No.150284

真・恋姫†無双 魏√IF ~風と歩み~ 第二話 ~未来(あす)へ手を伸ばす~

GILLさん

GILLと名乗る作者です。
拙い文ですが、見てやってください。
今回は・・・今回こそは真面目に書きました・・・。

尚、この作品は妄想タップリの『魏√IF』です。

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2010-06-13 14:24:30 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:5071   閲覧ユーザー数:4130

 はじめに

 

 GILL(ギル)と名乗る作者です。

 

 この作品は、真・恋姫†無双のみプレイした自分が

 

 『俺は、風が大好きなんだ!!』

 

 と、いう感じでタイトル通り【~IF~】『もし、風達と一刀が同行したら・・・』

 

 という妄想がタップリの作品です。

 

 でも、作者は風以外に目が入っていないので、もしかしたらキャラが変わっている可能性も出てきます。

 

 そして、オリジナルのキャラクターも出すかもしれません。

 

 ですから、『あ、そういう系のSSマジ勘弁』という方はお控えください。

 

 それでも、『別に良いよ』という方は是非とも読んでやってください。

 

 それでは、ご覧ください!

 「・・・それで、一刀殿達は何故あのような場所に?」

 

 太陽の紫外線を浴びながら、炎天下の中、砂漠をひたすら歩いていた。

 

 「・・・暑い、死ぬ・・・」

 

 旅ってこんなにも厳しいんだね、初めて知ったよ・・・。

 

 「一刀殿! だらしがないですぞ!!」

 「ひゃい! ・・・暑い」

 

 女の子なのに、なんでこんな旅を・・・。

 紫外線はお肌の大敵って知らないの? 皮膚ガンで死ぬ恐れもあるんだよ?

 

 「えっと、俺達は・・・向こうの世界でバンジージャンプをしていた」

 「ばんじーじゃんぷ? 何ですか? それは」

 「簡単に言えば、綱を腰に巻きつけて、崖から飛び降りる事やな」

 「なんと・・・! 面白そうですな」

 

 普通の女の子なら、恐がるのが常なんだけどね・・・。

 やっぱり、何かズレているんだね。

 

 「一刀殿、今すぐ砂の中で溺れてみますか?」

 

 読心術マスタリーの異名は及川だけで充分だよ・・・。いや、それよりも

 

 「ごめんなさい。 以後、気をつけます」

 

 うん、謝らなくっちゃね。 俺の明日の為に。

 

 「えっと、話を戻すけど。 俺達は、『命綱』無しで飛び降りたんだ。

  そして、気づいたら砂漠の上で寝ていた・・・と」

 「成る程、天界の人は『飛び降り自殺』が趣味な変態さんなんですね~」

 「正確には、武装集団に追われていて、悪運任せで飛び込んだだけやけどね」

 「どんな人生を歩んできたんですか! 貴方達は!!」

 

 耐えられなくなったのか、つい突っ込んでしまった稟。

 

 「ハハハ・・・。 お!それよりも、あれを。 邑です」

 

 星が指差す方向には、一つの小さな邑が有った・・・。

 「・・・可笑しい」

 「はい。 可笑しいですね~」

 「ええ、不気味なくらいに可笑しいです」

 

 三人は暗い顔をしながら辺りを見回す。

 

 「・・・やけに人通りが少ないな」

 「しかも、道行く人はこの世の終わりみたいな顔しとるな」

 

 明らかに異常な邑の様子に、星達は通りすがりの人に長老の住む家への道筋を聞き出した。

 そして、長老と話をつけて、邑全体の集会を行ってもらえるようにした。

 

 「全員揃いましたな。 さて、長老。 現状を詳しくお聞きしたい」

 「・・・賊が、攻めてきます」

 「「「「「!」」」」」

 

 その一言だけで全て解った。

 そう、この邑に賊が攻めてくる。

 だから、邑を棄てて何処か遠くへ逃げよう・・・と、考えたのだろう。

 

 「・・・数は?」

 「恐らく・・・300人程かと・・・」

 

 「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

 絶望的であった。

 邑の全体人数は100人。 その内の60人は、老人、女性、子供だった。

 逃げる事さえ、希望は皆無である。

 

 「・・・もう、耐えられねぇよ」

 「・・・何ですと?」

 

 一人の男が不意に呟く。

 星がそれを聞き取った。

 

 「食料も、邑も、子供も、妻も・・・もう、奪われるのはごめんだ」

 

 男の呟きに、周りの人間が顔伏せたり、頷いていたりしていた。

 

 『奪われるくらいなら逃げるしかない』 『もう、我慢できない』

 『県令だって逃げたんだ、俺達だって・・・』

 

