No.154700

真・恋姫†無双【黄巾編】 董卓√ ~風と歩み~ 第六話 ~動乱は波を立て~

GILLさん

GILL(ギル)と名乗る作者です。
拙い文ですが、見てやってください。
今回は、少し短いと思います。
今後からシリアスな展開・・・いけるかっ!?

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2010-07-02 00:56:08 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5430   閲覧ユーザー数:4566

 はじめに

 

 GILL(ギル)と名乗る作者です。

 

 この作品は、真・恋姫†無双のみプレイした自分が

 

 『俺は、風が大好きなんだ!!』

 

 と、いう感じでタイトル通り【~IF~】『もし、風達と一刀が同行したら・・・』

 

 という妄想がタップリの作品です。

 

 でも、作者は風以外に目が入っていないので、もしかしたらキャラが変わっている可能性も出てきます。

 

 そして、オリジナルのキャラクターも出すかもしれません。

 

 ですから、『あ、そういう系のSSマジ勘弁』という方はお控えください。

 

 それでも、『別に良いよ』という方は是非とも読んでやってください。

 

 それでは、ご覧ください!

 恋と風の地獄とも言える修行を受けて、はや一週間……

 よく、俺の体が耐えられると感心している。

 でも、今のところ……俺自身、何か上達したとは思えない。

 

 ……自分で言いながら、情けない話だけどな!!

 

 そして……俺も最近知った話だが、実は恋は官軍の人間だったのだ。

 なんでも、何進っていう人物に仕えているらしい。 ……どっかで聞いたような……?

 

 なんでも、恋が董卓の所に来ている理由は『家族に会いにきた』という事だからびっくりだ。

 しかも、その家族が犬だらけって事にもびっくりした。

 

 勿論、休暇は取ってあるらしい。

 月に一度、一週間……多くて二週間の間、遊びに来ている。

 

 元々、恋は武将という役職では無く、洞窟に住んでいたらしい。

 親は、幼い頃に他界。 唯一、彼女の心のより所は……あの犬の家族だった。

 そんなある日、董卓と幼なじみである賈詡と出会った。

 

 初めは、人間という存在自体に心を閉ざしていた恋だったけれど……彼女達の努力が実ったのか、いつしか……共に笑うようになった。

 

 でも、そんな暖かな状況とは一変した。

 そう、食料問題というやつだ。

 

 犬達や、恋だって生きている。 だから、食べなければならない。 自然の理だ。

 そのために、恋はお金を稼ぐ必要があった。

 

 丁度その時だ、何進なる人物に拾われたのは。

 こうして、恋は何進に仕える事になったらしい。

 

 張遼も、俺と同じ『流浪人』だったらしく、董卓と出会ったのは極最近らしい。

 初めは、『日常の刺激』なる何やら危ない雰囲気を漂わせるモノを感じたいが故に、旅をしていたのだが……旅人が一度はハマる『路銀底を尽き……』と、いう事態に陥り食い倒れていたところを董卓達に保護されたという。

 

 なんとも、笑える話なのだが……ここからが問題だ。

 

 仕える理由が……『月っちの膝枕が気持ち良い』と、いう事だ。

 この理由に知ってはいけない何かを感じるのは俺だけだろうか? ……ねぇ?男性諸君。

 

 まぁ、仕えるといっても客将扱いだけどね。

 

 だけど、あの刺激中毒は『何かがウチを待っている!』なんて理由を付けて、現在はここに居ない。

 

 事実上は、俺と風、華雄、賈詡、董卓の五人でこの国を支えている。

 

 軍師は賈詡と風が居るから現在は安心だけど、武将は華雄一人しか居ないのが難点だ。

 

 ……俺? 俺が役に立てるとでも?

