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傷だらけになって帰ってきたママは、普段ならちょっとした怪我でもブーブー文句を言うのになぜか上機嫌だった。
なんだかよくわからないが「親子っていいものよね」とか言って、ずぅっとニコニコしているのだ。
どうやら女の子二人が両親と再会したときの様子を見て、酷く感動したらしい。
私もその様子を聞いて嬉しかったし、だからのぶくんのことも、突然プラネタリウムに連れて行かれたのには驚いたけど(そのために学校をお休みしたけど)、のぶくんとお母さんの様子を見ていると、とても怒る気になれない。
ママはのぶくんのお母さんに、時間を取ってお話してあげてくださいと、珍しく敬語を間違えることなく話をしていた。
のぶくんのお母さんは恐縮しきりで頭を下げ、感謝の言葉を述べて、のぶくんと二人で帰っていった。
見送るママが嬉しそうだったのに、私は気付いていた。
そしてちょっと涙ぐんでいたことに、気付かないふりをした。
あの二人ならうまくやるわよと、ママは言っていた。
それは私もそう思う。
私もママと正直に話すことができない時期があったけど、今ではこの通りの仲良しさんだ。
のぶくんたちはきっと時を越えて、私達のようになるのだと思う。
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タイムトラベルSF小説
ノーテンキなママの第二話
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