二次創作です、原作のイメージをぶち壊されたくない方は回れ右
基本、妄想です
オリキャラでますよ、嫌な方は回れ左
強い一刀君が出ます、嫌な方は回れ右左
誤字脱字多いかも、多めにみてください
時間軸滅茶苦茶です、あと設定も滅茶苦茶ですそれでもいい?
以上がいいならどうぞ先にお進みください
俺は逃げていた
何から?そんなことも気にせず
ただただ走っていた
一刀「はぁはぁ・・・っはぁ」
奴はすぐ傍まで来ている
後ろを見なくてもわかる
怖い怖い怖い
一刀「くそっ・・・」
酸素が足りない
頭が痛い
足が走るのを拒否する
一刀「畜生っ!・・・なんっ・・・だってこんなことに!!」
来てる!
追いつかれる!
ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!
「ゴ~シュ~ジ~ン~サムァ~」
駄目だ!後ろを向くな!
前を見ろ!走れ!
走れ!走れ!走れ!
ガシッ!
肩を掴まれた!
頭が警鐘を鳴らしている!
ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!
「知らなかったのかしらぁん?私からはぁにぃげられないのよぉん?」
一刀「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
最後に見えたのはこの世の物とは思えない
筋肉ムキムキで桃色の・・・・化け・・・物・・・・
「一刀さん!!」
一刀「はっ!」
目を覚ますとそこは先程の地獄の様な光景ではなく
私塾の教室、そこの一角に作った簡易寝床
隣に居る少女が心配そうにこちらを見ている
向朗「一刀さんどうしたんですか?凄く魘されてましたよ?」
一刀「いや・・・なにか・・この世の物とは思えない何かが・・・悪夢だった・・」
向朗「だいぶお疲れのようですね・・・」
一刀「そうなのかな・・・自分じゃわからないよ・・・」
徐々に動悸が治まってくる
向朗「汗が凄いですよ・・・そんなに怖い夢だったんですか?」
一刀「なんだろう、本能に直接訴えかけてくる怖さだった・・・・」
思い出しただけで汗が吹き出てくる
一刀「ところで向朗ちゃん、なにか用事?」
完全に思い出す前に話題を変える
向朗「あっ!そうでした、私のお友達が一刀さんの話をもっと聞いてみたいって言っていたのです!
あー・・・でもそのご様子じゃやめたほうがいいですか?」
一刀「いや、大丈夫だよ夢は忘れた!綺麗さっぱり跡形もなく忘れた!だから大丈夫」
脳裏に桃色の化け物がちらつく
向朗「そうですか・・・?」
一刀「ああ!忘れたんだ!そうだ!天気もいいしどうせなら外に行こう町を案内してくれないかな?」
向朗「はい、一刀さんがいいなら是非もありませんです!あっ二人を呼んできますね!」
トテトテと走り出す向朗
どこか小動物チックである
一刀(なんだろ・・・ハムスターみたいな感じ?)
そんなことを思いつつ寝巻きを脱ぐ
そしていつもの普段着+外套を羽織る
一刀(桂花にもらった奴だからなー・・・大切に着ないと)
初めて会った少女からもらった
上質な外套、日の光を浴びて黒く輝いている
一刀(元気にしてるかな)
向朗「一刀さーん呼んできましたよー」
向朗が扉を開けると三人の少女が立っている、一人は向朗で
一人はリボンのついたベレー帽をかぶりさらに大きなリボンが腰に着いている
もう一人は魔法使いの様な尖がり帽子、首の辺りに兎の尻尾のようなアクセサリーが見える
どちらも恥ずかしそうに向朗の背に隠れている
もっとも向朗と体格があまり変わらないのでほぼ丸見えである
向朗「もう!朱里ちゃん!雛里ちゃん!隠れてたら駄目だよ!挨拶しないと」
「で・・・でも・・水面ちゃん・・・」
「はわわ・・・」
向朗に急かされても二人はもじもじするだけである
