No.129462

真・恋姫†無双 十√ 15

kazさん

しばらく書かなかったら書き方忘れました

 なんかもうやりたい放題ですwどこに向かってんだろうな俺…

2010-03-11 21:43:15 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:40884   閲覧ユーザー数:26692

『十面埋伏』

 

十の部隊を伏兵化した縦深陣を敷き、囮を使い敵が十分侵入してきたときに退路を遮断、

敵の先頭を潰し、さらに左右から衝き、最後に包囲殲滅する戦法、作戦立案は程昱こと風さんである。

 

 

袁紹軍が残った兵で北郷軍に反撃する為に倉亭に着陣すると、北郷軍もそれを討つ為に進軍する、

残存兵力とはいえそれでも北郷軍より多い袁紹軍、そして戦いが起こると何と袁紹軍が有利に戦いを進める事に

連戦連勝!それに気をよくした麗羽様は

 

「おーーっほっほっほっほ、やはりこの華麗で優雅で美しいワタクシこそ天下に覇を唱えるに相応しいのですわ!」

 

斗詩さんですら「きっと連戦で疲れてたのね」と分析していた、しかし意外にも猪々子さんは

 

「むーーー、おかしい!あいつらすぐ逃げていきやがる、あーーつまんねーつまんねー、なんかおかしいぜあいつら!」

 

と違和感を感じていた、そしてそれは当たっていたりする、官渡での大敗でさすがに慎重になって動かない袁紹軍をわざと勝たせる事で袁紹軍(特に麗羽様)は必ず調子に乗って追撃をすると考えたのだ、そして実際その通りになる、一刀自ら率いた軍が麗羽の本隊に視認されるように行動し、すぐさま遁走してみせると

 

「おーーっほっほっほ!逃がしませんわよ、このワタクシに恥をかかせた報いを受けて頂きますわよ本能さん!」

 

「北郷ですよ姫」

 

麗羽の天然に冷静にツッコむ斗詩さん、そんな感じのいつものやりとりをしながら一刀達を追撃する麗羽様と袁紹軍であったがそこには北郷軍が万全の態勢で待ち構えていた。

 

 

「さてさて、それでは皆さんお待たせしました~、本気出して袁紹軍をやっつけちゃいましょうね~」

 

 

いつものゆる~い言葉とは裏腹にその内容はえげつない十面埋伏、北郷軍の面々は風さんの恐ろしさをまざまざと感じつつも深追いしてきた袁紹軍に対して作戦通り攻撃を開始する、例えるなら十人の仮面ライダーが怪人一人を袋叩きにする感じで、不意を突かれさらに次から次へと現れる伏兵に袁紹軍は大混乱、もはや軍とも呼べないほどになり壊滅していく。

ちなみに麗羽様達は

 

「待てーーーーーーー!!!!」

 

「待てと言われて待つお馬鹿はいないですわよ!おーーーーーッほっほっほっほーーーーー!!!!」

 

「いやあの姫、負け戦でそんな偉そうに言われても…」

 

「ああん、待ってくださいよぉーーーー、なぁんでこんな時だけ早いんですよーーーーーー」

 

今まで見た事のないような速さで北郷軍の追撃を逃れていく、

何でそれを今までの戦闘に生かさなかったんだろうなぁと追撃する凪などは思ったりした、

結局麗羽、、猪々子、斗詩さんを捕らえる事はできなかったもののここの戦いも北郷軍の勝利で幕を閉じる。

さらに北郷軍はその勢いで袁紹軍の本拠地南皮を陥落、

ここの占拠を境に河北から袁紹軍の影響力が一気に失われていく事になる。

元々袁紹の統治に不満を持っていた者も多く、さらに天の御遣いの名、そして数々の武勇に袁紹軍の大軍を撃破した北郷軍の風評は河北全域に響き渡り傘下に入ろうと言うのは自然の流れのでもあった、大きな戦いもなく被害らしい被害もなく袁紹支配下の地はその主を一刀へと変える事となる。

 

戦後処理を風達にまかせた一刀は護衛の霞と一緒に一旦本拠の許に帰還する、

一刀達が王座の間にやってくるとそこには月、詠、流琉、そして桂花が待っていた

 

「おかえりなさいませご主人様、ご無事でなによりです、本当に、よかった…」

「勝ててよかったわね、もし負けてたらまた月が苦労する事になってた所だからよかったわ、

…けど、やっぱりあんたって凄いのね…」

「兄様おかえりなさいませ、ずっと心配してたんですよ、あ、兄様に教わった天のお料理作ってみたんです、

その…食べていただけますか?///」

 

