No.141798

清・恋姫無双 第六話 宴の中で…

CANTYさん

妄想120%で書きました。後悔はしていない!

2010-05-08 16:45:20 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3983   閲覧ユーザー数:3454

 

 

 

 前回までのあらすじ……

 

 

 

 盗賊討伐に赴いた白蓮たち、桃香たちの活躍もあり完全なる勝利を手に入れることが出来た。

 

 

 

 これから起こるであろう動乱の世に一抹の不安を抱えつつ、彼女たちは宴を開くのだった……

 

 

 

 

 

 

 

「白蓮、ありがとう。こんな宴を開いてくれて」

 

「私からも礼を言わせて頂きたい。感謝します、白蓮殿」

 

 すでに宴は中盤に差し掛かり酔いが回っている桃香に代わり、白蓮に感謝の礼を述べる愛紗と一刀。ちなみに鈴々は疲れもあったのか、目いっぱい料理と酒を胃に収めると眠ってしまい、宴の場からは離れていた。

 

「良いんだ、気にするな。お前たちが活躍してくれたおかげで、こっちが圧勝することが出来たんだからな。そのお礼みたいなもんだ」

 

「くっ、やっぱり白蓮はいい人だな(泣)」

 

「ちょっ、なんだよ。照れるじゃないか///」

 

 と、そこに足元がおぼつかない様子で桃香がやってきた。相当酔っているようだ。

 

「ご~しゅ~じんさま~、たのしんでる~?」

 

「……桃香。大丈夫か?」

 

「だ~いじょうぶだよ~」

 

「申し訳ありませんご主人様。まさか桃香様がこのようになるとは……」

 

「いや、愛紗が謝る事じゃないよ。それに今日ぐらいいいじゃないか、最近は政務や討伐ばっかりで大変だったんだから」

 

「そう…ですね。我々も楽しみましょう」

 

「そうだぞ愛紗、今日ぐらいお前も素直になれば良いのだ」

 

いつの間にかいた星が愛紗に話しかけていた。

 

「///なっ!?何を言っているのだ星!?」

 

「(ボソッ)普段、思いの丈を打ち明けられないのならば、酒を利用するのもひとつの手だと言っているのだ」

 

「//////」

 

「(///私もいけるかな……)」

 

「あ~、星もかなり酔ってるな」

 

「そんなことはありませぬぞ。……それにしても北郷殿。酒が進んでいないように見えますが」

 

「(ギクッ)い、いや。ちゃんと飲んでるよ(汗)」

 

 その言葉に急に動揺し始めた一刀の表情を見て、星は不敵な笑みを浮かべていた。

 

「(ニヤッ)でしたら、これを飲んでは頂けませぬかな。私のお気に入りなのです」

 

 星は懐から徳利を取りだし、いかにも度数の高そうな酒を盃に注いでいた。

 

「そ、そんな大事なもの、俺なんかが飲むわけには行かないよ」

 

「おやっ、北郷殿は私の酌を断るのですかな」

 

「その気持ちだけでも受け取っておくよ……」

 

「ダメだよ、ごしゅじんさま~、ぜ~んぜん飲んでないもん。ちゃんとお誘いは受けないと~」

 

 桃香はいつの間に彼の後ろから両手をがっしりと固定していた。

 

「なっ、桃香!?動けない!どこにそんな力が?」

 

「えへへ~、つかまえた~。星ちゃん、やっちゃって~」

 

「ま、待て二人とも……落ち着けって」

 

「問答無用ですぞ。素直に受け取っておけばよいのです」

 

 星は徳利を持ちながら近づいてくる

 

「う~~、こうなったら……愛紗、白蓮!助けてくれ~!」

 

 一刀は二人に助けを求めたが、

 

「「(ご主人様(北郷)に…………///)」」

 

二人とも上の空であった……

 

 

 

「何故だ~~うああアアア!!!?~~ガボッ、ゴボッ、も、もうムリッ、ゲボッ」

 

「はっ!?私は今までいったい何を?って、ご主人様、大丈夫ですか!?」

 

