No.120722

真・恋姫†無双 十√ 10

kazさん

とりあえず反董卓まで終了で一段落という感じです。

 魏の面々が揃うとなんか楽しくなってきたり

2010-01-26 19:54:05 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:53987   閲覧ユーザー数:36132

夢をみました。

 

それは、大きな日輪を風が支えて立つ夢です、その日輪はとても強くて、そしてとても暖かくて、

この大陸を隅々まで命を届けるとても優しい光でした。

 

 

「風、風!起きなさい風!」

 

「おおう、稟ちゃん、風の寝込みを襲うとは、そこまで溜まっていたのですか~」

 

「ば、馬鹿な事言わない!それよりようやく洛陽の街が落ち着いてきたようよ、まぁ各地の諸侯は必死で風評を得ようと善行を行っているけど、無理もない、倒すべき董卓は自ら命を絶ち、帝は長安へ連れ去られていない、一体何しに来たんだか」

 

「でもこれだけの諸侯が結集すのは風達にはとても都合がいいのですよ~、直に諸侯を観察して、仕官先を選べるのですから~」

 

洛陽の宿場で話をする二人の少女、一人は風と呼ばれる少女、名を程立という、そしてもう一人は稟と呼ばれる少女、名を郭嘉と言うが今は戯志才と名乗っている、二人は仕官先を求めて諸侯が集う洛陽へ入り込んでいたのだ。

 

「さて、まずはどこから見て回りましょうか」

 

「その前に稟ちゃん、風は名前を改名しようと思うのですよ~」

 

「名前を?いきなりどうしたの?」

 

「さっき夢を見たのです~、大きな日輪を支える夢なのです、ですから風は仕官が叶ったら程昱と名前を変えるのですよ~」

 

「日輪を支える夢…か、それは、仕官先が決まるという兆しなのかしら?」

 

「ぐう…」

 

「寝るなっ!」

 

「おおう、ついうとうとしてしまいました~

さて、どうでしょうかねー、でも風はきっと暖かなお日様のような人にめぐり合えると思うのですよ~」

 

「なら、さっそく行きましょうか、話では今日は宮城の方で今後の会議のようなものが行われているそうです、姿を見る事もできるかもしれませんしね」

 

そう言うと二人は洛陽の街に消えていく

 

 

 

洛陽

 

街では異様な光景が見られていた、各諸侯の兵士達は区画ごとに割り振られ、警備や困っている人がいたら助け、壊れている家は無償で修理と今で言うボランティアのような事をやっていた、これは功のない諸侯がいかに風評を得ようかという苦肉の策でもあった。

 

そんな中、当の諸侯達は洛陽の宮城に集い、今後の方針を決めかねていた、長安へ連れ去られた帝を追うのか、倒すべき董卓のいない今連合を解散するのか、袁紹などは長安に行き帝救出をすべきと提案するものの、董卓軍との戦いで大きな痛手を受けた諸侯達は消極的であった、なにより長期に渡る遠征での自国の不安、兵糧の欠乏と不安材料が多すぎるのだ、さらに追撃する事で帝を弑されたらとの懸念により賛同する者はいなかった。

 

その後馬超さんが国が異民族の襲撃を受けたとの理由で連合を離れる旨を伝えると他の諸侯も次々と連合からの離脱をし始める、袁術なども「もう飽きたのじゃー」と言って離脱、袁紹も仕方なく解散を宣言(一人だけでは寂しい)し、こうして反董卓連合は消滅する事に決まる。

ちなみにこの集まりに我等が北郷一刀は参加していない、ほぼ一人功を得た北郷を各諸侯はハブったのだ。

 

「まぁ行っても嫌味を言われるだけだしね」

 

「何か?」

 

「いや、なんでもないよ、凪」

 

一刀は春蘭、秋蘭、護衛の凪と大長秋や有力貴族へ挨拶をした後春蘭秋蘭と別れ、洛陽の街を見回っていた。

 

「北郷様、早く陣のお帰りになられた方が良いと思われます、どこに北郷様を狙う者がいるかもしれませんし。」

 

「ありがとう凪、でも大丈夫だよ、今俺を殺しても利益を受ける奴はいないから、それに凪がこうして守ってくれてるからね、頼りにしてるよ凪」

 

「は、はい!/////」

 

なんか子犬みたいな凪をほのぼのと見ながら話をしたり、あ、なんかよく考えたらデートっぽいかも、とかつい思ったりする一刀、そんな風に凪と話をしながら歩いてると装飾店のような店を見つける

 

「凪、ここ入ってみないか?皆へのお土産とかちょっと探してみようとか思ってさ」

 

「はい、お供いたします!」

 

そんな感じで一刀と凪はその商店に入る、色々見回していると綺麗な腕輪のようなものを見つける一刀

 

「綺麗な腕輪だな、これ凪に似合うんじゃないかな」

 

「えっ!いえ、私はそんな…、このようなもの、わ、私には似合いませんし…」

 

「そんな事ないよ、凪は可愛いんだから、ほら、つけてみて」

 

そう言うとその綺麗な腕輪のようなものを凪につけてみせる一刀、それは凪にピッタリで凪も気に入ったようだった。

 

「綺麗ですね…」

 

「うん、すみませーん、これくださーい」

 

そう言ってそれを買う一刀、そしてそれを凪に渡す

 

「はい、これ凪に」

 

「そ、そんな!私にはこのような高価なもの受け取れません!う、受け取る理由も」

 

「俺からの感謝の印のようなものなんだけどな、こうやって警護してくれてるし、陳留でも警備隊を率いてくれて真桜や沙和の面倒もちゃんと面倒みてくれてるしね、そのお礼だよ、だから凪に是非受け取ってほしいんだけど、ダメかな?」

 

