はじめに
ネタが詰まってきたので小休止
そしてなんかいろいろな内容でごめんなさい
それはいつもの休みの昼下がり
比呂は川原で涼みながら釣竿を垂らし
ボ~っと空を見上げていた
ああ、平和だなぁ
のんびりと流れる雲は彼の心を軽くし
どこまでも澄んだ色の空は彼の心を洗う
まるで今が戦乱の世だなんて嘘みたいだな
耳に届くのはさらさらと流れる水の音
遠くで囀る小鳥の声
そして
???「へう~!へうぅ~!」
比呂「…なんだ?」
森の中に似つかわしくない音にその方向に顔を向ければ
比呂「…箱?」
見れば川上からダンボール箱が流れてくる…どうやら音はあの中から聞こえてくるらしい
流れてきたそれを釣竿を起用に使って引き寄せ
???「へうぅ~!」
比呂「中に何か入っているのか?」
『虎牢関』と書かれたダンボール箱の蓋を開けば
比呂「幼女…じゃなかった…月殿…でもなかった………犬?」
生まれて一月も経っていないであろう子犬が中で丸まっていた
※見た目のイメージは月を子犬サイズまでちっさくして犬耳と尻尾をつけて完成
箱から抱き上げれば
子犬「へうぅ~♪」
尻尾を振り、必死になって比呂の顔をぺろぺろと舐めてくる
比呂「…いかんな」
子犬「へぅ?」
比呂「…俺は猫派なんだが」
子犬「ガビーンっ!!」
ショックのあまり普段なら絶対言わないであろう言を口にする月…じゃなかった子犬
涙目になり尻尾をシュンとさせる
比呂「…まあ、此処で出会ったのも何かの縁か」
子犬「……?」
首を傾げる子犬を胸に立ち上がる比呂
「…お前の名前は月だ」
まあ、そういうことです
「犬一匹くらい飼うことぐらい問題ないだろう」
そういって城に戻る道を歩き出す
~袁紹陣営~
悠「駄目です」
両手を腰に仁王立ちの悠がきっぱりと言ってのける
比呂「犬ぐらい良いじゃないか?」
子犬を抱いて悠を睨みつける姿は学校の帰り道に犬を拾ってきた小学生のようだ
悠「駄目な物は駄目です!」
悠の姿もまるで犬を拾ってきた子供を叱り付ける母親のよう
悠「姫が犬アレルギーなのはご存知でしょう?」
比呂「…初めて聞いた上に時空を超えた単語が聞こえたぞ」
悠「犬なんていたら姫の機嫌が悪くなる一方です!」
比呂「というかお前が苦手なのでは?」
比呂の疑問に悠の眉が45°吊りあがり
悠「とにかく!」
比呂と月を門の外に押し付け
悠「元の所に戻してくるか、誰かに引き取ってもらいなさい!」
そういって門を閉める悠
悠「返してくるまで入れませんからねっ!!!」
門の向こうからの声に比呂はやれやれとため息をつく
月「へうぅ…」
心配そうに見上げてくる月の頭を優しく撫で
比呂「…雪蓮殿の所に行ってみるか」
そう言って比呂は歩き出した
~孫策陣営~
比呂の訪問に当初喜んでいた雪蓮だったが
雪蓮「ゴメンねぇ~!」
パンっと顔の前で手を合わせる雪蓮
雪蓮「ウチもうすぐ独立…じゃなかった、引越しがあってね~」
彼女の後ろにやたら殺気だった兵の集団
雪蓮「妹達とその部下…もとい友達も一緒に住むことになっててね~」
今こそ孫呉の地を取り返す時ぞ!!
おおおおおおお!!!!
…やたら血走った目をされた友達ですな
雪蓮「慌ただしくってワンコ飼う余裕が無いのよ~!」
ほんとゴメンと頭を下げる雪蓮
比呂「まあ…しょうがないよな」
月「へうぅ…」
そういって哀愁漂わせながら去って行くその背中に雪蓮は
ああ、でも欲しい…比呂(とその犬)
思わず手が伸びかけるが
ガシっ!
肩を掴まれ振り向けばニコニコ顔の冥琳
冥琳「貴女の酒代を餌代に交換するなら良いわよ♪」
雪蓮「冥琳のいじわる~!!!」
たしか、西に馬騰殿という犬好きな方が居られたな
~馬騰陣営~
『←馬騰家』
『←馬騰家』
『←馬騰家』
比呂「…嫌な予感がする」
月「へう?」
ポクポクポクポク…
南無妙法蓮華経~…
翠「おふくろ~(号泣)!!」
蒲公英「おばさま~(号泣)!!」
…チーン
比呂&月「……」
そういえば最近曹操殿が猫(※霞)を飼い始めたと聞いたな
~曹操陣営~
桂花「げっ!?」
比呂の顔を見た瞬間
ガラガラ…ピシャン!!
何故かシャッター式の門が閉じられ
『袁家お断り』
ご丁寧に張り紙まで張り出されていた
ひゅううううぅぅぅ
カラカラと何処からか転がる空き缶
比呂&月「……」
疾うに日は暮れ、辺りに梟の啼く声が木霊する
比呂「…まいったな」
川辺で腰を下ろし比呂は途方に暮れていた
比呂の膝の上ですうすうと寝息を立てる月の頭を撫でる
比呂「結局…戻ってきてしまった」
一日中歩き詰めで足の裏がズキズキと痛み顔を顰める…と
???「あれ~?こんな所で何してるんですか~?」
かけられる声に振り向けばおっぱい大徳…桃香
比呂「実は…」
比呂はこれまでの経緯を説明した
桃香「そうだったんですか~じゃあ私が引き取りましょうか?」
比呂「いいのか?」
月「へう?」
桃香の申し出にいつの間にか目を覚ました月も声をあげる
桃香「大丈夫ですよ~この間も拾ってきたばかりですし♪」
恋ちゃんて言ってすごく可愛いんですよ~と笑う桃香
比呂「そうか…であれば」
そういって立ち上がり
比呂「…すまないな」
桃香「いいえ~♪」
月を受け取り優しく抱きしめる桃香
比呂「良かったな、ご主人が見つかって」
月「へうぅ」
月の頭を撫でながら優しく声をかける比呂
愛紗「桃香様…そろそろ」
桃香「あっ…うん」
立ち上がり、お辞儀をして桃香が去って行く
と
月「へうぅ~!へううぅ~!!」
後を追ってこない比呂に月が不安がる
比呂「…此処で…お別れだ」
月「へうぅぅ~!」
段々と遠く小さくなる姿
比呂「達者でな…月」
月「へうぅ~…へうううぅ~!!!!!」
彼女達が闇に溶け見えなくなった頃
比呂「…ぐすっ」
彼は人知れず涙を流した
おしまい
流れる星の下膝を抱える人物が一人
ハム「…ずっとスタンバってました(哀愁)」
-完-
あとがき
ここまで読んで頂き有難う御座います
ねこじゃらしです
いや~当初はエイプリルフールネタで行こうと思っていたんですが
…なにも思いつかなかった
さて次回から本編に戻りますよ~
「消えた一刀!どよめく曹操陣営…そして」
…そしてどうしよう
それでは次の講釈で
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まさかまさかの閑話休題