No.116540

真・恋姫†無双 十√ 6

kazさん

今年初です

魏√ってのはやっぱ楽しいです、でも上手く扱えてません

2010-01-05 00:09:30 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:59163   閲覧ユーザー数:39219

黄巾の乱が終わり、平和になった陳留にて

 

 

一刀は改めて楽進、于禁、李典に仲間にならないかと話を持ちかける、

それにまず答えたのは李典さん。

 

「ええよ、ええよ、なるなる~。

 いやぁ、あの時の舞台はおもろかったわ~、うちあんな楽しかったん久しぶりや~

 大将に教えてもらった拡声器とかいうのやら舞台照明、ほんであのわけわからん着ぐるみとか

 作ってて久々に創作意欲沸いてワクワクしてんから~。

 大将の所におったらなんか色んなおもろいもん教えてくれくれそうやしな、

 そんな訳でうちは北郷の大将の所に仕官させてもらうわ~

 あ、うちの真名は真桜ゆうんや、預けるよって大事にしたってな~」

 

そんな風に嬉々として返事をしてくれた真桜さん、しかし何で関西弁なんだろうとか考える一刀、

はっ!もしかして九州弁とか東北弁の人とかもいたりすんのか!などと考えてると今度は于禁さんが話かけてくる、なんか李典さんとは違ってゆる~い感じの子だ。

 

「ねぇねぇこの阿蘇阿蘇に載ってる服って北郷さんが作ったって本当なの~?」

 

と、なんか本見せてくる、ってか阿蘇阿蘇て何だよ、とかツッコミたくなったがぐっとこらえて本を見ると確かに俺が服屋の店主に教えた服の絵が載っている。

 

「まぁ作ったのは服屋さんだけど、デザイン…服の意匠は俺が天の世界であったものを教えたもの だよ」

 

と答えると、さらにテンションあげた于禁さん。

 

「すごいの、すごいのーー、この服今人気でどこにもないのーー、それを考えた人が北郷さんだなんて! 沙和も北郷さんの部下になるのーーーーー!、それで、色々服の事教えてもらって最先端のお洒落さんになるのーーー」

 

といった感じで仲間になってくれた、いや、嬉しいけど、俺っていうより服のデザインで配下になってくれたって感じだよね…、まぁ、いいけど。

 

これで李典、于禁さんは仲間になってくれたわけだけど、あと一人、楽進さんは何か考えてる様子だった。

 

「凪ちゃんはどうするの~?」

 

「凪も大将の所にきたらええやん、ここ強い人いっぱいおるし、鍛えてもらったええんちゃうん?

 大将はなんかからっきしって感じやけど」

 

うっせぇ、でもまぁその通りだけど、俺の戦闘技術なんかそこいらの一般兵と同じくらいだろう、春蘭秋蘭どころかこの三人ともまともにやっても勝てるとは思わないしなー。

 

「いや、沙和と真桜がこのお方の配下になるというのであれば、自分も部下になるのはやぶさかで はないが…」

 

「ないけど?なんかあんのんか?」

 

何か言葉につまってる感じの楽進さんに真桜が言葉をかける、しばらくして楽進さんが俺に向き合って。

 

「あの、北郷様にお聞きしたい事があります!」

 

「俺?…うんいいよ、答えられる範囲なら全部答えるよ」

 

まぁ聞かれて困る事はそんなないけど、楽進さんは少しうつむき、そしてキッと俺を見直して。

 

「北郷様、もし張三姉妹が降伏してこなかったらどうなさっていましたか?」

 

俺はちょっと戸惑う、何でそんな話を聞くのかなって感じで。

 

「えと、それはあの舞台みたいなのが気に入らなかった…とか?」

 

「いえ、確かにアレは正直自分では考えもつきませんでしたし、こんな事をする意味があるのかと疑問にも思いましたが、黄巾党を壊滅にまで追いやり味方への被害がほぼ皆無なこの現実をみる、あれが最も最良の策だったのかと今は思います、ですが、あれは首魁の張三姉妹が降伏してきたからこそできたもの、もし敵の首魁が投降せず、敵が襲ってきたら、北郷様はどのように陳留をお守りしていたのでしょうか?」

 