 いくら、天下無双の師匠が居るからといって、たかが一週間タイマン張っただけで強くなれたら人間苦労はしないよ……。 グズッ

 

 あぁ……今日も空が青い――――――。

 と、過去の記憶を掘り出していたある時の事だ。

 今日は緊急の会議が有ったらしく、賈詡と華雄に捕まった。

 突然の事だったから、修行の途中でも関わらず、俺は中断した。

 

 ……と、いうよりも華雄と賈詡に無理矢理止めさせられただけだけどね。

 まぁ修行といっても……(※木刀に似せた)鉄棒を使って素振りをしていただけだけど。

 

 そして……だ。

 

 「皆も知っていると思うけど―――。 最近、賊の出現が頻繁になってきているわ」

 

 今回の会議の理由――――最近、やけに賊が出しゃばっているらしい。

 

 「ふん、懲りん奴らめ。 まだ痛めつけられたいようだな」

 

 華雄の言葉から察するに、賊は何度か撃退されているらしい。

 ……ホンっと。 ゴキ○リ並の生命力と悪運の良さ、それにハ○のように鬱陶しい連中だな。

 

 「まったくよ。 こっちは政務で忙しいっていうのに……頭が痛くなるわ」

 

 頭を抱える賈詡。

 苦々しい顔から察するに、相当きているな……これは。

 

 「でも、どうする? 討伐するにも……兵が少な過ぎるぞ?」

 

 現在、軍内部の兵力はかき集めて3000といったところだ。

 国が小さい事もあるが、まだ一兵卒として戦場に安心して送れる兵が少ないのだ。

 新参者の兵を合わせれば、倍以上の兵力にはなるけど……烏合の衆と化してしまう。

 

 更に、国の自衛のため、戦場に出せる兵は半分以下になってしまうだろう。

 

 「……仕方ないわ。 華雄に、頑張ってもらうしかないわね」

 

 親指を咥える詠。

 この仕草の示す意味は……決して良い事ではないだろう。

 

 「……そういえば、敵の数は?」

 

 出来れば、知れる情報が有るなら……少しでも手にしておきたい。

 

 「……斥候からの情報は……4000……よ」

 「……冗談だろ?」

 「なんと……」

 

 これには、溜息を着くしか無かった―――――。

 「こちらは……出せたとして、精々2000が限界……だよな?」

 「えぇ……そうね」

 

 約2倍の戦力差……。

 しかも、部隊を編成するにしたって、武将が一人しか居ない。

 これで、まともな連結が取れるわけが無い……。

 

 ――――――絶望的であった。

 

 「何を弱気になっておる!! 敵なぞ、私一人で蹴散らしてくれようぞ!!」

 

 華雄が胸を張って……と、いうより無駄に元気な声で威張っていた。

 

 「貴女が考えているより、ずっと深刻な問題なの! そう軽く考えるんじゃないわよ!!」

 「うぐっ……。 ……すまん」

 

 怒鳴る詠に対して、シュンとする華雄。

 

 「こらこら、賈詡。 華雄だって、頑張ってくれようとしているのに、その言い方はちょっと酷くないか?」

 

 さっき自分から、頑張ってもらうって言ったよね? ね? ……ねぇ?

 嘘はいけないよ、バ○ニィ。

 

 「あっ……。 ごめんなさい。 私ってば」

 「いや、気にするな。 普段、迷惑かけているからな……こちらこそ、すまない」

 

 おぉ! 珍しく、華雄が冷静だ!

 明日は、人類滅亡レベルの天災がきて、賊を一掃してくれるのか?

 ……っていうか、人類滅亡って俺、まだ死にたくねーよ。

 

 「―――っと、そんな事より……早く、なんとかしないとな」

 

 いくら賊とはいえ、数が倍だ。

 真正面からぶつかって、ただで済むはずがない。

 地形も、近くには平原くらいしか存在しないし……どうしたものか。

 

 「おやおや。 お困りのようですねー? お兄さん」

 「あ、風」

 

 いつの間にか、風が軍議室に入ってきていた。

 

 「あ、丁度良いわ。 手を貸して、程昱!」

 「はいはい~。 ん~、そうですねぇ。 敵はここに向かう途中、一本の狭い道を通るはずです。 そこで仕掛けてみては?」

 

 風が指を指したのは、地図上の細い道。

 確かに、狭い通路では数など関係無くなる。 だけど―――

 

 「でも、そこでは予防線が張れないわ! 突破されたら後が無くなるわよ?」

 

 ――――そう、風が指している場所はここ天水のすぐ傍にある細道。

 ここで勝負を仕掛けるという事は、まさに賭けだろう。

 

 「しかし、ここ以外で合理的に戦える場所は無いのですよ……」

 

 風の言う事も、尤もだ。

 そこ以外の場所で戦ったら、絶対に数の暴力でこちらが負ける。

 

 かといって、賈詡の言う事も正論だ。

 非常にリスクが高い賭けをするようなもので、危険過ぎる。

 

 ―――――――ん? ……お?

