No.132772

東方仮面ライダーガタック ~幻想の星~ 第5話

こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。
あまりなれない方は戻るボタンを押してください。

2010-03-28 11:41:47 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1680   閲覧ユーザー数:1643

ザッ・・・ザッ・・・

 

草に足音を鳴らすのは、2つのバックルに2匹の動物が混ざったかのような怪人である。その姿はカメレオンと蠍と例えれば正しいだろうと思われるこの怪人は、先程ブラック将軍の命令により送り込まれた合成アンデット、ティターンである。

ティターンは現在、大蝦蟇の池に着ておりその横には従えているテレビバエとショッカー戦闘員がいた。

テレビバエ「いいか?もうじきあの2人がここを通りかかる。不意をついて奴の首を吹っ飛ばすのだ」

ティターンは頷き、西の方向から聞こえてくるエンジンの音を聞き取った。どうやら彼等が来たようである・・・。

 

その5分前、一樹達は幻想卿へとやってきてこれからの行動を考えたところ、実家の工房へと向かうことにした。

幸いにも彼等が着いた場所は妖怪の山の入り口で、彼の実家もこの山にあるのだ。

御月「へぇ~、意外と自然に包まれてる世界じゃん」

一樹「現代よりも環境がいいんだ。水も綺麗だし、空気も美味しいんだから」

懐かしい空気を吸う一樹は上機嫌だった。ここへ戻ってくるのも2年ぶりだと思いながらもグリンクローバーに乗り、目指す場所へ出発を始める。

そして今、彼らあるところへと差し掛かっていた。

一樹「この大蝦蟇の池を過ぎれば守矢神社、さらに河童の工房にたどり着くよ」

御月「距離は大分あるのか?」

一樹「ちょっとはあるけど、バイクならすぐだよ」

さらにスピードを上げようとアクセルを入れた瞬間、一樹のポケットから音が鳴り出したのでバランスを崩してしまい、グリンクローバーから放り出されながらも地面に転げ落ちてしまった。

御月「大丈夫か一樹!?」

オートバジンから降りて様子を見る御月だが、一樹は幸いにも受身を取っていたので怪我なく無事だった。

御月「一樹、お前調子者だろ」

一樹「ご、ごめん・・・」

面目ないことをしてしまったと御月に誤るが、先程鳴り出した音のことを思い出してすぐに右側のポケットに手を入れると携帯電話が出てきた。画面は何かを探知するレーダーを起動しており、一樹はそれを見た瞬間に危険を表す顔へ変える。

一樹が今使っているのはアンデットを探索するためのアイテム「アンデットサーチャー」で、アンデットが近づくと音で反応する仕組みになっているのだ。そして今音がなったということは、この近くにアンデットがいることになる。

御月「一樹、どうかしたか「その場から離れて!!」

次の瞬間に衝撃波が発生し、2人はその場に頭を屈めた。何が起きたのかと思っていると、後ろから反応が強いと把握した一樹は後ろに振り向いたのだが、そこには誰もいない。だが、アンデットサーチャーには強い反応があると思いきや、目の前にティターンが姿を見せた。

一樹「あれは合成アンデットのティターン・・・!」

直ちにレンゲルバックルを取り出したその時、ショッカー戦闘員が2人を取り囲みその間からテレビバエが入り込んできた。

御月「あっ!お前はあの時のテレビ野郎!」

テレビバエ「イーッヒッヒッヒッヒッ・・・今度こそ貴様等の息の根を止めてやろうではないか。さぁ行くのだ、ティターン、そしてショッカー共よ!」

ショッカー「イィ~~ッ!!」

一斉に動き出す敵陣を掻い潜りながらも一樹はレンゲルバックルにカードを装填、御月はファイズフォンを取り出してコードを入力した。

 

『5・5・5 ENTER』

≪STANDING BY≫

 

2人「変身!」

 

≪COMPLETE≫

≪OPEN UP≫

 

レンゲル、ファイズに変身した2人は戦闘を開始する。レンゲルラウザーの巧みな振るいとフォンブラスターの正確な射撃がショッカー戦闘員の攻撃を凌ぐが、紛れていたティターンの持つ剣が一樹の背後に振り下ろされ、背中に深いダメージを受けてしまう。