「ありがとう月、心配かけたね、でも皆が頑張ってくれたおかげで無事でいられたよ」

「詠、俺は凄くないよ、戦ったのは皆だからね、俺はただ皆の帰りを待ってただけさ」

「流琉、ありがとうな、久々に流琉の美味しい食事が食べれると思うと今から楽しみだよ」

 

と月、詠、流琉の言葉に笑顔で答える一刀、

ただ一人何も言わず何かを待っているかのような感じの桂花に一刀は優しく声をかける

 

「ただいま桂花、桂花の書簡のおかげで心を保てたよ、ありがとうな、また俺がくじけそうになったら叱責してくれな」

 

その言葉に、少し赤くなった桂花はそれを隠すかのように強い口調で

 

「ふんっ、わ、私はただあの馬鹿女の高笑いを二度と聞きたくなかっただけよっ!深い意味はないんだから!」

 

「それでもだよ、ありがとう桂花」

 

「ふんっ!」

 

そんな様子に王座の間は笑いに包まれたり、そんな楽しげな所に兵が慌しくやってきて

 

 

「申し上げます!城門に公孫賛と華雄と名乗る者が郭嘉様の書状を持って参っております!」と

 

 

その言葉に一瞬にして場が

 

 

 

「「「へ?」」」  

 

 

 

となる

 

 

 

 

稟の書状には

『幽州制圧中に不審な家があるという噂を聞きつけ行ってみるとそこには桃色な雰囲気の公孫賛と華雄がいたとの事、

二人は袁紹軍の追っ手から逃れていたらしく河北が一刀の手に落ちたと教えると公孫賛が是非会いたいと申し出たので風や秋蘭達と相談した結果、まぁ危険はないだろうというのでそちらに向かわせた』と

 

本人かどうかの確認をした一刀は月と詠を呼ぶ、死んだと聞かされていた月の無事な姿を見た華雄は涙腺決壊

月のところまで行くと子供のように泣きじゃくって無事を喜ぶ

 

「詠!それにゆ、月様ーーーーーーーーー!!!!」

 

「華雄さん、ご無事でよかった」

「華雄、あんたほんとしぶといわね、でもほんと無事でよかったわ」

 

久々の再開に抱き合う旧董卓軍の面々、そんな姿をほのぼのと見ていると公孫賛さんが話しかけてくる

 

「北郷…、いや北郷殿、我等の処遇はどのようになるのだろうか?」

 

「そんな畏まらないでよ、俺は公孫賛さん達さえ良ければ俺達の仲間になってほしいと思ってるんだけどどうかな?」

 

「仲間に?いいのか、私は国を落とされた無能な君主なのだぞ」

 

「公孫賛さんを無能だなんて言う奴はここには誰もいないよ、袁紹との戦いは運が悪かった、まぁもっと袁紹に対して用心していたらよかったとは思うけどもう済んだ事を言ってもしょうがないだろ、それにこれからは広大な地を治めないといけない、それには有能な人材がいくらいても足りないほどなんだ、俺達には公孫賛さんの力が必要だ、何でも無難にこなせるその非凡な才能が」

 

「北郷…、ありがとう、どのくらい力になれるかわからないが協力はさせてもらうよ」

 

「よかった、ありがとう公孫賛、これからよろしく頼むよ」

 

「白蓮だ、これからお前に仕えるのだから真名を受け取って欲しい」

 

「わかった白蓮、この国を良くする為に一緒に頑張っていこうな」

 

こうして公孫賛こと白蓮は北郷軍の仲間になる、そして一刀は華雄に対しても仲間になってほしくて

 

「華雄さん、できれば貴方にも俺達の仲間になって「ならぬ!」…え?」

 

一刀が言おうとするも華雄さんはきっぱりと拒否をする、少し戸惑う一刀、月をよそに華雄は話す

 

「我が武は月様にのみ捧げたものだ、どのような理由で月様を懐柔したかはわからぬが貴様のような得体の知れない奴の元で働く気はない!そもそも貴様らが我等を攻めたが為にこのような事になったのであろうが!」

 

「か、華雄さん…」

 

華雄のきっぱりした拒否の言葉に月は戸惑う、そんな月に華雄は

 

「さぁ月様、このような者の所などすぐに立ち去り、涼州へ戻りましょう!」

 

月の手を取る華雄、詠ですらその様子に戸惑う、そんな華雄を

 

「相変わらずのアホやなぁ、皆困っとるやろが」

 

華雄達のやり取りに割り込んできたのは霞

 

「おお霞、貴様もこんな所にいるよりも月様の元で戦う方が良いと思うであろう!」

 

「はぁ、ほんま変わらんなぁ、ええか、うちはもう一刀の部下や、せやから一刀の所から出て行くつもりはないで!

