よお、俺の名はピカチュー。
今日も今日とて相棒のサモシとともにマサラタウンをサヨナラバイバイしている。
テレビの前の皆はさすがにご存知ないかもしれないが、
俺には海賊王という、宇宙飛行士並みにビッグな夢がある。
そしてゆくゆくは、大秘宝ワ○ピースを巡り
ヤ○チャやクリ○ンといったと英雄達と、血湧き肉踊る死闘を演じたいと日々画策している。
しかし、我が相棒で基本的に非戦闘員で未来の一等航海士たるサモシは、未だになんとかひょっとこマスターを夢見ている。・・・どーすんだ俺。
だがっ!労働契約を交わし賃金をもらってる以上、しっかりとポケモンしなくてはいけない。良い子の皆、これが大人の責任というやつだ。
でもさ~、正直な話、さすがに無双シリーズを踏破してきた俺でもさ、一匹で四天王全員とやりあうのは無謀だと思うんだよ。だって俺ピカチューだぜ。ライチューでもなみのりピカチューでもない、普通のトキワノ森出身のピカチューだぜ。
なのに一匹で突撃とか無策にも程があんだろ。やり込み対象キャラじゃないんだぞ。
近いうちに「誰でも出来る安心逃亡計画」でも練らないとな。
大人の責任?はっ、知ったことか!
とりあえず、アイスピックと金属バットは必須だ。カバンに詰めておこう。
だが、俺は確信している。例えこの先決別したとしても、いつか我が未来とこの男の未来が交差することを。そして、そのときのこやつは強大で恐ろしい障害として、多くの勇猛たる仲間と供に、昂然と我が身の前に立ち塞ぐであろう。
何故かって?
ふんっ、そのジャガイモのような瞳を見れば嫌でも分かるってものさ。
それだけじゃない、この男は未だその身に宿りし「恵BI寿」の存在に気付いていない。オー○ドやタ○シ、その他モブキャラは既知のようだが、「恵BI寿」といえばあの古代の文献にのみ登場するキン○ギドラ級の化け物だ。
文献曰く―――
かつて旧世界をたったのはかいこうせん一発で壊滅させ、音に聞こえし英雄孫○空の子孫と主張する孫○義によって、灰色魔術封印「コンクリート漬け」にされ災厄は去ったとある。
しかし、奴の思念だけは消滅せずに現代まで迷い続け、サモシという器に偶然に吸収され、血となり肉となり活力となったとか。
俺も今年で37になるが、この話を聞いたときはさすがに奇行に走ってしまったぜ。
その結果イワークにメッキ塗装した、「人工ハガネール」を誕生させてしまった訳だが。
まあ、使わずに済んだメタルコートはストライクに使えたことだし、今となっては思わず心が温かくなる良い思い出ってやつだな。
サモシが覚醒者となる前に倒してしまってもいいが、それではたいして経験値は稼げまい。
俺の幸せ家族計画では、覚醒したサモスを打ち倒し、その足で黒○海賊団と一戦交えるのだ。
だから、まだサモシには手は出さないし、誰にも手を出させる訳にはいかない。
ムックック・・・いい歳こいて楽しくなってきたぜ。
さあ、行こうぜ相棒。次の戦場へ。
そして、俺はタバコに火を着け、紫煙を吐きながら
公園のベンチでスヤスヤ眠っている幼児に向かって――――青筋を立てながら元気良く叫んだ。
「バトルしよーぜ!!!」
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どうして俺はポケモンのいる世界に生まれてこなかったのだ!