俺は少し考える、そして「ぽん!」と手を叩いて 、ああ、要するに楽進さんは俺の事がまだ理解不能な感じなんだろう。

まぁ確かにあんな舞台とか考えるの俺くらいだろうしな、舞台で黄巾党を壊滅しようぜ作戦なんか普通考えないよな、俺も結構賭けみたいなもんだったし、春蘭とか季衣や流琉あたりもまだよくわかってない感じだったし、めっさ楽しいんではいたけど。

 

「えと、つまり陳留の軍の何倍もの黄巾党本隊数万が普通にここに攻めてきたらどうしてたかってのを聞きたいのかな?」

 

「はいっ!」

 

うん、元気よく答えてくれる、俺はその時思った、この子はきっとええ子やと!

 

「そうだな、もし、黄巾党数万の大群が普通に攻めてきたら…」

 

「攻めてきたらっ!」

 

「戦わないかな」

 

「は?」

 

俺の答えにすっとんきょうな声をあげる楽進さん。

 

「た、戦わないって、降伏するという事ですかっ!戦いもせずっ!」

 

「ああ、いやごめん、俺の言い方が悪かったね、えと、つまりまともに戦わない、無駄な戦いはしないって事ね、元々数が違いすぎる訳だし、相手の練度が低いとはいえまともに戦えばこっちの被害もただじゃ済まないだろうし」

 

「あ、ああ成る程、すみません、…では、策を用いて戦うという事ですか?」

 

「策…、んー、どうかな、策って言うほど立派なもんじゃないけど」

 

俺の言葉をじっと待つ楽進さん、うう、なんかやりづらいな。

 

「えと、基本攻めてきたら守る、堅守防衛が基本戦略な訳だ、で、小規模であるならまぁ普通に戦って被害をほとんど出さずに追い返せる自信はあるけど相手の数が上回って攻め込んできたら極力正面からぶつかるのを避けて罠を貼って削っていく、これが基本方針かな、で、それを見て陳留に行くと苦労する、手痛い被害を受けると思ってくれて進入を諦めてくれればってのが一番、それでも敵が来たら」

 

「攻めて来たなら?」

 

「徹底的な焦土作戦と局地戦、それに加えて心理作戦を仕掛ける、

つまり、相手が攻めてきても何も残さない、米粒一粒もね、そして相手に対しては補給路を完全に断って飢えさせる、その上で疲労困憊の極地にまで達した所に、精神的な攻撃をしかけて殲滅する、ってのが考えてた作戦、けど正直焦土作戦はこっちも後々大変な事になるからやりたくはな いんだけどね」

 

「精神的な攻撃?というのは?」

 

「うん、それは何でもいいけど、俺の世界…天の国の昔あったらしい話だけど、味方の何倍もの敵を相手に戦いを強いられたその国は焦土作戦と幾度もの奇襲で敵を疲労困憊させる、さらに敵が城まで攻めてきた時、その国の王は多くの敵兵を串刺しにして城前に晒していたんだ、そのあまりにも酷い味方の有様をみた敵の兵たちは戦意喪失した、そこを急襲して敵国を敗走させたとかゆう感じ」

 

「うわ、えげつな」

 

「く、串刺しなんかやるの~」

 

「いや、さすがにそれはやんないよ、要は相手に心理的な攻撃を仕掛けてそれを成功させればいいんだよ、張三姉妹を信奉してる連中なら化け物だって思わせてその幻想を叩き潰してやれば一気に士気喪失したようにね、でも腹をすかせた敵を兵糧のある空城に誘い込んで火を放つ、といった事は提案されていたよ、まぁこれは袁術さんの配下の孫策さんがやったってのを聞いての事だけど、楽進さんにはお気にめさなかったかな、武人としては正々堂々と戦いたいとか」

 

「いえ、状況が状況なら仕方がないとは、ですが…」

 

「うん、でもそれでしかここを守れないなら俺はその戦い方をするよ。

俺達はまだまだ弱小だ、いつ攻められて滅ぼされるかわからない、黄巾を退けてもその次には周りの国がいつ攻めてくるかもしれない、だから極力疲弊しない戦い方をするしかなかったんだ、どんなに馬鹿げた戦い方でも味方を失わない戦い方に徹するね」

 

「他の国から援軍してもらうとかはあかんの?」

 