向朗「ごめんなさい、一刀さん二人とも恥かしがりなんで」
一刀「大丈夫だよ、二人とも昨日結構質問してくれた子だよね?」
「あわわ・・・覚えてくれてるんですか?」
一刀「記憶力はいいほうだからね、名前おしえくれる?今呼び合ってるの真名だろ?」
「はい!わた私はしょしょ諸葛亮でひゅ!」
「わたっ私は鳳統でひっ!」
向朗「二人とも落ち着いて!噛み噛みだよ」
どうやら極度のアガリ症の様である
一刀「諸葛亮ちゃんに鳳統ちゃんだね、よろしく」
諸葛亮「は、はひゃい!」
鳳統「はぃ・・」
一刀(しかしあの有名な二人がこんな可愛いなんてな、まぁそうだろう思ったけど)
なにせ関羽、張飛、劉備、趙雲、荀彧、郭嘉、程昱、向朗などの有名な武将が全員女の子なのだ
なれたもんである
一刀「それじゃ三人とも案内頼めるかな?」
向朗「はい!承りました!早速生きましょう!」
諸葛亮「わっ!水面ちゃん!引っ張らないでー!」
鳳統「あわわわ!」
一刀「元気だなぁ」
私塾を出て数時間
四人は茶屋にて休憩中
一刀「結構広いんだねこの町」
向朗「大きい方ですね、隣町以外村ですからそこと比べると」
見所はほとんど回りつくした様で
午後からは市をブラブラする予定
一刀「しかし、ここのお菓子おいしいね」
諸葛亮「よろこんでもらえてなによりです」
鳳統「ここ・・・私たちのお気に入りなんです」
はじめは噛みまくっていた二人も打ち解けた模様
鳳統はまだ少し緊張しているようだが
一刀「うん、お茶も美味しい。お菓子と良く合う勉強になるなぁ・・・」
向朗「一刀さんお料理するんですか?」
一刀「まぁ、趣味みたいなもんだよそんな大層なもんじゃない」
諸葛亮「普段どんな料理を作るんですか?」
一刀「普段ねぇ・・・基本は野宿だからなぁ。鍋とか簡単なものだけどちゃんとした所なら
大半の料理なら」
鳳統「すごいです・・・」
一刀「凄くないよ、料理は練習すれば誰でもうまくなる。特に死ぬ気になればね・・・・」
三人「?」
そもそも一刀が料理に目覚めた理由はサバイバルを経験してから
死ぬ気というより生きるために自分で調理をしなければいけない
さらにそれに慣れてきたら次は物足りなくなる
限られた食材、乏しい調味料その条件で飽きない料理を考える
嫌でも料理がうまくなる・・・・のか?
一刀「やばい・・・フラッシュバックがgggg・・・・」
トラウマのようだ
鳳統「だ・・大丈夫ですか?お顔の色が優れませんが」
一刀「ははっ大丈夫。俺は強い子・・・強い子だから・・・・ん?鳳統ちゃん」
鳳統「はい?」
一刀「タレが付いてるよ」
鳳統「ふぇ!?(ゴシゴシ・・・・とれました?」
一刀「いや、まだ・・・あっ違うそっちじゃなくて」
鳳統の顎にソッと手を当てクイッと持ち上げる
優しく慈しむように指で口を拭う
鳳統「ふぁ・・・・・・・・・」
一刀「はい、取れた。」
そのまま指を自分の口に
そして鳳統の瞳を覗き込む
鳳統「あっ・・・あの。なにか?」
一刀「綺麗な瞳だ」
鳳統「!?」
爆発するように顔が真っ赤になる
後ろでは二人が食い入るように見ている
一刀「若草色ってゆうのかな、不思議な色とても綺麗だ。帽子は似合ってるけどもったいないな」
鳳統「ななななななぜでしょうか!?」
一刀「光が当たるともっと綺麗に見える、宝石みたいにね」
鳳統「はぅー///」
一刀「おっと、あまりじっくり見るのは失礼だったね」
当てていた手を戻す
鳳統は熱病に罹ったようにポーっと一刀を見つめる
さすが一刀そこに痺れる憧れ(ry
向朗「か・・一刀さん・・・・恐ろしい人・・・」
諸葛亮「雛里ちゃん、幸せそうだね・・・」
向朗「私たちの所には男の人居なかったもんね」
諸葛亮「うん・・・一刀さんみたいなお方に仕えたいなぁ・・・」
向朗「私も仕えるなら一刀さんがいい」
