真・恋姫無双アナザーストーリー
雪蓮√ 今傍に行きます 第8.1話
【愛紗の奮闘記】
我が名は関羽……ではなかった、関愛紗
ご主人様……もとい、一刀さまと泰山での戦いの果て、一刀さまが手に取った鏡が光りだし、光に飲み込まれていく一刀さまを見て、駆けでして行く私は必死に手を伸ばした
お互いの手がつながれた瞬間、今まで以上の光りを鏡が発し、私は目を開けていられなくなってしまった。その瞬間、体の自由が利かなくなり、そこで意識は途切れてしまった
気がついた時、見たことも無い場所に倒れていた私はすぐさまに一刀さまの安否を確認しようと周りを見回したが一刀さまの姿は見受けられなかった
しばらく一刀さまを探し歩いていると目の前で空を見上げている少女に出会い一刀さまについて聞こう声をかけた時、選定者と呼ばれていた貂蝉に出会った
貂蝉の話によればこの外史は一刀さまの願いで作り出された世界ではないということだった
だがそんなことは問題ではない、一刀さまが居てくだされば私には何も必要ではなかった。あの時までは……
貂蝉の計らいで学校なるものに入ることになった私はそこで一刀さまと再会できた
嬉しくなった私は思わず一刀さまに駆け寄ったが、一刀さまは戸惑っておられた
『な!ご主人様は私を忘れてしまったのですか!一緒に乱世を乗り越えてきたではありませんか!』
必死に解っていただこうとするが
『ご、ごめん、本当に知らないんだ……』
その言葉で理解してしまったのだ、この一刀さまは一刀さまであって一刀さまでは無い、と
その衝撃に私は膝をついてしまったが、やはり一刀さまは一刀さまであった
私を勇気付けるように手を差し伸べてくださったのだ
記憶が無くとも一刀さまの優しさは失われることは無かった
私は一刀さまにお願いをして学校の中を案内してもらうことにした
案内を受けて頂いている時、なにやらただならぬ気配を感じ周りを見回すと、三人の少女がこちらに向かってきていた。その一人は昨日空を見上げている少女だということは直ぐに気づいた
そして、一刀さまの友人だとわかり挨拶をしたのだがその中の一人が魏の覇王である曹操殿であった
「なんでここに曹操殿がいるのだ!」
だが、その曹操殿も記憶が無いのか私とは初対面という事であったが、私を見る目がまったく同じだったのは気のせいだったのであろうか?
そんなこともあり、丁度、昼時だったのでその場で昼餉を取ることになったのだが……
なんだこの者たちは、一刀さまとこんなにも親しくしており、あろうことか、自らの箸で一刀さまに食べさせるなど!私でもしたことが無いのだぞ!
その後はいつものことなのだが一刀さまを連れ出し説教をしてしまった
うう……恥ずかしい、一刀さまにはこんな私を見せたくは無いのだが我慢が出来ないのだ
一刀さまはお優しいお方だ。どうしてもと言えば苦笑いを浮かべながらも断ることはしない
だがそれが時には私の心を苦しめてくる
一刀さま、私はあなたのことが……
「一刀さま!」
授業の合間の休みに私は一刀さまにある願いを頼むことにした
「ん?愛紗か、どうしたの?」
「はい、実はこの町を良く知らないので案内を頼めないかと思いまして」
「町を?……そっか、引っ越してきたばっかりだからね」
「あ、いや、ちがっ」
「うん、俺でよければ案内するよ」
訂正しようとしたが一刀さまが案内していただけるとの事で思わず喜んでしまった
「あ、ありがとうございます!で、では、休みの日にお願いできますか?」
「ああ、わかったよ、それじゃ日曜日にでも行こうか」
「はい!」
しかし、その時、教室の外でこちらを見ている影に私は気づかないでいた
休憩が終わり次の授業になったのだが嬉しさのあまり内容が半分も入ってこなかった。
いかん、集中せねば、これでは一刀さまに示しがつかない。そう思い横を盗み見ると前を見て真剣に勉学に励んでいられる一刀さまの顔はとても凛々しく見とれてしまった
あ~、一刀さま、私は幸せです。こうしてまたご一緒できることに感謝します
こんなことを繰り返しているうちに昼になってしまった
「愛紗はお昼どうする?一緒に中庭にでもいく?」
一刀さまからのお誘い。もちろんご一緒いたします!
「はい!ご一緒させてください」
「それじゃ行こうか」
ああ、ご主人様との一時、一秒だって無駄にはしません!
しかし、その思いも中庭に出て直ぐに打ちのめされてしまった
「ハロー待ってたわよ一刀♪」
「一刀君!遅いよ~」
「女の子を待たせるなんて男として失格よ、一刀」
「一刀さ~ん!一緒に食べましょ~♪」
わ、私と一刀さまとの甘い一時がもろくも崩れ去ってしまった
「ん?どうしたんだ愛紗、一緒に食べようよ」
「そ、そうですね」
「あら、あなたも一緒だったのね。一刀と二人きりになれなくて残念だったわね~♪」
「ふふふ、私は来てくれて嬉しいわよ」
「そうですよ!みんなで食べたほうがもっとおいしくなりますから!ね、一刀さん♪」
「そうだね。大勢の方が美味しいよね」
「だよね、だよね!」
「あ、ちょっと!いちいち一刀に抱きつかないでよ!」
「え~、良いじゃないですか。だって一刀さんの抱き心地気持ち良いんだもの♪」
桃香さまに抱きつかれ、鼻の下を伸ばして、だらしないですぞ!
