No.116610

恋姫無双~正義の柱 第五話

後ろの人さん

また来ましたよ。
ここに何かけばいいか解らなくなって来ました。
書く事なんてあとがきでかきますしね?
まあそれすらロクに書いてないんですけどね。

2010-01-05 07:00:30 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:2977   閲覧ユーザー数:2578

 

あの賊討伐の後、私は街の警備隊長に任命されました。

初めは新入りがいきなり上司になった事で反発もあったが私の比較的平和な交渉術により皆さん快く私を迎えいれてくれました。

今では隊員に稽古をつけてあげたりするほどの仲ですよ……死なない程度に。

 

また私の運営している飯店ですが予想以上に売れ行きがいいので売り上げの一部で店の拡大や服飾業界へ進出した結果大成功しました。

いまではちょっとした富豪ですよ。この調子でいずれは大陸一の大商人になる予定です。

 

さて、まあ私個人の事はこの辺にしておきましょう。

華琳さんと私の知識と営業努力によって街はどんどん発展していきました。

しかし時代は流れ続けいよいよ黄巾党が動き出したのです。

 

 

「貧弱貧弱ゥ!」

 

ドカッ!バキィッ!グシャッ!

拳の弾幕が暴徒に叩き込まれ十人弱が空を舞う。

 

「ヒィッ!にっ、逃げろー!」

「逃がさない逃がさないw ああ、一般兵諸君は街の人達の救助を優先してくれ」

『ya!』

 

我々は今“黄色い布”を付けた町人達の暴徒を鎮圧しています。

いろいろな所で暴徒が暴れているので秋蘭先輩、春蘭、季衣は出ずっぱりで私まで戦場に出る始末。

しかも相手が町人なので殺すわけにいかない、私の本来の仕事ではないので気が乗らないんですがね……

そんな事を考えてるうちにも町人が鍬や鎌などを持って襲い掛かってくる。

 

「はあ…………無駄ァ!」

 

ため息をつきつつ町人に音速の拳を叩き込んでいく。

そしてあらかた片付いたら無事そうな町人の一人から情報を絞り出していく。

 

「さあ、知っている事を話してください」

 

「誰が話すか!」

 

「………確かあなた……娘が生まれたばかりですよね?」

 

「なっ!何でそのことを!?」

 

情報は武器ですよ?特にあなたみたいな人に非常に有効な……ね?

 

「このご時世ですからねぇ……生まれてすぐ子どもが死ぬなんてよくあることDEATHよね?」

 

「まっ!まさか娘を!?」

 

「なにを言っているんですかw私はただあなたの娘のことを話しているだけですよ?

 さて……もう一度聞きますよ?……おまえの知っている事を話せ……」

 

殺意を混ぜた言葉を男に投げかける。

もちろん本当に殺る気なんてアリマセンヨ?

私は正義なんですから。

男は口を割った。

 

なんでも“張三姉妹”とやらの為にやったことだそうでそれ以上は要領をえない話しか聞けなかった。

 

「さて、一般兵諸君の中から何人か追撃にでなさい。

 くれぐれも殺さないように……しかし最大限の恐怖を与えるように。」

 

「ya!」

 

後は彼らに任せておけば大丈夫でしょうね。

そして私は帰路についた。

 

帰ってきた私は手に入れた情報をさっそく華琳さんに報告した。

 

「黄巾党?」

 

「ええ、最近うろついてる黄色い布を持ってる賊のことです」

 

どこもかしこも黄巾党。ここ数週間で一気に増え始め国内では深刻なレベルの問題になっていますよ。

 

「そう……」

 

「いちおう黄巾党に関する未来の情報持ってますけど…どうします?」

 

「あなたの世界の歴史はこちらの世界で完全に再現されているの?」

 

「大筋はあってますけど細部はちょっと違いますね」

 

「ならいいわ。事前情報に惑わされるのはごめんよ。でも黄巾党という名はちょうどいいから使わせてもらいましょう」

 