諸葛亮「『が』?」
向朗「なんでもないよ!?なんでも!」
一刀「二人ともお茶冷めるよ?」
諸&向「はひゃい!!」
なんともはや・・・・
・・・・
・・・・・
諸葛亮「宜しかったんですか?御代なら私たちも」
一刀「いいのいいの、こういうのは男が払うものだよ」
鳳統「でも・・・」
一刀「はい!この話はお仕舞い。これからどうする?」
向朗「そういえば、二人ともあの本の新作が・・・」
一刀「本?軍略書とか経済の?」
諸葛亮「はい、そんな感じのですよ!」
鳳統「(コクコク!)」
一刀「じゃあ本屋かな?行こう」
向朗「いいんですか?」
一刀「うん、俺も欲しい・・・」
向朗「一刀さん?ひゃわぃ!?」
鳳&諸「ふみゅ!?」
突然前を歩いていた三人を自分の方に寄せる
抱きかかえるように
向朗「かかかかか一刀さん!?どうされたのですか!?」
一刀「三人ともこのまま・・・・前だけ見て歩くんだ・・・」
三人「へ?」
子声で一刀が言う
まるで少女たちを危険から守るように
諸葛亮「なにかあったんですか?」
鳳統「まさか、人攫い・・・?」
一刀「わからない・・・」
一刀が感じてるまるで死肉を漁る亡者の様な気配
粘り気を帯びた視線
経験上この手の視線や気配を放つ相手は誰かの下につき媚び諂う下衆
しかし解せないことがある、視線が定まっていない
まるで何かを探すようにあちこちに飛んでいる
たとえば―――獲物
一刀(気配が消えた?)
向朗「一刀さん?」
一刀「ん、もう大丈夫。どこかに行ったみたい」
向朗「よかったです・・・・所で・・・」
一刀「ん?」
向朗「離していだけるとうれしいのですが///」
両の手は諸葛亮、鳳統の肩に
その間にいる向朗は一刀の胸に後ろから抱かれている状態
さすが一刀そこに痺れるあこ(ry
一刀「ととっ、ごめん」
諸葛亮「いいいえいいんですよ」
鳳統「(コクコクコク!)」
向朗「早く本屋に行きましょう!」
三人に手を引かれて本屋にダッシュ
どさくさに紛れて諸、鳳の二人は手を握ってたり
一刀「へー・・・結構色々あるもんだ」
一刀が物色している本棚
そこは絵本や幻想物語が置いてある
所謂ライトノベル的なもの
字ばかりでなく挿絵が入っている
一刀「これは呼んだし・・・こっちにするか」
一刀が絵本やラノベを読むのは勉強のため
この世界の言葉は解るが字が解らない一刀
そこで桂花に色々教授してもらったが如何せん日数が足りない
そこで解る文字を拾いつつ解らない文字は挿絵で判断出来る
絵本やラノベを教材に目下勉強に励んでいるところである
一刀「ふーむ・・・しかし軍略書とかも読みたいんだよなぁ奥の方かな?」
そう思い奥に進む
三人の少女たちは入り口の方でなにやら黄色い悲鳴を上げている
その声が少し遠くなる場所まで足を踏み込んでしまう
一刀は警戒を怠った
亡者は――――――諦めが悪い―――
・・・・
・・・・・
・・・・・・
向朗「あれ?一刀さん?」
鳳統「どうしたの?水面ちゃん」
向朗「一刀さんが見当たらなくて・・・」
諸葛亮「奥に行ったのかな?見てくるね」
向朗「うん、朱里ちゃんお願い」
店の奥に消える諸葛亮
残った二人は店から少し離れ路地の角にて待つことに
向朗「ここのお店、本当に品揃えがいいよね」
鳳統「うん。珍しい本も沢山あるし何より人があんまり来ない所が」
向朗「だよね、この本表通りじゃ恥ずかしくて・・・・」
二人の手の中に有る本
数冊は政治や軍の物だが本命は口に出して言えない様な題名の本
まぁ年頃の少年少女は誰しも興味を持つと思うが
八百壱は勘弁してもらいたいところである
向朗「朱里ちゃん遅いね」
鳳統「どうしたんだろ?」
「御嬢ちゃん・・・・」
向朗「はい・・・?」
路地から一人の男が現れる
体格は中肉中背黄色い布を頭と腕に巻いている
