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真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第七話「都に潜む影の巣窟」

FULIRUさん

真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第七話です
今回は殆ど夜行のターンです
皆さんのご期待に添えたらいいな・・・と思い投稿します
是非楽しんでいってください

2010-04-07 00:38:42 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:2899   閲覧ユーザー数:2506

 どうも、FULIRUです

 

 真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第七話 投稿させて頂きました

 

 もう少し、もう少しで反董卓連合編に突入するのかな・・・

 

 展開速度はやや遅めですので、気長に見てやってください

 

 それでは、楽しんでいってください・・・どぞどぞ。

 Side/夜行

 

 今、思えば

 

 『あの』夢が全ての始まりだったのかもしれない

 

 俺が見た其れは、きっと一つの結末

 

 物語の終端  歴史の惨劇

 

 そして、再び繰り返される惨劇

 

 俺は、何をするために此処に来た?

 

 俺は、何の覚悟を持ってきた・・・?

 

 否、覚悟は在った。 あの世界からの離別の時に

 

 誓った、必ず帰ると 悲しませないと

 

 だけど、俺は何故・・・、何故またあの夢を見ている?

 

 俺に何が足りない? 現在(いま)の俺の何処が悪い?

 

 判らない・・・。 判るとすれば-----

 

 『俺は、今「出来る事」と「望む事」をするだけだ!』

 目が覚めた 其処はいつもの俺の部屋

 まるで、初めから『此処』に居たような

 そんな錯覚を覚える程、毎回見る天井は何も変わらない

 

 朝の支度を全て整えると

 夜行は、昨日話にあった軍議に参加した

 

 内容は、一刀が発案した内政方針の論議

     警備隊の報告、の二つ

     そして、軍議終了時に夜行が華琳に許可を求めていた

 

 「単独での遠征許可ですって?」

 「あぁ、一刀の知識を元に、少しある場所への視察に行きたい」

 「・・・行き先は?」

 

 少し華琳が呆れている

 当然だ、一刀が関連し尚且つ単独での視察

 これは、近々何か有ると華琳は予測していた

 

 「・・・首都『洛陽』だ」

 「・・・理由を聞いても良いかしら?」

 「言えない・・・と、いうか察してくれ」

 「・・・好きにしなさい。 但し!」

 「手ぶらで帰るつもりは毛頭無い」

 「なら、宜しい。 (ニコッ)」

 

 華琳はニッコリ微笑み許可を出した

 夜行は其れを聞くと早速、遠征準備に取り掛かった

 

 「夜行」

 「ん? 一刀か、何かあったか?」

 「否、今回の遠征について、少し」

 「判っていると思うけど、実際は董卓についての情報収集だ」

 「そっか・・・」

 

 そう、夜行は洛陽に視察しに行くと表向きでは言っているが

 裏では、一刀の知識がどこまで影響しているか

 其れを確かめに夜行は洛陽に出向こうと考えたのだ

 

 「えっとぉ・・・気をつけて」

 「・・・心配するな。 戦場に出るわけでも無いし」

 「それもそうか」

 

 互いにクスッ、と笑うと夜行は洛陽に向け出発しようとしていた

 

 そして、門前まで来ると

 

 「「まさか、華琳が見送りに来るとは・・・」」

 「何よ! 二人揃って同じ事を! 何か不服かしら!!」

 「否、不服というより・・・」

 「驚いたんだよ」

 

 夜行と一刀は息ピッタリに会話を連結させている

 其れを聞いた華琳は、呆れて物も言えずに頭を抱えていた

 

 「・・・安心しろ華琳。 おいしい情報を土産に帰ってくるさ」

 「そう、それは楽しみね♪」

 

 艶やかな笑みを浮かべた華琳

 苦笑した一刀と夜行

 

 「それじゃ、行ってくる」

 「「行ってらっしゃい」」

 

 そして、夜行の洛陽単独偵察任務が始まった・・・。

 夜行は許昌を出てから三日・・・

 

 無事洛陽に到着した

 

 「此処が首都『洛陽』か・・・」

 

 夜行はその場に棒立ちしながら周りを見渡した

 

 「まるで、死人の園・・・だな」

 

 そう、現在の洛陽に住む人々からは覇気はおろか活気すら見られない

 それどころか、まるで死に場所を求めて彷徨っているようにすら見えた

 

 酷い 腐ってやがる 来るんじゃなかった

 そんな悪態や、後悔が自分の心の内から泡のように膨らんできた

 

 これは、暫くまともに食事が食えそうにないな・・・

 

 裏路地に入れば、役人が金を巻き上げる・・・所謂カツアゲや

 其れから身を守るように民達(主に亭主)は、自分の娘だろうが女房だろうが

 躊躇い無く役人に売っていた

 

 (・・・ッチ! 情報を土産に帰る約束・・・破りたくなってきたな)

 

 当然の思考

 こんな情報、城に住む皆を激怒させる他ない

 

 そんな事を考えている間に・・・

 

 「それ以上、月に近づかないで!!」

 

 こんな叫びが聞こえてきた

 

 (なんだ? 森の奥・・・居た!)

