時は今を遡る事約1800年、時の王朝漢は既に国としての機能を失いつつあった。
王朝の中枢までもに汚職に手を染める者が蔓延り、買官が当然のこととなった時代、弱き者を助けることを使命とする王朝が民に重税を課し、国の基礎である民をないがしろにするような時代。
いつの世も最も被害を被るのは力を持たない民達、理不尽なまでの力には敵わずただ己の無力を嘆くのみ。
それは天の摂理なれど、そこより道は開かれる。
民衆を苦しませるも天の摂理ながら、民衆を救うのも天の摂理。
明けない夜は無い様に、絶望の果てには希望の光が差し込むのだから。
しかし忘れてはならない。
天は手助けをするのみであるということを。
そして努力せぬ者には手を差し伸べないことを。
たとえ無力な者であっても二人、三人と力を合わせれば何かを成す事が出来るのだから。
多くの者が己の無力を嘆きつつも何もしない中、立ち上がらんとする者もいた。
今の王朝に見切りをつけ、己が皇帝に代わらんとし、覇道を突き進む少女。
民の平和を求め、弱きものに慈愛の手を差し伸べつつ自らを阻むものには一切の容赦無く立ち向かう少女。
そして、平和を愛し、民を救わんと立ち上がった心優しき少女。
少女達が己の道を突き進もうとする中、大陸にある予言が流れ始める。
曰く、『治乱れ、民が平和を望むとき、天より飛来する流星と共に天より遣われし御遣いが世を導き、乱を治めるであろう』とのこと。
その予言は大陸中を駆け巡り、民に希望を与え、少女達に夢を抱かせる。
その予言は一人の少年の人生を変え、そして心をも変えることとなる。
そして、少年が選ぶ道の果ては……
それは天にも……否、誰にもわからない。
だが一つだけ分かることもある。
たとえどんな道を歩こうとも、それは多くの民が待ち望むものにたどり着くであろう事。
そして多くの笑顔と引き換えに、多くの涙が流れるであろうこと。
そしてその発端は今開かれる。
一陣の流星と共に……
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恋姫無双二次創作物です。
作者初投稿の為至らないところが多々あるとは思いますが、温かい目で見守っていただけたら幸いです。