真・恋姫無双アナザーストーリー
雪蓮√ 今傍に行きます 第10.1話
【一刀とひと夏のバカンス・一日目】
「夏だ!海だ!別荘だーーー!」
浜辺に駆け出す一人の少女
「はしゃぎ過ぎよ優未、まずは荷物を部屋に置いてからにしましょ」
海沿いを歩きながら雪蓮は優未を呼び止めた
「えー!早く泳ごうよ!ね~一刀君!」
「……そ、そうだね……」
雪蓮たちの後方、一刀は大量の荷物を前屈みになりながら抱え、震えた声で優未に同意した
「か、一刀さま大丈夫ですか?なんなら私がお持ちしますが」
「いいのよ愛紗。これは『罰』なのだから、それに一刀は自ら荷物持ちをかってでたのよ。そうよね?」
「……そ、そうだな…………お、俺が責任を持って運ぶから愛紗は気にしなくていいよ」
「一刀さん頑張って!私達が泊まる所まではもう少しだよ!……多分」
「た、多分?!」
「ああ!ううん!きっと!そ、そうだよね琳さん!」
桃香は慌てながら琳に同意を求めた
「そうだったかしら?まだまだ先だったような気もするわね」
琳は一刀を見ながらニヤニヤと笑っていた
「一刀君~~、早く別荘に荷物置いて一緒に泳ごうよ~」
「一刀、男なんだからしっかりしなさい。自分が言ったことなんだからしっかり全うしなさいよ」
優未は一刀を急かし、雪蓮は笑いながら一刀に活を入れる
「く……そ、あんなこと言わなければな、とほほ……」
一刀は数十分前に起きたことを後悔していた
「おお!ここに琳の別荘があるのか!」
「ええそうよ。そんなに広くはないのだけれど、五人くらいなら余裕で寝泊りできるわ」
「わ~!すごいよ愛紗ちゃん!駅の目の前が海だよ!」
「桃香さま!あまりはしゃぎ過ぎないでください、周りのものに迷惑がかかります」
「目の前に海があるのにまだ泳げない~~~」
「文句を言うんじゃないの優未。どうせ着いたら嫌ってほど泳ぐんだから」
一刀たちは目の前に広がる海を見てうかれていた
「さ、そろそろ行きましょう。歩いて一時間掛かるのだけれど我慢して頂戴」
それを聞いて黙っていないのが優未だった
「え~!一時間も歩くの~!」
「そうよ、ここら辺は人が多くて海が汚いのよ。だから離れた所に建てたのよ」
「それじゃ行くのが面倒だよ~。タクシーとかバスとかないの?」
「ここから先は車乗り入れ禁止区域よ。車が来れるのは駅まで、もっとも、緊急車両は緊急時に限り通行可能よ」
「へ~。だから、駅周辺に駐車場が多いんだね」
桃香は感心したように頷いた
「ええ、そのおかげって訳でもないけど空気は澄んでいてとても気持ちがいいわよ」
「空気が澄んでても一時間も歩くのいやー!」
「はぁ~、なら、あなたはここで駄々をこねていなさい。私達は先に行くわよ」
「ぶー、ぶー!琳は横暴だ~!そう思うよね。一刀君!」
「ええ?!そこで俺に振るのか!?」
「あら、一刀。まさか、私にケチをつけるわけじゃないわよね?」
「一刀君!ガツンといっちゃってよ!」
「どうなの一刀」
「一刀君!」
「うぅぅ~……っ!雪蓮!」
一刀は琳と優未の間で苦笑いを浮かべていた雪蓮を見つけた
「なに?」
「に、荷物持つよ!重いだろ?」
「あら重いわよ。いいの?」
「もう!一刀君ったら!」
「まったく、はっきりしないわね」
「あ、あはははは」
「一刀さま……」
優未と琳は一刀を非難し、桃香と愛紗は呆れていた
「ああ、かまわない……よっ!」
「大丈夫?」
「だい、じょうぶ、大丈夫、こ、これくらい」
だが一刀の膝は震えていた
「しぇ、雪蓮?この中、何がは、入ってる、の?」
「あら、女の子にそんなことは聞くものじゃないわよ。か・ず・と♪」
「で、ですよね~……」
「あー!雪蓮だけずるい!一刀君、私のも持って~」
「ふふふ、一刀?まさか、雪蓮だけの荷物を持つわけじゃないわよね?」
「え゛……まさか」
一刀の額に一筋の汗が流れた
「もちろん、持ってくれるわよね。か・ず・と?」
琳は笑いながら後ろの荷物を指差した
「あ、あの琳?あの荷物どうやって持ってきたんだ?」
「ここまで宅配でよ。ホント、男が居ると力仕事を任せられて助かるわ」
「お、俺、まだ持つなんて……」
「あら、一刀は私にこの荷物を持たせようと言うのね」
「……も、持たせていただきます……」
「雪蓮と琳だけなんてずる~い!私のも持って~~」
「ああっ!こうなったら全員の荷物を持ってあげるよ!優未も桃香も愛紗も荷物を渡してくれ!」
「やったー!さっすが一刀君だね♪」
「か、一刀さん本当に大丈夫ですか?私は平気ですよ?」
「一刀さま、ご無理はなさらないほうが……雪蓮殿に優未殿に琳殿!二人も自分の荷物くらい持つのだ!」
「桃香……愛紗……」
心配をしてくれる桃香に愛紗に一刀は泣きたくなった。が、ここで断らないのが北郷一刀!
