No.145536

真恋姫無双 美陽攻略戦 第二十二ターン

Thyleさん

第22回目の投稿です。
読みにくい点やあやしいニホン語があるかもしれませんが、宜しくお願い致します。

作風変えたけど、読みやすいでしょうか・・・
第三次『喪え喪え』計画発動!!・・・あれ・・・

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2010-05-25 23:06:17 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:1214   閲覧ユーザー数:1116

 

美陽攻略戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             (はじめに)

 

 

 

 

 

                    狂乱の宴のあとには……

 

 

                  

 

 

 

 

 

 

 

第二十二ターン

 

 

 

 

 

             「そうやはり、官軍からの間者だったのね」

 

                

 

                 味方である官軍からの間者

 

 

 

一刀は首を傾げた。

「アンタの知っている董家に関してだけど……」

詠は一刀に月達の置かれている現状を説明した。

 

 

そもそも董家は、超名門袁家とまではいかないが

武家としてはかなり力をもつ一族であり

その影響力は本拠地である并州の大小の武家のみならず

軍閥の盛な涼州の武家や異民族にまで影響力を持っていた。

 

それを脅威と考えた朝廷はその勢力をそぐ為に月が董家当主になると

朝廷は様々な手法でその権勢を落とすよう仕向けてきた。

 

 

そして、今回の戦自体も当初は朝廷から派遣された官軍が出陣するが

隣州である并州の刺史である月に州軍の派遣の御下命が下った。

 

 

「朝廷でのボク達の敵を探る必要があるという訳なの」

「詠、何故俺にそんな話をするんだ」

 

 

               詠は邪悪な顔をして一刀に言った。

 

「アンタ、

 一応月の『お・兄・様』なのよ。

 となれば連中は真っ先に、ア・ン・タを暗殺にくるんじゃない。

 だからア・ン・タも一蓮托生なのよ」

 

 

          詠の話を聞いた一刀はわざとらしく大きなため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

そのあと、詠と別れた一刀は陣内をぶらぶらしていると

先の公演が終了して数人の側近を引き連れた月に出会った。

 

                      お兄様

 

月は一刀に会って嬉しそうに近寄り、一刀の腕を優しく握った。

 

「ちょうどいい所でお会いしました。お兄様、一緒に来てください」

 

そう言うと、月の周囲を囲っていた側近達は一刀を羽交い絞めにし

月と一緒に月の天幕へと連行されていった。

 

 

月の天幕の中では簡単な調度品が設置され、その中央には

2人の侍女が黒布と金であしらった鎧を鎧掛けに広げていた。

 

                     「この鎧は?」

 

防虫効果のある草から染め上げた漆黒の布地に金糸により装飾

され、年代物ではあるが一目で高価な品であることがうかがえた。 

 

一刀は革鎧を指差して月に質問した。

「はい、

 何分ここは戦場になりますので……

 万が一を考え、兄様に着て頂きたく準備いたしました。」

 

月に試しに着用するように促されて

侍女たちの助けを借りて鎧をまとう手助けをしてもらった。

 

 

一刀が身に纏った鎧は、日本の鎧兜とは異なり軽く

まるで一刀の為に作られたようであった。

 

 その様子を見ていた月に至っては

              ふぁ~ とため息をついて顔を赤くして見惚れていた。

 

 

月に見られて一刀は

恥ずかしさに耐えられなくなったので鎧を脱ぐといって

 

 

 

 

                   上半身裸になった……

 

 

 

 

 

 

 

 

                   「・・・月、居る。」

 

 

 

いきなり天幕に入ってきた詠、ねね、恋は、

 

 

 

                    上半身裸の一刀

 

 

                   顔を赤くしている月

 

 

 詠は何度か交互に見て

   

 ねねは両手を頬に当て驚き

 

 恋はボォーと成り行きを静観

 

 

 

 

                    「死罪確定!!」

                

                  「女の敵、天誅なのです!!」

 

詠は一刀の腹の水月めがけて拳を叩き付け、

ねねは全体重をかけた重い跳び膝蹴りを一刀の頭部めがけて炸裂した。

 

 

 

                      ぐほッ!