それからあんま月達を惑わすんやない、あんま無茶言うんやったらここから放り出すで」

 

その言葉に華雄の顔が変わる、怒りに満ちた感じで霞に詰め寄る

 

「霞、貴様しばらく会わぬうちに腑抜けになったな、月様を裏切ってこんな男に尻尾を振るなど!恥を知れ!」

 

「なんやともういっぺん言ってみぃ!昔の仲間や言うたからて容赦せぇへんで!」

 

何か急に一触即発な状態になってしまう華雄と霞、一刀がそれを止めようとする前に意外な人物がそれを制す

 

 

「おやめなさい華雄!」

 

 

一触即発の空気を裂いて一喝したのは月だった

 

「聞きなさい華雄、私がここにいるのは私自身が望んだ事です、私はここにいる北郷様に全てを託したのです!

命を助けてもらい、他の諸侯に知られれば攻める口実を与える危険を賭してまで私達を匿ってくれたのです!

脅されてもいないし自分の意思でここにいます、そして霞さんはなんら恥じるような事はしていません!、

そんな彼女を、北郷様の臣下を、そして北郷様を侮辱するような事を言うのであれば私は貴方を決して許しませんよ華雄!」

 

その言葉にシンッ…となる王座の間、しばらくして泣き声が聞こえてくる、声の主は華雄さん

 

「う…ひっく…ご、ごめんなさい…ごめんなさい月さまぁ…ひっく…」

 

なんか子供のように泣くじゃくって月に謝る華雄さん、さっきの凛々しい姿とのギャップでなんか萌える一刀さん(オイ

月は深呼吸すると再び優しく華雄に手をさしのべ

 

「華雄さん私のせいで色々苦労をかけてしまいました、すみません、でも私は今北郷様のおかげで本当に幸せなんです、ですから華雄さんも私達と一緒に北郷様の力になってもらえませんか?」

 

「は…はい…」

 

優しく声をかける月に泣きじゃくる華雄は頷く、その姿を見た霞も「やれやれ」といった感じで闘気をなくす、そして一刀は再び華雄の所に行き

 

「華雄さん、俺の為とかじゃなくていい、月の為に、華雄さんの守りたいものの為でいい、俺達の力になってくれないだろうか」

 

と、少し考える華雄だったが霞の笑顔、詠の笑顔、そして月の笑顔を見て

 

「わかった、今は…月様に免じてお前の為に働いてやる」

 

一刀の為…という感じではないけどとりあえず仲間になってくれた事に一安心する皆々だった

 

 

 

 

月達と楽しそうに話す華雄を寂しそうな目で見る人物、白蓮だ

 

「…よかったな華雄、お前の…大切な人達が生きていて…」

 

「白蓮?」

 

「もう、私がしてやれる事は…ないな、じゃあなっ!」

 

そう言うとばっ!っと出口に向かおうとする白蓮、その目からは涙のようなものが見える、華雄はそれを見逃さなかった!

そして一刀さんは”えと、まだ今後の事で話したい事があるんですがー”とか思っていたが言えない感じだった

 

「待て白蓮!」

 

出口からでかける所をすんでの所でがしっ!と白蓮の手を掴む華雄

 

「離してくれ華雄!お前にはもう帰る所がある、大切なものがある、私はもう必要ないんだ…」

 

「何を言う!お前は私にとってかけがえのない…」

 

そこまで言って二人は見つめあう、その様子を

 

 

………

 

 

と、呆然と見る一刀、霞、詠、桂花、しかし月と流琉は

 

「「は、はぁぁぁ!////////どきどき!」」

 

と何か顔を赤く染めてこれから何が起こるんだろうとわくわくしている、そんな人達をよそに二人は二人だけの空間を作り

 

 

「白蓮、好きだ!」

 

「!!////」

 

 

その瞬間「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああんんん////////」」

 

 

という桃色の叫び、声の主は月さんと流琉さん、一刀、霞、詠、桂花は唖然、というか真っ白

 

 

「か、華雄…その、わ、私もお前の事が好きだ!」

 

 

「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああんんん////////」」

 

 

再び起こる桃色の声でようやく我に返った一刀は

 

(こ、これが百合空間かっ!)