とりあえず今後は張角の正体を探ると同時に黄巾党を殲滅するために動くということで話が決まりました。

その時、兵士が1人あわてた様子で駆け込んでくる。

 

「会議中失礼します!」

 

「何事だ!」

 

「はっ! 南西の村で新たな暴徒が発生したとの報告が! また黄色い布を身につけいてるそうです!」

 

「休む暇もないわね。…さて、早速情報源が現れてくれたのだけれど。誰が行ってくれるのかしら?」

 

「はいっ! ボクが行きます!」

 

季衣が真っ先に手を上げました。あれ?華琳さん許可出さないんですか?

 

「季衣。お前、最近まともに休んでいないだろう。少し働きすぎだ」

 

「だって春蘭様! やっとボク、ボクの村みたいに困っている村を、助けられるようになったんですよ……!」

 

「最近季衣の出撃回数は多すぎるわ。今回は季衣以外の者に行ってもらうことにしましょう」

 

「華琳様まで……」

 

3人に止められてもまだ納得できない様子ですね季衣?

 

「季衣。その心がけは素晴らしいものだ……だがそれで無茶をして身体を壊しては元も子もあるまい」

 

「無茶なんかしてないのに」

 

「他から見れば、今のお前の行動は十分無茶だよ」

 

ここまで言われてもまだ納得できない様子の季衣にやさしく諭すように語りかける華琳さん。

 

「今は、一つの無茶で、目の前にいる百人の民を救えるかもしれない。けどそれは、その先に救える何万もの民を見殺しにする事に繋がることもある。……わかるかしら?」

 

「だったらその百の民は見殺しにするんですか!」

 

「するわけないでしょうっ!」

 

ついに声を荒げる華琳さん。その声は思わずその場にいた将たちが身を縮ませるほどの覇気に満ちている。まさに覇王の一声ですね。

 

「今日の百人も助けるし、明日も万人も救ってみせるわ。そのために必要と判断すれば、無理でも何でも遠慮なく使ってあげる。でも今は、まだその時ではないのよ」

 

季衣「………………」

 

季衣は俯たまま黙ってしまった。

まあ気持ちはわかりますがね……

 

「桂花。編成を決めなさい」

 

「御意。………では秋蘭。今回の件はお任せします」

 

「なにっ! 私ではないのか!」

 

「今回の出撃の目的は情報収集でしょう?

 あなたにできるんですか?」

 

「ぐぅ…………っ」

「決まりね。秋蘭、情報収集は入念に頼むわ」

 

「分かりました」

 

そのまま玉座の間を出ようとする秋蘭を季衣が呼び止める。

 

「秋蘭様!」

 

「どうした季衣? 今回は連れてはいけないぞ」

 

「そうじゃなくって。えっと……その……ボクの分までよろしくお願いします!」

 

「うむ。任せておけ」

 

秋蘭先輩を見送った後会議は終了した。

まだ少し落ち込み気味にどこかへ歩いて行く季衣。私は心配だったのでそれを追いかけることにした。

 

「ここにいましたか」

 

私が季衣を見つけたのは城壁の上。そこに腰掛けて足をぶらぶらさせている。

 

「あ、兄ちゃん……」

 

「珍しく落ち込んでいますね?」

 

私は季衣の隣に腰掛ける。

 

「ボクだって落ち込む事くらいあるよ……」

 

本当に落ち込んでいるようですね……これは下手な対応できませんよ。

 

「兄ちゃんはどう思ってるの?」

 

「そうですね~、私もあまり無茶をしてもらっては困りますね」

 

「兄ちゃんまでそんなこと言うー!」

 

ふてくされる季衣を見て軽く微笑みながらゆっくり頭を撫でる。

 

「兄ちゃんだってずっと休まないで戦ってるのに……」

 

「私は改造人間ですからね、土台から君とは違いますよ。それに私は一人でも戦えますからね。でも…君は違うでしょう」

 