 

 

 

完璧に急所を叩きつけられた為に一刀は悶絶してその場に倒れこんだ。

「アンタ、今から戦になるという忙しいときに何をやっているの!」

「そうですの!このヘボ主人!!」

 詠とねねは倒れた一刀に足でトドメを刺すべく蹴りを入れた。

 

暫くして、月がキチンと事情を説明したことから、

一刀は詠から無罪放免されたがギロと睨まれ

 

 

              次やったら コ・ロ・ス という威嚇を受けた。

 

 

さてと、

詠は気分を変えて一刀に一瞥してあることに気づき月に言った。

 

「エッ! 月、いいの? この鎧は、確か董家の当主の……」

 

と言い掛け、頭を振っていくら親友でも、

董家の事情に干渉してはならないと考え直し

本来の目的を伝えるべく月に話した。

 

 

 

 

 

 

「月、

 先ほど伝令が出て朝廷から派遣された官軍は

  長安を出てもう数刻したら到着するそうよ」

 

詠は月に伝令から受け取った木簡を見せた。

 

長さにして二尺(約46cm)の木簡を広げた月の脇で

お腹を撫でながら一刀はそれを覗き見た。

 

 

 

                     ゲッ、漢文

 

 

 

一刀はイヤな顔をしたが、一刀の乏しい漢文知識では

これは文章として成り立ってないことに気がついた。

 

「月、俺よく判らないけど、これ文章になっているの」

一刀が質問すると、月は一刀が不思議に思っているのが楽しいのか微笑しながら言った。

 

 

「これは、詠ちゃんが考え出した暗号文なんです」

一刀は感嘆をあげながら詠を見ると、

 

           詠は

             ふふーんと小ぶり胸を精一杯に張っていた。

 

 

そのような詠を見て、チョツト哀れに感じる一刀であった……

 

 

 

 

 

 

 

 

月の説明によると、通常伝令が捕まったりした場合その持っている

書簡が敵の手に渡ったときには最悪の場合、敵の手の内を踊らされてしまう場合がある。

 

 

       そこで、世に鬼才と言われる賈詡は特殊な木簡の作製方法を編み出した。

 

 

この木簡の束のある一部の木簡を抜くと、

それに連動して他の木簡も解けるような仕組みになっており

この解けなかった部分の木簡を読むことにより本当の文章が出てくる。

しかし、指定された木簡以外を抜くと違う木簡が抜け、デタラメな文章

が出来上がるという仕組みの通し糸で木簡は結合している。

 

 

月は不要な木簡を取り除いて、肝心の本文を読んでいた。

       

                   「詠ちゃん・・・」

 

と言って月は木簡を詠に渡すと、

詠はそこの書かれている文章を何度も読み返し

次第に青ざめた顔になっていった。

 

 

「詠、木簡にはなんて書いてあったんだ」

一刀は気がかりになり詠に木簡の内容を話してくれるように促した。

 

 

 

 

 

 

 

 

         「……派遣される官軍は八万ではなく、

 

             四万しか動員されず、その為、貴公の善戦を望む……」

 

 

 

             詠が話してくれた内容を要約すると

 

 

朝廷では動員八万人を決定したが、各地において集団的な暴徒が発生した為

それらを鎮圧するのに官軍を派遣する必要性が発生した。

その為、一地域の賊軍を制圧するのに官軍八万は多いことから四万に削減して

賊軍を制圧しろとの趣旨であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朝廷は何を考えているの!

 ここが敗退したらすぐ長安は陥落し

      目と鼻との先である洛陽も同様になるのに。

  朝廷の大臣や将軍たちは目先の小競り合いと

            本当に必要な戦いの区別がつかないの!」

 

詠は騒ぎたて、月は不安そうに考えこんでいた。

 

 

 

 しばらく、

 詠はあたりを行ったり来たりしており、

 月に関しては目を閉じて何かを考え込んでいた。

 そして、詠とねねは思いついた、いくつかの策を月に言った。

 

 

 

 

         これから、長安周辺にある幾つかの邑から徴兵する。

 

 

 これに対し、月の判断は却下を下した。

 

 