「それこそ自分で自分の首を絞めるようなものだよ、陳留への進駐を合法化させるようなものだし ね、その援軍に来た部隊が俺たちを守ってくれるとは限らないし、陳留を疲弊させる行動をするかもしれない、隙あれば陳留を乗っ取ろうとするかもしれないし、結局自分の事は自分でなんとかするしかないんだよ、そしてその為にはもっともっと強くならなければいけないし攻められないほどの力を持たないといけない」

 

「強い国…それが、北郷様の目指すものですか?」

 

楽進さんの本当に聞きたい事はこれなのかな、とか思ったり。

 

「うん、今よりもっと治水や田畑を整備して土地を豊かにし、人を豊かにする、そうすれば商業や工業も発展する、そうすれば人も増え、国は強くなる、そして、守れる力を持てる国、攻めることを迷わせられる国、そしてその中で皆が平和に暮らせる国、そんな国に出来たらいいなと思ってる」

 

「平和に暮らせる国」

 

楽進さんが俺の言葉に聞き返してくる。

 

「まぁ、まだスタート、始まりの位置にも立ってないけどね。でも、俺は目指すよ、そんな国を、それがこの陳留だけじゃなく、もっともっと大きく国全体をそんな風に出来たらいいなと思っている、そのためにはもっともっと強くならないといけない、今のままじゃ何を言っても聞いてもらえない、弱い者のいう事なんか誰も聞いてくれないだろうし、誰もついて来てくれないだろうからね」

 

「…北郷様は、大陸の王になられるおつもりなのですか?」

 

その言葉に沙和、真桜の二人が黙る、それはすなわち今の腐りきった国を打ち倒し、新しく国を作るという事。

 

「秋蘭と春蘭にも言われたよ、王になる気があるのかと、正直俺は皆のように強くもないし特別な力も持ってない、そんな俺にそんな大それた事ができるのかと、でも、もしそれが俺がこの世界、この国に来た意味だとしたら…」

 

 

    「   なってみせるよ、王に!   」

 

 

俺の言葉をじっと聞いていた楽進さん、そして、一度目をつむり、キッと目を再び開くと手をパシッと合わせ

 

「この楽進、一臂の力ではありますが北郷様の大業のお力になりたいと思います!是非配下にお加えください!我が真名は凪、お預かりください!」

 

「うん、ありがとう凪、こちらこそよろしくね」

 

そう言うと真桜と沙和が凪に抱きつく、しかしこの三人なんか仲いいな、とか思ってると

 

「大将~、これから暇?」

 

「いや、まぁ多少仕事はあるけど、そんなには」

 

「ならこれからご飯食べにいくの~、もちろん北郷様のおごりで~」

 

「は?いやちょっと待て、何でいきなりそうなるんだ?」

 

「え~ダメなの~?」

 

となんかしなを作って上目使いで俺を見てくる沙和、さらに真桜もなんか見てくる、いやお前らだからその目は反則だってのに…

 

「沙和、真桜!北郷様を困らせるな!」

 

「あ~、凪ちゃんたら急にいい子になって~、さっきまで北郷様困らせていたのに~」

 

「あ、あれは…だな」

 

なんか焦る凪と真桜と沙和のやりとりとか見てるとなんか元の世界の高校を思い出したりして楽しくなってきた。

 

「ほ、北郷様も何か言ってください、この二人は北郷様をまるで友達のように…」

 

「よし、いいよ、今日は三人が仲間になってくれた記念に美味いもん食わせてやるよ」

 

「おお、さすが大将!話がわかるわ!」

「わーーい、おごりでご飯なのーー!」

 

喜ぶ沙和と真桜とは対照的に。

 

「北郷様…」

 

と、なんか怒るやら呆れるやらの微妙な表情の凪さん。

 

「まぁまぁ、俺あんま主従とかそういうのまだわかんないし、ってかどうもそうゆうの苦手なん だ、だから普通に接してくれていいよ」

 

「は、はぁ…」

 

「ほらほらいくでーー」

 

そう言って俺を引っ張る真桜と沙和、その後に困った感じの凪が頭を抱えてついてくる。

 

 

そんな昼下がりの陳留での出来事

 

 

 

 

陳留の街

 