「そ、そんな!//// あ、ありがとうございます、一生大切にさせていただきます…////」

 

「そんなに喜んでくれるとちょっと照れるな、でもほんとに凪に良く似合うと思うから」

 

「あう…/////」

 

頭から湯気が出てなんか今にも倒れそうなくらい体が熱くなってしまう凪さんだった。

 

 

その店を出てしばらく歩いていると劉備、関羽、趙雲さん達と偶然に出会う。

 

「あ、一刀さん!よかった、平原に帰る前に会ってお話がしたかったんです」

 

「あ、劉備さ「桃香です!」」

 

「……と、桃香…さん」

 

ああ、見てる、見てるよ鬼神関羽さんが俺を今にも殺さんばかりの目で…

 

「さんもいりません!もうっこれからはぜぇったい桃香って呼んで下さいね!」

 

「は、はい、それじゃ…桃香」

 

「くすっ、でも洛陽が平和でよかったです、この戦いに参加したのは洛陽で苦しんでる人達を助けるって目的でしたから、でも来てみたら困ってる人もいなくて、お話を聞いたら董卓さんが来た時に兵隊さんが何人か悪事を働いたそうですけどその人達は皆重罪にされて、その後は洛陽の人達の為に頑張ったってくれたって聞きました。

それに悪い官僚も一掃されたって、そう思うとこの戦い自体何だったのかなって、思っちゃいます」

 

「うん、董卓って人は利用されただけなんだよ、この国にね、だから俺達はこんな事が二度と起きないようにしなきゃいけない、この国をもっと良くしなきゃいけない、その為にはまだまだやる事が沢山あるんだ、だからもっともっと頑張らないといけないよね」

 

その俺の言葉に聞き入ってるのか桃香さんは俺をずっと見続けている。

 

「…?、桃香どうかしたの?俺の顔に何かついてる?」

 

「えっ!い、いえ、なななな何でもないです!えとっあのその…わ、私も頑張ります!//////」

 

「うん、お互い頑張ろうね… じゃあ俺達はこれで、張飛ちゃんや孔明ちゃん達にもよろしく言っておいてね」

 

そして桃香達と別れしばらく歩いた所で。

 

「か、一刀さんっ!わ、私その、か、一刀さんと会えてとてもよかったです!嬉しかったです!」

 

「うん、俺も君と会えてよかったよ」

 

そう笑顔で答える一刀に真っ赤になって心臓の鼓動が抑えきれなくなってきた桃香。

 

「わ、私、一刀さんの事がっ……」

 

今にも一刀の所に走り出しそうになる桃香と一刀の間にドドドドドッって感じで割って入る愛紗さん。

 

「桃香様!早く平原に帰る支度をしませんと!民が桃香様のお帰りを心からお待ちしておりますので!」

 

なんていうか怒号にも近い程の大声で桃香を制し一刀を睨んで牽制する愛紗、その言葉に冷静になったのか

 

「あ、…うん、そうだね、わかったよ愛紗ちゃん」

 

そう言うと桃香は自分の陣へ歩み出す、その光景を見た星がはーっと溜息を吐きがら愛紗に近づき。

 

「まったく、お主の気の利かなさには言葉もない、もう少し待っておれば桃香様は北郷殿の所に駆け寄り熱い抱擁の一つもかわしたであろうに」

 

「星!きき貴様!言って良い事と悪い事があるぞ!桃香様があのような男の毒牙にかかるのを防ぐのが我等の役目であろう!」

 

その言葉を聞き、またも星ははーっと溜息を吐き。

 

「やれやれ」

 

と言って呆れるのであった。

 

 

 

 

風、稟side

 

風と稟は茶店で休んでいた。

諸侯の陣地や風評、兵士達の話などをこまめに聞いたり、その目で盟主を見たりと色々やったのだがめぼしい君主が見つからなかったのだ。

 

「はぁ、これだけいながら際立った君主がいないと言うのも情けない話です」

 

「稟ちゃんは評価が厳しすぎるのですよ~」

 

「そういう風の目にかなった君主はいたのですか?」

 

「ぐう」

 

「寝るなっ!」

 

「おおう、そうですね~、見た所平原の劉備さん、それと袁術さんの所にいた孫策さんなどには興味がありました、ですがやはり仕えるとなると少し考えてしまいますね~、あとは…」

 

「陳留に降り立ったといわれる天の御遣い、北郷一刀…ですか?」

 

諸侯を巡り、風評などを聞くと必ず出てくる陳留の天の御遣い、何でも汜水関、虎牢関を破ったのもこの天の御遣いの軍だというのです、風は興味を持ったのですが、その天の御遣い様は宮城の会議には来てないらしく、その姿を見る事が出来なかったのです。

 

「まぁ風評などどこまで信じられるかわかったものではないですね、あの二関をほぼ単軍で抜くなど出来るわけがないではないですか、黄巾党の主力を討った話にしてもきっと相手が農民上がりの烏合の衆だったのでしょうし」

 

「そう言いつつ身も心もすでに陳留の天の御遣いに捧げようと思っている稟ちゃんなのでした」

 

「ふ、風!そんな事ある訳ないでしょう!//// わ、私はただ風評などに惑わされず真実のみを参考にして仕官したいと思ってるだけです!」

 

「ぐう」

 

「だから寝るなってのに!風、貴方わかっててやってるのでしょう!」

 

「さて、では直接見に行ってみますかー、陳留の軍は確か西門を出た所で陣を敷いているのでしたね~」

 

「あ、風待ちなさい!店主、お金はここに置いておきます」

 

風を追いかけようと店を出た稟だが、出口の所で足をつまずかせ転倒して倒れそうになる「きゃっ!」、しかし倒れる寸前稟を支える者

 

「君、大丈夫かい?」

 

