No.122831

恋姫異聞録10

絶影さん

董卓連合
虎牢関辺
次はいよいよ洛陽です

危ない危ない、投稿してキーボードの上で寝てました

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2010-02-06 23:19:42 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:25497   閲覧ユーザー数:20052

 

曹操様はやはり報告を聞いて笑われた、それは劉備の時とは違う笑い、

完全に私のことを笑ってらっしゃる。それはそうだろう、相手を目で見抜きに行って

試された、それどころか引抜にまであってきたのだから、その話を聞いた

秋蘭は少し不満顔だ、また鏃で突付かれるのか・・・・・。

 

「それで先ずは敵の将の確認ね、斥候によれば確か虎牢関は呂布と張遼、 華雄だったわね」

 

「はい、呂布はお話した通り、張遼はその神速の用兵術と武を誇っております。」

 

その答えに曹操様はまた思案顔だ、これは欲しい、捕らえよと言うな。

だがさすがに呂布は駄目だ、それに張遼をここで捕らえ仲間にしたとしたら

完全に俺に知っている歴史とは変わる・・・・・・・・・が、それが曹操様の望むものならば

俺はそれをかなえるだけだ、先が見えなくなるがそれで約束を破るわけにはいかない

たとえ違っていても、必ずこの大陸に平和を、曹操様を天下人に、それが俺の役目だ

 

「昭、分かっているわ、呂布は我慢する。貴方がそんな顔をするということはきっと呂布を

捕らえることでこちらの将を何人か失わないといけないということでしょう?」

 

俺は無言でうなずく、流石に解っていらっしゃるようだ、さすがの俺も難しい顔をしていたようだ

 

「なら張遼ならどうかしら?」との言葉に俺は「お望みならば春蘭が捉えられましょう、策は桂花に」

と答えると春蘭が少し難しい顔をする。

 

「ぬ?私か?まったく、無茶なことを」

 

「あら?してくれないの春蘭」

 

曹操様がそういうと桂花は春蘭にフフンッ!と鼻で笑い、それに対し少しむっとしたように

 

「お任せください、張遼の一人や二人、私が見事捕らえてみましょう。」

 

そういって曹操様に約束をする。そんな春蘭に近づいて俺は頭を撫でる「偉いぞ、春蘭」

というと、「私とて成長するのだ」と顔を背ける、ああ、それでいいよ耐えることを覚えたんだから昔ならもっと食ってかかっていた

 

「さて、それでは陣形を整えて虎牢関を攻めましょう。桂花、策を」

 

「は、まずはこの時の為に真桜に頼んで準備した兵器があります。」

 

そういうと桂花は真桜を呼び、少し大きな紙に書いた兵器の説明書らしきものを広げる。

あれは・・・・・真桜が着てから桂花が色々と話し合っていたがあんなものを考えていたのか

 

「これは低階層にした衝車と攻城の撞車を合わせたものです。まずは衝車で関の扉まで

隊を進め城門前で撞車に組み替え、そのまま扉を破るというものです。」

 

曹操様が「へぇ」とため息を漏らす。確かに画期的な兵器だ、扉の前までは防御力の高い戦車の

衝車で進み、扉で組み替え撞車で破る。外見はのぞき窓のある盾で覆われている。そしてそこから弓矢を発射するようだ、中央には破城槌が台座の上に仕込まれていて組み替え後はそれが前に突き出し内部にある台座の滑車で滑らせ扉に当てると言うわけか、だがそこまでの道のりで壊されたりしないのか?

 

「扉まではいくら防御力が高いといいましても集中攻撃を受けては意味がありませんので

左右を春蘭と秋蘭の部隊に援護させます。そして兵器のほうは凪たち三人の部隊に運営させます。」

 

なるほどね、援護つきなら何とか扉に取り付いて組み替えまでいけそうだ

組み換え速度もきっと計算済なのだろう、なら春蘭と秋蘭は防御と援護両方をこなすのか

前には劉備と孫策もいる、そこまで攻撃も集中しないというわけかな?