「キュー……(バタン)」

 

 愛紗は一刀に声をかけたが、彼は答えることなく背中から倒れていってしまった。

 

「おや、もう終わりですか。存外北郷殿も酒が弱い」

 

「ごしゅじんさま~、おきて~。もっといっしょに飲もうよ~」

 

「何をやっているのだ二人とも!!ご主人様が倒れてしまったというのに!!」

 

「なに、心配するな。ほら、目を覚ましたではないか」

 

 ……ムクッ(上体だけを起こして)

 

「・・・・・・」

 

「……ご主人様?」

 

「……グスッ」

 

「「「??」」」

 

「……ひっく。……うっ……うぇぇぇぇぇん!」

 

「「「!!!!」」」

 

 突然、まるで人が変わったかのように泣きじゃくる一刀の姿は3人に激しい衝撃を与えていた。

 

「えっぐ、グスッ、……あ~いしゃ~」

 

 ガバッ

 

「///ご主人様、急に何をなさるのですか!?」

 

「だって、桃香と星が怖かったんだもん。愛紗は私のこと守ってくれるよね……《上目遣い+ウルウル》」

 

「「(グサッ!)ズーン……OTL」」

 

「(グハッ!)も、もちろんです。しかし、いきなり抱きつかれては困ります……その、嬉しいは嬉しいのですが……」

 

「……えっ?愛紗は私の事一人にするの?……うっ……《目に涙を浮かべる》」

 

「あ~~~!!違います、違います。このままで宜しいですから」

 

「(パアアアッ)ありがとう、愛紗!だぁいすき!!」

 

「はぁぁぁん」

 

 手をワタワタさせ必死に否定する愛紗。それを聞いた一刀は顔を輝かせ、その顔に愛紗は破顔してしまった。

 

 

 

 そして、今回の事を起こした張本人達はというと、先ほどの胸をえぐる痛烈な一撃から立ち直り、二人を見ていた。

 

「うう~~、愛紗ちゃんばっかりずるいよ~」

 

「そうですな。まぁ、我々にも原因はありますが……」

 

「うっ、それを言われると、何もいえない」

 

 あまりの衝撃にすっかり酔いから覚めてしまったようである。

 

「しかし、北郷殿は酒に弱い上に、人が変わるようですな(いつもの北郷殿も良いが、これもまた……)」

 

「そうみたいだね(ご主人様、かわいい~~)」

 

「これを肴にするのも良いかもしれませぬ(今度は、一人のときに……)」

 

 茉宏に犯してしまった事は反省していないらしい。というより、むしろ楽しんでいるように見えるのは気のせいだろうか……

 

 

 

 

…………

 

 今、一刀と愛紗は宴の中心から少し離れた場所に座っている(皆の視線からなるべく避ける為に愛紗がそこまで連れて行った)

 

 ちなみにどういう体勢かというと、愛紗は正座をし、その上で一刀が擦り寄っている。

 

「あ~いしゃ~(スリスリ)」

 

「(困った……このままでは私は……)」

 

 先ほどからずっとこの調子である。愛紗にとっては生殺しのような状態であり、理性が飛んでしまうのを必死で抑えていた。

 

「あっ、そうだ!愛紗、ちょっと待ってて」

 

そういうと一刀は愛紗から離れ、少しふらつきながらもどこかへ行ってしまった。

 

「えっ!?あっ、はい。(一刀が去っていく)……は~、危なかった。……しかし、これも良いかも知れん」

 

 愛紗はいつもの凛々しい姿とは違った一面を見れたことに喜びを覚えていた。しかし、その積極性に理性は崩壊しそうだったが……

 

……

 

「持ってきたよ~」

 

 しばらくして戻って来た一刀の手には、美味しそうな香りのする炒飯が乗せられた皿が乗せられていた。

 

「これは?」

 

「愛紗のために作って来たんだ。食べてみてっ♪」

 

「//////」

 

 満面の笑みを浮かべる一刀。それを間近で見た愛紗の顔は一瞬で茹蛸の様になった。

 