御月「一樹!」

ピンチな一樹を助けようとするが戦闘員の数にてこずる御月。そこで彼はファイズフォンにコードを入力した。

 

『5・8・2・6・ENTER』

≪AUTOBASIN BATTLEMODE≫

 

止めていたオートバジンが独りでに動き出してバトルモードへと変形、左腕のバスターホイールを乱射して一樹に襲い掛かるティターンを止める。

一樹「ありがとう。助かったよ」

オートバジンは頷いてティターンに応戦する。

一樹(まさか御月にこんな仲間がいたとは思っても及ばなかったよ・・・ん?仲間・・・?)

その時に一樹は「この手があったか」と閃き、あるカードを取り出してラウズする。

 

≪REMOTE≫

 

さらに3枚のカードであるローカストキック、サンダーディアー、マッハジャガーを前へ投げるとカードが光だし、それぞれのアンデットが出現する。このリモートテイピアには封印しているアンデットを解放し、使用者の意のままに操ることが可能であるカードなのだ。

一樹「お前達は戦闘員を倒してくれ!」

3体のアンデットは戦闘員を相手にしている間、一樹はティターンに勝負を挑みに行くが、透明になる相手なら速攻で倒すしかない。そこでスタッブビーのカードをラウズしてティターンに連続突きを行う。

一樹「うおおおおおお!!」

これは効いているのか、ティターンは怯みながらもオートバジンのパンチを受けて後ろに下がった。チャンスだと一樹は駄目押しを仕掛ける。

 

≪SCREW≫≪BLIZZARD≫

≪BLIZZARD GALE≫

 

一樹の右手に渦巻く冷気が纏い、ティターンに向かって走り出す。ティターンの顔面へぶつけようと距離を縮めていくにつれてスピードも徐々に加えられていくのだが、直前まで来た瞬間に一樹は顔色を変えてしまい、そのままパンチの軌道を変えて外してしまった。

一樹「そんな・・・」

自分が凍ったかのように動けなくなってしまう一樹だが、一体何が起きたのだろうか。実は目の前にいるのはティターンではなく、水色の服と髪に緑の帽子を被る少女がいるのだ。

一樹「そんな・・・にとり・・・!」

にとり「・・・お兄ちゃん・・・」

声を聞いた一樹は左手に持つレンゲルラウザーを手放してしまい、にとりから離れてしまう。

しかし彼には分かっていた。あれはにとりではなく、変身したティターンだということを・・・。

にとり「お兄ちゃん・・・もう戦いはやめようよ・・・こんな苦しいのは、私じゃ嫌・・・」

一樹「にとり・・・うわっ!?」

突然と一樹の体が本当に凍り付いてしまう。後ろにいる見慣れない怪人の仕業らしく、どうやら冷気を操るみたいだ。

一樹「お前、まさかあのテレビ怪人か!?」

テレビバエ「そのとおりだ。このアイスエイジ・ドーパントは只者じゃないほどに凄いぞ」

その証拠を示すかのようにアイスエイジはその奥のほうに指を差す。するとそこには氷付けにされて身動きの取れない御月がいるではないか。その後ろには今までにとりに化けていたティターンが元に戻って剣を構えている。

御月「クッ・・・すまねぇ一樹・・・」

一樹「そ、そんな・・・」

アイスエイジ「これで我々は安心して計画が実行できる。忌まわしいライダーを消すことができるのだ・・・」

ついに達成できたと感激するアイスエイジは一樹の背後に近づいて拳を構えた。

一樹(これまでか・・・にとり、ごめん・・・!)

アイスエイジ「死ぬがいい、仮面ライダー!!」

2体同時に止めを刺そうとする。もはやにとりに会うことが出来なくなる一樹は覚悟をしたその時、

 

「ケェェェ~~~ン!!」

 

