どうも、FULIRUです
今回でようやく二回目の戦闘シーン挿入です。
上手く書けたかどうかは解りません。ですので、コメント頂けると嬉しいです。
追伸
もう一つの作品 『想い』の外史に集う戦士達・・・如何ですか?
面白そうでしたか?
それでは、どうぞ。
~孫策・劉備軍~
汜水関の城門が開いた
門には幾千の兵士と、将軍華雄が凛とした姿で出てきた
そして・・・。
「聞けえぇぇい! 孫呉の将兵達よ!」
孫策の怒涛の声が大地を震わせる
連合の呉以外の兵士全員を恐怖に落とす。まるで、虎が雄叫ぶように・・・。
「敵将軍 華雄は、愚かな事にも我が孫呉の牙門旗に刃先を向けた!
是は、完全なる宣戦布告である! 敵は虎を!呉を!我等を怒らせた!」
孫呉の兵士全員が奮い立つ
血に飢えた獣のように其の感情を沸々と沸き上げる
「時は熟した!今こそ、敵の喉元に喰らい付くのだ!!
全軍、抜刀! 突撃いいぃぃぃっ!!」
「「「オオオオォォォォオオオオオオォォォォォォオオオオォォッ!!!」」」
孫呉の兵士達は剣を抜き、汜水関へ向けて突撃をかけた
「我等も呉の兵士達に続く! 全軍突撃いぃぃ!! 真正面から叩き潰せぇぇ!!」
関羽が義勇軍・・・劉備軍の兵士殆どを連れて汜水関に突撃を仕掛けた。
「全軍! 戦闘準備! 敵は孫呉の虎だ!どんな手段でも生き残れ!
我等が主を悲しませるな!! 掛かれぇっ!!」
「「「オオォォオォォオオオオォォォォオオッ!!」」」
董卓軍の兵士達と孫策軍・劉備軍の兵士達がぶつかりあった・・・。
Side/孫策
戦いが始まって何人斬ってきたかしら?
まぁ、初めから数える気なんて無かったけど。大体500はいったかしら?
っていうか、何人居るのよ?! 多すぎでしょ!
いくら江東の虎と謳われた孫策でも疲れを知らないわけがない。既に息を切らし、口と鼻の両方で息をしなければ呼吸困難になる程であった。
幾百の人間の血を浴びて、彼女の衣服は全身真赤に染まっていた。
得物である『南海覇王』も血が滲んで黒く変色してきていた。
ヤバ・・・。 血、浴び過ぎて 興奮・・・してきちゃったかも・・・。
そう、彼女 孫策は、戦場において一度興奮してしまうと手が付けられなくなる厄介な癖を幼い頃から持っていた。
体が熱く、焼けるような感覚と獣が持つ『狩猟本能』のようなものが彼女を支配して行く。 其の眼はまさしく『虎』そのものであった・・・。
「雑魚に用は無い! 死にたい奴だけ向かって来い!! 我が名は華雄なり!」
不意に、そんな声が聞こえてきた。 御陰で興奮は収まりつつ、状況把握が出来る程に脳の活動も緩やかになってきた。
そんな中、斧を振り回す懐かしき面影--華雄が目に映った。
相変わらず、豪快に振るわねぇ~・・・。
馬鹿力は昔のまま・・・か。
思わぬ再会であったが、其れも悪くない・・・と
感傷に浸る孫策だが、昔を懐かしむ程此処は穏やかな場所じゃない
気合を入れ直し・・・
「我が名は 孫策 字を伯符! 将軍華雄よ、一手、手合わせ願おうかしら?」
虎は、華に歩み寄る・・・。
Side/華雄
一体、どれ程の時間が経っただろうか。
数々の昔の同胞を葬ってきた。それでも、向かってくる敵
きっと、私の事を知らない奴が殆どだろう。唯の敵、そう思っているのだろう。
ッフ・・・。 自業自得だな、華雄よ。 あの日、逃げなければ・・・私は、あそこに居られたのだろうか? 私に勇気が有れば、皆は許してくれたのだろうか?