「そんなことないよ!」

 

「いえいえ、さすがの君も不眠不休で戦う事はできないでしょう?君が休んでる間は仲間が戦いますよ」

 

「……仲間……」

 

「そう、仲間です。君は一人じゃ無いんですから少しは仲間を頼ってください。それとも私や春蘭や華琳さんが信用できませんか?」

 

「そんなことないよ!」

 

「ですよね。なら今は仲間を頼って休んでください。この乱の首謀者が分かった時には必ず季衣の力が必要になります。そのときに備えててください」

 

「うんっ!」

 

やれやれ、ようやくいつもの彼女に戻ってくれましたね。よほどすっきりしたのか歌を歌い始めましたよ。

 

「いい歌ですね、なんと言う歌ですか?」

 

「この前街に来ていた旅芸人さんたちが歌ってたんだよ。確か………張角さんていう人たち」

 

「………………今、なんと言いましたか?」

 

「え?」

 

「………とりあえず、華琳さんに報告しときましょう」

 

平静を装いつつ私はこの情報を華琳さんに報告しにいく。世の中狭いですねぇ……

 

「そう。じゃあ間違いないのね?」

 

「はい。遠征先の村にも3人組の女の旅芸人が立ち寄っていたらしい事が部下の報告で解っています」

 

「賊に襲われた陳留周辺の村でも同様の旅芸人たちが目撃されています」

 

「これで、敵の素性と面が割れたな」

 

「正体が割れたのは僥倖だわ。それで張角の目的はなんなのかしら?」

 

「歌い手というなら本人たちには天下をどうこうする気はないのかもしれませんね」

 

「どういうこと?」

 

「周囲が暴走しているだけなのかもしれませんね。調子に乗って『天下が欲しい』などと言って周囲がそれを本気にしたとか」

 

「そうだとしたらタチが悪いわね。大陸制覇の野望があるとかなら遠慮なく討伐できるのだけど」

 

「なんなら私が行って張3姉妹を捕らえてしまいましょうか? 私諜報部隊にいましたし、指導者がいなくなれば組織は瓦解するでしょう」

 

「無理よ。夕方、都から軍令が届いたわ。黄巾の賊徒を直ちに殲滅、平定せよとね」

「今更ですね!?」

 

しかも最悪なタイミングで命令してきやがりましたね!

いっそなにもしなければいいのに!

 

「華琳様っ!」

 

「どうかした春蘭。もう部隊の編成が終わったの?」

 

「いえ、それはまだ。……それよりも! 先ほど黄巾の連中がまた出現したとの知らせが。これまでにないほどの規模だそうです」

 

「……そう」

 

「後手に回りましたね」

 

どうやら先手を打たれてしまったようですね。春蘭の話では物資の搬入が明日の払暁になるため兵の大半は既に休息を取っているらしく動かせる兵力はそう多くないとのことです。

 

「暴徒が集結したということは指揮官がいるとみてまず間違いないでしょうね」

 

「今までのようにはいかないでしょうね」

 

「間が悪いとしか言いようがないですね」

 

「だからといって何もしないわけにはいかないわ。本来なら万全の状態で臨みたいところだけど……。時間がないわ。さて、どうするか……」

 

華琳さんが判断を迫らせていると勢いよく季衣が立ち上がった。

 

「華琳様!ボクが行きます!」

 

「季衣!おまえはしばらく休んでおけと言っただろう!」

 

春蘭が止めに入ろうとするのを私が止めにはいる。

 

「邪魔するな!神崎!」

 

「季衣の意見を尊重していただきたい」

 

「……そうね」

 

「春蘭。今動かせる部隊は?」

 

「は。当直の部隊と最終確認を行っている部隊が残っています」

「季衣。それらを率いて先遣隊として出撃しなさい」

 

「はいっ!」

 

待ちに待った命令に元気よく答える季衣。

 

「秋蘭。補佐として貴方も出撃してちょうだい」

 

