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新・外史伝『希望』編第5話『小さな龍と可愛い雛鳥』

新・外史伝『希望』編第五話をお送りいたします。
投稿まで長くなってしまってスミマセンでした。
今回のお話は改変前とあまり変わってない感が漂っておりますが、精一杯頑張りました!それでは、ごゆっくりとどうぞ!

2010-07-05 00:15:22 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:3892   閲覧ユーザー数:3218

新・外史伝『希望』編 

 

 

第五話

 

 

 

『小さな龍と可愛い雛鳥』

 

 

 

 

 

 

姉妹の契から数日。

 

三人は義勇軍を結成するため、軍師を探していた

 

一刀は、徐々に戻りつつある正史の知識から、とある二人の軍師を推薦した

 

数日後

 

一行は「水鏡先生の私塾」がある町を目指し…ていたはずなのだが

 

さてさて、彼女たちに馬がなかったこともあり、ここまで来るのに思った以上に時間がかかってしまい、もう夜になろうとしていた

 

とりあえず宿をとり、疲れたっと眠ってしまった鈴々を愛紗が寝室に運んでやり、桃香もしばらく休むとのことだった

 

やることのない一刀は、一人街へ出かけることにした

 

「龍や朱雀と呼ばれる天才軍師…かぁ。いったいどんな人なんだろう。

 

劉備たちが女の子だった所から考えると、やっぱりそうなんだろうなぁ…。

 

かわいい娘たちだったらいいなぁ~…」

 

そんなことを呟きながら一刀は夜の街を歩いていた。

 

出歩くのに別に理由はない…ただ、歩いてみたかった

 

だいぶ歩いていたのでそろそろ戻ろうかと思ったそんな時

 

事件は起きた

 

 

 

「「きゃぁあ~!!!」」

 

 

町中に少女たちの声が響き渡たる

 

「何だ!!?

 

女の子の悲鳴だったな…。行ってみよう」

 

一刀はその声の元にかけて行く

 

周囲には人の輪ができていた

 

一刀はとりあえず人ごみの中に入って行った

 

 

そこにいたのは二人の小さな女の子と…

 

「おらぁ!!ぶつかっといてハワァ!アワァ!はねぇだろう!!」

 

「おらおら!!兄貴が怒らねえうちに黙って付いてこいや!」

 

「や・優しくしてやるんだなぁ…ひひ・ひひひ!!!!」

 

 

三人組の野党たち

 

それは、先日桃香の村を襲っていた残党だった

 

「誰かと思えば…先日の盗賊どもじゃねえか。

 

何やってんだ…。お前ら…」

 

一刀は三人にあきれながら話しかけた

 

アニキがこちらに気がついて

 

「テ…テメェは…!?あん時のガキ!

 

こ、こっちは人質がいるんだぞ!

 

俺達にたてつく気か!!?」

 

「ほ・・本当なんだなぁ!」

 

「愛紗の攻撃を喰らってよく生きていたな…悪運の強いというか…何と言うか」

 

 

 

「ちょうどいいぜ!テメェ!

 

仲間たちの墓作ってくれたらしいな!

 

ありがとうよ!!」

 

「いえいえ…、どういたしまして。」

 

アニキが頭を下げると、反射的に一刀も下げた

 

悲しき日本人の性ったら…

 

「っと、礼も言ったところで…

 

この餓鬼どもの命が欲しかったら金目の物をよこしやがれ!!」

 

二人の少女に剣を押し付けるチビ

 

「はわわ!」「あわわ!」

 

泣きながら慌てる少女たち…

 

 

「はぁ~……。

 

まったく…。

 

大の大人がそんなことをして恥ずかしくはないのかよ…?」

 

一刀は溜め息をつき…

 

「その子らを離せ…!」

 

威嚇を込めた目で睨みつけながら言う

 

その背後からは若干の殺気もにじみ出ていた

 

「な…何だよ!?

 

テメェ~!!!

 

やるってのか!!?」

 

一刀は腰の剣を地面に置くと静かに呟いた

 

「剣は使わないでおいてやる。

 

が…、少し…お仕置きだな……」

 

次の瞬間一刀の姿が消えた

 

「「「「んな!?!?!?」」」」

 

誰もが己れの目を疑う

 

と、次の瞬間

 

「ぐぅあ~!!」

 

チビは叫び声をあげ、吹き飛んでいた

 

 

一刀はつかまっていた二人の少女に優しく声をかけた

 

「大丈夫かい?」

 

二人はふるふると震えながら

 

「「は…はい」」

 

なんとかその言葉を絞り出す

 

一刀は二人の頭をやさしく撫でてやると

 

「じゃ…少し失礼するよ」

 

そう言うと二人の少女を抱きかかえ、地面をけると同時にまた姿を消した

 

そして、次の瞬間には、少し離れた場所に再び現れた

 

「ここにいてくれ…。すぐ戻るからね」

 

少女たちを下した一刀は彼女たちの頭を撫でてやりながら言う

 

 

一刀はゆっくりと歩きながら再びデクとアニキの前に立った

 

「テ…テメェ…何者だ!?」

 

「よ、よくもチビを!なんだなぁ」

 

「俺かい?

 

そうだな…、御遣いとでも名乗ろうかな。」

 

「な…何を訳の分からねぇことを!!

 

デク!!!!やっちまえ!!!」

 

「分かったんだなぁ~!」

 

デクが大きな剣を抜き、一刀めがけて斬りかかってきた

 

「「あ、あぶない!」」

 

先ほどの少女たちの叫び声がこだまする

 

 

だが…

 

その剣が一刀に当たることはなかった

 

一人の男が、一刀を庇うように剣を術符一枚で止めていた

 

「やれやれ…ずいぶんと無粋な方ですねぇ?

