「リンー?どこ行ったの?」
僕達はどんな時も一緒で、仲の良い双子だった。
毎日いろいろなことをして遊び、家に帰ればご飯を食べて寝て・・・また次の日が来る。
こんな日々が日常になっていた。
今日はかくれんぼをしてる。
かくれんぼをしようと言い出したのは、リンだった。
だけどいつもと違うことが1つだけ。
リンが戻ってこないこと・・・
普段なら僕が降参と言えば、どこからともなくやってくるリン。
それなのに、何度呼びかけても何をしても、帰ってこない。
心配になった僕は、教会の側を離れて町を探す。
結構広い町の中を、走り続けた。
次に森の近くへ行った。この先は無断では行ってはいけないところだ。
きっとリンだって行くような馬鹿じゃない。
そんな時。
「離して!!!助けて、レン・・!」
聞き覚えのある声。
森の入り口より少し奥のほうで、争っているというかなんというか・・・的な
物音がしてた。ガサガサ、と草が揺れてる。
「リン!?」
僕はすぐに町を飛び出して、大声で叫んだ。
「・・・・・れ、レン?」
「大丈夫?何があったの・・・」
リンの言葉なんてお構い無しに話を続ける。
「だ、大丈夫・・・多分。それよりっ、どうしてここに・・?」
戸惑うリン。
「リンに何かあった、って感じたから。」
ふと、リンの瞳から涙が零れたと思ったら、知らない男の影。
「やっ・・・離して!!!」
それはリンの腕を乱暴に掴むと、自分のところへ引き寄せた。
「リン。もうこんなやつとは話すなよ、お前は今日から――」
時間が、いや、地球が止まったかと思った。
「この国の王女になるんだから」
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