 

「ふむ、いいわ試してみましょう。桂花・・・」

 

 

 

 

曹操様が言葉を言い切る前に一人の兵士が飛び込み

 

「も、申し上げますっ!虎牢関の扉が開き敵部隊が突撃を仕掛けてきましたっ!」

 

その言葉に今まで桂花の説明で方針をほぼ決めていた俺たちは目を丸くし

言葉を疑う。だが本当だろな、おそらく華雄が我慢できずに突出してきたんだろう

確か汜水関でも挑発にのっていたしなぁ、なんて考えていると桂花の顔が見る間に赤くなる。

 

「な、な、な、なんなのよぉーーー!!馬鹿じゃないのっ!!!敵は篭城ってものを知らないのっ!」

 

「まったくや、うちの考えた兵器が活躍すると思ったのに・・・・・。」

 

「とにかく、敵が突撃をかけてきたのならでます。華琳様、私と姉者は前線に行き敵に当たってきます。その間に陣形の整えと、新たな策を」

 

そういうと春蘭と秋蘭が走り出す。秋蘭とすれ違いに目線を交わし、死ぬなよと伝える

秋蘭はそれを笑みで返し兵の中に消えていく

 

「桂花、今より陣形を整えます。前線で抑えてくれる間に凪たち三人を後詰めに送りなさい、それとすぐに斥候を出して状況の確認、呂布が当たってくるようなら劉備たちに回していなす、張遼なら兵を削ぎ落とし春蘭に当たらせなさい、華雄なら秋蘭に任せて他を扉に進軍させます。」

 

桂花は伝令に次々と支持を送る、「貴方はいつもの通り、私の隣にいなさい」と曹操様は

俺に指示する。俺の役目はここで全体の動きを見ることだ、敵の動きを少しもみのがしてはならない

横に一馬を呼び、曹操様の護衛として二人で着く、季衣と流琉は親衛隊として曹操様の周りを固める。

 

どうやらこっちに来たのは華雄と・・・・・後ろから紺碧の張旗、二人の将か、まだ呂布が来るよりましだ。うまく春蘭と秋蘭が受けるだろう、桂花がそれを見るなり指示を飛ばしてる。

華雄に秋蘭を当てて後詰めに凪を向かわせ後方から来る張遼に春蘭を向かわせる、

劉備のほうを見ればうまく呂布をいなしている、いなしているのは・・・・・・関羽に

あの蛇矛は張飛か、先ほど陣営に行ったときは見かけなかったがさすがだ、呂布の攻撃を

何とか受けきっている、それに孫策もうまく合流したようだな、しかし呂布め三人がかりで一歩も引かぬどころか押している。噂に違わぬ一騎当千、だが関羽たちも素晴らしい、うまく袁術の居る後方に持って行ってる。

 

「華琳様っ!これより沙和と真桜に私が追いつき、二人を率いて張遼の兵を封じ春蘭と共に捕らえます。」

 

「ええ、わかったわ」と言うや否や、馬に飛び乗ろうとしたとき華雄と張遼の部隊が反転する

 

なんだ?何があった?突撃をかけてきていきなり反転した?華雄を引き止めにきただけか?

 

「え?え?え?えええええーーーー??何なのよホントにっ!」

 

馬上で固まる桂花の首だけがギリギリと動き横にいる俺は何故か桂花に殺意をこめて睨まれる。おいおい、俺のせいか?しかし本当に突出を引き戻しただけか?呂布はどうだ?涼風から望遠鏡を借りておいてよかった。

 

呂布も反転したな、しかし一騎であそこまで深く進んだのか!近くにいた麗羽の軍まで削りやがった!

後ろを劉備と孫策の部隊に囲まれているのに無人の野を行くが如く関に戻っていくな。

信じられん、一人の将であそこまで戦局を変えられるのか?包囲されたら普通は終わりだ。

 

「・・・・・・・・昭の見立て通りね呂布、確かに手に入れたいが、春蘭たちがやられていたわね」

 

「ええ、見立て以上です。ですがあれは・・・・・・・そう、縄張りを守る狼」

 

「狼?縄張りを守る?」

 

