「こんにちは、北郷一刀です。しばらくの間よろしくねっ!」
初めて会う者もいるので第一印象をよくする一刀。
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
魏でも蜀同様に鬨の声が挙がった。
しかし蜀には劣るようだ、。
「……保護者の孫策よ」
雪蓮はどうせ歓迎されていないだろうと思いやる気がなかった。
しかし、
「よく来たわね雪蓮」
「ようこそなのですよ」
「私と勝負しろ!」
「姉者が申し訳ない」
「こんにちは」
「ふがふが」
「なのー」
「よろしゅうな」
「よろしくお願いします」
などといった、割と普通に歓迎された。
魏は常識人が多かった。
それに加えてまだ一刀の可愛さにやられていない者が多かったからである。
雪蓮は感動の涙を流していた。
「霞は賊の討伐に出ているから居ないけど、またあとで紹介するわね」
華琳は一刀をちらちらと見ながら話す。
「夜には歓迎の宴を開くからそれまでにちょっと行ってほしいところがあるの」
「どこに行けばいいの?」
「ポッ」
首を傾げながらキョトンとする一刀にキュンとなる華琳。
しかしあわてて我に帰る。
「ゴ、ゴホン。一刀くんにはね、警備隊を見てほしいの」
呉やこの間行った蜀では治安がとても良くなった事を聞いた華琳は誰の手柄か調べたところ一刀のおかげだということが分かり、しばらく警備隊を任せようと考えたのだ。
「仕事は明日からでいいのだけれど挨拶をしに行って欲しいのよ」
「うん! いいよ!」
「はぅっ!」
一刀の笑顔に完全にやられてしまった華琳だった。
「楽進お姉ちゃん、李典お姉ちゃん、于禁お姉ちゃんよろしくね!」
一度解散となり、一刀は警備隊の三人に挨拶をしていた。
雪蓮は春蘭と勝負している。
「凪です!」
いきなり真名を預ける凪に驚く一刀。
「真桜ちゃん、凪ちゃんが凄い気迫なの」
「完全にやられてもうてるな。…………ウチは真桜や」
「なのーーーー!? 沙和なの!」
さりげなく真名を預ける真桜に遅れて真名を預けるのだった。
「わかった。よろしくね凪お姉ちゃん、真桜お姉ちゃん、沙和お姉ちゃん!」
「…………」
「……こらごっついわ」
「キュンてくるのー!」
凪は完全に固まっていた。
こうして毒牙にかかるのであった。
「今日から臨時隊長になった北郷一刀です」
『子供隊長!?」
彼は今流行りの子供隊長だった。
「補助金は出ないけどよろしくお願いします」
警備隊の面々はいくら天の御遣いといっても、こんなガキの部下になるなんて納得できない者たちが数名不満の声をあげ始めた。
「こんなガキに従ってられるかー!」
「減税しろー!」
「帰れー!」
「補助金も出しやがれー!」
次に次に暴言が一刀に向かって吐かれる。
一刀がどうしようかと考えていると、轟音が響き渡る。
「貴様ら! 子供隊長に向かってなんて口の聞き方だ!」
「いっぺん死にたいようやな」
「ぶち殺してやるのー!」
警備兵は今まで見たこともない三人の怒りにただ震えるだけだった。
『ギャーーーーーーー!』
こうして魏の警備隊は一刀に絶対服従となった。
「それじゃあ明日からよろしくね」
『サーイエッサー!!!!!!!』
気合いの入った返事に満足する一刀だった。
「おっ、凪たちやん」
城に帰る途中の一刀たちの前に賊の討伐を終えた霞がいた。
「霞様、お疲れ様です」
「骨のないやつらでつまらんかったわ。……ん? あんたは確か呉の一刀くんやん!」
一刀の姿を確認した霞は感激の声をもらす。
「あの恋が夢中になるなんてどんな奴かと思うてたらこんなに可愛いんやな~」
一刀を抱き上げて顔をまじまじと見る霞。
見つめ合うとしだいに顔を赤くしていく霞。
「……アカン。これはヤバいわ」
純粋無垢な瞳にやられてしまったらしい。
「恋や愛紗の異常な強さが分かった気がするわ」
少し前の事を思い出し身震いするのであった。
「とりあえずウチは華琳に報告に行くからまた宴会の時に会おうな~。それじゃあ白蓮行くで!」
「おうっ!」
名残惜しそうに一刀を降ろし、霞は副官と共に城に向かって行った。
「あの人、どこかで見たことあるよな……」
思い出せない一刀だったが気にせず城に向かうのだった。
「それじゃあ、雪蓮と一刀くんが魏に来たことに乾杯!」
『かんぱ~い!』
「ちゃんと歓迎されてるわ!」
感激の涙を流す雪蓮が居た。
「いや~、お茶が美味しいですな~」
蜀の時と同様に秋蘭に淹れてもらったお茶を飲む一刀。
「雪蓮、そんなに飲んだら二日酔いになっちゃうよ?」
雪蓮は相当機嫌がいいのか、既に浴びるように酒を飲んでいた。
「二日酔いが怖くて酒が飲めるかー! それなら三日三晩飲み続ければ怖くないわよ!」
聞く耳持たずに飲み続けるのだった。
「おおっ! これは一刀くんじゃないですかー!」
「その小さな手が、風の未成熟な身体を……ぶふ!」