 そんな呟きが聞こえてくる。

 星は・・・流石に、もう駄目か・・・と、諦めていた―――――――

 

 『バッカじゃねぇの・・・・?・・・・オイ』

 怒気が混じった低い声が部屋に響いた。

 声の主――――北郷一刀だ。

 

 「なんだよ・・・。 俺達の気持ち解っていて言っているのかよ!!?」

 「そうよ! 何も知らないくせに!」

 

 「そこの若造。 儂は歳をくってきた・・・。 だから解る、諦めたほうが懸命なのじゃよ・・・これは」

 「歳の差なんて関係ない。 大事なのは、この『土地』に対する気持ちだ」

 

 罵倒する人々を睨み、長老に向かいながら言葉は紡ぐ一刀。

 

 「気持ちなんて・・・そんなもの」

 

 「ワイはな、正直アンタらの気持ちなんて、どうでもえぇねん。

  けどな、逃げるとして・・・子供はどうするん?」

 「・・・・え?」

 「ワイは、この場所に来るために旅をしてきたんよ。 旅は辛いで?

  大人のアンタらが歩くにして良いけど、子供にそんな体力あるか?」

 「・・・それは」

 「ワイは知っとる。 この邑に馬も居らへんし、ましてや、荷車すら無い。

  そんなんで、逃げ切れると本気で思っておるんか?」

 

 一刀達は知っている。 旅の途中で、星達に今の時世を聞いた。

 賊の事も、腐った権力者の事も、苦しむ民の事も・・・。

 

 だからこそ、許せなかった。

 現実から逃げて、何も見えていない人間が。・・・だからこそ

 

 「長老さん。 俺達は、否、俺達も・・・殺されたり、奪われたりするのは恐い。でもね、だからこそ、戦うべきだと思うんだ」

 「・・・戦う?」

 「うん。 守るためでも、逃げるためでも、ましてや、勝つためでもない。

  そう、―――――『生きる』ために!」

 

 「生きるったって・・・。 一体、どうやって・・・」

 「ん? なに、簡単だよ――――――――

 

 そう一刀は言うと、腕を挙げ、その男に向かい・・・・・

 

 

 

 

 

 「―――――――――共に、戦おう!」

 

 手を・・・差し伸べた。

 一刀の言葉が響いたのか、邑の全員が戦う事に同意してくれた。(※種馬補正)

 

 戦闘の指揮は、風と稟が取り、星は邑の最終防衛線。

 そして、一刀と及川は・・・二人だけで、奇襲部隊に立候補した。

 

 初めは反対されたが、何とか押し切った二人だった。

 

 この邑では、幸いにも、鍛冶職人と鍛冶屋があって、武器を生成するのが可能だった。

 そして、急遽、及川と一刀の特注武器と、邑の人間の防具と武器を作る事になった。

 

 武器には、鉄をあまり消費しない槍と弓と矢が主体となった。

 防具には、急所の部分だけに銅と鉄の二重に、あとは軽い木材を使われた。

 代わりに、及川の武器と一刀の武器に、大量の鉄が使われた。

 

 そして、邑の東西南北に監視塔が設置され、そこに立つ人間には、一刀立案『双眼鏡』を用いる事となった。

 

 そして・・・その日の晩・・・。

 一刀視点

 

 あぁは言ったものの・・・。 どうしようかな・・・・。

 

 正直、俺にだって恐いものくらいある。

 明日の朝、俺は人を殺す。もしかしたら、殺されるかもしれない。

 でも、解っている。 殺すか殺されるか、割り切らなければならない。

 

 でもな・・・・

 

 「そう簡単に割り切れたら、人生苦労しないよな・・・」

 

 是も解っている。 いくら生きる為とはいえ、相手も人間だ。

 ただ、生きる為に・・・生き抜くやり方が少し暴力的なだけだ。

 

 皆は、耐えられるのかな。

 明日、俺と一緒に奇襲を掛ける及川も、邑の最後の要である趙雲も、自分の智謀が人を殺すかもしれない郭嘉と程立も、邑を守るために戦う村人達も。

 

 俺は、耐えられるのかな。

 300人。 俺はその中の何人を殺すのだろう。

 100人。 俺はその中の何人を守れるのだろう。

 

 どっちも・・・重いよな・・・・・・重いよ・・・。

 

 重過ぎて・・・・・潰れそうだよ・・・・。

 

 

 涙が出そうなのを堪える。

 

 『眠れないのですかー? お兄さん』

 

 不意に、そんな声が聞こえてきた。

 風視点

 

 宿屋の廊下で、お兄さんが辛そうに月を見ています。

 今にも、泣き出しそうです。

 そんな顔をしないでください。 お兄さん。 風達だって・・・辛いのですよ?