「大丈夫だよ。二人とも気にしなくていいから」
荷物を抱えた情けない状態で一刀の極上スマイルが桃香と愛紗を襲った
「わわわ、そ、それじゃ、お、おおお願いしようかな?」
「か、一刀さまがそう仰られるのであれば……」
そして、一刀は地獄へと足を一歩近づけたのだった
時間は現在に戻り
「ほら一刀見えてきたわよ。あと少しなのだから頑張りなさい」
「や、っとか……よし!」
一刀は自分に気合を入れて歩き出す
「わー、琳さん!ここら辺はとても静かですね。それに、自然が一杯です!」
「確かに、先ほどの場所も良いものですが、ここはさらに空気が澄んでいますね」
「それはそうよ、土地ごと買い上げたのだから」
「琳、ちなみに何坪買ったの?」
「どれくらいだったかしら……適当に数字を入れたから覚えてないわね……その時の対応してくれた人が顔を真っ青にさせてたくらいしか覚えてないわ」
「「「……」」」
一同に苦笑いを浮かべる面々
「そ、それより早く別荘に行って泳ごうよ~」
優未が話を変えてきた
「それもそうね。ほら一刀しっかり頑張りなさい」
「うぉ!し、雪蓮!お、重いんだから押さないでくれ!バランス取るの大変なんだから!」
「もう、だらしが無いわよ一刀」
「も、元はと言えば雪蓮が……」
「あら、一刀ったら私のせいにするなんてひっど~い。最終的に全員の荷物を持つって言ったのは一刀でしょ?」
「う……確かにそうだけどさ」
「なら文句は言わないの。着いたらその分、労ってあげるから♪」
「は、ははは……期待してるよ」
「ふふふ♪」
「二人でなにいい雰囲気になっているのかしら?」
「あら、琳ったら焼いてるの?」
「そ、そんなわけ無いじゃない!誰が、一刀なんかに……」
「ふ~ん……じゃ、琳は一刀の事好きじゃないのね?」
「あ、当たり前よ。なんで私が一刀の事をす、好きにならなければいけないわけ?」
「それじゃ、なんで一刀を誘ったのかしら?好きでもないのなら、誘わなくてもいいんじゃないかしら?」
「べ、別にいいでしょ!ほら、さっさと行くわよ!」
「?琳のやつどうしたんだ?」
「はぁ~、この一刀も鈍感なのね」
「この一刀?」
「なんでもないわよ。ほら行くわよ一刀」
「お、おい!だから押すなって!」
「ふえ~、なんかここ最近、雪蓮さん、さらに積極的になったよね、愛紗ちゃん」
「そうですね。それに……いえ、気のせいでしょう」
(雪蓮殿から今までに感じた事のない覇気を感じるが気のせいだろうか)
愛紗は雪蓮を見る、正確には睨み付けた
「?……(ニコッ)」
「……っ!」
(な!なぜ私が見ていると判ったのだ?!)
「ほらほら、桃香に愛紗も置いていっちゃうわよ」
「ああん!置いていかないでくださいよ~」
「ぐ、偶然か……いや、しかし……」
考えるが当然答えが出るはずも無く
「ほらほら、愛紗ちゃんも早くいこ」
「あ、と、桃香さま、引っ張らないでください!」
桃香に手を引かれ考えるのを中断された
(ふ~ん……こっちの関羽は一刀の事を好きなのね……でも、私の勘ではなんか違うような気がするのよね。この世界に似つかわしい武を持っているわね)
雪蓮は偶然振り向いたわけではなかった。愛紗の視線を感じ振り向いたのだった
そして、雪蓮も愛紗から感じる覇気を感じ取り愛紗もこの世界に来たのではないかと考えていた
「や、やっと着いた~~~!」
一刀は荷物を玄関に置くとだらしなく床に倒れこんだ
「まったく、これくらいで根を上げるなんてだらしが無いわよ一刀」
「無茶言うなよ琳。これはどう見ても一般人が持てる重さじゃないぞ」
「泣き言は聞きたくないわ。……まあ、持ってもらったことには感謝しないことも無いけど……」
琳は一刀とは目を合わせず腕を組みながら顔を赤らめた
「ほらほら、一刀君!早く着替えて泳ぎに行こうよ!」
「ちょ!す、少し休ませてくれよ優未。それにもうお昼だぞ。昼食の後でもいいんじゃないか?」
「え~」
「そうよ優未。後でお腹空いても知らないわよ?」
(く~~~)
タイミングよく誰かのお腹が鳴いた
「「……」」
「お、俺じゃないぞ」
「私でもないわね」
「私でもないよ~。電車の中で一杯お菓子食べたし♪」
「私じゃないですよ」
「私でもありません」
「……」
「「「……」」」
そして、ある一人の人物を見る
「~~っ!ええ、そうよ。私のお腹がなったのよ。悪い!」
琳はバツが悪そうにしていた
「べ、別に悪いとは言ってないけど、結構、可愛らしいく鳴るんだなと思って」
「~~っ!うるさい!黙りなさい一刀!」
「ぐはっ!空きっ腹に……最高の一撃、だ……」
琳のストレートが見事に一刀のお腹にクリーンヒットして一刀は倒れこんだ
「ちょっと一刀!しっかりしなさい!傷は浅いわよ!」
「一刀君~~~死んだらいや~~~!」
「わわわ!か、一刀さん、しっかりしてください!」
