No.155545

悪ノ双子 2


VOCALOID 悪ノシリーズ小説版

2010-07-05 20:30:57 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:614   閲覧ユーザー数:585

 

 

「リンー?どこ行ったの?」

僕達はどんな時も一緒で、仲の良い双子だった。

毎日いろいろなことをして遊び、家に帰ればご飯を食べて寝て・・・また次の日が来る。

こんな日々が日常になっていた。

今日はかくれんぼをしてる。

かくれんぼをしようと言い出したのは、リンだった。

だけどいつもと違うことが1つだけ。

 

リンが戻ってこないこと・・・

 

普段なら僕が降参と言えば、どこからともなくやってくるリン。

それなのに、何度呼びかけても何をしても、帰ってこない。

 

心配になった僕は、教会の側を離れて町を探す。

結構広い町の中を、走り続けた。

次に森の近くへ行った。この先は無断では行ってはいけないところだ。

きっとリンだって行くような馬鹿じゃない。

そんな時。

 

「離して!!!助けて、レン・・!」

 

聞き覚えのある声。

森の入り口より少し奥のほうで、争っているというかなんというか・・・的な

物音がしてた。ガサガサ、と草が揺れてる。

 

 

 

「リン!?」

 

僕はすぐに町を飛び出して、大声で叫んだ。

「・・・・・れ、レン?」

「大丈夫?何があったの・・・」

リンの言葉なんてお構い無しに話を続ける。

「だ、大丈夫・・・多分。それよりっ、どうしてここに・・?」

戸惑うリン。

 

「リンに何かあった、って感じたから。」

 

ふと、リンの瞳から涙が零れたと思ったら、知らない男の影。

 

 

「やっ・・・離して!!!」

 

それはリンの腕を乱暴に掴むと、自分のところへ引き寄せた。

 

 

 

 

「リン。もうこんなやつとは話すなよ、お前は今日から――」

 

時間が、いや、地球が止まったかと思った。

 

「この国の王女になるんだから」

 

 
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