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「甘いものって言われてもなーおもいつかないな」
勢いに任せて城を出てきてしまったが、何を買えばいいのかさっぱり分からずに歩いていると、肉まんのいい香りがしてきた。
「おじさん、肉まん5つ!」
「はいよ、少し待っててください・・・・・・・・どうぞ」
「ありがとー」
代金を支払うと肉まんを食べながら再び歩き始めた。
「お菓子でいいのかな~」
先の方に進むと、偉くガタイがいいが、ピンクの紐パンで側頭部をお下げにしている奇妙な生き物を見つけた。
「何あれ・・・・・」
周りの人は見て見ぬふりをしている。
「あらん?誰かしら」
「おじさんこそ誰?」
「お、おじさん?私は漢女の貂蝉、踊り子よん」
「そ、そうなんだ・・・・・だれか探してるの?」
「ご主人様を探してるんだけど、ここにはいないみたいだから・・・・何か困ってることはないかしらん?」
「え~今は・・・・・・・あぁ、ばれんなんとかっていう奴で、甘いものをぷれぜんと?だっけ?とりあえず、しないといけないんだけど、なにがいいのかな?」
「そうねえ、こういうのがあるけど、どうか知しらん?」
こっそりと耳打ちすると、大きく目を開き嬉しそうに店の方へ走って行った。
「あらあら・・・・・まぁ、いいわねん」
先ほどまでいた何かはいつの間にかいなくなっていた。
「沙和~ホントにこれでええんか?」
「大丈夫なの~」
沙和の言ったことに半信半疑なのか、疑いの眼差しを送りつつも一緒に行動している
「阿蘇阿蘇にも、ちゃんと書いてあったの~」
「そうなんか~」
どういうことなのかを聞き出そうにも、教えてくれない。
「沙和、そろそろ教えてくれんと」
「え~真桜ちゃんが知ったら、言いふらしそうなの~」
「そんなことはないわ」
「でも、やっぱりだめなの~」
「はぁ・・・・・じゃあ、ついて行くから店まで連れてってくれ」
がっくりと肩を落としながらも、その後ろをしっかりと付いていっている。
「本当に大将たちに勝てんのか?」
「それについては多分としか言えないの~」
「そやな~大将に軍師勢がどう仕掛けてくるかやな」
「そういうことなの~でも、よほどのことが無い限り負けないと思うの~」
「それなら・・・・・・安心やな」
そのまま2人で店の方へ歩いて行った。
厨房では、一人レシピを見ながら悪戦苦闘している流琉がいた。
「これをああして、これをこうする・・・・」
試行錯誤を繰り返しては、作り直しを繰り返している。
「はぁ・・・・・・どうしようかなあ」
すでに作られた料理で山ができている、その山を武官と文官が片っ端から食べている、中に流琉に気があるのか涙を流しながら食べているものまでもいる。
「誰も手作りじゃないみたいだから・・・・・」
そうなのだ、待てども待てども誰も来る気配が無い。
「私も、買いに行こう・・・・・すみません後片付け、お願いしますね」
返事を聞かずに、走り去ってしまった。
厨房に残された武官、文官はそびえたつ山のような料理を前に戦慄を覚えていた。
「何かいいものはないのかな・・・・」
いろいろ見て回るがしっくりくるものは意外とない。
「どうして今日はしっくりこないのかな・・・・」
いつもはすぐに決まり、なおかつ質のいいものを選ぶことができるが、今日は全く選ぶことができなかった。
「これでは、兄様に喜んでもらえません・・・・・」
選ぶことができないことに肩を落としていると、一つの店のあるものが目に入った。
「あれは・・・・・」
もう、答えは出た、もうこれしかないその考えで購入し、城へと帰って行った。
ようやく呉に着いた霞は、甘い酒を求めてさまよっていた。
「どこや、どこにあんねん」
その表情は鬼気迫り、あろうことかさっきまでていた。
「ん?お主魏の張遼ではないか?」
「誰や、ウチのことを・・・・・って、黄蓋やないか」
「何か探し物でもあるのか?」
「甘い酒を探してんねん、一刀にばれんたいんでーとかいう天の国の行事らしくて」
「そうか、ならついてくるといい、とびっきり甘い酒を紹介してやろう」
「ほんまか?恩にきるわ」
その後、一度試飲をすると即決で買い、帰っていたのだが・・・・・。
「しもうた!」
滑って落としてしまった。
「手ぶらで帰るわけにはいかん、かいにいかな」
すぐに馬を全速力で飛ばし、酒屋まで走る。
「どきや!どきや!」
このことを数回繰り返したため“張来来”と恐れられたという。
「これで、よし」
自分の胸の谷間に挟むと、馬を走らせた。
「今度は落とさんように、気をつけてな」
黄蓋の見送りで城へと帰っていった。
「策殿・・・・・面白い事を聞いてまいりましたぞ・・・・」
「何それ、面白そうね」
2人でこそこそと話した後で、2人は早馬でどこかへ出かけて行った。
「くそっ!イノシシばかりでできおって!」
かごは律義に取ったのだろうイノシシでいっぱいになっている。
「ええい!このへんだと聞いてはいたが、どこにあるのだ!」
近くの枯れ木に八つ当たりした時に、探し物が見つかった。
「ここにあったのか・・・・」
しかし、無数の羽音が聞こえているため、その場から逃げだし、物を手に入れることはできなかった。
「くっ・・・・どこに、行けば・・・・ん?」
地面を掘ってみると、別の物が見つかったがそれを判断することはできなかったのか、それをかごの中に入れて持って帰った。
全員の準備が整ったが、一部で不穏な空気がある、しかしすでに街は凍てついている、はたして決戦はこの凍てついた空気を溶かすことはできるのか?
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第5段です、全ての準備が整いましたので本番まで更新しません、これから当日まで皆さまの妄想で考えてください。