 あれ? これ……イケる!! いけるぞ!

 

 「あのさ、賈詡。 少し聞いても良い?」

 「何よ?」

 「この細道って……どういう形状になっているの? ひょっとして……谷のような形状になってないかな?」

 「確か……そうだったはずよ。 何よ、突然」

 

 そうか……そうか……。 もしかしたら……ひょっとすると、ひょっとするかもな!

 

 『―――――――――俺に、妙案が有る』

 ――――その頃、ここ首都『洛陽』では……

 

 「―――ですので、ここ最近、賊の数が跳ね上がっております」

 

 王座の間にて、報告用の書簡を片手に、一人の女性が立っていた。

 

 「如何致しましょうか? 帝」

 

 彼女が見上げる視線の先には、玉座に座る一人の老人が居た。

 そう、彼が……この時代『漢王朝』を支配する王『霊帝』である。

 

 「ふむ。 よし、こちらの方で討伐隊を幾つか編成しておこう。 もう下がれ、何進」

 「御意」

 

 そう、彼女が呂布を引き取った本人何進であった。

 御意という言葉と共に、何進は王座の間を後にした……。

 

 

 王座の間から出た何進は、一人呟きながら廊下を歩いていた。

 

 「―――討伐隊……か。 どこまでが本当なのだろうな」

 

 帝は政治等、そういった類のものに疎い。

 しかも、正妃である何皇后様も今は病に倒れておられる。

 気が滅入るのも仕方が無い事なのかもしれんな。

 

 「そろそろ、時代が動いても可笑しくは無い……。 世も末か」

 

 民からの不満や憎悪が城下には充満している。

 久しぶりにこの洛陽に訪れたが……以前より民から生気や活力などといったものが失われつつある。

 役人もろくでなしが多く、己の欲しか頭に入っていない。

 

 「革命……戦乱の時代」

 

 そうなれば……私は、一体……何を守れるのだろうか?

 私は……この天下に相応しい器の持ち主か?

 ……いかん。 弱気や甘さは現在(いま)の時代には不要だ。

 そんなことでは誰も……自分ですら救えない!

 

 「そうだ……大将軍である私が……今、立たねば。 ―――民の為に!」

 

 決意と覚悟を胸に宿し、彼女は歩く。

 

 「―――呂布、陳宮。 城へ戻るぞ!」

 「……解った」

 「了解なのです!」

 

 城下で待機していた呂布と陳宮に命令を下した後に、急いで城に戻る何進。

 

 「……何かあったのですか? 何進将軍」

 

 さっきまでとは雰囲気が違う何進に、戸惑いを抱きつつも、陳宮は彼女を心配するかのように問いかける。

 

 「陳宮。 城に戻ったら、今以上に軍備を強化するように。 ……近々、大きな戦がくるやもしれん。 黄色の布を被った賊の事も気になる」

 「りょ、了解なのです」

 

 えらく自信有りの発言に、陳宮は従うしかなかった。

 この会話を聞き取った恋は、遠く、遠くに居る一人の人物を思い浮かべていた……。

 「―――――と、いうわけだ。 中々良い策じゃない?」

 

 と、自慢げに胸を張る一刀。

 

 「……良いっていうか……よく、こんな策を思いつけたわね」

 「時々、お兄さんは常識外れの発想をする変態さんですからね~」

 

 おい、風。

 『変態』は聞き捨てならないぞ! 単に発想が変……もとい、奇妙なだけだ!

 え? 特に変わってないと思うだって? 細かい事は良いんだよ!!

 

 重要なのは、伝わるか伝わらないかの二択に限るぜぃ!

 

 「……っていうか、俺の事なんて今はどうでも良いよね? 決める事は、決めとこうよ」

 「勝負の鍵である『あの役』の事でしょ? 華雄が適任じゃないかしら?」

 「いや、私は防衛役を引き受ける」

 

 とある役割に華雄を推した賈詡だが、珍しく頭の回転が良い華雄は自分の適材適所を見出したのか、防衛約を買って出た。

 

 「代わりに、北郷が出てみたらどうだ?」

 「冗談だろ?……嘘だと言ってよ、バ○ニィ……」

 「そうよ! いくら北郷が武官でも、効率的に考えれば華雄の方が……」

 「なら、防衛側はどうする? まさか、少ない一般兵だけで防げと?

