皆さんは「ふしぎなアメ」というものをご存知でしょうか。
アメ一個につき服用者のレベルを1つ上げるという、本来ならば高みへと至るために必要な、努力や経験といった成長の過程を全く無視した、神掛ったアイテムです
これは、そんな不思議でふしぎなアメが織り成す不思議な物語。
――――城内訓練所
「ふははは、お前の底力はこんなものか北郷っ!」
しじッ、なッ、ていッ、れしッじだッ!
んッつ、んなッ、こッ、がんつッ!
「Oh~、屁のツッパリはいらんですよ~~~。」
ひゅーーーーーーーーん・・・・・・飛ぶ俺。
上空一直線に飛ばされる俺。引力に逆らいどんどん天へ引っ張られる俺。あっ屋根越えた俺。華琳と視線が交差した俺。熱いバトルの予感か俺。
下を見ると春蘭が申し訳なさそうに頬を掻いている俺。やっぱ春蘭はかわいいな~俺。
つーかドコまで行くんだ・・・・・俺。
ひゅーーーーーーーーん・・・・・・・
あああああ、止まらねー。もう、シャレにならんぞこの高さは俺。
昔さ、有名人とかが海外ロケなんかで、「わたし、イルカと一緒に泳ぐのが子どもの頃からの夢だったんです。」とか自慢げに言ってたけど、鳥と一緒に飛ぶ方がはるかに夢のあることだと思わないか、諸君。
まあ、俺の場合1秒も満たずに、すれ違うだけなんだけどね。
ひゅーーーーーーーーん・・・・・
ははは、はっ鼻が凍ってきた。股間もそろそろヤバイ気がする。取れたらくっつくかな。フリーズドライ製法万歳!!
ひゅーーーーーーーーん・・・・・
いっ息が・・・・・・・・・・・・・。チーン俺。
ひゅーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
―――部屋
眼が覚めるとベッドに寝かされていた。急いで股間に手をかざす。
ふう、どうやらジョニーも健在だったようだ。
「・・・なにやっているの、一刀?」
備え付けのイスに座っていた華琳が呆れている・・・・いたんだ。
「しかし、良くあんなに飛んだものだわ。偶然、真桜の乗った飛空挺が通り掛かったから助かったものを・・・・まあいいわ。
一刀、体が治るまで養生することを命ずるわ。もちろん警備の職務も禁止よ。」
ハ?なんだっちょ?
「ちょっまてよ華琳。俺の体はそんな大事にはなっていない。ほら、よ~く見ろ。俺のジョニーだってこんなにピンピンしてるじゃないか!」
「脱がなくていいから。えと、確かに体自体に問題はないわ。問題なのは、その・・・・・・鼻よ。」
ハナ?・・・・・・・・・っ!!?
「はっ鼻がねえぇーーーーーーーー!!!!!
アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「かっ一刀、落ち着きなさい。大丈夫だから!
今、春蘭と秋蘭がパン工場へ新しい鼻を取りに行っているから。」
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「ほっ、ほら、このカタログを見なさい。パン工場の最新モデルで高い防水性を誇る、だって。良かったわね、これでお風呂にも安心して入れるわ。」
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「今ならドライバーセットが付いてくるんですって。良かったじゃない、これならいつでもミドリの配管工に転職できるわよ。」
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
ああ、意識が・・・遠のいていく。俺の人生は一体・・・・
――――プツン!
如何だったでしょうか?この物語はこれでお終いです。
えっ、ふしぎなアメ全く出てきてない?
ええ、皆さんの疑問の気持ちはよ~く分かりますよ。分かるつもりです。
でもアメがまったく登場していない?
果たして本当にそうでしょうか?
アメというのは舐めると、温かくてとても幸せな味がしますよね。そんなアメのような心を持った人ならば、見つけられるかもしれません。
そのときこそ、あなたはこの物語の真実に気付くはずです。
なぜ、ふしぎのアメなのか。どのようにして物語に関わっているのか。
最期に何を言いたかったのか。
答えはあなたの心の中に・・・・。
では皆さん、近いうちにまたお会いしましょう。
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はたしてイルカって美味しいのでしょうか?
書きながらそんなことを疑問に思ってしまいました。