「一刀さま!お気を確かに!琳殿、少々やりすぎでは」
「ふん!一刀が悪いのよ……」
「まったく、一刀にも困ったものね。ま、そのうち起きるでしょ。私達でお昼作ってしまいましょう」
雪蓮が立ち上がり言うと皆が頷いた
「所で、材料とかはあるんですか?」
「心配しなくても大丈夫よ桃香。こいつが持ってきた荷物の中に三日分の食材を入れてきたから」
「だからそんなに多かったのですね。一刀さまにそう言えばよかったのではありませんか?」
「それじゃつまらないじゃない。こう言うのは黙って見ているのが楽しいのよ愛紗」
「あは、あはははは……一刀さんも大変だな~」
琳の悪戯っぽい笑みに、桃香は苦笑いをした
「さあ、さっさと作ってしまいましょ。とりあえず私が作っておいたカレーがあるからご飯を炊いて、カレーを温めましょう。カレーの匂いで一刀も起きてくるでしょう」
「わーい!カレーだ!」
「カレーなんていつ作ったのよ」
「昨日のうちに作って送ったのよ。出来合いのものなんて私の口には合わないわ」
「随分な美食っぷりね。まさか、自分の口に合わないからって、厨房に乗り込んで指導なんてしてないわよね」
「してるわよ。当然でしょ?お金を払って食べているのだから、それ相応の物を出すのが礼儀よ。食材だけに頼った料理なんて料理とは呼ばないわ」
琳はさも当然のごとく切り捨てた
「私、琳に一刀君が教えてくれたお店に連れて行くのやめよ……なんか出入り禁止にされそうだよ」
「それが懸命な判断ね優未、それより一刀が教えてくれたお店って何よ」
「え?!な、なんでもないよ!ほら、早くお米炊かないと!」
「……逃げたわね。一刀が起きたら問いたださなきゃいけないみたいね。ふふふ……」
雪蓮は不適に笑うのだった
「ん……この匂いは……」
「やっと起きたのね一刀」
「……雪蓮?」
「おはよ、一刀♪」
「おはよう……所で雪蓮」
「なにかしら?」
「なんか頭に柔らかいものがあるのですが?」
「そりゃ、私の膝があるからね。気持ち良い?」
「き、気持ちはいいけどさ……その……」
「目のやり場に困るんだけど……」
雪蓮は一刀に膝枕をしているのだがその格好が問題だった
「あら、似合わないかしら?」
「全然!すっごく似合ってるよ!」
「ふふふ♪ありがと、一刀」
「……ちょっと雪蓮?姿が見えないと思ったら何をしているのかしら?」
「あら琳。見て判らないかしら?一刀に膝枕してるのよ♪」
琳は腕を組み何かを我慢しているかのように目を閉じていた
「なら、その格好はなんなのかしら?」
「水着よ、見て判るでしょ?」
「私と桃香たちがお昼を作っている時に居ないと思えば……」
「優未だって居なかったじゃない」
丁度その時だった階段を誰かが下りてくる音が聞こえてきた
「るっるるる、る~ん♪一刀君、この水着似合うって言ってくれるかな~♪」
優未は一刀が寝ているであろうリビングの扉を開けた
「「……」」
「ゆ、優未……」
「あ、一刀君!……って!なんで雪蓮に膝枕されてるの!それになんで水着で!」
「あら、優未遅かったわね。私がなんで水着かって?優未ならわかるでしょ?」
「ぬぬぬ~。雪蓮に先を越されるなんて、悔しい!」
「あ、あなた達、いい加減に!」
「雪蓮殿に、優未殿……何をしておいでなのでしょうか?」
「ひっ!あ、愛紗!ど、どうしよう、雪蓮!……雪蓮?」
さっきまで一刀に膝枕をしていた雪蓮はいつの間にか居なくなっていた
「雪蓮殿は逃がしましたか……さて、琳殿、この者の処遇、如何いたしましょう」
「ひえ~~、お、お助けを~~」
「……そうね……あなたに任せるわ愛紗」
「わかりました……では、優未殿、私と少々、『お話』をしましょうか」
「うえ~ん!お話じゃなくて説教でしょ~~!一刀君助けてよ~」
「あ、あの気絶してた俺が言うのもなんだけど、許してあげてよ」
「一刀君、ありがと!」
優未は一刀にすがり付いてお礼を言った
「しかしですね。我々が昼食を作っているのに優未殿は手伝いもしなかったのですよ」
「それは俺も一緒だよ。ここで倒れてたんだから」
「で、ですが、水着に着替え一刀さまを虜にしようなど……」
「はは、まさか、優未はただ待ちきれなくて水着に着替えただけだよな」
「はぁ~……」
「え?」
「一刀……一度、脳外科に行った方がいいのではないかしら?」
「ひどっ!琳それは酷すぎだよ!俺は正常だ!」
「……これが正常なのだから一刀さまはたちがおわるい」
「愛紗まで?!」
「はぁ、まいいわ。雪蓮も逃げてしまったことだし、この場は不問にしましょう。ほら、二人とも、サボった分、しっかりと働きなさい」
「ああ」
「うんうん!私頑張るよ!」
「さ、愛紗も一応はこれで納得しておきなさい」
「わかりました。では、一刀さま桃香さまが一人で待っているので私達も急ぎ戻りましょう」
琳たち4人がキッチンに戻ってみると
「あら、四人してサボり?」