一刀はぶらぶらと街の視察名目で散歩なんかをしていた。

一応その時はフランチェスカの制服はきないで一般の服を着て傍目では気付かれないようにしていたのだが、やっぱバレる時はバレる。

 

「お、今日はお忍びかい?新しい饅頭が出来たんで買っていきなよ、御遣い様!」

「御遣い様、うちの亭主が遊びほうけて言う事聞かないんだよ、何とか言ってやってくれよ!」

 

とか、ベタなサングラスに帽子とか、もしくはマスクでもつけようかな、蝶の仮面とか、などと考えてると。

 

とたたたたたたたたた

 

と何か軽快な小さい足音のようなものが聞こえてきて。

 

「わふんっ!」

 

「おわあっ!!!」

 

という感じで俺に何かがぶつかってきた、な、何だとじたばたしてるとソレは俺の顔をぺろぺろぺろぺろ舐め出す

 

「はうはうはうはう!」

 

「ちょ、ななななな、何?何?!って… 犬?」

 

そこには赤い布?のようなものを首につけた犬がいて、俺を何か凄くお気に入りの様子?

 

「ちょ、ちょちょ、待て待て、、何お前どこから来たんだ?ちょっ!こそばゆいって!」

 

うーーん、何かあまりにもなついてくるので可愛くなってきたぞこのやろう!

 

「おい、お前名前は…わかんないけど、ご主人様とかはいないのか?」

 

俺の言葉がわかるのか、その犬はたたたたっと駆けていく、そして時折こちらを見る感じ、

ほお、こいつ俺を誘ってやがるぜふぅはははぁ!

などと考えつつその犬についていく、そしてその犬がたどり着いた先には赤毛の少女が倒れていた、俺は急いでその子に駆け寄り。

 

「ちょ、ちょっと君!大丈夫か!おい!」

 

そんな俺の心配をよそに。

 

 

ぐうううううううううううううううううううううううううううううううううううう

 

 

という音が、あれ?、俺前にもこんな体験したぞ!季衣相手の時に、なんかやばそうな雰囲気がしたので俺はその場から逃げ出そうとして…

 

がしっ! かふっ!

 

女の子には手を掴まれ、犬には足を噛まれた。

 

「おなか……すいた」「はうはうはう」

 

ああ、そうね、きっとそうだと思ったよ… そしてその少女と犬のうるうるした目で見つめられた俺は…

 

「ごはん…食うか?」

 

と、地獄の門を開けてしまうのだった。

 

 

 

 

「もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ」「はうはうはうはう」

 

可愛い!なんてもんじゃない、もうね、抱きしめたくなるような庇護欲をそそる姿の赤毛の少女&犬!でも喰ってる量は10人前以上!

ふぅははー、なんて可愛い赤い小悪魔だ!

 

そんなお食事タイムがようやく終了した時、俺の財布はこんなに軽かったっけ?という状態になってたり。

 

「じゃ、じゃあこれからは気をつけてね、その犬も」

 

「セキト」

 

「え?」

 

「このコ、セキト」

 

「ああ、この犬の名前か、へぇセキトって言うのか」

 

なんかついついセキトって名前の犬をもふもふする俺、それに何か気持ち良さそうにするセキト、少し戯れた後、俺はその場を去ろうとしたら、がしっって感じにその少女に服を掴まれる、えっと、まだ食い足りないのかな、赤い小悪魔さん…

 

「……名前」

 

その少女は名前を聞いてきた、俺はまあ普通に答える。

 

「えっと、俺の名前は北郷一刀、まぁ北郷でも一刀でも好きに呼んでくれていいよ」と

 

「……かずと…」

 

俺が名前を教えるとその女の子は俺の腕にきゅっと体をよせてくる、ちょちょちょむ、胸っ!胸っ!い、以外に大きいお胸様が当たってる!当ててるのよ!ですか!

 

「あ、あの、えと…/////」

 

「かずと……いいひと…」

 

俺がドギマギしてると。

 

「…恋…」

 

と言ってくる、えと、それは名前かな?とか聞くとコクッとうなずくその少女、うう、ほんと可愛いな。

 

「えと、でもそれってもしかして真名じゃないの?いいの?」

 

と俺が聞くと。

 

「…かずと…いいひと、だから、恋の真名…預ける」

 

と言ってまたスリスリしてくる、ああ、もうダメだ、俺の理性が持たない…、俺の中の天使と悪魔よ!どうすればいいんだ!