「御意」

 

「秋蘭様が……?」

 

戸惑う季衣。今まで秋蘭の補佐をしたことはあっても補佐されたことはない。

 

「ここ数日無理をさせてるから秋蘭に指揮させたくはないのよ。季衣。今後のためにはいい経験になるわ。出来るわね」

 

「はい……。秋蘭様、よろしくお願いします」

 

「うむ。しっかり補佐はするから安心しろ」

 

「はいっ!」

 

翌日、早朝陳留を出た華琳さん率いる本隊は通常よりも若干速い行軍速度で進んでいた。

 

「急げ急げ! 急いで先遣隊に合流するぞ!」

 

「落ち着きなさい春蘭。戦う前に兵たちが疲れ切ってしまうわ」

 

妹が心配でたまらないので急がせようとする春蘭を華琳さんがなだめる。

 

「華琳様ぁ。私だけでも先遣隊として先行しては駄目ですか?」

 

「今部隊を分けても逆効果よ。自分の妹を信じて少しは落ち着きなさい」

 

そこに秋蘭先輩からの早馬が届いた。

 

「敵部隊と接触したそうです。張角らしき存在は確認できていないそうで、やはり組織化されており、その上謎の集団が混じっており苦戦を強いられております」

 

「謎の集団?」

 

何者ですかね?

 

「全員が黒服で統一し、将に匹敵する者が指揮しておりかなり手強いようです」

 

「そう……数は?」

 

「夜間であったため総数は不明。ですが先遣隊よりは明らかに多いとのことです。むやみに攻撃はせず防御を固めて援軍を待つと」

 

「流石は秋蘭。賢明な判断ね」

 

「とりあえず現在のところは対処できているようですね」

 

「報告します!!」

 

1人の兵士が駆け込んできた。それは先遣隊として出撃した兵士のうちの一人だった。

 

「先遣隊が敵と接触! 戦闘に入りました!数と勢いに押されお味方不利! 街にこもり防御に徹してはいますが状況は芳しくありません! 至急援軍を求むと!」

 

マズイですね~このままだと秋蘭先輩が~

 

「華琳さん華琳さん」

 

「どうしたの?」

 

「先行する許可が欲しいんですが……

 私一人なら半刻程でたどりつけるはずです」

 

「そう……いいわ、そうしてちょうだい。ここは私と春蘭がいれば十分よ」

 

了解~♪

 

「では……ひと足先に行ってますよ」

 

そして私は風になった……………………

 

「秋蘭様! 西側の大通り3つ目の防柵まで破られました!」

 

じわじわと追い詰められ防柵は突破されていく。

 

「西側の防柵はあと2つか。………どうだ李典、どのくらい保ちそうだ?」

 

秋蘭は隣に立つ少女に尋ねる。

 

「せやなぁ………。あり合わせの材料で応急で作ったもんやからなぁ。後一刻保つかどうかっちゅうところやと思います」

 

「微妙なところだな………」

 

「しかしここまで耐えられたのも夏候淵様おかげです。我々だけでは今頃敗走していたでしょう」

 

「それはお互い様だ。我らだけではここまで持ちこたえられはしなかっただろう」

 

「これからどういたしましょうか? このままではそう長くは保ちません」

 

「夏候淵様~! 東側の防壁が破られたのー! 東側にはもう防壁がひとつしか残ってないのー!」

 

最悪の知らせがもたらされた

 

「あかん! 東側の最後の防壁は材料が足りんかったから、かなり脆いで!」

 

「西は防衛部隊に任せ、残りで何としても東側を死守するぞ!」

 

『おお!!』

 

「その必要はありませんよ~♪」

 

最悪の状況の戦場にあるまじき軽い声が響いた。

 

「神崎!」

 

「兄ちゃん!」

 

「どもども、〝魏の客将〟兼〝天の御遣い〟兼〝正義の柱〟の神崎士郎さんですよ」

 

「なぜここに……いや、それより『その必要はない』とはどういう……」

 

まあ、そうですよね。私は右手のギロチンを指差しながら答える。

 

「今、東側から来て全員の首刎ねてきましたから」

 

「「「「「……………………………」」」」」

 

信じられないといった顔ですねぇ。

ほら、証拠の大量の首!