「もう!愛紗ちゃんに琳ちゃん何処に行ってたんですか?それに優未さんも!」
「「「「……」」」」
なぜか、逃げたはずの雪蓮が水着姿だったのだがエプロンをしてキッチンに立っていた
「し、雪蓮……あなたって人は……」
「なに自分だけ手伝ってましたって顔してるのよ雪蓮!ずるいよ」
「……」
「あ、あはははは」
「あれ?雪蓮さんは一刀さんが起きたから手伝いに来たって言ってましたけど」
「桃香、雪蓮の後姿を見てみなさい」
「え?……わっ!雪蓮さんが水着姿ですよ!」
「はぁ……なんで気がつかないのよこの子は……」
琳は頭を押さえて溜息をついた
「ほらほら、そんな所に立ってないで手伝いなさい」
「雪蓮……あなたって人は……」
「ほ、ほら!琳たちも早く手伝ってご飯食べようよ。泳ぐ時間がなくなっちゃうよ!」
一刀は琳から怒りの波動を感じ、慌てて場を納めようとした
「泳ぐ時間が無くなるのはやだ~!」
「そうですね。早いところ済ませてしまいましょう」
「うんうん、琳のお腹がまた鳴らないうちにね」
「~~っ!」
「あちゃ~、一刀、それ言わないほうが……もう遅いみたいね」
「え?」
「か~~ず~~と~~~っ!」
一刀の後ろから怒気を帯びた声が聞こえてきた
「えっと……振り向かずに逃げてもいいかな?」
「逃げられるものなら逃げてみなさい。骨は後で拾ってあげるから♪」
「ちゃんと後で遊んでね一刀君」
「わ、私は琳ちゃんに謝ったほうがいい思うんだけどな」
「はぁ、まったく、一刀さまは女心がわからないのですか」
みな一様に呆れるら楽しんでいる
「と、とりあえず逃げっ!」
「逃がさないわよ。か・ず・と。今度は何処がいいかしら?鼻?顎?それとも下の方がいいかしら?選ばせてあげるわよ」
「ぜ、全部人間の急所じゃないか!しかも最後のは男の急所だろ!とりあえず落ちつこう。話せば判る!」
「あら、話してもあなたはいつまで経っても女心は理解できないでしょうね。だから体に教え込ませてあげるわ!」
その瞬間、琳の鮮やかな蹴りが一刀に襲い掛かった
「うぉ!え、選ばせてくれるんじゃなかったのかよ!」
「そう思ったけど、これはお仕置きだから止めたわ。さあ、潔く土に還りなさい!」
「そ、そんなことできるか!まだ、琳の水着姿見てないってのに!」
「っ?!」
(ピタッ)
「~~っ!……?」
琳の蹴りは寸前の所で止まっていた
「あ、あの、琳、さん?」
「か、一刀は、わ、私の水着姿を楽しみにしてくれていたの?」
「あ、ああ、もちろん」
「そ、そう……なら、許してあげてもっ」
「え~!一刀さん、琳ちゃんだけの水着姿が楽しみだったんですか?!」
「それは聞き捨てなら無いわね。どうなの一刀?」
「そうだよ!私の水着姿も見てよ!」
「わ、私も、その見ていただきたいと……」
「もちろんみんなの水着姿も楽しみだよ」
「……」
「ふふふ♪よろしい」
「えへへ♪一刀さんが気に入ってもらえるといいね愛紗ちゃん」
「そ、そうですね」
「今すぐ見て、一刀く~~~~ん!」
「……ふんっ!」
「ぐっ!……り、琳なんで……」
一刀は下半身を押さえて倒れこみながら琳を見た
「ふん!一刀はもう放って置いてさっさと食べるわよ」
琳はそのままキッチンに立ち火にかけていたカレーを味見しながらスパイスを追加していた
「琳も焼いちゃって……素直になればいいのに。ま、一刀には良い薬にはなったかもね」
「そっかな~、これくらいじゃ治らないと思うけどな~」
「それよりも琳さんに味見させていいんですか?私が味見した時、結構甘かったんですけど」
「「……」」
「琳の味覚ってお子様なの?」
優未の発言に誰も答えず
「とりあえず、行きましょう。甘いカレーは流石に勘弁だわ」
雪蓮たちは取り合えず一刀を放置してキッチンに向かった
「うぅ~、みんな、酷い……」
一刀はみんなの後姿を床に倒れこみながら見ていた
「ふぅ~!ご馳走様、美味しかったよ!」
何とか復活した一刀はカレーを食べて満足そうにしていた
「まったく、なんで私の作ったカレーなのにこんなに辛くするのよ……もっと甘いほうが……」
ブツブツと文句を言っている琳に雪蓮は
「あれは甘すぎよ。桃香が教えてくれたから良かったものの。もしかして、辛いのが苦手なのかしら?」
「に、苦手なわけないじゃないのこの私が!」
「まあまあ、美味しかったんだからいいじゃないですか」
「そうです。味には文句はありませんでしたよ」
「辛さには文句が有ったってことね……はぁ、もういいわ。それじゃ「それじゃ、泳ぎに行こう!」……洗い物してからね」
「え~!そんな~」
「このままにしていたら、後で洗うのが大変でしょう」
「そうだけどさ~」
琳の言ったことに反論出来ない優未に
「俺がみんなの分洗っとくから泳いできなよ」
「いいの一刀?」
「ああ、俺、何も準備手伝えなかったからさ。これくらいはしないとね」