「あんたは男だけど可愛いからいいわね」
軍師たちのもとにやって来た一刀。
「稟お姉ちゃんは大丈夫なの?」
「大丈夫ですよー」
慣れた手つきで稟の鼻血を止めた風。
ちなみに真名は宴の前に華琳の命令で皆預けた。
「ふふふ。小さいころからしっかりと教育いておけば他の男と違って賢く育つわね」
「桂花お姉ちゃんに相応しい男になれるかな?」
「なっ! 私は華琳様一筋よ!」
怒鳴りつける桂花を見て一刀は悲しげな表情をする。
「桂花ちゃんはこのような小さい子の夢を奪うのですねー」
「ち、ちちちち違うわよ!」
風のツッコミに激しく狼狽する桂花。
「じゃあなれる!?」
「あ~もう! なれるわよ! あんたが大人になれば結婚でもなんでもしてやるわよ!」
その頃には忘れているだろうと思い返事をする桂花。だが実際にちょっといいかもと思っていることも事実だった。
「…………ちょろいな」
誰が呟いたのかは誰も確認できなかった。
本人を除いて。
「それにしても一刀くんは可愛いですね~」
「ありがとう! でも風お姉ちゃんの方が可愛いよ!」
その言葉にポーカーフェイスが崩れる風。
「歳の差とは悲しいものですね~」
歳が近ければ完全にやられていたとでも言わんばかりの台詞だった。
それを見ていた桂花は面白くなさげな表情になる。
それを見逃す一刀ではない。
「もちろん桂花お姉ちゃんもすっごく可愛いよ!」
「も、ももももちろんよ!」
思わず顔をそらす桂花だったがその表情はにやついていた。
宴が終わった一刀は華琳の部屋に来ていた。
雪蓮が酔いつぶれたので華琳が一緒に寝ようと誘ったのである。
「そ、それじゃあ寝ましょうか!」
少し緊張して、声が裏返る華琳。
「うん!」
ポケットから何かを取り出し口に含んだ一刀は華琳と共に寝台に入った。
「あああああああ、あなたは一刀くんなの!?」
「そうだよ華琳お姉ちゃん。……いや、華琳」
いきなり大きくなった一刀に驚きを隠せない華琳。
「な、なにをするつもりなの!?」
「なにって、ここまできたらすることはひとつしかないだろ?」
蜀に行ってから自重という言葉を忘れてしまった一刀。
そして華琳の小さな肩を抱いて、そっと押し倒して唇を奪った。
「んっ」
華琳の口から艶声が漏れる。
「嫌なら抵抗してもいいんだよ?」
「て、抵抗しないのが答えよ」
その言葉で一刀の理性は無くなった。
そして二人は一つになった。
「ちょっと姉さん! これどういうことよ!」
地和が手に持っていたのは一枚の瓦版。
そこに書いてあるのは姉の天和と一刀くんのデートのスキャンダル。
「え~、だってお姉ちゃん、一刀くん大好きだもん」
「一刀はちぃのものに決まってるじゃない!」
ギャーギャーと言い争う二人と末妹の人和の膝で和む一刀の四人が居るのは、三姉妹の最初の事務所である小屋。
「ムキー! 行くわよ一刀!」
「え、って、わぁーーーー」
訳も分からず地和に手を引かれて行く一刀だった。
「ほら、もっと近づきなさいよ!」
街に出た二人は瓦版屋にスキャンダルされるために歩いていた。
「こ、こうかな?」
「ひゃん! あ、あん、そ……そこ、は……らめぇ!」
一刀の小さな手が地和の太股、そしてだんだんと上にあがりスカートの中、最終的にパンツの中に侵入していた。
「こ、こんな、あっ、……と、こ…………ひゃーーーー!」
イッテシマッタ。
街中でやらかした二人は小屋に戻り天和、人和を交えて大きくなった一刀に捕食された。
とどまるところをしらぬ一刀の快進撃はまだまだ続いた。
「僕、大人になったんだよ桂花お姉ちゃん」
「あぁぁぁん! や、やめなさいよーー!」
桂花捕食。
「歳の差はなくなったね風」
「……これはたくましい一物なのですよー」
「ふがふが」
風、稟捕食。
「補助金は任せてくれ:
「こ、子供隊長ぉぉぉぉお!」
「おっきいのー!」
「こらごっついわ……」
凪、沙和、真桜捕食。
「今じゃあ俺の方が兄だな」
「弟が兄ちゃんになっちゃった」
「に、兄様ぁぁ!」
季衣、流琉捕食。
「おー、よしよし」
「なでなでしる!」
「姉者は可愛いな~」
春蘭、秋蘭捕食。
「馬に騎乗するより俺の方がいいだろ?」
「そ、そうやな」
霞捕食。
こうして一刀はコンプリートするのであった。
<おまけ>
「いや~、三国同盟後に魏に降って来たっちゅうのもう副官かいな」
「まあな。馬術はそれなりに自信があるからな」
「一兵卒からすぐやったもんな~」
「ここじゃあ私を見てくれる人がたくさんいるから頑張ったさ」
「ふ~ん。蜀の前はどっかにおったん?」
「…………蓆織りだった」
「へぇ~。そっから今の地位までくるなんてやるやんか白蓮」
「ちくしょーーーーーーー!」
完。
( ゚∀゚)o彡°
Tweet |
|
|
128
|
5
|
追加するフォルダを選択
フランスで置引きにあったwwwwwwww