「なら私も一刀君に抱きつこっと♪」
なっ!また一人一刀さまに!
「ちょ!優未まで!これじゃお昼食べられないよ!」
「なら、私が食べさせてあげるわ。はい、あ~ん」
「ええ?!」
ああ~、一刀さまが桃香さまたちに篭絡されてゆく……
「あら、なら私も食べさせてあげようかしら、ほら、口をお開けなさい」
くっ!華澄殿までも、このままでは
「か、かず「あ~!ずるいです!なら私も、一刀さんにあ~んさせたいです!」……」
「私だって一刀君にあ~んさせたいのに!」
「あなた達は抱きついているのだから譲れなくてよ」
「そうよ、優未あんたは胸があるからいけないのよ」
「あ、あのみんな?仲良く食べよ?」
「「「「一刀(君)(さん)はだまってて!」」」」
「は、はい!」
ああ、一刀さま、もう限界です。嫉妬深い私をお許しください
「ご~しゅ~~じ~~ん~~さ~~ま~~~~!」
「ひっ!あ、愛紗さん?!あ、あの呼び方が変わっているような」
「そんなことはどうでもよいのです。少々、お話があります」
「あ、でも、俺みんなに……って、いつの間にか居ない?!」
「一刀~がんばってきてね~♪骨は拾ってあげるから」
「一刀君、ファイトだよ!」
「何とかしてみなさい一刀」
「あ、あの、一刀さん、がんばってください」
「そ、そんな!てか、雪蓮人聞き悪いよ!」
「では、ご主人様、こちらでゆっくりとお話をしましょう」
「た、助けて~~~」
放課後になり、みな思い思いに過ごしている、部活に行く者、教室で友達を話す者、さまざまだ。
「一刀さま」
私は横にいる一刀さまに一緒に帰ろうと声をかけた
「な、なに?」
ああ、まだ、お昼のことを引きずっているのですね。あれは忘れていただきたい。あのような醜い私など
「あ、あの、そう身構えられると少々傷ついてしまいます。お昼のことは……反省していますので」
「あ、いや!そう言う意味じゃないんだ!ちょっと考え事してたからビックリしてさ」
「そ、そうですか」
「うん、別に愛紗のことを嫌いになんてなって無いから安心して」
一刀さま、その笑顔だけで私は天にも昇るような気持ちです!
「それで、俺に何か用かな?」
「……あ、はい、帰るのでしたらご一緒にと思いまして」
いかんいかん、また一刀さまの笑顔に見惚れてしまった。だがいつ見てもよいものだ
「ああいいよ、確か愛紗も寮暮らしだったよね」
「はい」
私もここに入るため女子寮という男子禁制の住まいに住むことになった。別に私は一刀さまと一緒でも良かったのだが貂蝉が言うには
『この世界の決まりごとがあるのよ。残念だけど諦めてね』
うむ、決まりなら仕方が無い、だが、女子寮に呼ぶのは難しいらしいが、男子寮なら問題ないようだ。どうにも解らん仕組みだ
「それじゃ行こうか、ちょっと剣道部に顔出すけどいいかな?」
「はい、かまいません。では参りましょう」
私と一刀さまは教室を出て、剣道部がある体育館に向かった
一刀さまは剣道部に向かう間も私に学園内のことを教えてくださった
一刀さまの話によるともう直ぐ夏休みと言う長期休暇があるそうだ。その間は学校に来なくて良いとの事だったが一刀さまは部活で殆ど毎日学校へ赴くそうだ
「あら、一刀殿、怪我しているのに来たのでござるね」
「はい、一応顔だけでも出しておこうかと」
「いい心がけでござる……してそちらの方は?」
「あ、彼女は転校生の」
「関愛紗と申します」
「そう、関殿でござるか……それがしはこの部の主将を務めている不動如耶でござる」
なんとも威風堂々とした方だろう、きっとそれなりの身分のお人なのだろう
「ふむ……そなた、なにか武道を心得ておるな」
「え、先輩見ただけでわかるんですか?!」
「当たり前でござる。それも相当の手馴れと見たでござる。どうだ、それがしと一戦交えてみようではござらんか」
「だがしかし、私は……」
「やりなよ愛紗!不動先輩はすごい強いんだよ!それに不動先輩に勝負をしようって言われた人見たこと無いんだ!」
一刀さま、そのように目を輝かせては断るに断れないではありませんか。だがしかし、私も武将の端くれ勝負を挑まれ拒むことは出来ない
「わかりました。その勝負受けて立ちましょう」
「おお!だれか!このものに武具を!」
「いえ、このままで結構、あれでは思うように動けぬゆえ」
「ちょ!愛紗!危険だよ!」
「大丈夫ですよ。一刀さま」
「ふむ、ならそれがしも同じようにしなくては不公平でござるな」
不動殿も同じように体に身につけていた防具を脱ぎだした
「うむ、私もこのようなものをつけるのは好きではなかったのでござるが、同じような考えの者が居てよかったでござる」
「ところで一刀さま、剣道とはどのように戦うものなのでしょうか?」
「え?!ルール知らないの?!」
「るーる?とは何ですか?」
「えっと、決まりごとって事だけど……まずね」