稟はギリギリの所で抱きかかえられて転倒を免れる、稟はその掴んだ手の主を注視すると、そこにいたのは

真っ白に輝く今まで見た事のないような服を着た青年。

 

 

一刀side

 

一刀は買い物も済ませ、自陣に帰る途中に凪と茶店で少し休もうと思っていた、すると店から出てきた眼鏡の少女が倒れそうになる。

 

「危ないっ!」

 

咄嗟に体が動いた一刀はその少女が倒れる寸前に抱きかかえるように助ける、そして一刀がその少女の安否を確認する為に顔を見ると。

 

「あ、あ…」

 

一刀に抱きかかえられたままのその少女はみるみる赤くなり、そして。

 

「あ、ああ、わ、私に触れて…、そ、そしてそのまま私を押し倒し、しかもその後私の両手の自由を奪って…

そ、その上でわ、私の胸を野獣のように揉み…わ、私がいくら抗おうとも押さえつけてち、力任せに…」

 

「え、あの、君何言ってるの?あの…」

 

「い、嫌!やめて!そう涙を流し抵抗する私の言葉を無視して、貴方は無理矢理、私のた、たたたた」

 

 

ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

 

 

「う、うわあああああ!血、血が噴水のようにぃーーーーーー!!!!」

 

そしてその少女はそのまま血溜まりの中に倒れる、さ、殺人事件勃発!ってか犯人は俺なのか!!!とか、急な出来事についていけない一刀さんは唐突な出来事に対応に困る、その時、ゆる~い感じの声で。

 

「だいじょうぶですよ~、いつもの事ですから~」

 

と、頭に何か人形のようなものを乗せた少女が現れ、その眼鏡の少女の傍に近づき頭を少し上げさせ。

 

「は~い稟ちゃん、とんとんしましょうね~、はい、とんとん」

 

「ん、んんん…」

 

その少女がとんとんとやると血溜まりに倒れた眼鏡の少女は気付き周りを見回し…

 

「う、うう…、ありがとう風、ふう、大変な目にあいました」

 

「い、一応言っておくけど俺は何もやってないですよ、しかしまぁとにかく無事でよかった」

 

ほっとする一刀に気付いた眼鏡の少女はさっきの事を思い出したのかまた少し顔が赤くなる、そんな様子を無視してゆる~い感じの少女が一刀に話しかける。

 

「稟ちゃんの危ない所を助けていただきありがとうございます~、風は程立と申します、そしてこちらは」

 

「戯志才です、た、助けていただきありがとうございます」

 

「いや、俺は当然の事をしたまでだよ、怪我がなくてほんと良かった、あ、俺は北郷一刀って言うんだ、よろしくね」

 

その名前を聞いた時、二人の少女は互いを見る、そして恐る恐ると言った感じで聞きなおしてくる。

 

「あの、北郷様と言うと…もしかして陳留に降り立ったと言われている天の御遣い様ですか?」

 

「え?うんまぁそんな風にも呼ばれてるかな、俺はその通り名は好きじゃないんだけどね、仰々しくて」

 

そう言って笑う俺とは裏腹に、横にいた凪はその二人の少女を警戒して闘気を出して臨戦態勢を取っている、そんな凪に一刀は。

 

「凪、大丈夫だよ、この人達はいきなり襲い掛かってきたりはしないって」

 

「し、しかし…」

 

そう言いかけた凪だったが一刀がぽんぽんと肩を叩き力を抜かせると落ち着き、ぺこりと頭を下げ自己紹介をする。

 

「北郷様を警護している楽進と申します、非礼の程お許しください」

 

「じゃあ俺達はこれで、今度はこけないように気をつけてね」

 

そう言って立ち去ろうとすると、俺の服をくいっとつかむ感触、振り向くと程立さんが俺の服を掴み。

 

「おにーさんにお願いがあります、風達も陳留に行こうと思っていたのですが、もしよかったら風達を一緒に連れて行ってはくれないでしょうか~」

 

と、その言葉にもう一人の眼鏡の少女が何かを言いたげだったが程立さんが何か話すと渋々承諾する。

 

「陳留に?そうだね、女の子だけの旅ってのはやっぱ危険だもんね、いいよ」

 

そう明るく答える一刀に二人は何かを想うようであった。

 

 

 

 

- ここは風さんの視点で進みます -

 

 

洛陽で色んな諸侯の人達を見ました、ですがどの方もぽかぽかとした太陽のような人達ではありませんでした、

でも二人、太陽のような方を見かけました。

平原の牧の劉備さんという方、あの人はとても優しい太陽のような人でした、でもとても弱弱しい、脆さを感じました。

袁術さんの所の孫策さんという人も太陽のような方でしたが、あの方はとても熱く、風を溶かしてしまいそうでした。

もう風が探しているぽかぽかした太陽のような人に出会えないのかなと思っていました、そんな時にあの人に出会いました。

 

「き、君、大丈夫かい!」

 

稟ちゃんを助けてくれたそのおにーさんは白く輝く見た事もない服を着ていました、まるでひかり輝く太陽のようでした。

名前を聞くと北郷一刀と答えました、風は知っています、陳留に降り立ったと言われる天の御遣いのお話、白く輝く服を着て降り立ったと聞いていましたがまさかこのような所で出会う事になるとは、黄巾党の主力を破り、首魁の張角を討ち、難攻不落のし水関、虎牢関の二つを落とした陳留の盟主。

 

「じゃあ、俺達はこれで」

 

その言葉についおにーさんの服を掴んでしまいました、どうしましょう。

咄嗟に出た言葉は「陳留に連れて行ってください」でした、その言葉におにーさんは快く承諾してくれましたが、稟ちゃんはお気に召さないようです。

 

「風!貴方一体何を考えているの!私達はまだ仕官先を探している途中でしょ」

 

「ぐう」

 

「ねるなっ!」

 

