春。
土手の上を散歩する。
柔らかい風が私の髪を撫でてゆく。
青臭い草の匂いを胸一杯に吸い込んだ。
ゆっくりとしゃがみ込んで、つくしを摘む。
夏。
カラカラと音を響かせて自転車を漕ぐ。
カラリとした暑さ。
風もないのでちょっと辛い。
涼しさ求めてペダルを強く蹴った。
秋。
開け放った窓から涼しい風が吹く。
目を閉じて、悲しげでいてどこかわくわくする空気を味わう。
ペラペラという音に目を開ける。
読んでいた小説の頁がめくれていて、ほほ笑んだ。
冬。
どこか低くなった空を見上げてしろい息を吐く。
寒い空と似て、街はどこか寒かった。
ずしりと重い食材片手に、帰路を急いだ。
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散文その3。
前の投稿からずいぶん間が空いてしまいました。