どこから出したのか数十の首がばら撒かれる。

 

「はいはい!時間ないんですから速く仕事に戻ってください!」

 

兵士の仕事は殺すことでしょう?

 

「とりあえず東の防壁を再構築してください!西側は私が殺ります。他の者は秋蘭先輩の指示に従って動いてください!では、散会!」

 

答えは聞かずに私は西のクズどもの所へ向かう。

すると…………

 

「お待ちください!」

 

さっきあの場にいた銀髪が俺についてきていた……何してんの?

 

「一人では危険です!私も援護します!」

 

「今の状況わかってる!?人手たりてないんですけど!」

 

「しかしあなた一人では…………!」

 

「じゃあそこで援護が必要か見ていろ!」

 

話している間に敵が見えてきたので俺はギロチンを構えて突撃する。

 

「ちょッ…………!」

 

誰もが一瞬俺を見失い気づいた時には俺は賊の後ろでギロチンを振り下ろした後だった。

そして……堕ちる落ちるおちるオチル…………首が落ちる

 

「なっ!」

 

見えたか?私に援護が必要だと?まだそんな事を考えてるのか?

 

「おい、なにをしている?俺を援護してくれるんじゃなかったのか?」

 

「え………いや……は、はい!」

 

正気を取り戻したようだな……しかしまだ援護する気とはな……面白い!

 

「よし、援護は任せたぞ!俺が人を頼るなどそう無いことだ!誇るがいい!」

 

「は はい!ハアアアアァァァァアアア」

 

銀髪は気弾を撃って援護している。氣を使うとは……ますます面白い!

 

「はっはっはっw合体技だ!無駄無駄無駄ァ!!」

 

飛んでくる気弾に氣の斬撃を叩き込んで散弾のように敵に叩き込む。当然首も刎ねるがな!

 

「よし!西区、制圧完了………………!」

 

西側の敵を全員殺ったと思ったらどこからか殺気を感じた。

 

「後ろだ!銀髪!!」

 

「!?」

 

俺の言葉に銀髪はこちらに飛びのいてくる。

それと同時に先程まで銀髪の居た場所に矢が刺さる。

 

そして出て来る黒衣の仮面の集団、こいつらが謎の集団か?

 

「何者か知らんが賊の仲間なら生かしておく理由は無い!」

 

ギロチンから斬撃を放つ! しかし……………避けた!?

そう黒衣の集団は避けたのだ。常人には見る事もできず将でも避ける事は難しい不可視の斬撃を!

黒衣の集団は懐から拳銃やクロスボウといったこの時代には無いはずの武器を取り出す。

 

「ぬぅ、舐めるなあァ!劣等の分際で!WRYYAAAAAA」

 

黒衣の集団が銃やボウガンを撃つ、しかしそれらは的にとどかない。

弾丸も矢も全て斬撃で切り伏せられそのまま黒衣の集団も首を落とされる。この間一秒に満たない。

 

「……………………」

 

銀髪は一瞬のことに呆然としている。

まあ、そうだろう。気が付いたら全てが終わっていたのだから……

いや…………まだか………

 

「…………出て来い」

 

その一言で銀髪の後ろから二㍍を超える大男が出て来る。

銀髪は驚愕している………こんな大男が隠れていたのだからな…………

 

「よくみやぶったなぁぁぁ~~~

 この棍で叩き潰してやろうとおもったのにぃ~」

 

「少しはできるようだがつめが甘すぎるな……それだけの闘気を出していればいやでも気づく」

 

「ぐはは、闘気はわしの闘術の極意!どうやら知らぬ間に出てしまったらしいなぁ~」

 

「くっ、ハアアアッ!」

 

話している間に銀髪が大男に蹴りを放つ。 馬鹿がッ!

