが、左慈達の弔いと比べるとこの世界の事などどうでも良いからな」

「そう……」

 

潘臨が少しばかり呆れたように息を吐く。

 

「ところで曹操は両面作戦をするみたいよ」

「ほう?」

「それでその考えを読むかのように諸葛亮が北方……それも五丈原に兵を構えるみたいよ」

「五丈原か……。面白いではないか」

「それはあなたの呪いのせいで諸葛亮が病に蝕まれているから?」

「そうだ。どうせ史実通りで司馬懿もいるだろう。ならば諸葛亮の最期を見届けるのはいいかもしれないな」

 

普浄はまたしても不適な笑みを浮かべる。

 

「ふふふふ、北郷一刀。かつて自分が愛した者が死ぬ様を見るが良いさ。はーはっはっはっ!!」

 

 

おまけ

 

 

作者「第26章だ」

一刀「どうしてディケイド三国志と星と共にを一緒に投稿したんだ?」

作者「どうしてもディケイド三国志は閲覧数が少なくてな。それでスパイスが効きすぎたとして甘い、星と共にを投稿したんだ」

一刀「甘いというか需要の問題だろ」

作者「それとようやく執筆が最終回に入ったからな。その記念だと思いたまえ」

一刀「えらそうな事をいうなよ」

作者「次回はオリジナル回だ。正直書くのに苦戦した。そして後半が手抜きだな。一部元ネタになったものもあったりする。

それでは!」


 
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