否、今はどうでもいい。 昔の事などもう捨てたのだろう? その証として、真名も棄てた・・・そうだろう?華雄。
そう、今の私は私だ。 過去も未来も関係無い、今居る私が在る・・・それだけで良い。
斧を振り回し、敵を薙ぎ払う。 一気に4,5人が上下両断された。
今の華雄は正に、『一騎当千』と呼ぶに相応しいだろう。 彼女の強さは戦う兵士に恐怖を植え付けてゆく・・・。
『畜生! 化物がっ!!』 『こんなの、本当に倒せるのか!?』
『た、、助けてくれぇえっ!!』 『に、、にげ! 逃げろぉぉおぉおお!!』
数々の悲鳴と不安が入り混じる。
それでも彼女は平然を保つ。 そうでもしなければ・・・同胞を殺してしまったという罪悪感に押し潰され、泣き崩れてしまう・・・から。
「雑魚に用は無い! 死にたい奴だけ向かって来い!! 我が名は華雄なり!」
必死の訴えだった。
これで、退いてくれと、もう向かってくるなと・・・そう訴える。
だけど・・・。 彼女だけは違う・・・。
「我が名は 孫策 字を伯符! 将軍華雄よ、一手、手合わせ願おうかしら?」
ずっと・・・ずっと逢いたかった人・・・。
ずっと・・・ずっと謝りたかった人・・・。
やっと・・・。 やっと出逢えた・・・。
だけど、歓喜に浸るわけにはいかない。 今は・・・敵同士だから。
華は・・・虎に向かい、其の身を咲かす。
「ようやく来たか・・・。孫策」
「随分な物言いじゃない。 割と必死だったのよ?」
息を整えながら返り血を払い、華雄を見つめる孫策
其れを見た華雄は、唇が緩みそうになった。
今すぐ抱き締めて、再会を喜び合い・・・彼女を支えたいと、体が勝手に動きそうになる。 しかし、3年間・・・裏切り続けてきた自分を受け入れてくれるか?という恐怖と罪悪感に縛られた華雄に其の権利は無い。
そう、彼女自身、解っている・・・解っているからこそ過去を棄てた。
だからこそ、戦うしかないのだ・・・。と自分に言い聞かす。
「江東の虎と謳われている貴様がこの程度で地に伏せるか?
随分と非力になったものだなぁ? 孫伯符!」
「・・・言ってくれるじゃない」
そう、彼女達は戦うしか道を進めない。其れに、第二の道は無い。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
剣と斧を構え、集中力を体全体に纏わせる。
其の眼に映るのは目前の敵・・・唯一つ。
周りは既に別の世界と化す。 二人が自分達だけの戦場に入り込み・・・殺し合う。
刹那
兵士と兵士による、剣と剣がぶつかる金属音が鳴り響く。
其れを合図に、二人の少女はぶつかり合う・・・。
「チッ! オォォォォォ!!」
「ハァァァァァ!!」
華雄の斧が風の流れを無理矢理抉じ開け、唸りながら孫策を襲う。しかし、斧の柄の部分を剣の平らな部分を盾とし、流す。
其処から切りつけようと下から上へと切り払うが、切れたのは華雄の髪だけだった。
一度距離を置き、再びぶつかり合う。
二人がぶつかる度に大地が揺れ、大気が揺れる錯覚に襲われる。
華雄の斧が孫策の腕を掠り、肉片を少し断った。そして、孫策の剣が華雄の頬を掠り、血痕が散る。
「ハァァァァァッ!!」
斧を上段から払い、下から切上げ、回転しながら右から左へと振り払う。そして、斧の先端に付けられた棘を利用し、三段突き。
華雄の戟が孫策を切り刻む。 孫策の体が見る見る内に切れてゆく。
「デェェェェェイッ!!」
三段突きを辛うじて防いだ孫策は、剣を突き刺して、突きを仕掛ける。華雄の肩が少し切れた。其処から派生させる上下に繰り返し二回振り下ろしと切上げによる剣戟。
華雄もまた、体中に切り傷が生まれる。
周りに数々の血と肉片が飛び散る。
其れは、血生臭いとは生温く、表現するにはあまりにも残酷な風景・・・正に生き地獄だった・・・。