 

「ぬううぁぁッ!」

 

ゴオッ!

 

「ぐあっ!」

 

大男が棍を振り下ろし銀髪を弾き飛ばす。

本来なら負けるような相手ではないだろうが焦って技が甘くなったな………

とりあえず銀髪を助け起こす。

 

「無事か?」

 

「はっ、はい…………」

 

「少しそこで見ていろ、俺が殺る」

 

「がはは、わしの技を見てなお向かってくるとは見上げた「うるせえよ」…なにぃ~」

 

「お前のは技なんて大層なものじゃないだろ?ただ力まかせに棍を振ってるだけだ。

 あの銀髪にも本来なら勝てんよ、お前は」

 

「うぬぬぬ、舐めおってぇ!叩き潰してくれるぅ!」

 

大男が棍を振り下ろす。俺は軽く避ける。

そして棍の当たった地面が砕け散る。

 

「力だけはたいした物だな……」

 

「ぐふふ、いまさら俺の力の恐れをなしたか?いままでこの棍は百人以上の血を吸ってきたのだぁ~、貴様の血もこの棍に吸わせてやるぅ~」

 

「無駄話はいいから………とっととこい。自慢の棍とやらで俺を殺ってみろよ」

 

「ぬうう~、口の減らぬ奴め~、叩き潰してくれるわ~~~~!」

 

男が棍を頭の上で回転させる。

 

「くらえぃ、〝撃殺鋼棍〟!!」

 

大男が棍を振り下ろしてくる。

 

「曲芸だな………」

 

「…………………………………………あ?」

 

俺は男の遠心力を加えた棍を左手で受け止めた。

 

「まあ……お前の力なんてこんなもんだ」

 

言い終えると同時にギロチンで棍を切り裂き

左手で大男の鳩尾に拳を叩き込む。

 

「ぐっっっ!ぶぐぅぅぅぅ!」

 

大男はうめき声を上げながら倒れる。

 

「ちょうどいい、お前らあの武器どこで手に入れた?」

 

「うぐぅぅぅぅッ!」

 

まだ痛みで話すこともできないようだ。

 

「とっとと、話せ!」

 

ドスッ!

大男の左の手のひらにナイフを突き刺す。

 

「ぎゃあああああああ!!」

 

「うるせえなぁ。たかがナイフが刺さったぐらいで大声上げるなよ。それで、とっとと質問に答えろよ」

 

「ひいぃぃぃ!言う、言います!たっ助けて!」

 

「耳障りだ!助けてやるからとっとと話せ!」

 

無論こんな奴助ける気は毛頭ないがな…………

 

「あっ、あの不思議な武器は全部あの男に貰ったんだ!」

 

「あの男?」

 

「そっ、そうだ。この辺の村を襲っていたのも全部あの男に言われてッ!」

 

「………その男の名は?」

 

「たっ、確かあいつは………………ガボギャッ!!!」

 

突然大男の体が切り刻まれた!いったいなにが…………

死体を調べたら無重力合金製の鋼糸が落ちていた。

 

「この糸は…………まさか旧諜報部隊の生き残り?!だが……いや…今はまだやる事があるか」

 

今はまだ戦争中。戦闘に参加しなければ!

 

「おい、銀髪。まだ闘えるか?」

 

「は、はい」

 

「なら立て。こうしてる間にも仲間がクズ共に殺されている」

 

「はい!」

 

今は全てを忘れ、戦乱に興じようか……………さあ、享楽せよ!

 

「とりあえず回りの奴ら全員死ねぇ!〝次元断〟!」

 

銀髪が後ろにいるので後ろを除いた周り半径二十㍍四方の人間をまとめて切り裂いた。

 

「すごい……………」

 

「呆けてる場合か。行くぞ、銀……いまさらだが名前なんだっけ?」

 

「ああ、私の名は楽進です。以後お見知りおきを」

 

「了解。俺の名は神崎士郎だ、好きに呼ぶといい」

 

「では行くぞ、楽進!」

 

季衣達のいる防壁へ急がねば………………………………到着!