一刀さまは私に勝負の勝敗のつき方などを教えていただいた。
「なるほど、要は相手に一太刀入れればよいのですね」
「ああ、そうだけど、本当に大丈夫?」
「ええ、一刀さまが信じてさえいてくだされば、私は負けることはありません」
「わかった、がんばってね愛紗、応援してるよ」
「はい!」
一刀さまに応援してくだされば私はどんなものにでも打ち勝って見せましょう
「そろそろ良いでござるか?」
「ああ、待たせたな」
「よし、審判!合図を頼むでござる!」
「では、これより、不動如耶と関愛紗の試合を始める……はじめ!」
「でやーーー!」
「はぁはぁ、中々やりおるでござるな、関殿よ」
「不動殿こそ良い武をお持ちだ」
「まじかよ……不動先輩が押されてるぜ」
「あの愛紗って人、何者かしら?」」
「知らないわ、なんでも、転校生らしいわよ」
「すごいよ愛紗!がんばれ!」
一刀さまの声援を背中に受け、私は不動殿の攻撃をいなしてゆく
「……随分と北郷殿と仲がよいでござるな」
「ああ、一生ついていくと決めたお方だ」
「そうか、北郷殿はそれがしの部でも結構狙っているものがおったのでござるが」
「ふ……生憎、一刀さまは鈍感なのでな、直接言わないとわからないですぞ」
「うむ、そう伝えておくでござる……ではそろそろ、仕舞にするでござる!」
「いいでしょう……いざ!」
「「はぁ~~~~!!」」
不動殿は私の頭めがけて振り下ろしてきたが私はそれよりも早くわき腹に一太刀を入れた
「どーーーーう!」
「うっ!」
「胴あり!一本!」
「ふぅ、いや、楽しい勝負であったでござる、また、やりたいものだ」
「ええ、私もいい運動になった。礼を言うぞ」
不動殿は私に握手を求めてきたので私も手を握り返した
「……ふむ、どうじゃ関殿、剣道部に入部してみないか?」
「は?」
思いもよらぬ提案に一刀さまが居るのに私は間抜けな顔をしてしまった。うぅ、恥ずかしい
「いや、しかし……」
「なに、それだけの腕を持っておるのじゃ、誰も文句は言わんじゃろ」
そう言うと、周りの部員達は一様に頷いていた
「いやしかしですね」
「理由ならまだ有るぞ、北郷殿は少々サボり癖があるのでな、関殿が入部していただければ嫌でも来るじゃろうと思ってな。の?北郷殿」
「う……は、ははは」
一刀さまはバツが悪そうに苦笑いを浮かべ頬をかいておられた
「か、一刀さま?まさか……」
「えっと、うん、たまに、ね」
「そうじゃったかな?、一週間来ないこともざらにあったようじゃが?」
「せ、先輩?!」
「なんじゃ?本当のことじゃろう。ご実家の祖父殿もご立派な剣客と聞く、このような姿を見たら祖父殿もさぞ、がっかりするじゃろう」
「……わかりました、入部しましょう。そして、一刀さまを鍛えなおして見せます!」
「あ、愛紗?!」
「おお!そうか。それは助かる。ビシビシ鍛えてもらって構わないぞ」
「はい!一刀さま、怪我が治り次第調練を始めます。覚悟なさってください」
「は、はい……」
一刀さまは肩を落とされているが、私は一刀さまとご一緒できる時間が増えてうれしいです
「うむ、期待しておるぞ。それと、たまに私とも手合わせをお願いしたいものじゃ。関殿のような兵と戦えるのはそうそうないのでな」
「構いません。いつでもお受けいたします」
「うむ、では、北郷殿よ。今日は帰ってよいぞ、むしろ怪我が治るまで来なくても良いぞ。しっかり直して関殿に鍛えなおしてもらうが良い」
「は、ははは……ガクッ、それじゃ、愛紗帰ろうか」
「はい!では、不動殿これにて失礼します」
「うむ、気をつけて帰られるが良い」
不動殿に見送られ、私と一刀さまは体育館を後にした
「それにしても、愛紗ってあんなに強かったんだね」
「いえ、私などまだまだです」
「そんなことないさ!愛紗はとても強いよ」
一刀さまに褒められてしまった。嬉しくて仕方が無いです
「そ、それでね、愛紗……剣道のことなんだけど……」
「ええ!一刀さまを立派に鍛え上げて見せます!まずは腕を使わない体力作りからはじめましょう!」
「うええ?!……とほほ、がんばるしかないか」
「はい!私もお供します。ですから、がんばりましょう!」
「はぁ、うん、そうだね。気持ちを切り替えてがんばるか!」
「その意気です!」
「は~い、意気込んでるところ悪いけど~、えい♪」
急に私の背後から声が聞こえたかと思ったら、黒い影が一刀さまに覆いかぶさってきた
「か、一刀さま!?」
「うぉ!って、雪蓮?!なんでこんな時間まで?」
「なによ~、折角待っててあげたのに嬉しくないの?」
天音殿は背後から一刀さまに抱きつき頬を膨らませて不機嫌そうにしておられた。……いつまで抱きついているつもりだ、私だって抱きっ……んん!とにかく早く離れていただきたいものだ
「そんな事無いけどさ」