「どうしたの?顔が赤いよ」

 

「い、いえっ、何でもありません」

 

「まあいいっか。はいっ、あ~ん♪」

 

 なんと、一刀は自分で掬った炒飯を愛紗の口元へと差し出したのだ。

 

「なっ///!?そ、そんなご主人様に食べさせてもらうなど滅相もありません」

 

 顔を真っ赤にして、何とかやめさせようとする愛紗だったが、

 

「いいの!いつも愛紗には助けてもらってばかりだから、そのお礼なの!」

 

 めっ、と怒る一刀。こうなっては愛紗でも断ることも出来ず、しぶしぶ(?)食べさせてもらうことになった。

 

「ハイ、あ~ん。どう?おいしい?《身を乗り出しながら》」

 

「!!これは……!とても美味しいです!(それに、ご主人様が私のために……。しかも、食べさせて頂いて……もうここで果ててもいい……)」

 

 

 

 などと、愛紗が炒飯の味を噛み締めながら、不謹慎極まりない考えをしている頃……

 

 

 

「ううウウ~~~~」

 

「と、桃香殿!?(なんだこの気迫は……)」

 

「もう限界っ!私もご主人様のところに行く!」

 

「お待ちくだされ、桃香殿。今北郷殿のところに行っても怯えさせるだけですぞ」

 

「う~~~。でも、私もご主人様にスリスリされたり、あ~んとかされたいよ~」

 

「まぁ、今回ばかりは愛紗に譲るとしましょう。もう機会が無いというわけではないのですから」

 

「……そうだね。愛紗ちゃんも嬉しそうだし、邪魔しちゃ悪いよね」

 

「そういうことです。我々は我々で楽しみましょう」

 

「うん」

 

 少し残念そうながらも、義妹の嬉しそうな姿を見て納得してくれた桃香を見て、星は改めて彼女の優しい心を感じた。

 

「(北郷殿は罪作りな御方だ……)」

 

それは桃香を見ていったのか自分を見ていったのか、定かではない……

 

 

 

 

…………

 

 炒飯を食べ終えた愛紗は、再び一刀から擦り寄られていた。

 

「あの、ご主人様……ってあれ?」

 

「スー…スー」

 

 いつの間にか、一刀は愛紗の膝を枕にして眠っていた。

 

「(うっ、なんて愛らしい寝顔なんだ)ご、ご主人様、起きてください。このままでは風邪を引いてしまいますよ」

 

「う、うーん……(モゾモゾ)………スースー」

 

まるで猫のように縮こまって眠る姿は、愛紗の欲望を駆り立てていった。

 

「(はぁぁぁん)こ、ここでご主人様を起こしてしまうのも心苦しいな。かといってこのままでは……ならば!……いや、いっそのこと……」

 

 誰に確認するわけでもなく自分に言い聞かせるように囁く愛紗だったが、

 

「何を考えているのだ愛紗よ」

 

 いつの間にか愛紗の後ろには星が立っていた。

 

「ヒャア!?べ、別に一緒に寝ようなどと、そんなことは……」

 

「はぁ……それが本音というわけか」

 

「う、うるさいっ!と、それより桃香様はどうしたのだ。いっしょに飲んでいたのではなかったのか?」

 

「ああ、桃香殿は……」

 

「……えへへへ~ご主人様、カワイイよ~……」

 

 再び酒を飲み呆け、酔い潰れていた……(今は、机に突っ伏している)

 

「……桃香様……」

 

「二人ともお前の主だというのに苦労するな」

 

「そうした張本人が言う台詞ではないぞ……」

 

「おー、怖い怖い。まぁ、桃香殿もこの調子だともう起きぬであろうから、私が部屋まで連れて行く。お主は北郷殿を連れて行くといい」

 

「……かたじけない。では、桃香様をよろしく頼む」

 

 そういって、愛紗は茉宏を抱きかかえながら宴の場から去っていった。

 

 

「フフッ。やはり、北郷殿のところは良いところだな……」

 