 

 其処には、眼鏡をかけた少女と

 いかにも気弱そうな少女が居た

 

 眼鏡をかけた少女は気弱そうな少女を庇っていた

 周りに居たチンピラは彼女達を囲むようにして、薄汚い笑みをあげていた

 

 「ヒヒヒッ! これはこれは、中々上等な女じゃないか? ん?」

 「んだ んだ!」

 「そうですね! アニキ」

 「ジュルリ さてさて、其処の眼鏡の譲ちゃんからイッテみるか!」

 「「イェーーーイッ!」」

 

 そんな風にチンピラ達が喜んでいると・・・

 

 「なんで今日に限ってこうなるのよ!」

 「詠ちゃぁ~ん・・・・」

 

 詠と呼ばれた眼鏡の少女は月と呼ばれた気弱な少女に

 

 「月だけでも逃げて!」

 「で、でもぉ~・・・」

 

 そんな困惑している二人に

 

 「安心しろ、二人とも可愛がってやるよ! フヒヒヒッ!」

 「「ヒッッ!!!」」

 

 アニキと呼ばれた下種一号は少女達を舐めまわすように見ていた

 其処に・・・

 

 「おい、何をしている」

 

 黒き羽織を棚引かせ

 紅き髪が揺らぎ鋭く、彼の水色の瞳は下種共を怯えさせた・・・

 「な! なんだテメェは!」

 「さぁな、通りすがりの武芸者だ」

 「武芸者~? 関係無い奴はスッこんでいろ!」

 

 アニキと呼ばれた下種一号と

 チビっぽい奴下種二号が夜行に暴言を吐く

 

 「・・・・・・・・・・・・・き・ろ」

 「「「あ!!!?」」」

 

 下種共は彼・・・夜行の言葉を聞き取れず

 三人揃って耳を傾けた瞬間・・・。

 

 「目障りだ、消えろ」

 

 ズザァァァアァアアァンッ!! ザシュッ! ザシュッ! ザシュッ!

 

 鈍い音と共に、三人の首は赤い飛沫をあげながら宙を舞って落ちた

 夜行は言葉と共に、夜影を鞘から抜き一太刀で下種共を葬った

 

 「下種にかける情け無し・・・!」

 

 チンッ!

 夜影を鞘に収めた夜行は少女達に

 

 「・・・すまない、言い忘れていた。

  もう見たく無いなら、耳と目を塞げ」

 「・・・えっ?」

 

 眼鏡の少女は夜行が言った意味をよく理解出来ず

 困惑していた・・・が

 夜行は気にも留めずに言葉を発した

 

 「出て来い、其れで隠れているつもりなら殺す」

 

 夜行の言葉の先には・・・

 鎧を纏った兵士がゾロゾロ出てきた

 

 「コイツ等!」

 「知っているのか?」

 

 夜行はそう眼鏡の少女に尋ねるが・・・

 

 「少し、訳有りでね・・・」

 「そうか・・・」

 

 夜行が先ほどの兵士達に視線を戻した

 

 「小僧、余計なマネをしてくれたな・・・小僧。

  さぁ、其れを早く此方に渡せ」

 「・・・何だと?」

 「其れを寄越せと言った。

  判らぬなら、力尽くで返してもらおう」

 「力尽く? ・・・フンッ、雑魚風情が調子に乗るな」

 「どうやら、言葉が解せぬか。

  もういい、殺れ」

 

 兵士の言葉に、後ろから出てきた兵士達が

 剣や槍を構え、夜行に向かって突進していった・・・

 「・・・嘘」

 「・・・・・・凄い」

 

 眼鏡の少女は、見た光景が信じられなくて呆然としていた

 気弱な少女は、彼の剣戟を見ていて呆気にとられていた

 

 「そん・・・な、・・・バ、カな・・・」

 

 先ほどの兵士を束ねていた隊長格は

 夜行が投げた兵士の槍によって、右胸に位置する肺を貫かれていた

 

 「・・・グ! グボォッ! ゲホッゲホッ!」

 

 そんな隊長格に、夜行は・・・

 足で彼の頭を地に擦り付けて、踏み潰していた

 

 隊長格の兵士は、まともに息継ぎも出来ず

 呼吸困難に陥っていた

 

 「威勢が良いのは、最初だけか。 雑魚」

 「ウグッ! た、、助け・・・て」

 

 隊長格の兵士は、夜行に命乞いをしていた

 その目には、恐怖と後悔の色が染みていて、とても潤んでいた

 

 「・・・それだけか?」

 「・・・・えっ・・!?」

 「言い残すことはもう無い・・・な?」

 「そん、、ゴバァッ! ゴホゴホ・・そんな」

 

 彼の顔から血の気が引いていった

 同時に、体全体に震えが走り涙を流していた

 

 「・・・言ったはずだ、下種にかける情け無し。 と」

 

 ザシュッ! ゴトッ、ゴロゴロ ゴトンッ!

