No.145997

蒼き槍の雀蜂

mohee32さん

またやってしまった・・・
中二病作品・・・orz
これ・・・続く・・・のか・・・?
※よく言われること「お前三点リーダー使いすぎ」

2010-05-28 02:07:16 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:592   閲覧ユーザー数:583

何故だ・・・・・・

 

何故お前がここに居る・・・・・・

 

お前は確かに俺が・・・・・・

半年前・・・雪の降る夜だった

 

俺たちは大妖狐を追って山道を駆けていた

 

奴は深手を負って自分の巣に逃げ込んだ

 

それを追って俺たちは奴の巣に入っていった

 

それが大妖狐の罠だと気付かずに・・・・・・

 

 

 

「なんだかジメジメしたところねぇ・・・」

 

前を行くのは漆毛族の女族長である黒豹のミユウだ

 

「そんなに先を急ぐなよ、いつ強襲を受けるかわかんねぇんだからよ」

 

後ろに続くのは剛爪族の族長である獅子のゲオルグだ

 

「全く、心配性なんだから・・・剛爪族の長が聞いて呆れるわよ?」

 

ゲオルグの方を振り返り、おどけたようにミユウが笑った

 

「前を向いてないと危ないぞ・・・ここは大妖狐の巣なんだ、何があっても」

 

その時、ゲオルグの目の前からミユウの姿が消えた

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

上からの悲鳴にゲオルグは咄嗟に見上げた

 

「なっ・・・・・・!?」

 

ゲオルグの目に映ったのは大妖狐の尾に絡め取られたミユウの姿だった

 

ゲオルグはすぐさま槍を構えると、壁を蹴って飛び上がった

 

「ミユウを離せ!!大妖狐!!」

 

だが九つの尾を持つ大妖狐にとって残りの尾でゲオルグを払うことなど造作もないことだった

 

「か・・・はっ・・・・・・!」

 

ゲオルグはあっけなく壁に叩きつけられ、肺の中の空気を全部吐き出させられた

 

「ゲオルグ!!このっ!!離しなさいよ!!」

 

ミユウも呪術を使おうにも、呪紋を描くための腕を封じられては成す術もないようだった

 

抵抗が無くなったのを確認すると、大妖狐は徐にミユウを胸の呪紋へともっていった

 

「させるか!!」

 

ゲオルグは再び槍を構えて突進するが、挿げなく払われた

 

見上げるとすでにミユウの体は半ばまで大妖狐の中へと取り込まれていた

 

「ミユウ!!」

 

動かない体で叫んでは見たもののミユウの反応はなかった

 

ミユウの目からは光が失われ、口はだらしなく開いていた

 

ゲオルグの体がようやく動くようになった頃、ミユウの姿はそこにはなかった

 

「み・・・ゆう・・・・・・ミユウぅーーーーーー!!」

 

ゲオルグの中で何かが崩壊した瞬間だった

 

ゲオルグは槍を両手で大上段に構えると、大妖狐に向かって突進していった

 

先ほどまでと同じように迫る尾を袈裟懸けになぎ払い、次の尾をしゃがんでかわすと、ゲオルグはそのまま飛び上がり大妖狐の胸の呪文めがけて力任せに槍を叩き込んだ

 

「おおおおおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉおおぉおおおお!!」

 

ビシッ・・・・・・

 

その時、嫌な音が聞こえた

 

ゲオルグが手元を見ると、槍に亀裂が走っていた

 

その亀裂は一気に広がり、槍は砕け散ってしまった

 

「そん・・・な・・・バカ・・・な・・・・・・」

 

大妖狐の尾に払われ、再び壁に叩きつけられたゲオルグは、放心した目で砕けた槍の柄を見つめていた

 

その時ゲオルグの頭に声が響いた

 

(なにやってるのよ、ゲオルグ!!しっかりしなさい!!)

 

「ミユウ!!何処だ!!」

 

ゲオルグは辺りを見回したが、何処にもミユウの姿はなかった

 

(落ち着きなさい、ゲオルグ・・・私は大妖狐の中よ)

 

(私の肉体はもう消滅してる・・・精神もそろそろ危ないかもね)

 

(だからこうやって話せるうちに言っておくわ・・・)

 

(私が取り込まれたのは大妖狐の核の中なの)

 

(どうやら取り込んだ者の霊力を糧に力を蓄えてるらしいわね)

 

(おそらく私を取り込んだことによって随分と力が上がってると思う)

 

(もうあなたのアレでしか倒せないくらいにね・・・)

 

(大妖狐を倒すには胸の呪紋にアレを叩き込んで、核を破壊するしかないわ)

 

(あなたなら出来る・・・私が唯一背中を預ける気になったあなたなら・・・)

 

(っと・・・たぶ・・・ん・・・・・・そろそ・・・ろ・・・)

 

(せいし・・・ん・・・の・・・ほう・・・かいも・・・はじまった・・・)

 

(みた・・・・・・いね・・・・・・・・・・・・)

 

(これ・・・が・・・・・・さい・・・・・・ご・・・・・・・・・)

 

(わた・・・し・・・・・・ね・・・・・・・・・あな・・・・・・たの・・・)

 

(こと・・・・・・が・・・・・・す・・・・・・き・・・だっ・・・・・・・・・)

 

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

それっきりミユウの言葉が聞こえることはなかった

(アレを使えば大妖狐を倒すことは出来る・・・)

 

(だが・・・核の中にあるあいつの魂は・・・・・・)

 

その時大妖狐が徐に出口に向かって歩き出した

 

(アレが再び外に出れば、集落は確実に壊滅する・・・)

 

(あいつと俺が守ってきた集落が・・・)

 

(何を迷っている暇がある?ここで立ち止まっている暇がある?)

 

(そんな暇は・・・ねぇ!!)

 

「待ちやがれ!!大妖狐!!」

 

大妖狐はゲオルグには目もくれず、出口に向かっていた

 

「へっ・・・俺のことなんて目にも入らねぇってか!!」

 

その時、ゲオルグの体から異様なまでの霊気が放出された

 

大妖狐がゲオルグを振り向き、胡乱気な目を向けた

 

辺りには青い燐光が漂っていた

 

「数多の蜂の精霊よ その身に蒼き燐光を纏て 我が右手に集い 一本の蒼き槍を紡ぎ給え」

 

その光がゲオルグの手に収束したかと思うと、ゲオルグの手には一本の青い槍が握られていた

 

ゲオルグは天井に届かんばかりに跳躍すると、体を弓のようにしならせ槍を振りかぶった

 

「彼の者の心の臓を射貫け!!蒼き槍の雀蜂≪ディーヴェスペアデアブラウウェンランツェ≫!!」

 

大妖狐の胸に向かって蒼き槍が走った

 

「爆ぜろ!!」

 

槍は呪紋のど真ん中に突き刺さると、半ばまで埋まったところで爆ぜた

 

ビシィ・・・・・・

 

何かが砕ける音と共に、大妖狐の体がかし傾いでいった

 

 

 

(これで・・・良かったんだよな・・・ミユウ・・・・・・)

「何故お前がここにいる!!ミユウ!!」


 
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