 

 「お兄さん・・・」

 

 呟く風の声は、お兄さんには届きませんでした。

 それ程までに・・・辛く、お悩みですか?

 

 一緒に旅をしてきた・・・大切な人が、明日・・・たった二人で奇襲を掛けます。

 とてもとても重い重圧に、今のお兄さんが耐えられるはずありません。

 

 「眠れないのですかー? お兄さん」

 

 だからこそ、風は声を掛けてあげるのですよー。

 

 そんなにも辛いなら、重いのなら・・・風の知略でお助けするのです。

 だからこそ・・・気づいてくださいな、お兄さん。

 

 

 

 

 

 『いつでも、いつまでも・・・風がずっと――――守ってあげます』

 「あ、程立。 いやね、中々寝付けなくて・・・ね」

 「明日は大事な、お兄さんがより一層目立つ日なのですよ?」

 「なんかそれ、今まで地味な奴って扱いなんだけど・・・」

 「・・・ぐぅ~」

 「寝るな!? っていうか寝ないで!? 肯定するって意味だから!」

 「おぉう! お兄さんがあまりにも鋭くて・・・ついつい」

 「いや、『ついつい』じゃないよ! っていうか、寝るほど!? 寝るほど俺地味?!」

 

 なんか、悲しくなってきたよ・・・。 俺の存在って・・・。

 

 「普段は、及川さんが変態役ですので・・・」

 「お願いだから!! アイツを基準にしないで! 俺の全てが傷つく!」

 

 勘弁してくれ。 俺は、あのホモより格下なのか!?

 

 「・・・少しは、気が楽になりましたか? お兄さん」

 「え・・・? ・・・・・・あ」

 

 程立の目が・・・揺れている。

 

 そっか・・・・。 心配・・・してくれたんだ。 俺の事。

 

 「な!」

 

 不意に、風が一刀の頭を自分の胸へと押し付けた。

 優しく、そっと包むように・・・。

 

 「・・・風です」

 「・・・え?」

 「真名・・・旅の途中で、説明しましたよね? 風の真名・・・お兄さんに預けます」

 

 真名・・・その人物の存在そのものを表す、真なる名と書いて、真名。

 他人が口にしてしまったら最後、命を絶たれても文句は言えない・・・重いもの。

 

 「いいのか? ・・・真名なんて」

 「こういう時は、疑問を抱かず・・・素直に受け取るのが礼儀ですよー?」

 「・・・解ったよ。 風」

 

 そう、誰しもが真名の重さを知っている。

 だからこそ、預けられた以上は、素直に受け取る・・・当たり前だ。

 

 「もし、お兄さんが辛く、押し潰されそうになったら、風が包んであげるのです。

  真名の通り、風のように・・・。 そして、全てを受け流してあげます」

 「・・・・・・」

 「だから・・・明日は、帰って・・・きて・・・・・」

 「!! ・・・・・うん。 約束・・・するよ」

 

 満月が照らす、暗き夜。

 

 心優しき御遣いは・・・風に包まれ、静かに泣いた―――――――。

 ――――――翌日。

 

 武装した一刀と及川が門の前で立っていた。

 門といっても、即席で作った木製の門だ。

 

 しかし、見た目より頑丈で、工作能力を持たない賊には持って来いの代物だ。

 

 一刀の装備は、メリケンサックの小指の方に幅8cm長さ20cmの両刃剣が付いた、なんとも珍しい武器だった。

 一刀はそれを、6本携行している。

 

 及川の装備は、靴に鉄を仕込ませたものであり、更には、足の脛部分の一番下に装着型の刃物が付いていた。 刃物の幅は12cm長さ30cm程。

 そう、及川は、独学で脚での体術を覚えているのだ。

 

 「それじゃ、行ってくる」

 「行ってくるで~」

 

 そして、二人の男は戦場へ去っていった。

 

 

 ――――――――――300人の賊が邑へと向かっている。

 

 「さ~ってと、今日は何が採れるかねぇ? なぁ、野郎ども」

 「「「ヘッヘッヘッヘ」」」

 

 なんとも汚らわしい笑い声が聞こえてくる。

 

 「・・・・んぁ?」

 

 親玉らしき人物が前方に見えてくる二人の影を捉えた。

 

 「なんだ? テメェら そこどきな」

 

 親玉は、懐に有る長剣を二人にチラつかせる。 しかし・・・

 

 「悪いな、此処を通りたければ・・・通行料を払ってもらおうか?」

 「ハァ!? 何ほざいて――――」

 「勿論! ・・・下種が払える通行料は、『命』だけや!」

 「・・・ッチ! 上等だ! 野郎共!やっちまえ!」

 「「「応!!!」」」

 