鈍い金属音が鳴り響く・・・。 鉄と鉄がぶつかる度に火花が散る。
斧が振り下ろされる毎に砕け散る大地・・・。
剣が振られる度に切り裂かれる大気・・・。
そして、二人の少女が切り合う度に流される血・・・。
血は大地に付着し、黒く染まり、変色する。
戦いが始まってからどれくらい経っただろうか・・・。 二人の少女は血に濡れ、血に溺れている。 服は赤黒く染まってしまった。 視界は狭く、ハッキリと見えなくなっていた。
言葉に成らない雄叫びと共に、華雄は斧を斜めに叩きつける。 声と成っていない叫びと共に、孫策は剣を切上げる。
二人の腕の感覚は既に無く、立っているのか、浮いているのか自分でも解らないほど疲労という名の『蛇』に取り付かれていた。 肩で息をしていても、呼吸していないのかと錯覚してしまう程に自分の状態に目眩がした。
「強く・・・・なったじゃない・・・・桜花」
「其の・・・名前は・・・・とうの昔に棄てた、さ・・・雪蓮」
バカ、棄てたなら・・・なんで私の真名を言うのよ・・・バカユウ。
でも、本当に・・・・本当に・・・
「本当に・・・強くなったじゃない・・・」
「・・・・・・・・」
嬉しかった。 昔から彼女が背を任せられるような女に成りたいと願ってきた。
その彼女から、強くなったと認められた・・・。だけど、其れも・・・もう昔の記憶の断片・・・。 だから・・・・だからこそ!!
「孫策よ、お互いにもう限界だろう? ならば、付けよう・・・決着を・・・次で」
「・・・・えぇ。 そうね」
斧を杖代わりに立っていた華雄が再び、構えを取る
膝を着いていた孫策が凛とした姿勢を取り戻し、剣を構える
再び立ち上がる二人の少女
疲労は限界に達している・・・。 常人なら既に過労死で絶命する程だ。
しかし、構えに曇りは無く、得物が震える事は無い
風すら吹かない状態だった。
そして・・・・。
二人の少女の頬から流れた汗の雫が宙を舞い、弾け・・・・・
紅き雫が舞い散った・・・。
華雄の斧は、孫策の左肩を叩き、砕いた。
孫策の剣は、華雄の右腹を突き、穿った。
沈黙がその場を流れ、支配する。
そして、血は滲み・・・少女二人は、無情な空を見上げ・・・意識を暗闇へと無くす。
「「「「「か(し)、、 華雄(雪蓮)――――――――――――――――っ!!!」」」」
数々の少女の悲鳴
しかし、もう二人に其れは聞こえていない・・・
唯、在るのは走馬灯の如く過ぎた『時間』という名の記憶だった・・・。
無情な空は『涙』という名に相応しい雨を、大地に恵むようにして、其の場を覆った・・・。
しかし、其の雨は・・・血を流す事は無い―――――――――。
あとがき
どうも、FULIRUです
さて、二回目の戦闘シーンですが・・・如何でしたか?
二人の戦闘が細かく思い浮かべられたと言ってくだされば嬉しい限りです。
ご感想、ご意見等が有れば 是非ともコメントをください!
さて・・・と、後処理どうしようかなぁ~・・・。(物語的に)
それでは、さよ~なら~。
大地に恵みを齎す雨
しかし、時に雨は悲劇を生み出す『涙』と化す
虎と華が流す雫は、悲しみの意
少女に齎す雨は恵みか、それとも―――。
そして、雫は乾く・・・・。
次回 真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第十五話
『雨流れる夜 少女は泣いて・・・』
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真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第十四話 です
今回で二度目の戦闘シーンですが・・・果たして上手く描けたか・・・。
感想が有れば、是非ともコメントしてください。
ではでは、どうぞ!