「おおう、つい…稟ちゃん、風は思うのです、もうこの洛陽にいても仕官しようと思える諸侯はいないと思うのです、でもこのおにーさん、稟ちゃんも気にしていた陳留の天の御遣い様はもう少し見ていたいと思ったのですよー」

 

「だから私は別に!でも、確かにもう洛陽にいても無駄なのかもしれませんね、もうどこも自国へ帰り支度をしていますし、でも失礼ですがこの御仁からはどうも覇気のようなものが感じられません、風評通りかも疑わしい…」

 

「では稟ちゃんは陳留に来ないのですか?」

 

「い、行かないとは言ってないでしょう!い、いいでしょう!この目で噂が真実かどうか確かめてあげます!」

 

「ふふ、嫌よ嫌よといいながら体は正直な稟ちゃんなのでした」

 

「風!その変な言い回しはやめなさい!」

 

こうして稟ちゃんも風に従って一緒に言ってくれる事を承諾してくれました、ほんとに素直ではないのですから。

 

その後風はおにーさんと色々なお話をしました、おにーさんは色々な話をしてくれます、その中には天の国のお話というのもあり、風はとても興味を持ちました、その時風のお腹が少しなりました、そういえばお昼を食べていませんでした。

 

「そうだ君達お腹すいてないか?、よかったらおごってあげるよ、いい店があってさ、そこ凄く美味いんだぜ!」

 

そう言ったおにーさん、まるで風のお腹の事に気付いたようです、風達はその言葉に甘えおにーさん達とお食事をする事になりました。

 

「な、何をなさっているのですか!」

 

「ん?これ?麻婆丼だけど?食べてみる?」

 

おにーさんがご飯に麻婆豆腐を乗せるという変な事をやって、楽進さんという人に問い詰められていました、でもその麻婆丼というのを食べた楽進さんという人は。

 

「お…美味しいです//////」

 

「だろ!どうだい君達も?結構いけるんだぜ」

 

そう言って差し出してくれた麻婆丼、稟ちゃんは拒否しましたが風は興味津々で食べてみました、すると。

 

「おおう、これはとても美味しいですね~」

 

「だろ!よかった、口に合って」

 

風の様子をみたおにーさんはそれはもう嬉しそうに微笑みました、そのお顔はお日様のようでした

食事を終えた風達は洛陽の街を出、一路陳留の陣地へと向かいます、風はふと独り言を言ってしまったようでした。

 

「おにーさんが風の探していた太陽なのかもしれませんね~」

 

「ん?太陽?俺が?」

 

風の独り言をおにーさんに聞かれてしまいました、どうしましょう、きっと変に思われたかも知れません。

 

「太陽かー、なんか照れるな、でも俺はそんな大層なものじゃないよ、ほんと普通の人間さ」

 

「………」

 

「ん?どしたの?何か変な事言ったかな?」

 

「おにーさんは風の事を変な子だとは思わないのですか?」

 

「変?何で?まぁどっちかっていうと眼鏡の子の方が変っていうか「何か言いましたか!」…いえ、なんでもありません」

 

おにーさんの不用意な発言で稟ちゃんが怒ってしまいました、やれやれ、それにしても…

 

「おにーさんは不思議な人ですね」

 

「不思議?そうかなぁ、自分としては到って普通のつもりだけど」

 

「いえいえ、普通の人は風とお話をしていると大抵の人は疲れてきてしまうのですよ、気味悪がる人もいました」

 

「俺は、程立さんと話すのは楽しいよ、何かぽかぽかしてくる感じかな、俺を太陽って言ってたけど程立さんも太陽みたいだよ」

 

何でしょう、おにーさんの言葉につい顔がぽってしてしまいました。

そうして楽しくお話をしていると陳留の陣地が見えてきました、もう着くかという時…

 

「か~ずと♪」

 

いきなりおにーさんのの名前を呼ぶ声、声のした方向を見ると、見たことがある人物

確かあの人は孫策さんでしたね、何故ここにいるのでしょう、しかもおにーさんを知ってるという事はこの二人は周知の仲なのでしょうか、そんな事を考えているとおにーさんはその孫策さんの所にかけよっていきます。

 

まるで恋人のようでした。

 

 

 

 

-再び一刀視点-

 

陳留の陣地の近くに来た俺達は、そこで雪蓮がいる事に気付く、冥琳も警護もいず、ただ一人雪蓮のみ、それに何か違和感というか、緊張感のようなものを感じつつも声をかけてみる。

 

「雪蓮、一人なのか?」

 

「うん、一刀と話がしたくてね、いい?」

 

「もちろん、じゃあ陳留の陣の中に入る?お茶とか出すけど、さすがに酒は後で周瑜さんに怒られそうだからやめとくけど」

 

「陣に入らないで、できれば二人きりで話したいんだけど」

 

そう言う雪蓮、俺はまぁいいかなとか言い出そうとすると凪がそれを止める。

 

「北郷様、孫策殿は何か様子が変です、ここは警戒した方が」

 

「ありがとう凪、でも大切な話があるみたいだからさ、俺もちょっと雪蓮と二人きりで話したい事があるし」

 

「おおう、愛の告白ですねー」

 

「こ、ここここ告白!そ、その後は彼女の手を取り足を取り…」

 

「いや違うから、戯志才さんも変な想像しないように、じゃあ悪いけど凪、二人を陣に案内してあげてくれるかな」

 

そう言うと心配する凪の頭をなで、俺は雪蓮の所に向かう、傍にいた程立さんと戯志才さんは凪に連れられ陳留の陣に入っていく、俺と雪蓮は近くの木の下に行く、話し始めたのは雪蓮からだった。

 

「一刀は、自分の国って好き?」

 