空からアイスエイジとティターンに向かって鳥の大群が顔を突付き、驚きながら後ろへ下がってしまった。

アイスエイジ「な、何だこの鳥は!?あっちいけ!!」

振り払おうとするがすばしっこくてなかなか離れないと思いきや、アイスエイジの足に痛みが走り出した。今度は狼の大群が噛み付いたのである。

アイスエイジ「ギャ~~!!いい加減に離れろ~~!!」

ティターンの方は猿の大群に足部分を殴られまくり、そのままバランスを崩して地面に倒れてしまう。

御月「これは一体・・・?」

一樹「・・・あ!誰か来るぞ!」

一樹の眼に見えたのは、奥から1台のバイクがやってくることで、そのバイクには若い青年が乗っていた。

青年「見慣れない魔化魍だが退治しとくか」

そう言ってポケットから小さな道具を取り出して軽く振ると音叉へと変形し、片方の人差し指に軽く叩いた。

キィィィン・・・と小さな音が鳴り、青年は音叉を額に翳したその直後、額に模様が浮かび上がると同時に青年の体が紫色の炎に包まれて燃え上がりだす。

アイスエイジ「なんだぁ!?人体発火かぁ!?」

そう思っているアイスエイジだが2人はそうは思ってはいない。変身といったことだから彼もおそらくは・・・

青年「はいやぁぁっっっっ!!!!」

2人の予想は当たった。青年は紫色の鬼、仮面ライダー響鬼へと変身したのだ。

響鬼「さぁ、魔化魍退治だ!」

怯んでいるティターン、御月、一樹を信じられないほどのジャンプ力で飛び越してアイスエイジに突撃する。

アイスエイジ「ええい!貴様も凍らしてやる!」

響鬼「うおっ!?」

アイスエイジの口から冷気が放出。止まれない響鬼は少し油断したのか、身動きが取れなくなってしまう。

アイスエイジ「出てきて早々馬鹿な奴だな。それだと手も足も出ぬまい・・・」

響鬼「口なら出るぞ」

何を言い出すかと思いきや、馬鹿馬鹿しいことであった。確かに顔は動けるがそれで何が・・・と思っていると口が開き、次の瞬間には火炎放射がアイスエイジに直撃する。

アイスエイジ「ぎゃああああああ!?口から火を吹いたあああああ!?」

紫色の炎で燃えるアイスエイジは慌てながらもガイアメモリを取り外してテレビバエに戻る。

テレビバエ「(こいつはヤバすぎる!)ティターン!あとは頼んだぞぉ!」

危険を察知していたテレビバエはオーラを出現させて逃亡する。

響鬼「ありゃりゃ、逃げちゃった・・・まぁいいか」

響鬼は力を入れると湯気が発生し、氷が溶けて動けるようになった。気を取り直して怯みから立ち直ったティターンに向かって突進し、自らのバックルを取り外してティターンのバックルに押し付けた瞬間、大きな太鼓へと変化する。

響鬼「俺の一曲!音撃打・爆裂強打の型!」

太鼓の鉢を取り出して演奏を開始した。響鬼のような音撃戦士は楽器を使った技を持ち、これによって唯一の敵である魔化魍を清めているのだ。だが相手は魔化魍ではなくアンデットなのでそれが通用すのだろうか思うのだが、この音撃が予想する以上に強くてティターンには充分効いている。もがき苦しむティターンにこれでもかと叩きまくる響鬼は止めと行こうかと鉢に力をためた。

響鬼「たぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドォォンッ!!

 

心臓に届くほどの衝撃が森に響いた次の瞬間にティターンは大爆発を起こして消滅してしまい、一樹と御月を凍らしていた氷が爆風によって溶け、動けるようになる。

一樹「信じられない・・・あの合成アンデットを倒しちゃうなんて・・・」

頭が可笑しくなりそうになる一樹であるが、気づけば氷は溶けていたので動けるようになり、さらに召還していたアンデットが戦闘を終えたことによりカードになって一樹の手元に戻ってくる。御月のオートバジンもバイクモードに戻った。