「本当?!なら私も良いよね♪」
「「え?」」
「えへへ~、一刀君の右腕ゲット~♪」
「ゆ、優未?!」
なんとまた背後から違う影が一刀さまの腕に抱きついてきた。……あぁ~この展開はもしかして……
「あ~、ずるいですよ!私も♪」
「桃香まで……ってことは」
「くっ、先を越されたわね、まあいいわ、私は関を頂くわ」
やはり……こういう展開になったか……
「って!私に抱きつかないで頂きたい、華澄殿!」
「あら、残念」
「はぁ~」
私は全然残念ではない。まったく、こっちの世界でも曹操殿は曹操殿なのだな
「さ、帰ろ一刀♪」
「うわ!」
「なっ!」
一刀さまは音無殿に腕を引っ張られて行ってしまわれた……
「って、ちょっとまてーーー!」
「ん、なに?関さん」
「か、一刀さまを何処に連れて行くおつもりだ!」
「どこって、一緒に帰るんだよ?」
「きょ、今日は私とご一緒に帰るのだ!」
「えー、どうせ途中まで一緒なんだから良いじゃんよ~。ね、雪蓮」
「そうそう、独り占めは良く無いわよ♪」
「~~~っ!と、とにかく!一刀さまから離れるのだ!一刀さまは左腕にひびが入っておるのだぞ!」
「だったら、桃香がはんれれば良いだけじゃないの?」
「え~、そんな~、私、一刀さんと腕組んで帰りたいです~」
「一刀さまも何とか言ってください!」
「え?あ、……別に大丈夫だよ?」
「本当?!やったー」
「一刀さま!?」
はぁ~、このお方は本当に女性に弱いお人だ……そのせいでどんだけ私が苦労していることか
私が一人溜息をついていると音無殿がとんでもないことをいいだしてきた
「ねね!次の日曜日暇?暇なら遊びに行こうよ~」
「え?次の日曜日は……」
そこでなんで私を見るのですか!まさか!
私が怒りの眼差しで一刀さまを睨んでいると、それが伝わったのか
「ご、ごめんね、実は用事があるんだ」
そうです、私との約束があるのですから、断って当然です
「え~、そっか、それじゃ仕方ないね」
「う、うん、また今度誘ってよ」
だが、そこで、華澄殿がとんでもない事をいいだしてしまった
「一刀、そこは自分から誘うところよ。そんなのでは、男として認められないわね」
そ、それでは、誘わなければいけないみたいではないか!
「う゛……こ、今度俺のほうから誘うよ」
「か、一刀さま?!」
「本当!絶対だよ♪えへへ~一刀君とデートだ」
「デ、デート!?」
「うん、だって男女で出かけるったらデートしか無いでしょ!」
「あ、いいな~。一刀さん私とも行きましょう!」
「……」
「あら、もちろん私ともデートしてくれるのよね一刀♪」
ああ、これはまたいつものことなのだが、自分を制御できないことに不甲斐なさを感じる
「雪蓮たちを誘っておいてこの私、華澄琳を誘わないって事はないわよね?一刀」
「あ、あはははは……そ、それじゃっ「一刀さま……」ひっ!」
「一刀さまはこれから用事がありましょう」
「な、ないけっ「有りますよね!」あ、あります!」
「では急ぎましょう、桃香さまに天音殿、音無殿、華澄殿もこれにて失礼します」
私は一刀さまからみなを引き離し腕を取り早歩きでその場から離れていく
「み、みんな!また明日ね!」
一刀さまは後ろに振り向き4人に別れの挨拶をした
「あ、あの愛紗さん?腕が痛いのですが……」
「ええ、もう少ししたら離しますとも、お話をした後に」
「とほほ……」
「……ちょっとやりすぎたかしらね~」
「そうかな~関さんは一刀君を独り占めしすぎだよ~」
「そうね、クラスも同じようだし」
「え!愛紗ちゃん、一刀さんと同じクラスなんですか?うらやましいな~」
取り残された私を含め、優未に琳、それと桃香は一刀たちが消えていった方を見ていた
「でもでも、愛紗ちゃんもきっと本当は優しい人なんだと私は思うな」
「どうしてそう思うの桃香?一刀を誰にも渡したくないだけかもしれないのよ?」
桃香は首を傾げながら悩んでいたけど微笑みながら
「だって、あそこまで一刀さんのこと心配してる人だからきっと優しい人だよ!」
「あなた、随分と面白い考えしてるわね」
「えへへ、そうですか?」
「ええ、頭の上に花が咲いているような意見だわ」
「わ~、琳さんに褒められちゃった~」
「「「……」」」
桃香……今のは褒めてないのよ。みんな呆れちゃってるわよ
「あれ?どうしたんですか、みなさん?」
「な、なんでもないわ」
「そうそう、なんでもないよ~」
「あなたはそのままで居なさい。桃香」
「?良くわかりませんけど。はい、わかりました雪蓮さん」
うん、桃香は素直が一番だわ
「でさ、話は戻るんだけど、日曜日よ!あの娘、一刀君と日曜日会う約束してるんだよ」
「あら良いじゃない。デートくらい」
「そうですよ、優未さん。私も一刀さんとデートの約束したいな~」
桃香……一人話がずれている気がするわよ?