 星は、二人が去っていくのを見てそう呟いていたという。

 

 

 

 

 

………………

 

~~次の日~~

 

「はぁ……どうして肝心なところで私はためらってしまうのだろう。せっかくの好機だったのに……」

 

 あの後、一刀を彼の部屋のベッドに寝かせることは出来た愛紗だったが、一刻も苦悶した挙句、自分の部屋に帰ることにしたのだった。

 

 今日になっても、その思いが振り払えなかったので愛紗は庭に行き一人で鍛錬を行っていた。

 

「しかし、昨日のご主人様は可愛かったな///」

 

と、そんなことを思っていると、そこにすさまじい剣幕で茉宏がやってきた。

 

「愛紗!」

 

「///ど、どうしたのですかご主人様。そのように慌てて」

 

「なんか、桃香が俺を見るなり笑顔で追いかけて来るんだ。星もニヤニヤした目で俺のこと見てくるし……」

 

「そ、そうですか(まさか、昨日のことで……?)」

 

「それに、昨日白蓮と話したところまでは覚えてるんだけどその後の記憶が……俺、どうなってたんだ?」

 

「い、いえ、特に変わったところはありませんでしたよ(汗)」

 

「ふ~ん、じゃあ何で今俺から目を逸らしたんだ?」

 

「あっ!?それは……」

 

「……愛紗さん、詳しく教えてもらおうか(ニコッ)」

 

「(コクコクッ!)」

 

 怖いぐらいまでの笑顔の一刀に愛紗はただ頷くしか出来なかった。

 

 愛紗説明中……

 

 

 

「///そうか、そんなことがあったのか」

 

「///……はい」

 

 説明が終わったころには二人とも顔を真っ赤にしていた。

 

「記憶をなくすからあんまり飲まないようにしてたんだけどな、ハァ」

 

「しかし、星は別として、桃香様はただご主人様に楽しんでもらいたかっただけだと思いますよ」

 

「……そうだな。それに、二人には気を遣わせてしまったみたいだし」

 

「!!……そうかもしれませんね」

 

 申し訳なさそうに答える一刀に愛紗はひどく心を揺さぶられた。

 

 桃香も、恐らく星も一刀に対して少なからず気がある事は彼女自身も薄々感づいていた。

 

 そんな二人が何もしてこなかったのは、自らの行動に責任を感じてのこともあるだろうが、恐らく自分のことを思って一歩引いてくれたのだろう、と今になって気付いた。浮き立つ感情が先行して、二人の思いにまでは気が回らなかったのだ。

 

 しかし、彼女達の好意に気付いているかどうかは別にして、今の説明だけでその気持ちを汲み、思いやることが出来た自らの主は、やはり自分の器では推し量れない存在なのだと実感していた。

 

「……よしっ!愛紗、教えてくれてありがとうな。俺、二人のところに行ってくるよ」

 

 そういって、手を振り去っていく一刀を愛紗はただただ見送った。

 

「ふぅ。ご主人様は優しすぎます。……でも、私の思いにも応えて下さいね」

 

 また一人になった庭で愛紗は自分の義姉と戦友に闘争心を燃やすのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いいんだ。どうせ私なんて忘れられる存在なんだ」

 

「白蓮はいいのだ。鈴々なんて名前しか出てないのだ」

 

 

 そんな声があったとか無かったとか……

 

 

 

あとがき(という名の言い訳)

 

どうも作者のCANTYです。

 

どうしても、話が説明口調になってしまいますね……

 

今回の話の骨組みはある程度出来ていたのですが、どうしてもオチが考え付かず、なんか無理やりな感じで終らせてしまいました。(こんな風に思ったっていいよね)

 

桃香のヤンデレ化、愛紗のジェライシャも考えましたがこの小説にそれはナシの方向で行こうかと思います。

 

 

 

それでは、次話もお楽しみください。

 

 

 

 

あと、白蓮・鈴々ファンの皆さん今回は存外に扱ってしまいゴメンなさい。

 


 
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