一樹「あの、さっきはどうもありがとうございます」

響鬼に近づいて御礼をすると、どうてことない顔で笑いながら言う。

響鬼「あーいいっていいって。俺は学園長から頼まれていることをしているから当然だ」

一樹「学園長?」

響鬼から吐かれた言葉に一樹は唖然となった。つまり響鬼は・・・

御月「あんた、ひょっとして生徒なのか?」

響鬼「そのとおり!俺は音撃学園の最優秀生徒、狐火修也(きつねび しゅうや)。学園長からの申し出でこの世界にいる魔化魍を全て退治しに来たんだよ」

一樹「そうなんですか・・・って、俺達はこんなところで胡坐を売っている場合じゃなかった!」

すぐに変身を解除する一樹と御月であるが、修也だけは何故か変身を解かないままでいる。

御月「変身、解かないのか?」

修也「いや実はね、変身しちゃうと服が失っちゃうからそのまま解くと全裸になっちまうんだよ」

一樹「全裸・・・って、どういうシステムなんですかそれ!?」

修也「さぁな。何しろ鬼に変身して起きることだし、女子生徒は困ったりしていることがあるんだってよ」

御月「女子生徒も・・・かぁ・・・」

一樹「御月!変な想像しちゃ駄目だって!?」

危うく変質者と間違われそうになっていた御月に一樹がツッコミを入れた。

一樹「けど、服を失うとしたらどうすればいいと言うのですか?」

修也「服を着替えるのさ。どっか視覚の無い場所でな」

そう言って修也は、やや太めの木に入ってそのまま通過すると、そこには黒の服と青のジーンズを着ている修也がいた。

修也「自慢だけど俺は早変わりが得意なんだよ。俺もいったん神社に戻るとでもしようかな」

御月「そう言えば守矢神社で滞在しているって言ってたっけ・・・じゃあ3人で行こうか!」

こうして一樹達は再び守矢神社を目指して発進した。それと引き換えにその頃のアジトでは・・・

ブラック「馬鹿者!!!何故貴様があんな奴から逃げてきたのだ!!!おまけにティターンはまた別の仮面ライダーにやられるわで納得いかん!!!」

テレビバエ「ヒェェェェッ!!申し訳ありません、将軍様!!」

物凄い剣幕をする中、影からそっと青年が現れる。あの時にキングストーンの在り処の報告をしていた青年だ。

青年「将軍様、確かに彼らは侮れませんが、計画を進めていくのも大事なのではないですか?一方的にやるようでは進む様子もございませんし、なによりもキングストーンを探すのが優先です。それが無ければ、カブトを倒すために開発したアレも起動ができません」

ブラック「・・・言われて見ればそうであるな・・・だがテレビバエよ、奴等のことはお前が責任を持ってやるのだ。いいな!?」

テレビバエ「は・・・ハハッ!!」

テレビバエは直ちに去っていった。

ブラック「漣よ」

青年「はい」

漣と名乗る青年は膝をついた。

ブラック「この世界にライダーギアが存在することを存知だな?」

漣「はい・・・ティターンを送り込んだ先にもファイズが」

ブラック「そうだ。しかしまた別の場所に、あと2つのギアがある。そのギアを奪うのだ。手段は貴様が決めろ」

漣「分かりました・・・」

漣は命令を受けると体が灰色へと変わりだした。人類の進化種族の中の1人、ドラゴンオルフェノクへと・・・

どうも~!第5話で~す!

全開のあとがきどおりにティターン戦となり、さらに響鬼も登場しました。今回登場する響鬼の世界は原作と違い、音撃学園という鬼たちを教育する学校でのことをあげており、原作キャラである日高仁志さんことヒビキさんは登場していません。用は全くのパラレルワールドです。

ですけどこの作品でもしかしたら原作のヒビキさんも出る可能性はあるかもしれません。けどそれだと被りになるんじゃということもありますが、実際に被りライダーは1人(ネタバレ注意)だけ用意しています。誰が被るのかはお楽しみにしておいてください。

 

【ライダーデータ】

◇仮面ライダー響鬼

登場作品:仮面ライダー響鬼

備考:音撃学園の生徒、狐火修也の変身するライダー。山と学園での生活で鍛えられた実力は本物で、自然に包まれた幻想郷では実に相性のいい所で戦えることが出来る。

炎の属性を持つために力を入れれば凍った体も溶かしてしまうほどの熱気を発生することが可能で、アイスエイジ・ドーパントの吹きかけた氷も溶かしてみせた。

音撃だけでなく体術や特殊な術も持っており、口から火炎放射を放つ「鬼火」も特技の一つ。

音撃では戦う度に技が違い、主には「火炎連打の型」又は「爆裂強打の型」が必殺技。

 

それでは皆さん、次回もお楽しみに・・・。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択