「……まさか、あなた私の時みたいに尾行しようって言うんじゃ無いでしょうね?」
「そのまさかだよ!こんな面白いこと見逃せ無いじゃん!」
「はぁ~、呆れてものが言えないわ」
琳、私も同意見だけど、一刀が好きなものとしては気になるのよ
「そうですよ、折角のデートなんですから覗き見なんて悪いですよ」
「ちっちっち、桃香は甘すぎる!あの一刀君だよ?関さんになすがままになっちゃうかもしれないんだよ」
「っ!それは嫌です!でも、覗きは~……」
「それじゃ、桃香は来なくていいんだよ。私と雪蓮で行くから」
「ちょっと、いつの間に私まで入ってるのよ」
「なに言ってるの、琳の時も尾行した仲じゃない。それに途中から楽しんでたし♪」
「あ、あはは~、そうだったかしら~」
優未ったら良く覚えてるわね……
「ふふふ~、日曜日が楽しみだな~」
優未ったら一人ではしゃいじゃって、これは日曜日は大変なことになりそうだわ……一刀生きてられるかな
愛紗視点
「愛紗!こっちだよ!」
「一刀さま!すいません。お待たせしてしまったでしょうか」
一刀さまはすでに待ち合わせ場所に来ていた。一刀さまを待たせてしまうとは、何たる不覚!
「そんな事無いよ。俺も来たばっかりだから大丈夫だよ」
「で、ですが……」
「気にしない気にしない。ほら、まずはあっちの方から案内するよ」
「あ、一刀さま!」
か、一刀さまが私の手を、手を!あ~、幸せです、一刀さま!
「あ、あの、一刀さま。どちらに案内をしてくださるのでしょうか」
「ん?まずは衣・食・住の衣、つまり服から行こうかなと思ってデパートに行くところだよ」
「服など、別にこの服で……」
「だめだよ!愛紗はスタイルも良いし可愛いんだから、もっと可愛らしい服着ないと」
一刀さまは握りこぶしを作り力説されているが、私はそこまで可愛らしいとはとても思えない。可愛らしいと言うなら璃々のような子の事をいうのだ
「さ、行こう。他にも色々教えるからさ」
「……はい。では、参りましょう」
私と一刀さまとで近くのでぱーとなる場所へと向かった。そこはどうやら、意匠を売っている場所のようだ
雪蓮視点
「ちょっと、優未」
「な、何かな~」
私は周りを見回しながら優未をじーっと見て
「居ないじゃない」
「あれ~?おっかしいな~」
「……優未、ちゃんと聞いたんでしょうね?」
「聞いたよ!日曜日に町を案内するって!」
「で?」
琳は不機嫌そうに優未を睨みつけてるわね。確かに私も優未に問いただしたいけど……
「見て見て!雪蓮さん!あれなんだろ!すっご~い!あ!あれ可愛い~!そう思いませんか、雪蓮さん!」
「そ、そうね」
なぜか、桃香の面倒を見る羽目になってるのよね
「とにかく!まずは一刀君と関さんを探すところからはじめないと!」
「はぁ、雪蓮、この娘、お仕置きしても良いかしら」
「なんですと?!」
優未を見ると首を横に振り全力で否定していた
「そうね、とりあえず、一刀たちを見つけた後にしたら?」
「それもそうね……お楽しみは最後にとっておかないとね、そう思わないかしら優未?ふふふ」
「うぅ~、雪蓮も琳も酷すぎる」
優未はうな垂れながらぶつぶつ言ってるわね、そろそろ、手助けしないとね
「ほらほら、そんなことより、一刀たちを探すわよ」
「え~、もう少し見て回りましょうよ~、あれすごいですよ!」
「桃香、あなた何しにここへ来たの?」
「え?それは一刀さんと愛紗ちゃんの……あ、そうでした!」
「思い出したようね、なら行くわよ」
「でもでも、何処に居るのかわからないんですよ?」
桃香のもっともな発言に琳ったら押し黙っちゃって、まったくもう
「多分デパートじゃないかしら?ここら辺で一番近い場所って言ったらあそこでしょ」
「なるほど!流石、雪蓮さんですね!」
「ふふふ、褒めても何もでないわよ。それじゃ行きましょうか……優未にいつまでも拗ねてないで行くわよ」
「はいは~い、べつにいいですよ~だ。私なんて私なんて」
「はぁ~、まったく世話の焼ける娘ね、琳あまり優未をからかわないで頂戴。ほら、優未も早くしないと一刀があの娘に取られちゃうわよ」
「どうせ私なっ?!それはだめーーーー!早く行くよ!ほらほら!華澄、遅いよ!」
「……単純ね、あの娘」
「ふふふ、憎めないでしょ?さあ、私達も行きましょ」
優未ったらいつの間にかあんなところまで行っちゃって、まあ、ああ言われちゃ私も黙ってはられないか♪
琳、桃香と一緒に私は優未を追いかけ一刀探しを再開した
愛紗視点
うぅ~、これは流石に派手ではないか?