 

とかなんか訳分からない事に戸惑ってたり

 

 

「月様は私にとってかけがえのない主、だが白蓮お前も私にとってかけがえのない大切な人なんだ、

だから、これからも一緒にいよう」

 

「華雄、ああ!一緒にいよう!ずっと、これからも!」

 

 

ええっと、どうしたらいいんだこの状況…

そんな風に戸惑う&呆れる一刀さん達、とりあえず我に返った桂花が今後の事について色々と指示をする、桂花の指示で白蓮は河北の統治を任される事になり華雄も「一緒に行く!」と強く嘆願したのでそれを承諾する、桂花自身心の中で

 

(もう勝手にしなさいよ、付き合ってたらこっちまで変な気分になっちゃうわ///)

 

とか思ってた、そして華雄はさきほどの様子を見て真っ赤になった月の元に歩み寄り

 

「月様我侭をお許しください!この華雄愛の為に生きていこうと思います!」

 

「は、はい!が、頑張ってくださいっ!色々とっ!!/////」

 

なんか月が壊れ始めた気がした一刀さん、詠もそれを頭を抱え苦々しく見ている

こうして華雄さんと白蓮さんは仲良く河北へと旅立っていったのでした。

 

 

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後日談ではあるが月が部屋で何やら書いたものがある人物(ほほぉ、これはよいものですね~)に見つけられどこからともなく流出し、写本に写本を重ねいつしか店で高値で取引されるようなものになったとか、ちなみにその本を見た方々の反応は

 

 

「は、はわわわわ、こ、これは!え、ええっ!お、女の子同士でそ、、そんな/////」

「あわわわわ!あわわわわ、す、凄いよ朱、朱里ちゃぁん!!//////」

 

 

「ほ、ほおお、これは中々…ふむ、ほおおおお////」「何見てるの冥琳?」

 

 

 

『お月様が見てる 第一巻』

絶賛発売中!

 

 

 

 

揚州・寿春

 

 

一刀達が河北の支配権をかけて袁紹と戦っていた頃、揚州でも孫策軍が袁術軍の支配からの独立、そして揚州をかけて戦っていた。

 

「雪蓮様!敵軍が総崩れとなっております!今こそ突入の好機かと!」

 

「わかったわ、冥琳後はまかせるわよ、私は袁術の頸を取ってくるから!」

 

「わかった、明命、雪蓮の護衛を頼む!」

 

「はっ!」

 

孫策軍の攻撃で袁術軍は総崩れとなっていた、練度の差とはいえ数で圧倒し、篭城していたにも関わらずだ、

それ程孫策軍の今までの鬱憤を晴らすかのような猛攻は凄まじかった

 

どっかーーーーーーーーーーーーーーん

 

そして寿春の城門は破られ孫策軍はなだれ込む、先頭は雪蓮自らが突き進む、立ちはだかる者は全てなぎ倒されまさに小覇王の名に相応しい戦いぶりに孫策軍の兵士は歓喜し、袁術軍の兵士は戦意を喪失していく

 

 

-寿春城城内-

 

「ああん、どうしましょう、孫策さんの所の兵士さん達が城内に入ってきちゃいましたよ~」

 

「うう~、七乃もう疲れたのじゃ~おぶってたも~」

 

「無理ですよ~、私も体力の限界きちゃってますし~」

 

「うう~」

 

「美羽様もう少し頑張ってください、大丈夫ですよ七乃がついてますから、

さ、こっちへ、裏門から逃げちゃいますからもう少し頑張ってくださいね~」

 

「わかったのじゃ~」

 

そういってよろよろと立ち上がる美羽、しかし運動らしい運動もした事のない為すぐに座り込む美羽、

七乃はそんな美羽を元気付け、そして手を引いて裏門へと通ずる道へ出ようとした時

 

 

「お久しぶり、袁術ちゃん」

 

 

「「!!」」

 

冷たく、しかし美しいその声の聞こえる方向に恐る恐る顔をむける美羽と七乃、そこにいたのは

血まみれになった南海覇王を持った雪蓮

 

「ぎゃーーーーーーーでたーーーーーー!!!」

「でたのじゃーーーーーー!!!」

 