「自分の国?もちろん好きだよ、何もわからないこの世界にきたばかりの俺を保護し、そして生きる糧、生きる技術を、生きる目的をくれた場所だからね、そして何よりも大切なものが沢山出来た場所でもあるしね」

 

「そっか、私も自分の国が大好きよ、でも今は袁術のものだけどね…」

 

そう遠い目をしながら語る雪蓮。

 

「一刀、少しだけ私の母の話をしていいかしら」

 

「いいよ、孫堅さんだっけ?噂程度しか知らないけどきっと凄い人だったんだろうね」

 

「うん、江東で旗揚げをした途端、江東、江南を制覇して孫家の礎を作った凄い人、私はその背中を見て育ち、一緒に戦に参加したりもしたわ、こんな小さい時にね」

 

そう言って腰くらいの高さを指し示す雪蓮、その姿は楽しくも少し悲しげに見える。

 

「でも江東の虎とまで呼ばれていた母も死んでしまったわ、母は一時荊州近くまで領土を広げていたけど戦死した事でそれは衰退してしまった、母の死と共に内乱や闘争が相次ぎどうしようもなくなった所を袁術に支援を受ける事になり、私は仕方なく袁術の客将に甘んじてる、私達の力を畏れた袁術はずっと一緒だった私の仲間、部下、家族を分散させ、自由に会わせる事すらさせなくした」

 

よほど悔しかったのかその言葉には様々な想いが聞いて取れる。

 

「一刀、私はね、呉の民たちが、私の仲間達が笑顔で過ごせる時代を作りたいの、その為だったら何でもやるわ、こんな所でまごついてる訳にはいかないのよ、だから…」

 

「だから?」

 

 

「董卓を頂戴」

 

 

急に出てきた董卓という言葉に一瞬息を呑む、雪蓮が何かを想って俺に会いに来たんだろうなとは思っていたけどどうやって探ったのか…いや、隠蔽は完璧のはず、雪蓮の事だから多分これはカマかけだろうな、と判断した一刀は冷静を装い。

 

「董卓は洛陽で屋敷と共に燃え尽きたって聞いたけど?」

 

「それ嘘でしょ、噂を流したのも一刀、目的が何かはわからないけど今董卓は陳留の陣にいる、違う?」

 

「そう言い切る根拠は?」

 

「勘…かな♪」

 

「勘て…」

 

やっぱそんな事か、と呆れる俺をよそに雪蓮は悪戯っぽく笑い。

 

「あら、私の勘を舐めないでよね、こう見えても外れた事ないんだから」

 

「じゃあこれが最初だね、俺は董卓の事なんか知らないし、陳留の陣には董卓なんて人物はいないよ」

 

「それを信じろと?一刀、言ったでしょ、私達はもうこんな所でまごついてる訳にはいかないって、私達はこの戦いで功を得てそれを糧に独立の為に動くつもりだったの、でも何も得るものはなく戦いは終わった、でも、董卓の首を取れば名声を得られるわ」

 

「今董卓の名を出しても逆効果だと思うけどね、檄文とは違う人物であったし、洛陽でも善政がしかれてた訳だし」

 

「そうでもないわ、世間では董卓はまだ洛陽で圧制をしいた魔王で通ってるし、首謀者を討ったって風評は尾ひれが結構つくもんでしょ?張角の時のように」

 

張角は化け物だった、その話の事を言ってるんだろうな、風評操作で確かに色んな尾ひれがついてそれを利用した訳だけど。

 

「俺の時は運がよかっただけだよ、話がこれだけなら俺もう行くよ」

 

「…あくまで董卓は渡さないつもり?」

 

「いないものは渡せないでしょ」

 

 

そして、二人の間に沈黙が流れる。

 

 

 

 

「一刀、渡さないというのなら…」

 

「雪蓮、さっき自分の国の事好きかって聞いたよね?その国の為ならなんだってできるって、俺もそうだよ」

 

何かを言おうとした雪蓮を途中で遮る一刀、雪蓮は言うのをやめ、一刀の話に耳を傾ける。

 

「俺の国ってさ、盟主が俺のせいか変なのが集まるんだよね、未だに俺に真名を預けてくれない人とか、未だに俺を本気で殺そうとする人とか、かと言えば俺を尊敬してくれる人とか、兄のように慕ってくれる子とかね、そして、俺を信じて頼ってきてくれる人、俺はその人達を裏切る事は絶対しない、たとえ殺されてもね」

 

「それは…説得してるつもり?」

 

「説得?ああ、そういやそんな感じにも聞こえるか、いやまぁ俺の国はいい国だよって言いたかっただけなんだけどね、そして俺もその国の為なら何だってできるよって」

 

そう笑って答える一刀、しかしキッと表情を厳しくし直して雪蓮を見つめ

 

 

「雪蓮、焦るのはわかるけど今はまだ俺を敵にしない方がいいよ」

 

 

そう言った一刀の言葉に雪蓮は背筋の寒くなるのを感じる、何か、凄く嫌な予感がしたからだ、そして何事か考え。

 

「……はぁーー、ほんと一刀はやりにくいなーー」

 

「雪蓮?」

 

「うん、あたしの負けね、ってゆうかゴメンね急に押しかけて変な事言って、それから…」

 

そう言うと近くの岩陰を見る雪蓮

 

「もう出てきてもいいんじゃない?」

 

すると、岩陰から続々と現れる、そこにいたのは春蘭。

「わ、私は別に北郷の事を心配して来た訳ではないからな!ほんとだぞ!絶対だぞ!」

 

秋蘭、流琉、季衣

「姉者、それでは心配してたと言ってるようなものだよ」「春蘭様はほんとに兄様が大好きなんですねー」「ボクも兄ちゃん大好きだよ!」

 

霞、真桜、沙和 凪

「一刀は愛されてるなぁ~」「大将は生粋の種馬やからねぇ~」「うわぁ、北郷様種馬だったの~」「ほ、北郷様/////」

 