「え~!それじゃ一刀君と泳げ無いじゃん!」
「心配しなくても洗い終わったら直ぐ行くからさ」
「本当にいいの一刀?」
「ああ」
「それじゃ、ここはお言葉に甘えて私達は先に海に行きましょ」
「そうね、それじゃ着替えてしまいましょう」
「私と優未はもう着替えてるから先に海に居るわよ」
「一刀君も早く来てね」
「了解」
一刀は笑顔で見送ると食器をキッチンに運び出した
「さてと……さっさと終わらせるかな」
「あ、あの、一刀さん」
「あれ?桃香、どうしたんだ?着替えもしてないみたいだけど」
「その、私もお手伝いしようかなって、えへへ」
「気にしなくてもいいのに」
「ううん、私が手伝いたいって思ったから手伝うんだよ。」
「それに、私と一刀さん、二人で洗った方が早く終わると思うの。それとも、邪魔かな?」
「そんなことはないよ。ありがとう、桃香」
「えへへ♪そう言われるとちょっと恥ずかしいな」
桃香は頬を赤らめながらはにかんだ
「それじゃ、早いところ終わらせようか」
「うん!」
一刀と桃香はキッチンに立ち方を並べて後片付けを開始した
「……ふぅ」
一人、廊下に立つ一人の少女が居た
「桃香さまに先を越されてしまったか……残念だが、ここは二人っきりにすることにしよう」
愛紗は自分の割り振られた部屋に戻っていった
「これでよしっと……あとは、これで終わりだから、桃香は先に着替えてきなよ」
「うん、そうするね」
「手伝ってもらって助かったよ。桃香は良いお嫁さんになるかもね」
「ええ?!そんなお嫁さんだなんて、私は別に……あ、でも一刀さんなら、でもでも!」
「と、桃香?」
「え?!あ、な、なななんでもないよ!そ、それじゃ着替えてくるね!」
「う、うん……」
桃香は一目散にその場から走っていった
「?どうしたんだ、桃香のやつ」
一人洗い物をしながら首を傾げる一刀であった
「さて、水着に着替えたことだし、俺も海に行きますか!」
(コンコン)
「ん?誰だろう。みんな海に行ったはずだけど……はいは~い、今開けますよ」
(ガチャッ)
「え、えへへ、ど、どうか?一刀さん」
扉を開けるとそこに居たのは桃香だった
「え、あ……うん、すごく可愛らしい格好だね。桃香に良く似合ってるよ」
「ホント!?よかった~」
桃香の水着はピンクを基調とし、桜をデザインしたパレオを纏いなんとも桃香らしい格好だった
「それじゃ、一刀さん、行きましょ♪」
「うお!……こ、これは……」
一刀の腕に桃香は抱きつき、無意識のうちに胸を押し付けていた
「?どうしたんですか、一刀さん?」
「そ、その、胸が……ね」
「胸?……あ……ご、ごめんなさい、私ったら……うぅ~恥ずかしいよ~」
「と、取り合えずみんなが待つ海に行こう」
「そ、そうですね……」
「……」
一刀が黙って歩いていると
「あ、あの、一刀さん」
「え?どうしたの?」
「そ、その……一刀さんは、押し付けがましい女の子は苦手?」
「ええ?!」
「だって、なんか困った顔してたし……」
「そ、それは、おっぱ……ごほん!き、気のせいだよ。それに、押し付けがましいなんて思ってないからさ」
「ホント?」
「もちろん」
「それじゃ~、もっと大胆な方が好きなのかな」
「好みってことか?そうだな~、別にこだわりはないけど」
「誰でもいいみたいな言い方だね、なんだか嫌だな~」
「別に誰でもって訳じゃないんだけど」
「ふ~ん……それじゃ、年上と同い年と年下、どれが好き?」
桃香は一刀の腕をとり、また抱きついてきた
「そ、そうだな……あんまり考えたこと無かったな、気が合えばいいんじゃないかな」
「そうなんだ~。それじゃ、私と一刀さんとは気が合ってるのかな?」
「え、そうだな。きっと、そうなんじゃないかな」
「そっか~、えへへ♪」
桃香は嬉しそうに笑った
「それじゃ……あっ」
そこで見上げてきた桃香と真近でバチッと目が合った
桃香の青い瞳の奥に一刀の目が映し出される
「……………………た、食べ物とか!何がす、好きなのかな?」
「そうだな~ラーメンかな……それより桃香は結局、何が聞きたいんだ?」
「へ?!そ、その、世間話だよ!世間話、一刀さんとは一緒のクラスじゃないし、こういう機会に色々聞いてみようと思って」
「ふ~ん……確かに、あんまり桃香とは話したことがないよな」
「でしょでしょ」
そんな他愛もない会話をしながら歩いていると、あっという間に海岸に到着した
「お!結構綺麗だな」
「あっ!……はぁ、もう少し一緒に居たかったのにな」
桃香はさっきまで抱き付いていた腕を見ながら溜息をついた
「ほら、桃香も早くおいでよ!」
「もう、待ってくださいよ、一刀さ~ん!」
桃香は、はしゃぐ一刀を見て呆れながら走り出した
「やっと来たわね、一刀」
「おっそいよ。一刀君!」
「桃香さまもどちらにいらしていたのですか、心配しましたよ」