「ちょっと失礼ね、人を化け物みたいに言わないでよね!」

 

「な、ななな何の用じゃ、妾はお前になど用はないのじゃ!」

 

「そ、そそそうですよ~、用がないので私達はこれでお暇させてもらいますから孫策さんはごゆっくり~」

 

「つれない事言わないでよ、私は貴方達に用があってわざわざここに来たんだから、貴方達を殺すって言う用事がね」

 

そう言うと雪蓮は血のついた南海覇王をちゃきっと構える、その様子に美羽様と七乃さんは

 

「あうあうあうあうあう~死にたくないのじゃ~」

 

「ううう~美羽様~」

 

「さて、じゃあそろそろ死んでもらおうかしら」

 

「うわああああん、助けてたも~」

 

 

どしゃあああああ!!!!

 

 

振り下ろされる南海覇王、美羽と七乃はその瞬間死を覚悟した、しかし…

 

「なぁ~んてね」

 

 

「「ほえ?」」

 

 

振り下ろされた南海覇王は二人の頸にではなく、目の前の床に突き刺さっていた

 

 

 

 

「冗談よ、今貴方達の命を奪った所で何にもならないでしょ」

 

「じゃ、じゃあ妾達をたすけてくれるのかや!?」

 

「今すぐここから出て行って二度とこの国に戻ってこないって約束できるならね、もしまた見かけるような事があったら」

 

「「あ、あったら…」」(ゴクリ)

 

二人が真っ青になって汗だくで息を呑むのを、にこっと笑顔の雪蓮がさらっと言う

 

 

「あの時死んでた方がよかった、っていうくらいの殺し方で殺してあげる」(ニッコリ)

 

 

「「ひ、ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」」

 

 

しょあああああああああ

 

 

その言葉、そして雪蓮の今まで見た事もないような殺気に満ちた顔に美羽はついおもらしをしてしまう

 

「……ぁう…は、……ぅぁ…ひっぐ、ひっく…」

 

「はあ…、もういいから早く行きなさい、見てると段々殺したくなってくるから」

 

「は、はいっ!さ、ささっ美羽様早く行きましょう、すぐ行きましょう!!」

 

「う、うぐうぐ、で、でもここを出て行ってどこに行くのじゃあ~、ここが妾達の国なのじゃぞ~」

 

「う、ま、まぁなんとかなりますよ、そうだ麗羽様の…は、もうなくなっちゃったんだっけ、劉表さんとは敵対してるし、益州は遠いですし~」

 

何か色々考える二人をみてイライラしてきた雪蓮は”やっぱ今殺そうかしら”とか思い始めていたがある考えがふと浮かびニヤッとする

 

「かず…北郷軍の所に行けばいいんじゃない?」

 

雪蓮のその言葉に美羽と七乃は「「ほえ?」」っという感じになる

 

「ほんごう?……誰じゃそれ?」

 

「はぁ~、袁紹を倒して今河北の支配者になってるでしょ!まったく」

 

「ああ、そういえば麗羽様を破った人の名前が北郷とかいう人でしたねぇ~、でも何故そこに行けと?」

 

七乃の問いに雪蓮はイラッとしながらも答える

 

「か…北郷は可愛い女の子には優しいっていうから、行けば優遇してくれるんじゃない、って思っただけよ、

まぁ行きたくないっていうならそれでもいいけどね」

 

「おお!可愛い女の子とはまさに妾の事ではないか!そうかそうかわっはっは!♪」

 

「ああん、お嬢様はほんとこの国で一番可愛いですからねぇ~♪」

 

なんかいつもの調子に乗ってきた二人に

 

「ああ…なんかやっぱり殺したくなってきた…」

 

とゆらぁりと南海覇王を構える雪蓮

 

「ひゃ、ひゃああああ、な、七乃行くぞ!今すぐここから出て行くのじゃ!そして北郷とかいう輩の所に行ってその国を乗っ取ってやるのじゃ!」

 

「ああん、さすがお嬢様!こんな危機的状況でも野心むき出し、そんなお嬢様最高~!」

 

「はっはっは、もっと誉めてたも~、よし行くぞ七乃!」

 

「はぁ~い、七乃はどこまでもついて行きますよ~♪」

 

そんな事を言いながら二人は凄い速さで城を出て行く、その様子をはぁーっと溜息を吐いて見る雪蓮、

それを影から見ていた冥琳が

 

「いいのか?逃がして」

 