 

 夜行の一閃は

 あの兵士に、断罪を宣告し

 首を跳ね飛ばした・・・・・・・・。

 「ねぇ、其処の貴方・・・」

 

 眼鏡の少女が夜行に声を掛けた

 

 「・・・何か用か?」

 「えっと、一応助けてくれた・・・のよね?

  ・・・ありがとう」

 「助けた覚えは無い・・・が、一応受け取ろう」

 「あ! 私からも、ありがとうございます!」

 

 気弱そうな少女は頭を深く下げ

 夜行に優しく微笑んだ

 

 「一応、名前を問おう。 我が名は紅葉(コウヨウ)字は無い」

 「変わった名前ですね・・・。 私は董卓 字は仲穎と申します」

 「貴殿が董卓殿であったか。 ご無礼を許して欲しい」

 

 夜行は深く頭を下げた

 

 「いえ、そんな! 助けてもらった身です、頭を上げてください」

 

 そんな月は、夜行に対し手を振りながら慌てていた

 

 「・・・ということは、貴殿は側近の方か如何?」

 「我が名は賈詡 字は文和 月・・・董卓様に仕える軍師よ」

 「軍師か・・・。 ところで・・・」

 

 夜行がそう言いかけた途端

 

 「そうだ!」

 

 月が何かを思い出したかのように

 手を叩いて声を上げた

 

 「・・・どうしましたか? 董卓殿」

 

 夜行は、頭を掻きながら董卓に問うた。

 

 「私の真名・・・月です。 預けますね紅葉さん」

 「・・・頭が痛くなってきた」

 「ちょっと月! どういう事!?」

 

 詠は月の行動に対し怒鳴り

 夜行は頭を抱えながら目を瞑った・・・

 「だって詠ちゃん。 私達、紅葉さんが居なかったら・・・」

 「それは・・・だけど!」

 

 二人の口論は続く

 しかし、こんな時の口論は流石の賈文和でも月には勝てなかった・・・

 そんな中、夜行が口論に介入した

 

 「董卓殿。

  流石に命を助けてもらったからと言って真名を教えるのはあまり関心しませんな」

 

 「ふぇ!? で、ですけど・・・」

 

 「良くお聞きになられよ。 董卓殿、貴方は優しすぎる。

  真名とは、其れ自体が存在を示すもの。 故に軽々しく発してはならない」

 

 「其れは! ・・・知っています」

 

 「ならば尚の事。 自分は貴方の敵でもなければ味方でもない。

  それに、貴方は此処の王なのでしょう?

  ・・・ならば、王である覚悟と威厳をお持ちになられよ」

 

 「王としての・・・覚悟と威厳?」

 

 月がそう問おうとしても夜行は目を瞑ったまま

 そして、月は気がついた

 『後は己の手で答えを掴みなさい』

 こう伝えたかったのだ・・・と。

 「兎に角、早く此処から逃げたほうが良いかな」

 「・・・どういう事?」

 

 詠が眉間にシワを寄せた

 

 「一人、出来る奴が居た。

  恐らく先ほどの兵士に付属していた伝令兵か何かだろう。

  此処から去り際に木が揺れた。 隠密が上手い事だ」

 「・・・・・・・・」

 

 詠は考えに浸っていた

 本当に彼は旅の武芸者なのだろうか?