 

「季衣!全員を防壁まで後退させろ!」

 

季衣達を後退させて防壁の周りの奴らを通り過ぎざま首を刎ねていく。

そのまま楽進と一緒に防壁の後ろに飛び込む。

 

「皆無事か?」

 

「大丈夫だよ!」

 

「おかげさまで何とか乗り切れたで」

 

全員とりあえず無事のようだ………よかったね♪

 

「まあ、そろそろ本隊も来る頃だろうからそれまで「報告します!」なんぞ?」

 

「街の外に大きな砂煙。大部隊の行軍と思われます!」

 

「旗は!」

 

「旗印は曹と夏候。曹操様と夏候惇様です!」

 

「ようやく来たか………俺も討って出る事にしようかな」

 

そして再び風のように防壁から出て賊を蹴散らしながら街の外へ出る。

おやおや、まだ結構な数がいるじゃないですか。

後ろからは本隊が来てるしここには俺が………絶望的だなw

 

「恐れるがいい!今、この場に神はいない!」

 

全員、正義の名の下に皆殺しにしてやろう!首を刎ねてな!

 

戦いは終結した

私は宣言どおり街の中、及び付近にいた賊は全て首を刎ねて殺した。

野戦で華琳さん率いる本隊と戦った者は降伏を許されていただけ幸運だったろう。

 

私は街の入り口で華琳さんと合流して季衣達の所へ向かった。

 

「秋蘭! 季衣! 無事か!?」

 

「姉者、見ての通り危ないところだった」

 

「春蘭様! 助かりましたー!」

 

「2人とも無事で何よりだわ。神崎も御苦労さま」

 

「いやいや、私は自分のやりたい様に殺っただけですから♪

 それに今回こうまで防げたのは彼女達のおかげでしょう」

 

派手にクズ共を正義の名の下に虐殺できたから満足ですよ、私は♪

 

「確かにそうだな。華琳様。彼女らのおかげで防壁こそ破られましたが、被害を最小限に抑え住民を無事護りきる事が出来ました」

 

「我らは大梁義勇軍。黄巾党の暴乱に対抗すべく兵を挙げたのですがこちらの想像以上に黄巾党の勢力が膨れ上がってしまい、我らだけではどうしようもなかったところを夏候淵様に助けていただいた次第で……」

 

「そう。彼我の戦力を見誤ったことはともかく街を守りたいという心掛けは大したものね」

 

「面目次第もございません」

 

うんうん、正義の心を持つのは良いことだよ君達♪

力の伴わない正義なんて悪より性質が悪いがなぁ!!

 

「とはいえ、あなたたちがいなければ、私は大切な将を失うところだったわ。秋蘭と季衣を助けてくれてありがとう」

 

「はっ!」

 

「あの、それでですね、華琳さま。凪ちゃんたちを、華琳さまの部下にしてはもらえませんか?」

 

「義勇軍が私の指揮下に入るということ?」

 

「聞けば、曹操さまもこの国の未来を憂いておられるとのこと。一臂の力ではありますが、その大業にぜひとも我々の力も加えてくださいますよう……」

 

「……そちらの二人の意見は?」

 

「ウチもええで。陳留の州牧さまの話はよう聞いとるし……そのお方が大陸を治めてくれるなら、今よりは平和になるっちゅうことうやろ?」

 

「凪ちゃんと真桜ちゃんが決めたなら、私もそれでいいの~」

 

「秋蘭。彼女たちの能力は……?」

 

「は。一晩ともに戦いましたが皆、鍛えれば一角の将になる器かと」

 

「楽進と申します。真名は凪……曹操さまにこの命、お預けいたします」

 

「李典や。真名の真桜で呼んでくれてもええで。以後よろしゅう」

 