「まったく、二人して何をしていたのだか」
「何って食器の片づけだよ。桃香が手伝ってくれたんだよ」
「えへへ」
「そ、まあいいわ。それより一刀、何か言うことがあるのではなくて?」
「え?言うことって?」
「はぁ……私達の水着姿を見て何か言うことは無いの?」
「ああ、そうだな……」
一刀は琳たちを見回した
「うん、みんなすっごく似合ってるよ」
雪蓮は赤いビキニ姿、優未は白いビキニのなぜか麦藁帽子、愛紗は薄い緑色の水着の上に白いパーカーを着ていた
「ありがと、一刀♪」
「どうどう?清楚な感じがしていいでしょ!」
「あ、ありがとうございます一刀さま」
「所でさ、琳」
「なにかしら?」
「下着選びの時も思ったけどなんで黒いビキニなんだ?」
「あら、黒は女を美しく見せてくれるのよ?」
「そうは言うけどさ、俺しか居ないのに誰に見せるんだ?」
「……」
「?……いって!」
琳は無言で一刀に近づき脛を蹴り歩き去った
「ふん!ばかずと……」
「いつつ……どうしたんだ琳のやつ」
「一刀はもう少し女心を考えなさい」
「は?どういう意味だよ雪蓮」
「さあ?自分で考えなさい」
「えへへ~良いお嫁さん♪」
「と、桃香さま?どうなされたのですか?」
「え~?なんでもないよ~?えへへ♪」
「ほらほら、一刀君一緒に泳ごうよ!」
「おっと!引っ張らなくても大丈夫だろ!」
「いいからいいから!ほら早く!」
「わかったから、引っ張るなって!」
一刀は優未に引っ張られて海へと向かった
「うお!冷てーーー!気持ちいーーーー!」
「でしょでしょ!それ!」
「うわっ!やったな優未!そら!」
「きゃっ!冷た~い!」
優未と一刀は浅瀬で水の掛け合いをしていた
「元気ね~あの子達」
「雪蓮は行かなくていいのかしら?」
琳と雪蓮はパラソルの下でそんな二人を見ていた
「今はね。私にも色々と考えてることがあるのよ♪そういう、琳は行かなくてもいいの?折角一刀の為の買った水着なんでしょ?」
「だ、誰があいつの為に買った水着って言ったのよ」
「顔を赤らめながら言っても説得力無いわよ。それに、さっき自分で言ってたじゃない。『黒は女を美しく見せる』って、ここには私達以外誰も居ないんだから、当然見せるのはこの中でただ一人の男である一刀でしょ?」
「そ、そんなことあるわけ無いじゃないバカ!」
「あらあら、もう少し素直になりなさいよ。それじゃ、一刀に嫌われるわよ?」
「別に一刀に嫌われたってなんとも……」
「俺がどうしたって?」
「っ?!な、なななん、なんっ!」
「あら一刀、優未と一緒に遊んでたんじゃなかったの?」
「雪蓮と琳がずっとここにいるから気になってさ。気分でも悪いのか?」
「なん、何で一刀がここにいるのよ!」
「え?今言ったじゃないか。二人がここにずっと居るから気になったって」
「そ、そうだったかしら?」
「琳どうしたんだ?熱射病にでもやられたのか?顔が赤いぞ」
一刀は手を琳の額にあわせる
「~~~っ?!ふきゅ~~~っ!」
「な!琳、どうしたんだ!」
「あらら~、まったくこの子は……」
「とにかく何か冷たいものを!」
「大丈夫よ。少し横になれば平気だから」
「そうか?それならいいんだけど」
「それよりも、優未が呼んでるわよ」
雪蓮が指を指す先には優未が手を振って叫んでいた
「か~~ず~~とく~~~~ん!な~~に~~し~~て~~るの~~!は~~や~~く~~お~~い~~で~~よ~~~~!」
「ほら、行ってあげて」
「わかった、琳には大人しく言っておいてくれよ」
「わかったわよ」
一刀は何度か振り返りながらその場を離れていった
「まったく、一刀は相変わらずね。誰にでも優しくて……みんなをその気にさせちゃうんだから……」
「う、う……ん、ここは」
「お目覚めねお姫様」
「っ!か、一刀は!」
「優未が呼んでたから行かせたわ」
「そう……」
「少しは自覚した?」
「何のことよ」
「まったく、素直じゃないわね」
「ふんっ!……すでに自覚してるわよ……」
「何か言ったかしら?」
「何も言ってないわよ」
二人は晴れ渡った空のした、優未と遊んでいる一刀をただ静かに見ていた
「一刀君!あそこまで競争しようよ!」
「お、いいぞ!負けないからな!」
「私だって、負けないんだから!……そうだ!勝った方が負けた方に一つだけ言うことを聞かせるってどうかな」
「そんなこと言ってもいいのか?俺は毎日、では無いけど。部活で鍛えてるから負ける気は無いぞ」
「私だって!それじゃよ~い……あっ!雪蓮が!」
「なに!?雪蓮がどうし「ドンっ!」……へ?あ、こら、優未!卑怯だぞ!」
「へへーんだ、騙された一刀君が悪いんだよ~だ」
「くっそ~!負けないぞ!」
一刀は遅れながらも優未に追いつこうと必死に泳いだが一向に追いつく気配はなく、逆に離されていってさえいた
「へへーんだもうこれで追いつけっ」
(ドクンッ!)