「ちょっと話があるんだけどさ、一緒に来てくんねえかな?」
向朗「あの・・・すいません友人を待っているので」
「そこを何とか。たのむよぉ」
向朗は感じる
この男は――――危険だ
向朗「雛里ちゃん!こっち!」
鳳統「水面ちゃ!?」
とっさに鳳統の手を取り走ろうとするだが
「っとぉ!にがさねぇよぉ」
鳳統「ひゃ!」
「いきなし逃げるなんて酷いなぁ」
鳳統「いや!はなしてください!」
反応が遅れた鳳統が捕まる
向朗「雛里ちゃん!!このぉ!」
「いでぇ!!」
渾身の蹴りを相手の脛に叩き込む
油断しきっていた男は蹲る
向朗「雛里ちゃん!!急いで!」
鳳統「わっ・・わかった!」
鳳統と男を遮る様に立ちふさがる
少なくと運動の不得手な鳳統より少なからず動ける向朗の方が時間は稼げる
向朗「雛里ちゃん!!逃げて!」
鳳統「でも!水面ちゃんは!?」
向朗「私はいいから!早く!!行って!!」
戸惑う鳳統に檄を飛ばし走らせる
時間が稼げるとはいえ、向朗自身武道の心得など何も無い
男はゆっくりと立ち上がる
「いてて・・・ひでぇことすんなぁお前さん・・・」
向朗「・・・・」
「まぁいいか、一人は確定だしな。さて大人しくしてくれるよなぁ?御嬢ちゃん?」
男の手には剣
反抗すれば結果は見えている
大人しく男の指示に従わざるおえない
向朗「わかり・・・ました」
「うんうん、素直が一番だねぇでも」
向朗「?・・・ぐぅ!!?」
腹部に深々と突き刺さる男の拳
圧迫された肺から空気が逃げる
向朗「うぐぅ・・・・」
「一発は一発だ御嬢ちゃん」
向朗の意識はそこで途切れた
・・・
・・・・
・・・・・
一刀「・・・・・・、ヤバ見入ってた三人とも待ってるのに」
諸葛亮「一刀さん、見つけましたよ」
一刀「諸葛亮ちゃん!ごめんごめんついうっかり」
諸葛亮「いえ大丈夫ですよ。欲しい本は見つかりましたか?」
一刀「うん、しかしここの店は本当にいい店だ」
諸葛亮「そうなんです、ここ知ってる人が少ない穴場なんですよ」
一刀「案内してくれてありがとう」
諸葛亮「いいんですよ、二人が待ってるのでお会計しませちゃいましょう」
一刀「わかった」
会計を済ませ店を出ようとしたその時
鳳統「一刀さん!!朱里ちゃん!!」
諸葛亮「雛里ちゃん!?どうしたの!」
鳳統「水面ちゃんが・・・!!」
慌てて駆け寄る諸葛亮
どうにか落ち着かせ事情を聞く
諸葛亮「そんな・・水面ちゃん・・・」
鳳統「朱里ちゃん!どうしようこのままじゃ水面ちゃんが!」
一刀「落ち着いて、鳳統ちゃんその攫った男の特徴は?」
鳳統「えっと・・・頭に黄色い布を巻いてました」
一刀「黄色い布・・・・他には?」
鳳統「ごめんなさい・・・・覚えてません」
一刀「いいんだ、ごめんね。怖い思いしたのに思い出させて」
微かに震える鳳統を抱きしめる
一刀「諸葛亮ちゃん」
諸葛亮「はい」
一刀「ここら辺で一番柄が悪い奴らが集まる場所教えてくれ」
諸葛亮「・・・・町の一角にある酒場があります。」
一刀「ありがとう。危なくなりそうだから二人は水鏡先生の所に帰るんだ」
鳳統「一刀さんは?」
一刀「気にしないで、慣れてるから」
「いらっしゃい・・・・」
無愛想な店主が不機嫌そうに挨拶をする
ここは町の一角にある酒場
薄暗く湿った空気が漂っている
一刀「聞きたいことがある、最近黄巾党を名乗る奴いないか?もしくは黄色い布を巻いた連中」
「ここは酒場だ。なにか注文したらどうだい」
一刀「・・・・・ならここで一番いい酒を一本」
「はいよ・・・」
店主が差し出した酒瓶
透明な液体で満たされている
一刀「ありがとう、御代はこれくらいかな?」
ガシャンと小気味いい音を立てて
カウンターに袋が投げられる
「ふん・・・、黄巾党はしらねぇが奥にいる奴は最近そんな格好しだしたな」
一刀「どいつだ?」
