No.123380

北郷一刀争奪戦争勃発?魏国ばれんたいんでー騒乱 吹雪の吹き始め

叢 剣さん

言わずともわかる第三発目です、彼女たちのプレゼントは皆さんで想像しておいてください、その通りになるとは言えませんが。

2010-02-09 21:58:40 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:9608   閲覧ユーザー数:7980

 どうしたのか、魏の武将は一人としていない。

「みんなどこへ行ったんだ?」

 どうにか終わった政務、終わったことを報告しに行くため華琳の部屋や軍師等の部屋を回ったが一切居る気配がない。

「全く、平和になったからって重鎮が居なくなるのはどうかと・・・・・あ、秋蘭!」

「ん?一刀かどうした?」

「いや、政務が全部終わったから報告をね」

「そうか助かった、ありがとう、私はこれから用があるので失礼する」

 いつもよりもそっけない態度で、秋蘭は話を区切るとそのまま何処かへ行ってしまった。

「なんなんだ?」

「げっ!」

「ん?桂花?」

「何よ!全身精液男!」

「華琳は?」

「なんであんたなんかに華琳様の居場所を教えなきゃいけないのよ!」

「それもそうだな・・・・・じゃあ、風か稟は?」

「2人とも何処かへ行ったわよ!」

「そうか、じゃあいいや」

 用を済ませたので、そのまま終わらせようとしたが桂花がいつも異常に不機嫌そうな顔をしている。

「どうして、私には言わないのよ!」

「え?だって、いつも嫌がるじゃないか」

「それところとは話が違うでしょ!」

 一方的に頬を叩かれると、そのまま走って何処かへ行ってしまった。

「な、何がどうなってるんだ?」

 一切乙女心がわからない一刀、重症である。

 

一方、何処かの山

「どこだ・・・・・このへんだと聞いたはずだが・・・・・」

 真後ろで草をかき分ける音がしたので、振り返ってみるとそこには白と黒の熊で知られているパンダが居た。

「・・・・・・こいつは・・・・・」

 餌が無くて気が立っているのか、春蘭を睨みつけている。

「お前の相手をしている場合ではないのだ!」

 体から戦の時と全く同じ闘気が出始めるが、それにも全く動じずに睨みつけている。

「ちっ!仕方あるまい、怨むなよ!」

 パンダが臨戦態勢を崩さないため、仕方なく武器を構え臨戦態勢をとる。

 向こうが仕掛けてこないのをおかしく思っていると、後ろから子供のパンダが姿を現し、間に入ってくる。

「なるほど・・・・子供か、ならば殺すことはあるまい」

 臨戦態勢を解くと、カゴに手を伸ばし中に緩衝材の代わりに詰めていた笹をその場に置くとそのままそこを去って行った。

「向こうに行くとするか・・・・・」

 だいぶ、山の奥の方まで来たら、再び後ろで草をかき分ける音がし、後ろを振り向くとイノシシが出てきた。

「今度はイノシシか・・・・・・」

 

 一方、厨房の桂花

 机の上にうず高く積み上げられた黒い物体。

「もう!秋蘭も流琉もあんなに簡単に作ってるのに!」

 いまだに黒い物体は量産をつづけられている、その後ろではこっそりと味見をした武官と文官が倒れている。

「それに、あいつ・・・・なんで秋蘭に報告して、私には報告しないのよ!」

 苛立ちもあってか、鍋の中の物は再び黒いものと化してしまった。

「はぁ・・・・運動もダメ、料理もダメ・・・・・できるのは政務と軍師の仕事だけ・・・・」

 頭の中を一刀にお礼を言われている秋蘭と流琉が思い浮かび、羨ましいと思ってしまっていた。

「はっ!私は、なんであいつのことを・・・・でも・・・・」

 少し頬を染め、何処か夢見がちなその表情はまさしく恋する乙女、その場に一刀が居たら思わず抱きしめているであろう、他の者も呆然とする表情で一刀のことを考えている、しかし、鍋の中は黒い物体の量産が止まることはない、それをつまみ食いする文官武官の亡骸はうず高く積み重なっている。

「なんで、うまくいかないのよ!」

 その怒りは、ついに爆発したのか火を消すと、調理場の外へ出て行った。

 

 そして市に居る風は

「ありましたね~おじさん、蜂蜜をください」

「これは程昱様、こちらでよろしいですか?」

「はい~それじゃあ、御代はここへ置いていきますね」

 蜂蜜の代金を払うと、壺を持ってふらふらと歩き始める。

「これだけあれば十分足りますね~」

 頬笑みながら、城の方へ歩いていく。

「これでお兄さんもイチコロですね~」

「おうおう、これであいつもイチコロだぜ」

「おぉっ!宝慧もそう思いますか~」

 賛同を得ることができて自信が出てきたのか、その脚は軽やかになった。

 

 

 深々と積る雪も強くなり始め、ついには吹雪始めあたり一面を白く染め始めすべてを覆い隠そうとしている、すべてを覆い隠した時に何が起こるのか、誰もわからない。

 


 
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