桂花

「まったく!もう少し考えて欲しいわ!あんたが死ぬ事でどれだけ危機的状況になるか!ああもう何であんたの為に私が心配しなきゃいけないのよ!」

 

陳留の主だった将が揃っていた。

 

「皆なんでここに?」

 

「みんな一刀の事心配してたんでしょ、あれだけ私に殺気放ってたのに、一刀は感じなかったの?」

 

「いやいや、だって俺普通の人だから、そういうもの…まぁ俺への殺意とかはたまに感じる事あるけど」

 

「ほんと、呑気よねぇ、一刀って」

 

その雪蓮の言葉に皆もうんうんと頷く、えっ!ちょっと君達、そこは俺をフォローする所じゃないの、ねぇ。

 

「で、私はどうなるのかしら?貴方達の主の北郷一刀に詰め寄ったりしたんだからただではすまないかしら」

 

「そうだな、と言いたい所だが、我が主はそれを望んではおらぬようでな、それに何か言いたそうだ」

 

そう冷静に語る秋蘭が目を向けると、一刀は雪蓮に向かって。

 

「雪蓮、いずれ時がくれば袁術は瓦解する、それは遠い未来じゃない、そうなればすぐに孫呉の国を取り戻せるから君達はそれを待てばいい」

 

まるで未来を知ってるかのような物言いに雪蓮は。

 

「また急にとんでもない事を言うのね、袁術は確かに馬鹿だけどあの子が統べる豪族達の数は多いわ、利用しやすい盟主だからね、私達の家族や仲間も分散させられて人質のような状態、そんなものを一刀ならなんとかできるっていうの?」

 

 

「できるよ」

 

 

あまりにもあっさり、自信満々に言う一刀に雪蓮は肩透かしのような状態。

 

「どうやって?」

 

「それはまだ言えない、っていうか正直どの程度の効果とかは雪蓮達にかかってるっていうか他力本願ていうか、まぁそんな感じなんだけど、でもその時が来たら雪蓮達に協力してもらうつもりだから」

 

「協力?それは同盟って事?」

 

「そんないいものじゃないよ、利用して利用される、そんな感じ、まぁどちらにしても雪蓮達には悪いようには転ばないと思うから」

 

何かを考えてるようでその何かがわからない雪蓮は少し考える様子、しかし観念したのか。

 

「わかったわ、今は一刀の言葉を信じるわ」

 

「ありがと」

 

「じゃあね一刀、このくだらない戦いで一番の収穫は貴方と出会えた事だと思うわ」

 

「そういってもらえると嬉しいね、できればずっと仲良くしていたいけど…」

 

二人は見つめあい、そして思う ”いずれ戦う事になる” と。

 

「じゃあこれでさよならだ雪蓮、元気でね、周瑜さん達にもよろしく言っておいてね」

 

「うん、じゃあまたね、一刀」

 

 

 

そして別れる二人、その後こっぴどく叱られたり泣かれたりで大変な目にあう一刀、そんな時秋蘭がある事に気付く。

 

「ところで… その二人は何者だ?」

 

そう言った秋蘭が指差すとそこには程立さんと戯志才さんがいた。

 

 

 

 

なんていうか微妙な静寂が包む。

 

 

「あ、あれ?君達凪と陣地へ行ったんじゃないの?」

 

「楽進さんが風達を陣まで送ってくれた後、何やら陳留の人達とお話をしてその後皆さんが慌てておにーさんの所に向かった後をつけたのですよ~」

 

そんな風に飄々と言う少女の言葉に沈黙する皆、言葉を発したのは一刀。

 

「えっと、今のやりとり、どの辺から見てたりしてたのかなー」

 

「見てたのは途中からですが、話は唇を読んで一通り~」

 

「読唇術できんの!」

 

「くふふ~、風はこう見えて一流ですから~」

 

なんつーか底知れんな、まぁどこまでほんとかわからんけど、なんか嘘はついてないように思えた。

 

「えっと、こんな事言うのはあれだけど、できれば今のは見なかった事にしてくれないかな~、色々面倒になるから、無理強いする気はないけど忘れてくれるならかなり嬉しいかなーとか。」

 

「そうですね~、おにーさんの言うとおりにしてもいいですけど、条件があります~」

 

「条件?何かな?」

 

「風と稟ちゃんをおにーさんの所に仕官させてほしいのですよ~」

 

その言葉に皆が驚く。

 

「風達は仕官先を探して洛陽まで来てたのです、でも色んな諸侯を見てきましたが中々いい仕官先が見つかりませんでした~、でもそんな時おにーさんに出会って、話し、見て、聞いて、そして皆さんのおにーさんを想う気持ちを知ってこの人の為に働きたいかも~と思ったのですよ~」

 

「そ、そうなの、えとそちらの戯志才さんは?」

 

「私は風の人を見る目を知っています、風がこの人と認めたのなら間違いはないでしょう、それに、私も貴方には興味がありますし…」

 

なんか照れてそんな感じの事を言う戯志才さん、えっと陳留の皆さんの視線が怖いです”またかっ!”って感じの目で…

 

「では改めて自己紹介するのです~、風は程昱と申します」

 

「ええっ、程昱!だ、だってさっきまで程立って言って…」

 

「風はおにーさんに会う前に日輪を支える夢を見たのですよ~、それで、仕官が叶ったら名前を変えようと思っていたのですよ~」

 

「そ、そうなの、しかし君が程昱さん、そうか…」

 

程昱、俺の知ってる三国志で曹操に仕えていた軍師、まさかこんな風に出会うとは思ってなかった、ってかやっぱ女の子なんだ、とか考える一刀

 

「しかし仕官と言っても貴公らの実力もわからんのではな、見た所文官希望と言った所か」

 