一刀さまに選んで頂いた意匠だが、このヒラヒラとした感じが私には似合わないのでは無いだろうか
「うん、すごく似合ってるよ!やっぱり愛紗はそういった服が似合うね」
「そ、そうでしょうか?私には少々可愛すぎる気がするのですが……」
「そんなことないよ!とても似合ってるよ!」
「あ、ありがとうございます……」
一刀さまの笑顔にドキッとしてしまった私は一刀さまから視線を外した
か、顔は赤くなって無いだろうか……うぅ~、恥ずかしい
横目で一刀さまを見てみると一刀さまはまた違った意匠を見ていた
「ん~、これも似合いそうだな~……あ、これもいいな!」
一刀さまは真剣に意匠を選んでおられるな……記憶は無くともやることは一緒なのだな、ふふふ
「ん?笑ってるけど、どうかしたの?」
「っ?!な、何でもありませんよ」
「そう?なら次はこれなんてどうかな?これはさっきのより落ち着いた感じだから愛紗も気に入るんじゃないかな」
確かに一刀さまが手渡してくださった意匠は先ほどより落ち着いた感じになっているな
「で、では、着替えてまいります」
「うん」
私は更衣室に入り今着ていた服を脱ぎ一刀さまが選んでくれた服に袖を通す
「ふむ、これは中々動きやすくていい感じではないか。派手さもなくこれならば、普段着てるとのと大差ない」
「どう?それなら普段愛紗が着ているような服と変わらないと思うんだけど」
一刀さまは仕切り布から私に話しかけてくださってきた
「はい、いい感じです」
「そっか、よかった」
「しかし、一刀さまの前では一度しか着て見せていなかったのだが良く覚えていましたね」
「そう言えばそうだね。でも、なんでかな、すごい印象に残ってたんだよね」
一刀さまの言葉に着替えていた私は嬉しくなってしまった。
放課後に一度会っただけなのに覚えていて下さるとはとても嬉しいことだ
そんなことを考えていると一刀さまがとんでもない事をいいだした
「店員さん!すいませんけど、今この中で着ているこの服をくれますか?」
「かしこまりました。少々お待ちください」
「なっ!」
私は驚き今の状況も確認せず更衣室から出てしまった
「一刀さまに買っていただこうと、わ……?どうかしましたか、一刀さま」
「……っ?!ご、ごめん!」
一刀さまが私を見てビックリした顔から顔を赤くして視線をそらしてしまった。私がどうかしたのだろうか?
「……っ?!き、きゃーーー!」
な、ななな!なんて事を!意匠も着ずに更衣室から出てしまうとは……
私は急いで着替え気まずそうにしている一刀さまの所へ向かった
「あ、あの……見ましたか?」
「み、見て無いよ!あ、愛紗の白い下着なんて!」
「~~~っ!?一刀さまのバカーー!」
「ぶはぁっ!い、いいパンチだ愛紗……ガクッ」
「はっ!しまった!ご主人様!しっかりしてくださいませ!ご主人様!」
私は我に返り私の殴りを受け倒れている一刀さまに近づき体をゆすった
「ま、また呼び方が戻ってるよ、愛紗……ガクッ」
「ご主人様ーーーーーーー!」
雪蓮視点
「一刀、居ないわね~」
「本当にここに居るのかな~」
「居なければ無駄足になってしまうわね。その時はどうしてくれるのかしら?」
「どうせ、何処行ったかもわからないんだから一緒でしょ?」
「う……私がちゃんと聞いていればこんな事には……」
「まあまあ、気を落とさないでください優未さん!きっと見つかりますよ!」
「桃香~、あんたはええ娘やな~。私の嫁にっ、痛っ!何するのさ雪蓮!」
「はいはい、おふざけはほどほどにね」
私は一刀たちが行きそうな場所を見回していた
「ん~、手堅く洋服か下着だと思うんだけど琳はどっちだと思う?」
「そうね……下着っと言いたいところだけどあの時の一刀を見ているとそれはなさそうな気がするわ」
あの時の買い物を思い出したのか琳は少し笑いながら答えた
「ふ~ん、確かにあの困りようは面白かったしね。なら洋服かしらね」
「わ~!お洋服ですか?私も買いたいお洋服があるんですよ!」
「桃香はマイペースね。嫌いじゃないけどそれは後回しよ」
「そうですね。まずは一刀さんと愛紗ちゃんを見つけないと」
桃香は目的を思い出したように両手を合わせてたけど、何回わすれるつもりかしら、この娘
少し呆れながら衣服を売っているフロアーの案内図を見ているときだった
『ご主人様ーーーーーーー!』
普段聞きなれない言葉が聞こえてきた