そうだ、あれは狼と比喩するには化け物過ぎるが、そうだな子供を守る母親の狼

縄張りに入るものを、自分の居場所を我が子を犯すものを許さない。守るものにさえ手を出さなければ

決して牙をむくことは無いだろう。ある意味無害と言ってもいいかもしれない、前に中央で

見たとき、お抱え軍師の陳宮を見る目がまさにそれだ。ただそれだけではないものが洛陽に

ありそうだが、それは解らないな。

 

 

 

 

「洛陽には呂布の大事なものがあるのね?縄張りか、ならば今回は敵対するしかないわね」

 

「ええ、そうですね。このまま篭城されては厄介ですね」

 

俺の言葉に呼応するように撤退する呂布を受け入れ虎牢関の扉が閉まる。

殿に呂布が居ては追撃もかけられん、指をくわえて退却が完了するのを待つしかないか

さてどう攻める?と言っても引篭もられてしまったら何も出来ないな。

あの関はあまりにも高く、頑強だ。さっきの兵器の使いどころか?

 

「今度こそっ!真桜を呼び戻しなさいっ!華琳様っ!今度こそは新兵器の威力をお見せしますっ!」

 

さすがに二度も肩透かし食らってしまってるんだ。頭に血が上ってるな・・・・・ん?

何だ?城壁の兵が・・・・見間違い?いや何か変だ、俺はそう思い望遠鏡を城壁の兵に向ける。

あの顔、安堵と・・・・・・焦燥?何故?安堵するのは解るが焦燥?篭城にこれほど強い関は無いはず

だが・・・・・・・あ!

 

「桂花っ!兵を戻すな!このまま突撃させろっ!春蘭と秋蘭に扉に当てさせて桂花

はそのまま兵器をもって真桜に追いつき、扉を破壊だっ!」

 

その言葉にえっ?と固まってしまうが「桂花、我が全軍に突撃命令をっ!」と曹操様の声ではじける様に馬を走らせる。安心できる場所での焦燥など何かあったと言っているようなものだ、糧食切れ?それは無い戦は始まったばかりだ、内部分裂?それも無い、それならば突出した華雄を棄てる。ならば接近する敵に怯えた宦官どもが呼びよせた退却しかない、叩くなら今だっ

 

「何が見えたの?」

 

「はい、城壁の兵から焦燥に駆られる表情を確認しました。」

 

「篭城するのに焦燥?なにかあったわね・・・・・・・」

 

そういうと俺の考えが見えたらしい、目を合わせると「なるほど、よくやったわ」との言葉をいただけた、これで虎牢関一番乗りはもらったしかも殆ど無傷だ。これなら洛陽に一番で入る確立が高くなっる。最悪は一馬に行かせて董卓殿だけでも保護するようにしなければ、我らが将の中で一番一馬が確実だ。しかし呂布が麗羽のところまで行ってくれてよかった、そのせいで陣形がめちゃめちゃになってる

よほどあわてたんだろうな、これで一番乗りの言い訳を呂布の責にして説得するか

 

「なあに?もう説得の心配をしてるの?昔のようにうまく乗せればいいじゃない、私には出来ないけど

貴方はそういうの得意でしょう?」

 

「曹操様、私はそんなこと得意ではありませんよ。昔からそういう役回りが多かっただけですよ」

 

「フフフッ、知ってるわ、貴方は私の為意外はそんなこと出来るような人間じゃないもの」

 

そうだ、昔からそういう役が出来るのが俺と秋蘭ぐらいだけだったから、秋蘭にそんな人を乗せて

うまく操るなんてことさせたくは無かったし、私は小さいときから曹操様の代わりに交渉するなんて

ことが多かったからな。おかげで人物評なんかできるようになったんだが

 

関のほうから大きな音が数回に渡って響き、その後声が上がる。

どうやら突破したようだ、良かった負傷するものが居なくて、この様子なら兵たちも死傷者は居ないだろう、次の洛陽攻略はどうなるか、とにかく優先は保護だな。幸いなことに董卓殿の素性を知っているのは俺達だけだ、ほかの諸侯に捕らえられることはそうそう無いだろうが他の軍の兵に殺されるか、捕らえられてなんてことになりかねない、やはり確実に俺たちが一番乗りをするほうが良い

 

 

 

さて、それよりまずは関を攻略した皆を迎えるか、無事でよかった

 


 
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