 300人の賊が、二人の御遣いに突っ込む。

 

 そう、是が・・・後に語れる――『双隣の陽陰』の始まりだった・・・。

 「ハハッ。 まるで、漫画のような場面だな・・・及川」

 「そうやな、思わず笑ってしまうで!」

 

 二人の御遣い。

 周りには、無数の賊が居る。そして、囲まれている。

 

 しかし、一刀と及川は、不敵な笑みを浮かべている。

 及川は、自分の眼鏡を中指で押し、一刀は、腕を交差させ、武器を構えている。

 

 二人は血を浴びる事は無く、血に溺れる事も無い。

 

 

 太陽を司りし、陽の御遣い―――――――――『北郷一刀』

 

 月を司りし、陰の御遣い――――――――――『及川 祐』

 

 

 今、二人の前に・・・敵は不らず(いらず)!!

 

 「だけど!!」

 「やからこそ!!」

 

 『『死ぬ訳にはいかない!!』』

 

 言葉と同時に、及川と一刀が突っ込む。

 及川は、カポエラーをしながら前進する。 彼の足に付いている刃が、カマイタチのように次々に賊を切り刻んで行く・・・。

 

 一刀は、唯走り、一閃を行うだけ。

 得物には、凝縮された、眩い気が刃の形を構成していた。

 そう、一刀は・・・気と、双剣と、拳を扱う者だった。

 一閃された賊は、上下を真っ二つに裂かれ、絶命している。 彼の気に触れたら最後、生き残る者は居ない。

 

 『『ウォォォオォォォォォオーーーーーーーーーーーーッッ!!』』

 

 戦場では・・・悲鳴と、雄叫び―――戦う音が絶えず響いている―――。

 一刀達が立ち去って、一体・・・何刻が経っただろうか。

 陽はもう、高く昇っている。 恐らく、昼だろう。

 

 生暖かい風が肌をすり抜ける・・・。

 妙に鬱陶しい。 揺れる自分の青い髪が、こんなにも邪魔だと思うのは初めてだ。

 

 不安と苛立ちが駆け巡る・・・。

 もし、一刀殿達が負けていたら・・・?

 

 自分は・・・この邑を守れるだろうか・・・。

 風殿と稟殿の策は最善だ。 被害は最小限に留まるだろう。

 

 しかし、戦いの指導者たる一刀殿が死んでしまっていたら?

 嗚呼、その時は・・・後悔だけで、戦えなくなるだろう。

 

 あの時、無理にでも止めていれば・・・彼等は助かっただろう。

 

 後悔ばかりで、救いようのない私だ・・・。

 

 

 ―――――――――――――陽が・・・もう・・・沈みそうだ。

 

 帰ってこない。 戻ってこない。

 

 心配が頂点に達したのか、邑の人が次々に門の外へと出てくる。

 その中には、風殿と稟殿も居た。

 

 「星さん! まだ・・・まだ・・・お兄さん達は・・・?」

 「・・・・・・・・・・・」

 

 私は唯、首を横に振る事しか出来ない・・・。

 

 「・・・・・・・っ!」

 

 涙を堪えていたのか、風殿は『双眼鏡』を取り出しながら・・・雫を散らす。

 

 

 ――――――――――刹那―――――――――。 より一層、強い風が吹いた。

 砂が目に入らないように、反射的に目を瞑ってしまった。

 

 そして、目を開けると・・・風殿が、双眼鏡を落としながら砂漠の向こうを見ていた。

 

 気になって私も、そちらを振り向く・・・・。 其処に・・・・。

 

 

 【Vサイン】を高らかに挙げながら、及川に肩を貸す北郷一刀が居た。

 

 

 

 【勝利のVサイン】

 是も、後に世界に語られる・・・勝ち鬨の合図である――――――。

 あとがき

 

 最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました!!

 

 初の戦闘シーンですが・・・クオリティの無さに、随分大まかに・・・orz

 

 風の性格が若干変わっている・・・? フフフ・・・作者色に染めたいという願望がですね・・・っていうか、単なる我侭ですw サーセンww

 

 今回は、『お笑い補正』ならずの『覚醒補正』が働きました!

 いやはや、補正って凄く使えますね・・・オラ、ビックリだ。

 

 及川君が予想以上に強かったです・・・オラ、ビックリだ。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・補正付きですがww

 

 さて、今後の展開ですが・・・次の話にアンケートを取りたいと思っています。

 皆さん! こぞって参加ください!

 

 それでは、次の投稿まで。

 See you again!!


 
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