  それに、『あの役』の方が北郷の負担が少ない。 この方がよっぽど効率的だ」

 

 確かに、『あの役』より防衛の方が気苦労や肉体的負担が多い。

 その分、戦慣れしている華雄の方が適任といえば、適任だ。

 

 ……でもさ、華雄さん。 俺……戦う事前提なの?

 若い身空で死にたくないよ……。

 

 

 ――――――その時! 天からのありがたぁ~いお声が届いた!!

 

 『人生、諦めが肝心じゃ~ 坊主ぅ~~』

 

 

 ……呪ってやる! この世界全部呪ってやる!!

 こんな腐った世界なら、僕が新世界の神となってやるぅぅ!!

 

 「……解った。 『あの役』は俺がやるよ……グスン」

 「そ、そう。 ……なんか、悪いわね。 北郷」

 「あぁ、良いよ賈詡。 君の所為じゃない……グズッ」

 「なら、指揮は風が執りましょう」

 

 今まで空気だった(※忘れたわけじゃないよ!)風が手を挙げながら実に眠たそうな仕草で立候補した。

 

 ……コイツ、寝てやがったな……風!!

 

 「解ったわ。 それじゃあ、部隊の編成はボクが行うから皆は休んでいて頂戴」

 「「「応!(はいは~い)」」」

 

 こうして、二日後に……俺は、初めての戦場に赴く事となった――――。

 ――――その日の夜。

 

 いつもは、俺が床で布団を敷いて寝るはずだけど、今日は特別……閨の中で寝ることを許された。

 

 今、風は俺にしがみ付いて……俺は、そんな風を抱き締めている状態だ。

 

 「……お兄さん」

 「何?」

 

 少しの間が空く。

 きっと、切り出す言葉に戸惑って、怯えているのだと思う。

 

 ……こういう時って、妙に相手の出す言葉が先読みできるんだよね、俺。

 

 「本当に……やるのですか? 戦なんて……」

 

 そう……風自身……恐がっている。

 また、俺が人を殺める事に喜びを感じてしまわないか、と。

 

 「俺は……誰かを救う為に、恋との辛い修行を受けた。 力が欲しかったから」

 

 この言葉を聞いて、風の指に力が篭る。

 きっと、俺が出した言葉の意味が解らないのだろう。

 

 ……人を救うのに、力はいるの? ……貴方は、貴方のままで居ても良いんじゃないの?

 

 ―――そんな、風の声が頭の中で反響する。 でも、俺は―――風が……

 

 「約束……覚えているよ。 ―――俺は、風の事が……大好きだから」

 

 風が……大好きだから――絶対に守るよ。 ……だって、その為に力を求めたのだから。

 

 「――――お兄さ……んっ」

 

 風が言い終わる前に……俺達は、その日――初めて、唇を重ねた。

 

 多分……俺は忘れないだろう。 否、忘れてなるものか。

 その時の、風の顔を。

 

 ――――泣きながらでも、俺に……精一杯応えてくれた……風の顔を……絶対に。

 あとがき

 

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!

 

 今回はちょっと短いです。 その辺りは、ご容赦を(作者は現在、戦略を練っています)

 

 そして、更新が遅れた言い訳ですが……恋と霞って元々董卓軍じゃないですよね?

 でも、一刀君の師匠役にはやっぱり幾つか候補って欲しいじゃないですか?

 だから、ちょっと無理矢理原作を捻じ曲げた……結果がコレです。 ハイ

 

 無理がありましたかね?

 一応、頑張ったのですが……。 どうでしょう?

 

 至らぬ所が多いですが、何かと未経験な事ですので……ご容赦を。

 それでも、『別に良くね?』と言って頂ければ幸いです。

 

 今後はちょっとシリアス(?)な展開が続くと思いますが、頑張って書いていくつもりですので、期待に応えられたら嬉しいです!!

 

 それでは、次の投稿まで

 See you again!!


 
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