「優未、今の声って」
「関の声だ!あっちの方から聞こえたよ!」
「あ、優未待ちなさい!琳、桃香行くわよ」
「まったく、一刀のことになると見境の無い子ね」
「へ?あ、待ってくださいよ皆さん!」
私達は声のした方へ急いだ
「あ、居た!って、一刀君が倒れてるよ!」
「なんですって!ちょっと退きなさい!」
「あ、待ちなさい、琳!……あ~もう台無しだよこれじゃ、優未あんたのせいよ」
「え、だって、あそこに……あれ、起き上がった」
良く見ると一刀は自力で起き上がった。が、時すでに遅し、琳は一刀たちの目の前に立っていた
「……あんたのせいよ。優未」
「え~!私?私のせいなの?!」
「当たり前でしょ。ちゃんと状況を確認しなかったあなたのせいよ」
「え~、だって~倒れてたらビックリするでしょ?」
「確かにそうだけど、様子見くらい出来るでしょうに」
「そんなことよりばれちゃったんなら行きましょうよ!一刀さ~~~ん!」
桃香は気を取り直して一刀たちの所へ走っていった
「はぁ~、私達も行くわよ」
「うぅ~、近づきたくないな~なんか、関の背中から黒い炎が見えるよ」
「自業自得でしょ。ほら、行くわよ」
「や~、引っ張らないで~」
私は優未の首根っこを掴んで歩いていった
愛紗視点
これはどういうことだ華澄殿が血相を変えてこちらに入ってきた
「あれ、琳?なんでここに?」
「一刀!これはどういうことなの関愛紗!」
「そ、それはその……ん?華澄殿」
「何かしら?申し開きなら聞かないわよ」
「いえ、なぜ、あなたがここに居られるのですか?」
「え?……あ」
華澄殿は思い出したように声をあげられていた……ん?あそこに居るのは……なるほど、そう言うことか
「なるほど……我々の後をつけていたのですね」
「う……そ、そうよ?それがどうかしたかしら?」
「我々の様子を見て笑いに来たのですね。ふ、ふふふ……」
「あ、あの愛紗さん?ど、どうかしたの?」
「なんでもありませんよ、ふふふ……みんなして、ふふふ」
ああ、皆が見ているのだ我慢しなくては、こんな所で事を起こしては一刀さまに迷惑がかかってしまう
「一刀さ~~~~ん♪」
「と、桃香?!」
「えい!ふふふ♪こんにちは、一刀さん!」
「う、うん。桃香、こんにちは。なんで、桃香も?」
「雪蓮さんや優未さんも居るよ。ほら」
「まったく、計画が台無しじゃないのこれじゃ」
「う、うるさいわね!仕方ないじゃない!」
「……これはどういうことなのでしょうか?天音殿……」
「あちゃ~、こりゃダメね。優未、骨は拾ってあげるわ」
「うえ?!ちょっと、雪蓮!それ酷くない!」
「自業自得でしょ。あんたが尾行しようって言い出したんだから」
「こ、ここでそんなこと言わなくて、も……ひっ!」
「そうか……音無殿の仕業であったか……ふ、ふふふ。覚悟は出来ているであろうな!」
私は近くにあった人形が持っていた棒を掴み取り音無殿の前に突きつけた
「あ、愛紗!落ち着いて!」
「これが落ち着いてなど居られますか!このものたちは私達を監視していたのですよ!」
それだけでも許せないのに私と一刀さまの逢び、もとい、買い物までも邪魔したのだ。生きて返すわけには行かぬ
「た、助けて~一刀君!」
「あ、愛紗ちゃん、落ち着いて!ね?」
「いくら桃香さまでもこればっかりは譲れません。覚悟!」
「ひゃ~~!」
「ちょっとやりすぎよ、関!」
「愛紗!」
「っ!?」
急に背中から誰かが私に抱きついてきた。振りほどこうとしたが
「落ち着け愛紗!君はそんなことをする娘じゃないだろ!」
「か、一刀、さま?」
「申し訳ありません。少々、頭に血が上っていました」
「いや~、私達も尾行してたのがいけないんだし、お、お互い様ってことで」
「かたじけない。天音殿や華澄殿にも、申し訳ないことを」
私は落ち着きを取り戻し、みなに謝罪をした
「気にして無いから良いわよ。それと、私のことは雪蓮で良いわ」
「私も琳でいいわよ理由はどうあれ非は私達にあるのだから、そうかしこまられてはこちらが困ってしまうわ」
「ありがとうございます。では、私のことも愛紗と及びください。せめてもの、罪滅ぼしです」
「だそうよ、優未?」
「ガクガクブルブル、関羽怖い、関羽怖い、ガクガクブルブル」
音無殿は膝を抱えて震えておられた。やはりあのようなところを見られてたいたしかたないか……しかし、なぜ、私の名を知っているのだろうか?