「ん~、何かあの二人を見ていたらどうでもよくなってきちゃったのよね~」

 

「そうか、しかし北郷の所に行けか、何故そんな事を?」

 

「だぁって、一刀にはずーーーっと主導権とられてる感じじゃない、一回くらい困らせるような事しないと気がすまないもの!」

 

「…そ、それだけの為にか…」

 

なんか長年の仇敵を逃すという理由が”一刀を困らせたい”という理由に頭を抱える冥琳さん

 

「な、なによぉ~冥琳だって一度くらい一刀を困らせたいって思うでしょ!ね、ね!」

 

「はぁ、まぁ理由はもうどうでもいい、しかし袁術が北郷の所に行ったからといって北郷は困…るな、確かに」

 

「でしょ!あんなのが近くにいたらきっと一刀は振り回されるわよ~」

 

「だが、袁術が北郷に惹かれるという事もありえるのではないか?」

 

「ええっ!まっさかぁ、さすがに一刀でもあんなお子ちゃまを手篭めにしたりはしないでしょ~、あははは」

 

 

「だが、北郷だぞ」

 

 

その言葉に笑ってた雪蓮はぴたっと止まる、そしてなんか嫌な汗が出てくる

 

「は、はは…」

 

そして心の中で強く想う

 

 

 

(一刀!自重してね!)

 

 

 

 

 

官渡、倉亭で袁紹軍を撃破し河北をほぼ手中にした一刀達だったが、各地の掌握にはまだ時間がかかっていた、

そんな中幽州では突如烏丸族が襲撃してきて酷い被害をこうむったとの報告がくる、

一刀達は烏丸族討伐に霞、稟、そして仲間になったばかりの華雄、白蓮を派遣する

特に白蓮は元々の主であり、勝手知ったる幽州でもあった為、後方支援や幽州掌握などに力を振るう

 

 

 

『郭嘉』

 

 

 

「霞殿今です!敵の殲滅を!」

 

「おっしゃ!まかしときぃ!」

 

幽州に侵攻してきた烏丸族の討伐はその最終局面に入っていた

一刀と麗羽の戦いによってできた空白を突いて攻めてきた烏丸族だったが北郷軍がすぐには攻撃してこないだろうと油断していた所を稟が

 

「兵は神速を尊びます、輜重隊を切り離し時をおかず彼らを急襲すべきです!」

 

という献策により北郷軍の中から選りすぐった軽騎兵隊を選抜し霞に指揮をさせる、

神速の名の通りの速度で不意を突いて攻める北郷軍、そしてその策は見事に的中し、

奇襲を受けた烏丸族は壊滅的被害を受け撤退していく

 

「追撃は無用です、輜重隊を置いてきている分、補給が心もとないですから」

 

「そっか、まぁしゃあないな、兵を飢え死にさせるわけにゃいかんし、しかしうち稟見直したわ、

こんなおもろい博打まがいな戦い方させるとは思わんかったからなぁ」

 

「冷静に状況を分析してこれが一番効果的かつ確実だと判断しただけです」

 

「ははは、まぁええわな、それよりはよ戻ろ、華雄と公孫賛も今頃は苦労してるやろうから」

 

「そうですね」

 

この戦いで何か仲良くなった稟だった、そして稟達が幽州での拠点易京に帰還してくると二人は驚く、そこには

 

「お?一刀やないか、なんでおんのん?」

「か、一刀殿、どうしてここに!」

 

「いや、なんか皆のことが心配になってさ、来ちゃったんだ」

 

易京の城門前には一刀と護衛の季衣、流琉、それに留守を守っていた白蓮と華雄が稟達を待っていた、

この幽州はほとんど北郷軍の支配下に置かれてるとはいえ烏丸族が攻め入ってきてからは治安が悪く、

さらに袁紹軍残党、北郷を良く思わない者と、敵はまだまだ多かったので稟は

 

「何を考えておられるのですかっ!ここはまだ安全というわけではないのですよ!」

 

と大激怒、一刀を心配しての事とはいえこんなに怒った稟をあまり見た事のなかった一刀は

 

「あ、う、うん、ごめん、でも稟や霞達の事が気になったらいてもたってもいられなくてさ、それに季衣達もいるし大丈夫だよ」

 

「そうだよ!にいちゃんはボクが絶対守るから大丈夫!」

「わ、私も必ず守りますから」

 

「そういう問題ではありません!…はぁ、もういいです、どうせ貴方は私の言う事など聞かないのですから…」

 

そう言ってぷいっという感じに拗ねる稟

 

「ご、ごめん稟、悪かった、これからはもっと気をつけるよ、ただ、ほんとに稟や霞の事が心配だったんだよ」

 

「…い、いえ、私もきつく言ってすみませんでした…、そ、それでは私はこれで」

 

「あ、稟!」

 

一刀の優しい言葉につい赤くなってしまった稟はそれを隠すように足早に城に入ろうとしたが

急いでいた為に躓いてしまいこけてしまう ドッ!