(くっ!な、なによ急に……こんな所で起きなくたって!)
「はぁ、はぁ~。全然追いつけ……っ!優未、どうしたんだ!」
「が、ずと……がふっ!た、すけ……て!……」
「優未!」
優未は苦しそうにもがきながら何とか一刀に助けを呼んだ
「っ!琳、なんか、一刀と優未の様子変じゃない?」
「確かに……まさか、溺れているんじゃ!」
「ちょっと、雪蓮!」
浜辺に居た雪蓮と琳も一刀たちの様子がおかしいことに気づき、雪蓮は海に向かって走り出した
「まったく!桃香、愛紗!ちょっと手伝いなさい!」
琳は桃香と愛紗を呼び、別荘へと走って戻っていった
(ああ~私、このまま死んじゃうのかな……海で溺れて死ぬってなんかかっこ悪いな……)
優未は水面へともがきながらも持ちこたえていたが段々と意識が朦朧としていきついには力尽き海のへと沈んでいった
(もうだめだ……最後に一刀君にお別れの挨拶したかったな……)
(優未!)
(あ、一刀君だ……)
その時、霞んだ目に映し出されたのは一刀の力強い瞳と大きくて優しい手だった
…………
……………………
「……み…………ゆ…………み……」
(う……誰、私を呼ぶのは)
「……し……かり…………み…………」
(なんだか、懐かしい声……誰の声だったかな)
「……く…………こ…………じん…………し…………か」
(え?なに、なんて言ったの?聞こえないよ……)
「……い…………さん…………」
(あれれ?なんだろ口にあたるものがある……)
「も…………いだ!」
(またしてくれるの?ん……なんだろこの安心するような、恥ずかしいような…………これって)
「ゆ…………み!……ゆ、うみ!」
(あれ、この声って……)
「優未!」
「ぅ……こ、ここは」
「よかった!あんまり心配させるなよ優未!」
「か、ずと君?あれれ、私、どうしたんだっけ?」
「行き成り優未が暴れだしたから何かと思ったわよ」
「まったく、いち早く一刀と雪蓮が気がついたから良かったものの一時はどうなるかと思ったわよ」
「優未さんが無事でよかったね。愛紗ちゃん!」
「ええ、琳殿に言われビックリしました」
「そ、か、私、まだここに居ていいんだね」
「何言ってんだよ。当たり前じゃないか。優未が居なくなったら俺は嫌だぞ」
「一刀君……」
「で?どうだったの優未」
「ないんが?」
「そんなの一刀に人工呼吸してもらってよ」
「え……え?えええ?!……あっ……」
優未は驚き、勢い良く起き上がったがその瞬間、立ちくらみが起きてその場に座り込んでしまった
「っ!急に起きたら危ないよ、優未」
「え、一刀君が私に、人工呼吸を?」
「そうよ」
「…………」
(だから、あんな夢見たのかな……)
優未は自分の口を手でなぞる
「……えへへ♪」
「とにかく、無事でよかったよ。優未はしばらくここで横になってるんだよ」
「うん、ねえ一刀君」
「ん?なんだい?」
「助けてくれて、ありがとね」
「ああ」
一刀は微笑みながら優未の髪を優しく撫でた
その後、夕方近くまで遊んだ雪蓮たちは別荘に戻り夕飯の支度をすませていた
優未は溺れたこともあり、一刀により強制的に手伝いには参加せず、大人しく部屋で休ませた
「もう、一刀君ったら……平気だって言ったのに……」
一人、文句を言う優未
「仕方ないわよ。それが一刀なんだから」
「あれ?雪蓮どうしたの?」
「様子を見に来たのよ。この分なら大丈夫そうね」
「当たり前だよ!こんなことで倒れる優未様じゃないんだから!」
「…………」
「……?雪蓮どうしっ!」
優未は雪蓮のほうを見ると言葉を詰まらせた
「……優未、隠していることがあるなら言いなさい」
「な、何言っちゃってるのさ……隠してることなんて何もないよ?」
「…………」
「…………」
数秒の沈黙、しかし、優未にはそれが何時間にも感じられた
「……そう、ならいいわ。私はなにも聞かなかった事にしたげる」
「…………」
「でも、一刀を悲しませるようなことをしたら許さないわよ…………もう、あんな悲しい顔を見るのは沢山よ……」
「雪蓮…………」
「邪魔したわね。夕飯の支度が出来たら呼びに来るわ。それまで大人しくしていなさい」
雪蓮はそのまま、部屋から出て行った
「…………」
一人残された優未は
(私だって、一刀君を悲しませたくないよ……でも、でも!)