「干禁なの~。真名は沙和って言うの。よろしくおねがいしますなの~♪」

 

「我が名は曹操。真名は華琳よ」

 

「凪、真桜、沙和ね……士郎」

 

「なんですか、華琳さん?」

 

「この3人と義勇軍、貴方に預けようと思うんだけど……どうかしら?」

 

「いいんですか?」

 

「そ、そんな!!」

 

桂花が声を上げる。

 

「どうしたの桂花。何か問題がある?」

 

「おおありです! こんないついなくなるかもわからないような男に華琳様の大切な兵を預けるなど!!」

 

ですよね~♪あんたがいるせいでいついなくなってもおかしくないですからね!

 

「確かに客将ではあるけど今はうちの将であることに変わりはないわ。

 あなたたちは真の部下になる事をどう思うの?」

 

「神崎将軍のお力は先の戦いで拝見させていただきました。他者を圧倒する絶対的な武、そして見事な指揮。我が武を預けるのに何ら異論ありません」

 

「ウチも同意見や。神崎はんやったら安心してついてけるわ」

 

「沙和もなのー」

 

「ということなんだけど。どう、士郎」

 

う~ん。部下が増えるメリットとデメリット……

部下がいると戦うとき邪魔に……

 

「まあ…………………………………いい…………んじゃ………………ないんですか?」

 

「長い上なんで疑問形?」

 

「とにかく、いいんですよ」

 

「それでは……」

 

「まあ、部下がいれば役に立つ事も多いでしょうしね。客将の身でよければよろしく」

 

「こちらこそよろしくお願いします。

 改めて、我が名は楽進。真名は凪です。よろしくお願いします、隊長」

 

「李典や。真桜って呼んでや。これからよろしゅうな、隊長」

 

「于禁なのー。真名は沙和っていうのー。隊長、よろしくお願いしますなのー」

 

「了解。私の名は神崎士郎。真名は無し。年齢は2●歳で天の御遣いですよ」

 

「「「うそーーーーーーーー(なの/やろ)!!!」

 

はい、またですね。彼女達が驚いたのは私が天の御遣いだからではなく、私の年齢に驚きました。

この劣等種族が!いい加減我慢の限界だ!!

 

この後、狂った私が三人に素手で襲い掛かったり止めようとした主要な武将を全員相手にして圧勝したりと歴史に残る事件となった、ちなみに華琳さんの覇王の一喝により止まりその後縛られて馬で引きずられながら帰ることになった。

 

そんな事があって忘れていた………大男を殺した鋼糸のことを………

 

 

おやおや、私の人形が壊されてしまいましたか………

 

まあ良いでしょう、彼はしょせん人形、役者にはなれませんからね………

 

さて……いよいよ見つけましたよ〝正義の柱〟殿。

 

見つけたはいいのですが……さて………どうしましょうか?

 

今はまだ……私のオペラの舞台に我々が登場するのは好ましくない。

 

彼のことを同胞に伝えては………彼らが私のオペラをぶち壊しにしてしまう………

 

………今はまだ、あなたのことは私の胸のうちに秘めておきましょう。

 

あなたは主賓の一人。

 

いずれあなたには我が同胞とともに私の〝恐怖劇〟を演じていただく。

 

しかし……………今はまだ………

 

時が来たら必ず我々は帰ってきます。

 

そのときまで………〝正義〟やら言う甘い果実を堪能するとよろしかろう。

 

あとがき

 

どうも、後ろの人です。

 

少しづつ話に変化を加えていく予定ですが敵オリキャラの詳しい説明は董卓連合あたりで出る気がします。

 

そこまで続いていたらの話ですがね……

 

正月は風邪をひいて寝込みました。

ていうか今も風邪をひいてるような気がします。

 

鼻づまりで息がでなくて窒息寸前です。

 

では生きていたらまた次の機会に会いましょう。

 

ではでは~

 


 
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