 

「あ、痛っ!」

 

「稟!、大丈夫か!」

 

倒れている稟に近づく一刀達、大丈夫だという稟はあきらかに辛そうな顔をしている、よくみると足を挫いていた

 

「だ、大丈夫です、こ、この程度は…つっ!」

 

無理して立ち上がろうとする稟に一刀が

 

「無理すんな!酷くなったらどうすんだ!、ちょっと我慢してくれよ、よっ!」

 

そう言うと稟をお姫様抱っこする一刀、皆はその様子にふあーーっという感じ、抱かれた稟は唐突な事に

 

「あっ!だ、大丈夫ですから、お、下ろしてください!////」

 

「だめだ!ほらっじっとしてて、すぐ治療の出来るところまで運んでいくから」

 

そういうとその状態で城の中に入っていく一刀、周りはその様子をなんかじっとみながら

 

「いいなぁ////」

「お似合いやなぁ」

「白蓮、してやろうか?」

「よ、よせ、恥ずかしいだろ!///」

 

そんな感じの感想を述べてたり、当の稟は顔を真っ赤にして何もいえず、一刀の顔も恥ずかしくて見れず、ただ顔を真っ赤にしてうつむいていた

 

その後治療をしてもらった稟は椅子に腰掛けて色々考えていた

 

(わ、私は何を考えているのですか!か、一刀殿は皆に優しいのです、私だけ特別などという事はないのです!

そう、きっと…)

 

などと考えてるとお茶を入れてきた一刀が入ってくる

 

「怪我がたいした事なくてよかったよ、はいお茶、色々大変だったろうけどまずはこれでも飲んで落ち着いて」

 

「あ…ありがとうございます////」

 

そう言うとお茶を受け取る稟、その手は少し震えていた、一刀の顔をまともに見れない稟は一刀から目をそらし少しづつお茶を飲む、そんな稟に

 

「稟、他にどこか悪い所でもあるのか?何か顔が赤いぞ?」

 

「えっ!/// な、何でもありません、こ、これはその…お茶が美味しくて…」

 

「そう、それならいいんだけど」

 

そう言ってお茶を飲む一刀、そんな一刀に胸の鼓動が激しくなってくる稟、このままじゃどうにかなってしまう!

そう思った稟は立ち上がり

 

「そ、それでは!まだ処理しなければならない事案がありますのでっ!」

 

そう言って無理して部屋を出ようとするも怪我した足が痛み倒れかける、しかしそれを一刀が受け止める

 

「稟、無理しちゃダメだろ」

 

「あ、ああ、だ、大丈夫です、ほんとに…////」

 

胸が張り裂けんばかりの稟、とにかく早く一刀から離れようともがくが離れない、それどころか抱き寄せられる稟

 

「あっ!」

 

目の前には一刀の顔、止まらない鼓動に一刀から予想外の言葉がかけられる

 

 

「稟…、好きだ」

 

 

「!!!」

 

急なその言葉に稟は頭が真っ白になっていく、しかしさすが軍師、少しずつ冷静に素数を数えていく二、参、五、七…

 

「俺ずっと稟の事が好きだったんだ、会った時からずっと、そして一緒にいるうちに凄く大切に思えてきたんだ」

 

「か、一刀殿何を…//////」

 

「稟…、俺、もう…」

 

「や、やめてください、ひ、人を呼びま…ん、んくっ」

 

言う途中で一刀は稟の唇を奪う、熱く、濃厚な口付けをする一刀、稟は急な事に戸惑い抵抗するもののいつしか一刀を受け入れていく、そして一刀は稟を寝所まで連れて行くと稟を優しく寝かせ

 

 

「稟…」

 

 

「は、はぁぁ、あ、か、一刀殿…////]

 

稟は一刀がこの後何をしようとしているのかを感じる、どうしていいのか、しかし稟は一刀の想いを断れなかった

一刀は稟の体にやさしく触れる、唐突な事に敏感に反応してしまい恥ずかしくなっていく稟

 

 

「あっ…////」

 

 

そして一刀は稟の服を優しく脱がしていく、露になっていく稟の白く美しい肌、そして一刀の手がその内ももをまさぐり、さらに稟の大切な部分までなぞって…

 

 

 

 

 

 

ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー っ!

