突然だが、俺はオタクだ。
漫画やゲームをこよなく愛し、それに注ぐ情熱と資金に躊躇などありはしない。
必然、俺はオタクである事を周囲に公表している。
後ろめたい事など何一つ無いのだから。
よくオタクである事を恥ずかしがって秘密にしている奴がいるが、はっきり言って逆効果だと俺は思う。
悪い人だと思っていた人がちょっと良い事をすると『あの人って実は良い人なのか?』と思う事があるだろう。
その逆も然り。
要はそれと同じだ。
オタクである事をさも悪い事であるかのように隠すから、余計に世間に悪い印象を与えるのだ。
オタクである事の、何が悪いのだろう?
俺達オタクが漫画やゲーム等に注いでいる『好きだ』という感情は、世間一般で言う『普通』の趣味に注がれているそれと何ら変わらないというのに。
想像してみて欲しい。
貴方が自分の趣味を『ただそういう趣味だから』という理由だけで否定されたり敬遠されたら、一体どう思うだろうか。
間違いなく不快になるだろう。
俺達オタクが常日頃から感じているのは、正にそれだ。
俺達はお前達と何ら変わりなどありはしない。
ただ情熱を注ぐ対象が違うだけで、何故ここまで否定されなければならないのか。
確かに中には行き過ぎた行動に出る輩もいるが、それは何にだって言える話だ。
俺はそれが実に納得いかない。
――――長々と説いてきたが、つまりは何が言いたいのかと言うとだ。
・・・・・・・・振られたんだよ。『オタク』って言う理由で。
校舎裏に呼び出して、なけなしの勇気で告ってみたんだよ。
そしたらなんだよあの女。
よりにもよって『キモい』の三文字で片付けやがったんだぞ。
これだからリアルの女は。
やはり俺の心を癒してくれるのは君だけだよ麗タン・・・・
―――――彼は気付いていない。自分が正にその『行き過ぎた輩』として告白した彼女はおろか学校の友人や教師、果ては家族にまで白い視線を送られている事に。
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文芸サークルにて執筆した短編第二弾。
30分くらいで書きあげたので、低クオリティには目をつむって頂けると・・・・アハハ( ̄▽ ̄;)
中間試験も今日で一段落し、後は文芸の講義で提出する小説を明後日までに仕上げなければ。
そんな多忙な気分転換に書いてみたものです。
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