「いいえ~、風達は軍師希望なのですよ~」

 

秋蘭の問いに答えた風のその言葉に桂花がピクッと反応し凄い形相で噛み付く。

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!陳留の軍師は私なのよ!いきなり現れて軍師にさせてくださいって言ってはいどうぞって言える訳ないでしょ!」

 

「それを決めるのは貴方ではなくおにーさんなのですよ~、それでどうなのでしょうか?」

 

「うん、いいよ」

 

 

「ちょっとーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

程昱さんの話にあっさり承諾する一刀に桂花が思いっきりツッコむ、周りの皆も唖然という感じだ、しかし一刀は。

 

「程昱さんなら大丈夫だよ、俺が保障するから、それに荀彧はここ最近無理してただろ、一人で何でもこなして、それじゃいつか体を壊しちゃうよ、この先も戦いは続くし増えるし仲間が増えればその分負担も減るだろ」

 

「私の体の事は私が一番わかってるわよ!こんな奴らに頼らなくても私一人でいくつもの戦局を支えて見せるわよ!」

 

何か敵意むき出しの桂花、俺がどうしたものかなーとか考えてると程昱さんがちょいちょいっと俺をつつき。

 

「あの~、おにーさんはどうして配下である荀彧さんを真名で呼ばないのですか~?」

 

「いや、えっとなんか俺って嫌われてるみたいでさ、呼ばせてもらえないんだよ」

 

そう寂しげに笑いながら言うと程昱さんは何やらニヤッとして。

 

「配下になるのであれば風はおにーさんに真名を預けるのですよ~、これからは”風”と呼んでくださいね~」

 

と、あからさまに真名を強調して桂花に聞こえるように言う、桂花は風のその憎たらしいまでの笑顔を見て。

 

「そう、じゃあ勝手にすればいいでしょ!この見境なしの変態!全身精液男!ケダモノの孕ませ男ーーーーー!!!!」

 

「だぁからそゆ事言うなってのにーー!」

 

何やら怒って陣へ帰って行った桂花を流琉が追いかけていったり、そんな様子に溜息をついていると、戯志才と名乗る少女が。

 

「では私も改めて自己紹介を、私は郭嘉といいます、風が真名を預けたのであれば私の真名もお預けいたします、真名は稟と申します、今まで戯志才と偽名を使っていたのは身を守る為で…」

 

「郭嘉だってーーーーーー!!!」

 

郭嘉が自己紹介している途中で一刀はいきなり大声を上げ郭嘉さんにかけよる、

俺の知ってる三国志の郭嘉さんは何かこう、すぐ死んじゃった印象だから!

俺はなんか心配してうろたえてしまう、その様子に皆も何事かと驚く、当の郭嘉さんも。

 

「き、君体大丈夫!?病気とかしてない!?あ、そ、そういや鼻血凄かったし!ああ、やっぱどこか病んでるのかい!い、医者!」

 

そんな風に郭嘉の肩を掴み、真剣な目で色々と質問して心配する一刀に、郭嘉は。

 

「あ、ああ、そんなに強く私を…に、逃げれなくなった私をむ、無理矢理…」

 

 

ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

 

 

「う、うわああああ!鼻血が噴水のようにーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

その様子をはじめて見た皆は何が起こったかわからない様子、一刀もあうあうといった感じ、ただ一人程昱さんが郭嘉さんの所に近づき

 

「はい、稟ちゃん、とんとんしましょうねー、とんとん」

 

と、冷静に鼻血を止めるのだった。

 

 

 

 

孫策の陣

 

疲労困憊といった感じで帰ってきた雪蓮を同じく心配しまくった感じで怒った冥琳が迎える。

 

「まったく一人きりで護衛もつけずに乗り込むとは、少しは私の心配も察して欲しいものだな!」

 

「ご、ごめんなさーい、でも明命が近くに潜んでたし、一人って訳じゃなかったんだからいいでしょ」

 

「そういうものでもなかろう!

はぁ…、で、北郷殿と会って董卓の事を聞いてきたのだろう?どうだったのだ、その様子だと上手くいかなかったようだが」

 

「んー、どうなんだろ、いい様な悪いような」

 

そう言うと雪蓮は一刀との事を話す、それを聞いた冥琳は。

 

「ふむ、近いうちに袁術はいずれ瓦解する、それまで待てか、それを信じる事にしたのか?」

 

「正直半信半疑、でも一刀は何か凄い隠し玉のようなものを持ってる様子だったわ、それが何かはわからなかったけど、でも、信じてみるのもありかなって」

 

「そうか、まぁ陳留が我等に呼応して動いてくれるというのなら助かるが、それがどの程度信用できるものか」

 

「わからない、けど一刀が言ったようにまだ敵対はしない方がいいかもね」

 

「確かに、しかしあの北郷という男、どこまで先を見通しているのか…」

 

寒気さえ感じる冥琳とは違い、何か楽しげな雪蓮、しかし

 

「皆には悪いけど、もうしばらく待ってもらう事になるかしら」

 

「そうだな、早く、皆に会えればいいのだが…」

 

散り散りになってる仲間や家族の事を想い遠くを見る雪蓮と冥琳だった。

 

 

 

本陣の天幕に戻った一刀は月と詠に迎え入れられる、ちなみに二人はメイド服を着ている、二人をかくまう時、彼女らを侍女とする事にした一刀が用意したものだが詠は「この馬鹿ち●こー、こんなもの着れる訳ないでしょーーー!」と激怒したが、月は

 

「へうう~可愛い////」

 

と喜び、喜んで着用した為、詠も仕方なく着る事になってしまった、さらに

 

「ご主人様…////」

 