「一番奥でべらべら喋ってる奴さ、最近妙に羽振りがいい」
一刀「・・・・・」
「噂じゃやべぇ連中とつるんで色々やってるんだと」
一刀「そうかい・・・ありがとな」
「暴れんならさっさとしてくれ、あと店の物怖さんでくれよ」
一刀「善処するよ」
守れそうにない約束を交わし男に近づく
「もう少しすれば俺達の天下よ!!はははははは!!黄巾党に栄光あれってか?ははははははは!!」
「飲みすぎじゃねぇか?金は大丈夫かよ」
「心配すんな!割の良い仕事があるんだよ!攫いやすい女見繕って
仲間に報告これだけでかなり金になるってぇ寸法よ!おい!!酒が足りねえぞ!!」
「へっ俺はごめんだねそんな危ない橋渡りたかねぇ」
「玉無しかテメェ、おい!さっさと持って来い!!」
一刀「興味深い話だな・・・混ぜてくれないか?」
「あぁん?んだテメー!!」
一刀「なに、今の話に興味が湧いたんだ。聞かせてくれるか?特に金の出所とかな」
「テメーに聞かせる話はねえよ!!消えろ!」
一刀「おいおい、そんな邪険にするなよ・・・あぁそういえば酒が欲しかったんだよな?」
「あ?」
一刀「ここで一番高い酒だ・・・味わえよ!!」
後頭部に酒瓶を叩きつける
瓶は割れ、酒が飛び散る
男は机に額を擦りつけ頭を抱える
「てめぇ・・・なに・・・しやがる」
「ひぃぃぃぃ」
一刀「なにって酒を分けてやったんだ。さて話聞かせてくれよ?」
「糞が・・・なにも話すことなんて」
ベキ!
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
一刀「時間がないんだ・・・変な意地張らないでくれ」
「指が!!指がぁぁぁぁ!!」
一刀「大げさだなぁおい・・・たかが親指一本だろ?大声で鳴くな」
「あああぁああぁぁ!!」
味わうことのない痛みに男は叫ぶ
小指なら兎も角親指
人が普通に生活していたら折れる事はない
その痛みは尋常ではないだろう
一刀「話してくれないか?」
ベキ!
「ああぁぁぁぁぁ!!!!わかった!!話す!話すから!」
一刀「ならさっさとしろ、人攫いさん?仲間はどこだ」
「・・・町外れの古寺だ・・・そこに居る」
一刀「古寺ねぇ・・・他には?」
「合言葉がある・・・天地人だ・・・・」
一刀「天地人か・・・似合わんなお前らには」
「これで全部だ!もういいだろ!」
一刀「ああ、助かったよ。これに懲りたらこんな事止めなよ?ほれそれでさっさと病院で見てもらえ」
テーブルに金を投げ足早にその場を去る
一刀「店主、店汚したお詫びだ」
そしてまた金をカウンターに置く
「ふん・・・毎度」
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
町外れの古寺
かつては沢山の僧がいたであろうその場所は
無法者の溜まり場になっている
「おい、まだ客は来ないのか?」
「もう少しだな、なに邪魔は入らないんだゆっくり待とう」
向朗「・・・・・・」
「そうだな、そいつの縄緩くなってないか見てくれ」
「はいよ」
向朗「むぐぅ・・・」
ギリリと縄が締まる
猿轡をかまされた口からは呻き声が響く
「しかし中々上玉だな、いい値が付きそうだ」
「手ぇ出すなよ、こないだのは傷物で値段がガタ落ちだったんだぞ」
「わぁってるよ」
向朗(やっぱり、この人たち最近噂の人攫い・・・どうしよう・・・)
鳳統から聞いていた人攫いの噂
その時は暴走して変なことを言ってるなくらいにしか思っていなかった
向朗(やっぱり売られちゃうのかな・・・)
沸々と恐怖が込みあがってくる
向朗(怖いよ・・・水鏡先生・・・・助けて一刀さん・・・)
「ん?やっとご到着みたいだな」
扉を叩く音に男が気付く
「合言葉わすれんなよ」
「分かってる・・・我らの偶像は?」
「天地人」
「よし、入れ」
向朗(もう駄目ッ!!)