「お、音無殿」
「ひ~~~!ごめんなさ~~い!」
「落ち着きなさい!」
「あいて!あ、あれ?私一体なにを?」
「はぁ、それより優未もちゃんと謝りなさい」
「う、うん、えっと、か、関さんごめんなさい!」
「い、いや、私も少々やりすぎた。こちらこそすまなかった。それと出来れば愛紗と呼んで頂きたい」
「なら、私のことも優未で良いよ」
「これでみんな仲直りだね♪」
「桃香はマイペースだな」
「あ~、一刀さん、それ褒めて無いでしょ!ぶー」
「そんなことないよ。褒めてるんだよ」
「本当ですか?なら許します♪」
桃香さまは相変わらずおっとりされたお方だ
「ところで、私お腹空いちゃいました。一刀さん、ここら辺で美味しいお店はないんですか?」
「そうだな~、琳の口に合いそうな店は限られてくるからな……」
「ふふふ、私を頷かせるような店じゃないとダメよ」
「あなたの評価は高すぎるから却下よ。一刀のお勧めのお店で良いわ案内して」
「俺ので良いのか?」
「ええ、私はいいわよ」
「はい、私も一刀さんのお勧めのお店行って見たいです!」
「私も一刀さまご一緒ならどこでもいいです」
「まあ、仕方ないわね。今回は我慢しましょう」
だが、優未殿だけなぜか顔を曇らせていた
「か、一刀君もしかして……」
「?ああ、違うよ。流石にあそこは連れて行けないからね」
「そっか!ならいいよ!」
「あら?二人だけで何の秘密かしら?」
「な、なんでもないよ!ね、一刀君!」
「ああ、なんでもないよ。それじゃ行こうか」
一刀さまは話をそらし歩き出したが、嫌な予感がして一刀さまに近づこうとしたが遅かった
「えへへ~♪今日は一刀さんの右腕ゲットだよ!」
「ふ、ふん、私があなたと腕を組んであげるのだから感謝しなさい」
「と、桃香に琳?!」
「あ~!乗り遅れた!うぅ……なら、後ろだ!」
案の定、みな、一刀さまに抱きついてしまった……私だって腕組したいのに……
「あなた達!少しは自重しなさい」
「雪蓮さん……そ、そうですねよ」
「仕方ないわね……」
流石は雪蓮殿だ。雪蓮殿の一言で桃香さまと琳殿は一刀さまから離れられた。これで心置きなく……
「ふふふ♪一刀と腕を組むのは私なのよ」
「「「「あーーーーー!」」」」
「ずるいです、雪蓮さん!」
「そうだよ!雪蓮ずるいよ!」
「雪蓮……私を騙すとはいい度胸ね」
「騙されるほうが悪いのよ。ね~、一刀♪」
「ええ?!そこで俺に振るの!」
やはり……このものたちには一刀さまは、一刀さまは
「任せておられん!」
「あ、愛紗?!」
「一刀さま!」
「は、はい!」
「少々……いいえ、たっぷりとお話したいことがあります」
「う……あ、あの、お昼を食べた後では「ダメです!」……はい」
「え~、ちょっと愛紗!それは横暴よ」
「そうだよ~愛紗の横暴~」
「なにか?」
私は更に低い声で雪蓮殿と優未殿を睨みつけた
「「なんでもありません」」
「では、参りましょうか。一刀さま」
私はそのまま一刀さまの腕を取りうな垂れている一刀さまを連れ歩き出した
「……月曜日、生きてるかしらね一刀」
「よ、様子見に行ったほうが良いかな?」
「あの状態でまた盗み見たら今度こそただではすまないわよ」
「一刀さん、がんばってください」
そんなことを私は話していることはもちろん知ることはなかった
葉月「愛紗シナリオ終わりました!」
雪蓮「なんだか愛紗じゃないみたいよこれじゃ」
葉月「実は自分の理想が八割方入ってます。はい」
雪蓮「それっていいの?」
葉月「だって、だって、愛紗が一番好きなんだーーーーっぶは!」
雪蓮「この作品のヒロインが目の前に居るのによく言えるわね。それに、このお話を書くきっかけは私が余りにも不憫だったからじゃなかったかしら?」
葉月「そうですけど。それとこれとは別問題です!」
雪蓮「まったく……そう言えば、それじゃ二番目は誰なのかしら?」
葉月「決まってるじゃないですか!明命で、ぐはっ!」
雪蓮「何処が決まってるのかしら?」
葉月「あ、だって、あの黒髪に元気っ娘は反則ですよ!てか、声も反則です!ドストライクです!」
雪蓮「なら私は何番目なのよ」
葉月「雪蓮は三番目ですよ」
雪蓮「本当でしょうね?」
葉月「本当ですよ……(華琳と同率三位ですけどね)、ぎゃーーーー!何するんですか行き成り!」
雪蓮「なんか不愉快なことを考えている気がしたから、とりあえず殴っといたのよ」
葉月(相変わらず勘が鋭い人ですね)
雪蓮「それより、前回の本編のコメントに『雪蓮の胸は小さくないはず』って感じのコメントが多かったけど」
葉月「そう言えば多かったですね。このお話の雪蓮はひんぬーです。第2話の奥付を見ていただければ書いてありますね」
雪蓮「まったく迷惑な話よね、胸デカ娘が3人も居るのにこれじゃ、私の魅力が引き出せないじゃない」
葉月「……胸あったら確実に胸で押し切るでしょ」
雪蓮「もちろんよ♪だって、一刀は大きい胸が好きだもの」
葉月「だから、ひんぬーにしたんですよ」
雪蓮「ちぇー、つまんなーーい」
葉月「さて、いじけた雪蓮は放って置いて次回のお話ですが3月3日にひな祭りがあるのでその後に、桃香さんのお話を書きます」
雪蓮「また2週間あとになるのかしら?」
葉月「本当にすいません。仕事に行きながら書いていると時間が全然取れなくて、皆様にはご迷惑をおかけします」
雪蓮「まあ、葉月もがんばってるから見捨てないで見てあげてね」
葉月「で、出来る限り期待に応えられるようにがんばります!」
雪蓮「それじゃ、また来週会いましょう」
葉月「では~」
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投票で選ばれた愛紗のお話です
愛紗+ジェラシー=ジェライシャのお話?です
注意:今回のお話は(毎回そうですが)かなり性格が変わっている恐れがあります。
こんなの愛紗じゃない!っと言われるかもしれません。
そのことをご理解していただけると助かります
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