 それにしては可笑しい。 先ほどの剣戟といい

 一流の間諜を見極めるその鋭い五感といい

 

 どんな凄腕の武人としても、彼の剣は見たことが無い

 其れは、唯斬るのでは無く切り裂く刃

 あんな細い刀身で全てを両断する

 もしかしたら・・・彼は—

 

 「宮廷に行きましょう」

 

 詠の思考は此処で少し途切れた

 

 「・・・正気か? 貴殿の其れは誘っている・・・

  そう、受け止めても良いのだな?」

 「・・・はい」

 

 董卓・・・月は、宮廷に行きます。 では無く、行きましょう と

 そう答えた 夜行にも来て貰うと

 一緒に来いと__そう答えた。

 そんな覚悟を交えた言葉の先に、世界・・・大局の悪戯か

  ---------迎えが来た。

 「月様――!! 何処に居られますか!?」

 「華雄さん! 此方です!」

 

 華雄と呼ばれた少女は、月の言葉に反応して

 此方に凄い剣幕で迫ってきた

 

 「月様! ご無事で!」

 「華雄さん、よく来てくれました」

 「当然です! 月様の為ならこの身朽ちても!」

 「・・・話の途中ですまないが、急いだほうが良い」

 「何だ、貴様! 月様の御前で無礼な!」

 「華雄さん、この方は命の恩人。 手荒な真似は許しません!」

 「なっ! ・・・御意」

 

 華雄は驚いた

 何故なら、己の君主たる月の変貌に頭が追いついていなかった

 あの、優しすぎる月の何かが変わっていた。

 

 しかし、そんな考えに浸る余裕は彼女には無い

 既に、あの兵士達の影が林の向こうに見えていたのだから

 

 「ッチ! こんな所まで、月様こちらです!」

 「詠ちゃん、早く! 紅葉さんも!」

 「・・・あ、待ってよ。 月!」

 

 四人は、華雄が来た抜け道を利用し

 宮廷内へと足を運んだ

 

 「さて、此処まで来れば安心だろう、感謝する。 董卓殿」

 「いえ、お気になさらずに」

 

 宮廷の中には、真紅の髪の少女と

 紫の髪の少女が立っていて

 月の帰りに安息の息を着き、再会を喜んだ

 其処に華雄が・・・

 

 「貴様! 何者だ! 名を名乗れ、無礼者!」

 

 夜行に対し、武器を構えて名前を問うた

 

 「・・・何だと?」

 「名を名乗れと言ったのだ!」

 

 「・・・笑止。 名を聞くなら己から名乗れ其れが礼儀だ。

  それとも、将軍という権力 地位を持ってから。

  足元の礼儀作法すら、見えなくなったか・・・ッ!!!」

 

 「「ッ!!??」」

 

 月と華雄が怯えた

 夜行は言葉と共に、禍々しい程の殺気を周りに充満させた

 其の言葉に、周りに居た真紅の髪の少女と

 紫の髪をした少女が得物を取った・・・が、構えられなかった

 

 恐怖に心縛られた華雄は、体を震わせ

 一歩後ろに下がった

 其の中で一人、何かに決心した詠は

 

 「少し落ち着いて 紅葉。 華雄の無礼には私が頭を下げるわ。

  この子も悪気が有ったわけじゃないの。

  ・・・許してあげて」

 

 詠がそう言うと、深く頭を下げた

 夜行はその仕草を見ると、『ッハ!』 と目を見開いた

 

 夜行は自分の懐から、竹筒のようなものを取り出すと

 自分の頭に、入っていた水を被った

 所謂、水筒であった。

 

 「・・・此方こそ済まない

  此処に来てから、俺は怒りに身を任せてしまった

  華雄とやら、済まなかった・・・が

  礼儀作法は無視してならない・・・と、忠告しよう」

 

 「・・・否、此方こそ済まない、自分の力の無さに

  少し、苛立っていたようだ」

 「力が無い・・・?」

 「あぁ、仕える主の一人。 守れなかったのだから」

 「守れなかった・・・」

 

 夜行は其の言葉に違和感を覚えた

 華雄は以前に主を失ったのか

 それとも、月を守れなかったのか

 しかし、考えは結論に至らない。

 其処に詠が介入してきた

 

 「少し・・・良いかしら? 紅葉」

 「・・・何だ? 答えられる範囲なら答えよう」

 

 そう、詠の少し良いは詰り質問の事

 自分の事について、何かを聞くつもりだろう

 恐らく、何故此処に来たか 又は

 誰かの差し金・・・斥候か? ・・・と

 

 しかし、詠の質問は夜行の予想の斜め上を行っていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 「貴方は・・・天の御遣い・・・かしら?」

 

 

 

 

 

 あとがき

 

 どうも、FULIRUです

 

 今回はやはり夜行のターンになったようです

 

 さて、駄文で申し訳ありません。

 現状が判らないと思われる方も居るでしょうが

 自分の現時点による作文能力では、少し限界があるようです(汗)

 

 そうですね、単刀直入に言うなら

 「現時点は、反董卓連合編の予兆です」

 と、だけ言います

 

 バラすな! と、気分を害した場合は申し訳ありません。

 失礼ながら、心の内で此の言葉は抹消してください

 

 面白いと思って頂ければ嬉しい限りです

 

 それでは、皆さん御機嫌よう、さよなら~


 
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