「なんだ!?てめぇ!?ガッ!!」
向朗(!?)
確認に行った男が吹き飛ぶ
吹き飛ばしたと思われる人物が歩み寄る
しかし薄暗い寺の中からは逆光で見えない
「てめぇ!!何もんだ!!」
「その子の関係者だよ」
向朗(一刀さん!)
向朗に方へ目を向ける
その表情は安堵に満ちていたがすぐに怒りに変わる
一刀「さて・・・よかったな俺が武器を持ってきてなくて
半殺しで済ませてやる・・・来い」
「へっ!丸腰でいきがってんじゃねえよ!!でやぁぁぁぁ!!」
男は剣を抜き切りかかってくる
その時猿轡が外れた向朗が叫ぶ
向朗「一刀さん!!危ない!!」
剣を紙一重で避け腹に正拳を叩き込む
崩れ落ちる男の顎にさらに拳を入れる
弾かれた体が元に戻ると同時に眉間にさらに正拳
その一連の流れを一瞬でやってのけてみせた
男はそのまま倒れ痙攣し呻き声を上げる
向朗(凄い!・・・)
「てめぇ・・・まさか」
最初に吹き飛ばされた男がよろよろと立ち上がる
「この辺一帯を締めていた賊をぶっ潰した天の御使いか・・・?」
向朗(え!?)
一刀「だったらどうするんだ」
「まじかよ・・・ちきしょう敵うわけねえよ・・・」
一刀「戦う気がないなら去れ、それともこいつと同じ目に会いたいのか?」
「ひぃぃぃぃ!」
倒れている仲間を引きずるように逃げる男
それを見届けると向朗に駆け寄る
一刀「向朗ちゃん大丈夫?今解くから」
向朗「はい・・・一刀さん・・・」
一刀「酷いな跡になってるよ・・・それでどうしたの?」
向朗「一刀さんいいえ御使い様、どうして身分を隠しているんですか?」
一刀「・・・・目立つのが嫌いなんだって言っても信じないよね?」
向朗「それは・・・」
一刀「有名になるとろくでもない事になるからね。俺は知ってるからそうなった人を」
向朗「昨日話してくださったお師匠様ですか?」
一刀「うん、さあ解けたよ」
縛られていた手首を摩る
一刀「立てる?」
向朗「あっ・・・はいありがとうございます。・・・あの男の人たちなんだったんでしょう
黄色い布で統一して・・・宗教ですかね?」
一刀「そんなもんだよ」
向朗「ご存知で?」
一刀「まぁ・・・ね、そろそろ動くか黄巾党・・・・・」
向朗「一刀さん・・・」
一刀「ごめん・・・さて帰ろうかみんな心配してるよ?」
向朗「・・・・はい」
私塾に帰った一刀と向朗を迎えたのはクラスメイト達
それぞれが向朗に抱きつき涙を流して喜んだ
特に諸葛亮と鳳統の二名は向朗に抱きついて離れなかった
水鏡は深く一刀に感謝し生徒の帰還に感涙の涙を流した
そしてその夜
水鏡「まだ起きていたんですか?向朗」
向朗「先生・・・・」
月明かりが差す窓辺に佇んでいた向朗に優しく問いかける
水鏡「綺麗な月ですね」
向朗「はい、とても綺麗です」
水鏡「何か悩み事ですか?」
向朗「えっ?」
水鏡「貴方は何か悩んでいる時はいつもここに居ますからね」
向朗「・・・・・・////」
水鏡「相談に乗りますよ?」
向朗「・・・・一刀さんは明日出発するんですよね・・・・」
水鏡「ええ、そう仰っていましたね」
向朗「・・・・」
水鏡「そういえば、貴方がここに始めて来た時もここで月を眺めていましたね」
向朗「そういえば・・・なつかしいです」
水鏡「郷愁の念に罹っているかと思えば、幼くして時勢を憂いているとは思いませんでした」
水鏡は一つ一つ大切な物を思い出すように言葉を紡ぐ
水鏡「貴方がここに来てだいぶ経ちます、そろそろ頃合かと思いますが?」
向朗「え?」
水鏡「共に行きたいのでしょう一刀さんと」
向朗「・・・・・はい」
水鏡「辛い事や危ない目に会うかもしれませんよ?それでも・・・」