        これから集められる兵には限りがあるし、調練されていない者

        を数合わせの兵としたところ損害が増えるよ。

        更に時間的余裕がなく民の恨みを買うからダメだよ。

 

 

         これから、長安に後退して長安で籠城戦に持ち込むのです。

 

 

 月は顎に手を当てて暫く考えたが却下と言った。

 

        

        防衛としては問題がないケド、木簡に書かれた兵と私たちの兵

        を合計すると約六万人。その為長安に備蓄されている兵站の消

        費が早く長期戦に持ち込めない。

        また、長安の民を戦火に巻き込んでしまうのは私としてはでき

        れば避けたいよ。

 

 

 

         これから、騎兵だけで編成し、賊軍に奇襲をかけ先手を討つ。

 

 

 月は条件次第と言った。

 

 

        奇襲をかけるには賊軍さんを出来るだけ近づけなければ奇襲に

        ならない。逆に奇襲に行った騎兵が先行しすぎて孤立して最悪

        な場合には全滅するおそれがあるよ。

 

 

 

 

 

 

 

月達のやり取りを聞いていた一刀は

当初は可愛らしい女の子たちだと思っていたが、

双方が軍略を練っているのを見ると

やはり三国志の本物なんだと軽い感動を覚えた。

 

 

しかし、一刀はふと何か無いことに気づき、激論を重ねている月と詠に質問した。

「月、ここいらの地図はないの?」

「ふぇ、地図ですか・・・・詠ちゃんここいらの地図ある?」

月に言われて詠は思い出したかのように鍵の掛かった長持ちから

布製の大きな地図を取り出した。

 

 

              一刀は詠からその地図を借りて広げてみた。

 

「ここが長安で、

 賊軍が占拠している県城美陽はココ、

  で今現在ボクたちがいる場所はココ・・・」

 詠は地図に描かれている戦略地点を指差して教えてくれた。

 

             暫く地図を眺めていた一刀は、月に質問した。

 

「派遣される官軍は四万で、月たちの駐留軍は二万なんだよね」

 月はその質問に頷いて肯定した。

 

今度は詠に対して賊軍の数はどれくらいで、どのように駐留しているのかと聞いた。

 

詠は賊軍は約八万、そのうち羌族ー異民族の助力が三万だから、実質五万人位いる。

そして、それらは県城である美陽に駐留しているのではなく、その周辺に布陣している。

これは羌族を中心とした大騎兵軍団があることから、その機動力を活かすため城内いるより

郊外にいた方がいいから。

 

 

           一通り聞き終えた一刀は思案して、質問した。

 

         「大騎馬軍団を持った敵の大将だったとして

            相手が不利な平原に駐留していた場合

                月たちだったら、どのように攻撃する?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              月と詠、ねねはそれぞれ少し考えながら言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    「ボクだったら敵兵力の倍の兵をかき集めて、短期間で包囲殲滅する策を立てる。」

 

 

 

    「わたしでしたら、詠ちゃんと同じように短期決戦を前提に最大限の兵を動員します。」

 

 

 

    「ねねとしては、初戦で大打撃を与える為に野戦にして相手の士気を挫くのです。」

 

 

 

               その回答を聞いた一刀は悪辣な表情で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      「と言うことは、

          三人とも拠点となる県城の防衛には最低限の兵しか割かないと・・」

 

 

 

 

 

 

          これを聞いて詠は一刀の真意が判り、驚愕しポカーンとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         「アンタ、まさか・・・派遣された官軍をエサにするつもりじゃあ・・・」

 

 

 

 

              このときの一刀の顔は、天の御遣いというより

                 悪魔の使者のような笑みを浮かべ

                     月達はその一刀の顔に魅入られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (あとがき)

 

 

       はじめまして、この度は 真恋姫無双 美陽攻略戦 第二十二ターン

 

       をご覧になって頂きましてありがとうございました。

 

 

             大豪院邪鬼「萌えとはなんぞや・・・」

          

        萌えとシリアスの融合・・・ムズいですね。意図的にココに

        読者様は萌えると書いたつもりだったのが別の場所が好評だったり

        ニンゲン何に萌えるかわかりませんね。

 

        

 

       最後まで、本編を読んで頂きまして大変ありがとうございました。

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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