と、呼ぶようになってしまった、月が侍女ならそうしないとと言った為である、詠は断固反対したが月が頑としてそう呼ぶと決めた為あきらめた。

ちなみに二人は真名を皆に許している、そんな二人が一刀と雪蓮のやりとりを桂花から聞いて心配して。

 

「ご、ご主人様、私の為に…、ごめんなさい…」

「月泣かないで!別に月は何も悪くないんだから!こいつが月を守るって言ってその通りにしただけなんだから!」

 

泣く月を必死で慰める詠、月達と同じくらいの目線までかがんだ一刀は月の頭をなで

 

「詠の言うとおり、言っただろ、俺は月を全力で守るって、ほら、俺は大丈夫だから」

 

「う、ぐす…、は、はい」

 

「それからありがとうを言わせてくれ、月が”アレ”を渡してくれてなかったらきっと雪蓮を牽制する手段がなかったから」

 

「い、いえ…ぐすっ」

 

「あ、ほら、涙を拭いて、月は笑ってた方が可愛いんだから、こんなに泣いちゃ可愛いのが台無しだろ」

 

そう言って涙を拭う一刀に月は

 

「へうう~////」

 

と言って真っ赤になってしまっていた、で、当然ながら詠に

 

「だぁから月に気安く触るんじゃなーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!」

 

どかぁっ!っと蹴り上げられるのだった。

 

 

 

 

 

 

各諸侯は洛陽を離れそれぞれの故郷へと帰還する

 

 

劉備軍

 北郷軍と共に戦った為、その名声は各地に広まり得をしたと言ってもいい、そして平原に帰る桃香達、しかし桃香の心は一刀の事でいっぱいだった

 「一刀さん…」

 

 それをよく思わない愛紗さん、そしてそれをからかう星、「はわわ///」「あわわ///」そんな感じの伏龍鳳雛、ただ一人鈴々だけが元気であった。

 

孫策軍

 袁術と共に帰るも、たいした功も得られず失意の帰還であった、しかし雪蓮の心は出発前とはあきらかに違っていた

 「一刀…」

 

 自分達に大きく立ちはだかるであろう存在、いずれ戦うかもしれない存在、しかし雪蓮はそんな相手に心弾ませるのを隠せなかった、と同時に仲間、家族達の事を想い寂しげになる。

 

袁紹軍

 連合の発起人であり総大将にまでなったのにたいした功もなく、呂布にはコテンパンにやられて結局何しに行ったのかという感じ

 「ああもう!忌々しい!」

 

 麗羽の怒りは自分が全然目立たなかった事、今彼女が考えるは今後何をすれば華麗に優雅に目立てるのかという事だけであった。

 

袁術軍

 孫策にだけ戦わせ、自分たちはほとんど後方にいてたものの、それでも多大な被害は受け、得られるものもなかった

 「まったく、麗羽めー、七乃ー蜂蜜水を持ってたもれー」「はいはーい♪」

 

 苦々しく麗羽に愚痴る美羽に七乃さんは惚れ惚れし、兵士は「ダメだこいつら、早くなんとかしないと」と話すのだった。

 

公孫賛軍

 同じく大した功もなく被害も受けたものの、華雄という一騎当千の武将を得た事で白蓮は気分は良かった

 「か、帰ったら華雄の部屋を用意しないとな!///」「お、おう///」

 

 何があったのかすでに仲良しの華雄と白蓮であった。

 

 

北郷軍

 

 この戦いにおいて汜水関、虎牢関を破ってほぼ一人功を得、張遼、賈駆、董卓、程昱、郭嘉という人材も得た北郷軍は意気盛んであった

 陣を引き払い、新しい仲間も得た北郷軍、そんな皆に向かって一刀は声高らかに

 

 「さて、みんな、陳留へ帰ろうか!」

 

 それに答える兵士、そして仲間達

 

 

「「「御意!!」」

 

 

 一路陳留へと帰還する。

 

 

 

 

 

あとがきのようなもの

 

一応これで魏のメンバー勢ぞろい、という感じになりました。

今後は魏の人達との交流を書きたいなとか思ってるのですが他の国の人達を書いてるうちにそっちも書きたいなとか。

 

 

 

 改めてのありがとうございます

 

 

kazです、なんとか10までこれました、これも多くの方々に応援していただいたおかげです。

 

自分は小説というものを書いたことがなく、かなり稚拙で読みにくいものだと自覚しております。

それでも他の方々の小説を読んでるうちに触発されて思いきって書き始めてみました。

できるだけ恋姫のキャラやイメージを壊さないようにと色々考えまくってただでさえ遅筆なのにさらに遅筆になったり余計読みにくくなったりとか、ほんと難しいと改めて思いました。

 

恋姫は好きです、三国志も好きです、この「十√」をやろうと思ったのは華琳様がいない話ってないのかなと思ってですが、あるらしいです、あと無印恋姫のOPで十の旗が何かかっこよかったのも理由だったり。

十√の一刀さんは無印一刀さんをイメージしてます、その上で三国志の知識をそれなりに知ってるという感じです、武将とか。

 

劉備の立ち位置のままだと無印だし、呉はなんか家族みたいで入りにくいなと思って魏にしたのですが…

書いているうちに華琳様の偉大さがどんどん増していき何で最初の小説でこんなハードル上げちまったんだろうと後悔しまくりです。

それでも書いてくうち書き始めた以上は投げ出さずなんかもう開き直ってやってこーとか思ってなんとかここまで来たりです、基本魏√をなぞってる感じですがこの後はちょこちょこ変えていこうかなと思ってます。

今後も華琳様がいないので色々魅力に乏しくなるかもしれませんが暖かい目で見ていただければと願っています。

 

 

仕事が忙しくなってきそうでちと不安ではありますが、

今後も投稿し続けたいと思っていますので見かけた時に読んでいただければ幸いです。

 

 kaz

 


 
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