 

 

「ふ、ふあああああああああああ」

 

 

どだあああああああああんん!

 

どくっどくっどくっ…

 

 

 

そこには妄想をし続けていた稟が大量の鼻血を吹いて倒れていた。

 

 

「おーーい、稟大丈夫かーー?」

 

そんな稟をツンツンと指でつついて生存確認をする霞

 

「ふ…ふぁっ、わ、私のひ、秘所が…びしょびしょっ…」

 

「な、何が起こったのだ!?」

「だ、大丈夫なのかっ!」

 

急な出来事に華雄、白蓮はうろたえる、そんな二人に霞は

 

「ああ、いつもの事や大丈夫大丈夫、えっとたしかこうやったかな… ていっ!」

 

どかっ!

 

そんな感じで稟に手刀を放つ霞、それに反応して稟は「うっ!」っと声をだすと気絶する

 

「ありゃ、間違ったかな?、まぁええわ死んどりゃせんやろ」

 

「い、いいのか?」

 

「大丈夫大丈夫、ははははは!」

 

そんな感じで心配する白蓮をよそに霞は稟を担いで部屋に連れて行く、それを見ながら華雄と白蓮は

 

「北郷軍というのは中々凄まじい者達のいる所なのだな…」

 

「ああ、私達もがんばらないとな…」

 

なんか勘違いして新たな決意をする華雄さんと白蓮さんだった。

 

 

 

 

-ちなみに稟のこの妄想時間は約10秒ほどの出来事であった、妄想をはじめた原因は烏丸討伐後に霞が

 

「こんだけ活躍したら一刀からご褒美あるかもしれへんなぁ、稟は一刀から何貰いたい?」

 

「一刀殿からのご褒美…」

 

という一言からだった-

 

 

そんな幽州での一日

 

 

 

 

 

北郷軍の面々は各地の制圧作業や、混乱に乗じて現れた盗賊集団の討伐といった事をする為に毎日領土を駆け回る忙しい日々が続いていた、さらに、各地を維持する為に兵を増員、これは旧袁紹軍や各地の警備隊などをそのまま北郷軍に入れたり追加募集したりといった事で解決する

広大な領土を守る為に北郷軍は膨れ上がり、官渡前には7万ほどだった兵数は一気に20万にまで膨れ上がっていた

 

一刀自身も広大な旧袁紹領各地の掌握の為に忙しく各地を走り回り、

河北、河南を回る為にいつしか動きやすい鄴を拠点に動くようになっていくと本拠にしている許に帰る事が少なくなっていく

 

現在河北に白蓮、華雄、星、稟、霞、そして一刀、護衛の季衣、流琉がおり

 

河南には春蘭、秋蘭、風、沙和、真桜が赴いている

 

許には桂花、凪が残っていたが各地から送られる報告の山に頭を抱える毎日だった

重要な報告、そうでもない報告、虚偽の報告、その全てをほぼ桂花一人で処理していくのだからたまったものではなかった

本来なら一刀の承認が必要なものもあるのだが一刀は桂花を信頼して全権を委ねていた、まぁ仕事放棄とも言えるが

 

「まったく何で私ばっかり!早く帰ってきなさいよ、もうっ!」

 

一刀が中々帰ってこないので少し機嫌の悪い桂花さん、それが仕事を押し付けられた怒りなのか寂しさからなのか、

それを知るのはただ一人桂花さんだけだった。

 

そんな状態、さらに一刀自身も本拠にいないといった状況では仕方なかったのかもしれない

 

 

各地から送られてくる報告に埋もれてしまったある報告

 

 

 

その報告、そこに書かれていた一文は

 

 

 

 

 

 ”呂布 長安二入城ス ”

 

 

 

 

 

あとがきのようなもの

 

何か烏丸の流れで稟さん拠点になりました、いつも風さんの影で隠れてますが実は出来る子!

しかし拠点って誰書くか迷います、アンケでもやってみようかな

 

一応次からお話が動く予定です、どうなるかなぁ…

 

 

更新頻度はあんま上がらないかもですが、見かけたら読んでやってください。


 
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