 

まったく、可愛げのない者はこれだから…いやですね」

 

眼鏡をかけた謎の男はそう言いながら剣をはじく

 

「干吉か?わざわざ出てこなくてもいいのに。」

 

一刀は、その男に場違いな明るい声をかける

 

「まぁ、これが私の仕事ですからね。」

 

そして、またひとりの男が現れた

 

「左慈まで…」

 

「むろんだ。

 

貴様に借りも返さないまま死なれては困るからな…。」

 

左慈はそう言うとデクに近づいていく

 

「何なんだな!?お前は!!!」

 

デクはその大きなこぶしで左慈をつぶさんと振りかぶった

 

左慈はそのこぶしを避けることなく軽々と片手で受け止めた

 

「そんなやわな攻撃では…俺は殺せん!」

 

左慈は拳を自分のほうに引き寄せ、その反動を利用してデクをけり飛ばした

 

「ぐぅぷわぁあ~~~!!!!!なんだなぁ~!!!」

 

彼方へと飛んでいくデクであった

 

「デ…デクぅ~!!!!!!!!」

 

 

「さて…」

 

一刀は二人の間を悠然と歩きながらアニキの前にやってきた

 

「最後は……お前だな」

 

「た、助けてくれぃ!もう悪さしねぇからよぉ!」

 

「本当だな?」

 

「も、もちろんだぁ

 

「やっぱり許さん(^◇^)

 

左慈…懲らしめてやれ(「御意!」ドガン!))

 

殺さない程度になぁ~」

 

ああああああああンごぉおおおおおお!!!!!!!!!」

 

アニキの気の抜けた声が上がった時には、すでに地獄は始まっていた

 

 

 

「「「「おぉおお~!!!!」」」」

 

周りの人々から歓喜の声が上がる

 

「どもども!」

 

一刀は周りの声援に応えながら、二人の少女のもとに歩いて行く

 

「二人とも、大丈夫かい?」

 

「はわわ!」「あわわ!」

 

「だ…大丈夫でしゅ……。あわわ!噛んじゃったぁ~」

 

「はわ!あ…あ…あのぉ。あなた様は?」

 

 

「ん?俺たちかい?

 

そうだな…。

 

俺は、通りすがりの旅人…かな。

 

んで、こっちの二人は俺のお目付け役みたいなものだ。

 

じゃあ俺たちは行くね。

 

気をつけて帰るんだよ。

 

お~い!左慈、引き上げるぞ~」

 

「(スッキリ!)おう!」

 

三人は人ごみの中に消えていった

 

 

「はわわ!雛里ちゃん」「あわわ!うん、あの白い服のお方・・・」

 

「「天の御使い様!」」

 

 

 

次の日

 

 

 

四人は水鏡先生に事情を話し、応接室に案内された

 

しばらくして、2人の少女がやってきた

 

 

「はわわ!あなた様は?」

 

「あわわ!昨日の?」

 

 

一刀はその声に聞きおぼえがあった

 

「あっと…?君達は昨日の…。」

 

「あれぇ・・?一刀様。お知り合いなのぉ?」

 

桃香が一刀に聞いた

 

「う…うん。昨日街で会ったんだ…」

 

昨日のいきさつを話していると二人の少女が一刀の前まで駆け寄ってきた

 

「あ…あのぉ…。」

 

「き…昨日は」

 

「「あ…ありがとうごいましたぁ~!!」」

 

勢いよく頭を下げた

 

「(かぁ~わぁ~いぃ~いい////////!!

 

あぁ~お兄ちゃんって呼ばれたいなぁ~^^)」

 

そんな邪念を押し殺しながら一刀は二人と同じ目線になると…

 

「どういたしまして」

 

優しくその頭を撫でてやった

 

そんな様子を羨ましそうに見つめる三人の少女たち

 

そう…劉備三姉妹だった!

 

 

 

それからすぐに

 

6人による話し合いが始まった

 

不思議なことにこの二人、一刀の思っていた以上に優秀な軍師であった。

 

これからの世界について一刀以上の予想を立て、それに対する対策もちゃんと考えられていた

 

三姉妹も驚きを隠せない様子で二人の天才少女の話を聞いていた

 

二人は劉備達の理想も聞かされた

 

一刀はなぜだか分からないが、聞いていて頭が痛くなりそうだった

 

相も変わらず、とんでもなく甘い考え…

 

だが、そうだからこそ魅力があり、実現させてやりたいと思ってしまう。

 

二人もそんな彼女の魅力に取りつかれたらしい…

 

是非、彼女の力になりたいと申し出た

 

 

「ありがとう。

 

 私は、劉備玄徳。

 

 真名は桃香だよ」

 

「わが名は関羽、字は雲張、真名は愛紗だ。」

 

「鈴々は張飛益徳。

 

 真名は鈴々なのだ。」

 

「諸葛亮。字は孔明、真名は朱里でしゅ。」

 

「鳳統士元、真名は雛里ですぅ。」

 

愛紗は一刀をこちらへっと呼ぶ

 

「このお方が我らの導き手、天の御遣い様だ」

 

「はわわ…。あ・・あの~」

 

「あ…あの!御遣い様。

 

あなた様のお名前は…?」

 

「ん?あ、そうか。

 

そういえば自己紹介していなかったな。

 

俺の名前は北郷一刀。字と真名にあたるものは無いから、一刀って呼んでくれ。

 

よろしく!」

 

 

 

「はわわ!」「あわわ!」

 

「「はひ!よ、よろしくお願いします!

 

 一刀様////!!」」

 

 

真っ赤な顔をした二人の頭を一刀はやさしく撫でてやった

 

こうして、二人の可愛い仲間ができたのだった

 

 

 

つづく

 

 


 
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