「~~っ!」
優未は唇を噛み締めながら布団を力いっぱい握り締めていた
しばらくすると部屋にいい匂いがただよってきた
(く~~~ぅ)
「あはは、お腹が鳴っちゃったよ。早く呼びに来てくれないかな」
優未のお腹がなり恥ずかしそうにしていると
(コンコン)
「優未?入るよ」
「か、一刀君?!ち、ちょっと待って!…………」
優未は慌しく鏡を見て髪を整えた
「鏡、鏡!あった…………よし。入っていいよ~」
「お邪魔します。もう、起きても平気?」
「うん、大丈夫だよ」
「そっか、よかった…………あ、夕飯の支度が出来たから呼びに来たんだ」
「もうお腹ペコペコだよ~。さっきからお腹が鳴って大変だったんだから」
「そっか、それじゃ行こうか」
「うん!」
優未は起き上がると少しふら付きながらもしっかりと床に足をつけた
「優未」
「……?」
「危ないからね」
「あ、ありがとう」
一刀は優未の手を取りダイニングへと歩いていった
「あ、優未さん!もう平気なんですか?」
「ごめんね~。心配かけて、もう平気だから!」
「そっか~よかったね!」
「とにかく席に着きなさい。落ち着かないわ」
「ご、ごめん。それじゃ優未はここに座って」
「うん、ありがと、一刀君」
「あら、随分と見せ付けてくれるわね一刀?」
「そ、そんなわけないだろ!」
「もう、照れちゃって」
「照れてないよ!」
一刀は照れながら自分の席に着いた
こうして、全員で食事をすませ、今日一日が終わるのであった
葉月「こんにちはみなさん!今回のお話は如何だったでしょうか」
雪蓮「旅行の第一日目ね」
葉月「そうですね。しょっぱなから一刀が酷い目に遭っていましたがあれはデフォですね」
雪蓮「ふふふ、そんな一刀も可愛くていいわよね」
葉月「所で、雪蓮さんあの大きな荷物は一体何が入っているのですか?」
雪蓮「それはまだ秘密よ♪」
葉月「ふむ、これは二日目が波乱に満ちてますね」
雪蓮「波乱と言えば、随分、今回は桃香と優未を押してたわね」
葉月「そうですね。桃香は愛紗と一緒だったりしたので、片づけを手伝う振りをしながら近づかせてみました」
雪蓮「ふ~ん、なら優未は?序盤は結構一刀と絡んでたじゃない」
葉月「それはですね。ここ最近、優未に情が沸いてしまって」
雪蓮「まあ、自分が作ったキャラクターなんてある意味、理想の相手ってことかしら?」
葉月「そうかもしれませんね~」
雪蓮「まあ、それはいいとして、結構、優未も幸せにしてくれ~って意見があるけど。優未もちゃんと幸せになるの?」
葉月「……さ~って、次回のお話ですが」
雪蓮「ちゃんと答えなさいよ!」
葉月「そ、それはネタばれになるのでいえません!ってか、苦しい!ギブッ!ギブッ!」
雪蓮「それじゃ、ネタばれにならない程度に何かいえないわけ?」
葉月「げほっ、げほっ、ひ、一つ言える事は……」
雪蓮「言える事は?」
葉月「10月のストーリーで急展開の話にしようかと」
雪蓮「10月って……七話先ってことじゃない」
葉月「そうなりますね。この夏休みのお話が残り二話、そして、9月のストーリー+サブストーリーで五話ですからね」
雪蓮「気になるじゃないの。今すぐいいなさいよ」
葉月「だから言えませんって!」
雪蓮「どうせ、言えないんじゃなくて言えるような話が出来てないだけじゃないでしょうね」
葉月「ギクッ……そ、そんなわけ無いじゃないですか、ちゃんと出来てますよ!プロットだけは……」
雪蓮「葉月のプロットって頭の中でじゃない。どうせ内容なんて毎回変わってるんでしょ」
葉月「手厳しいです……」
雪蓮「まあいいわ、次回は私が活躍するんだから絶対に見てよね」
葉月「まだ愛紗と琳が居るんですけど……」
雪蓮「はいはい、判ってるわよ」
葉月「本当にわかってるのかな……」
雪蓮「しつこいわよ葉月」
葉月「はぁ……それでは皆さん、次回も更新遅くなってしまうかもしれませんがお会いしましょう」
雪蓮「まったね~~~♪」
愛紗「桃香さま嬉しそうですね」
桃香「うん♪一刀さんに良いお嫁さんになるねって言われたんだ~♪」
愛紗「そ、それは良かったですね……(葉月殿……私の活躍はいつになるのでしょうか?ふふふふふ…………)」
葉月「(ビクビクッ!)き、急に寒気が!」
雪蓮「誰かに呪われたんじゃない?」
葉月「呪い?!」
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今回、琳の誘いにより6人で別荘に来た一刀たち
女子5人に男子1人と言うなんともハーレム状態の中、色々なことが一刀の周りで起きた
一刀は無事生き残れるのでしょうか!
っとまあ、そんな大それた話にはなっていませんので気楽に呼んでください
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