向朗「それでもです。私はこの天下のために何かしたいんです、何より一刀さんの役にたちたい」
そう語る彼女の瞳は一点の曇りも無く真っ直ぐに水鏡を見やる
水鏡「そこまでの思いなら私は止めません」
向朗「先生・・・」
水鏡「ですが、無事に帰ってきてくださいね?貴方は私の娘同然なのですから」
向朗「・・・!はい!!」
水鏡「ふふ・・良い返事です、さぁもう寝なさい」
向朗「はい!おやすみなさい!!」
飛ぶが如く、文字通り先程の沈んだ空気は何処へやら
真っ直ぐに自分の部屋へと戻って行った
一人残された水鏡は静かに月を見る
水鏡「・・・・どうか、あの子の行く道に光在らんことを・・・・・」
・・・
・・・・・
・・・・・・・
一刀「お世話になりました」
水鏡「いえいえ、此方こそ本当にお世話に・・・」
翌日一刀と向朗を見送らんと門の前に私塾の面々が集まっていた
朝早く一刀に特攻を仕掛けそれはもうどこぞのS○SやSW○Tも顔負けの早業だった
しかし一刀について行きたいと言う思いは本物で、それは一刀にも伝わり
結果一刀の許しを得て、共に行くことが決まったのである
諸葛亮「水面ちゃん・・・元気でね・・・」
鳳統「うぅ・・・」
向朗「朱里ちゃん雛里ちゃん、大丈夫だよ!一刀さんが一緒だもん!また会えるよ!
だから二人とも泣かないで?いつもの笑顔を見せてよ」
鳳統「ぐす・・・うん」
諸葛亮「水面ちゃんは強いね・・・わかったもう泣かないよ!」
向朗「うんうん!やっぱり二人は笑顔が一番だよ!!」
友との別れを惜しむようにヒシッと抱き合う三人
一刀「ではそろそろ出発します」
水鏡「えぇ、向朗のことよろしくお願いします」
一刀「はい俺が持てる全ての力で守ってみせます」
水鏡「ふふ頼もしい言葉です、御武運を」
一刀「ありがとうございます、向朗ちゃん!そろそろ行こう!」
向朗「はい!!じゃあね二人とも!」
別れの言葉を最後に振り返らず一刀の横に並び歩き出す
諸葛亮「水面ちゃーーーん!!元気でねーーーー!!」
鳳統「風邪に気をつけてねーーーー!!」
大きく手を振る二人、それに応え向朗もまた大きく手を振る
二人はその背が見えなくなるまで手を振り続ける
・・・・
・・・・・
・・・・・・
向朗「一刀さん!これから何処に行くんですか?」
一刀「俺の仲間の所に行こうと思ってる」
向朗「仲間?」
一刀「そう、昨日のうちに手紙を出したんだ、時が来たってね」
向朗「?」
一刀「向朗ちゃんこれから大きな戦いが始まる、それが終わってもまた次また次といろんなことが起きる
俺は全力で君を守るつもりだ、それでも君に危険が及ぶかもしれないそれでも・・・」
向朗「一刀さん、私なら大丈夫です。」
一刀「え?」
向朗「貴方と共に行きたいと思った時から覚悟は決まっています、
不肖この向巨達もてるすべての知恵と学んだすべての策を貴方のために使うことここに誓います。
この身尽きるまで貴方の頭脳としてどうかお使いください」
一刀「聞くまでも無かったか・・・わかった君の頭脳ありがたく使わせてもらうよ。
向朗、君の真名は?」
向朗「はい、我真名は水面どうかお受け取りください」
一刀「水面・・・いい真名だ、さて行こうか水面」
水面「はい!」
次回へ・・・・・
忙しいってレベルじゃねーぞ!!夢幻です
さて次回雷轟さん復活ですファンの方はってファンいるのかな・・・・
とにかく次回は雷轟さん復活です、さらに二人新しい仲間が入る予定です
お楽しみに!
では次回の作品で・・・
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ヒャッハー!!TINAMIよ私は帰ってきたぁぁぁぁぁ!
俺を縛るものは何も無い!!
ということで6作目です