 

ほわほわほわーーん

 

天使一刀 ”耐えなさい一刀、この子はとてもいい子です、その子を襲うなんてとんでもない!いいですか理性を保つのです”

 

悪魔一刀 ”理性って何?”

 

 

悪魔勝利!

 

 

俺がそんな脳内論争をやってると、その時どこからか

「ちん…きゅううううううううううううう」という可愛い声が聞こえたかと思うと。

 

「きーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっく!!!!」

 

 

どごあああああああああああああああああああああああん!!!!

 

 

「ごはぁああああ!!!!」

 

どこからか飛んできたキックに俺はのけぞる、恋も「?」といった感じだ、そして消え行く意識の中で。

 

「このち●こ!」とだけ聞こえた。

 

えっと… 俺はいつから男性生殖器になっちゃったのかな…

 

そして意識が途絶える。

 

 

 

気絶してた俺を見つけたのは探しに来ていた季衣と流琉、何かもう俺が死んでると思ったらしくかなり取り乱してたらしい、とりあえず俺が生きていた事にほっとする二人は、探しに来た用件を思い出す。

 

「兄様、朝廷から何進将軍の名代というお方が来てます、すぐ城に戻るようにと秋蘭様が」

 

「何進将軍の名代?」

 

俺は確か肉屋の妹が皇后になったてその威光で兄が将軍になったんだっけな、とかうろ覚えの三国志の事を思い出す。

 

「わかった、すぐ戻ろうか」

 

俺は二人と一緒にすぐに城に帰る事にした。

城に戻った俺はフランチェスカの制服に着替える、そして玉座の間に行くと

 

「遅いぞ北郷!まったく何をやっておるのだ馬鹿者が!」

「まったく愚図なんだから、どうせどこかで変な事やってたんでしょ、汚らわしい!近寄らないでよ!」

 

春蘭と桂花になんか罵倒されまくったり、お前らこういう時だけ仲良いよな…

 

「あははは、何かおもろいやっちゃなー、部下に罵倒されるとか」

 

そう言って楽しく笑ってるのはさらしを巻いた女性、なんか色々際どいんですが。

 

「えと、貴方が何進将軍の名代ですか?」

 

と俺が聞くと。

 

「ちゃうちゃう、うちは副官や、名代は……なんか行方不明になっとる」

 

「は?」

 

なんかさらっとえらい事を言わなかったかこの人。

 

「え、えと、行方不明って…」

 

「いや、ここに来る途中までは一緒やったんやけど、急にいなくなってもうてな、今頃はどこにおるか」

 

「え、えとそれって大変なんじゃないですか?何だったら兵をだして探させて…」

 

焦って指示をだそうとする俺を制したのはその女性。

 

「ああ、ええってええって、あいつやったら千人くらいの兵がかかってきても大丈夫やから、まぁもうちっと待っててぇな」

 

「せ、千人?そ、そんなに凄い人なんですか…」

 

俺はなんか呆れるやらって感じ、どうしたものかなぁとか思ってると。

 

「名代様がおつきになりました!」

 

と伝令が入ってくる、俺たちそれをぴしって感じで待っていると。

 

「呂布様のおなりですぞーーーーーーーーー」

 

というなんか凄く可愛い声、え?今なんて言った呂布!?あの三国志最強の武将!?

俺がその声の聞こえた方を向くと、入り口から入ってくる人物……  あれ?

 

「………あ、かずと」

 

「…恋?」

 

そこにいたのはさっき街で出会った赤毛の女の子、え?何?まさかこの子が呂布…とか?

俺がなんかパニくってると。

 

「ちんきゅうううきーーーーーーーーーーーーーーーーーーっく!!!!」

 

 

どがっしゃああああああん!!

 

 

「ぐほああああぁっ!!!」

 

と、さっきくらった覚えのあるキックを見舞われる、しかしさすがに二度は気絶しない、耐えろ、そして耐えた!

 

「こ、このキックは!ってかいきなり何すんだよ!!!」

 

俺はそのキックをしたちんちくりんな女の子をギッと睨む。

 

「何をするかと言うのはこっちの台詞なのです!呂布殿の真名を気安く呼ぶなです!」

 

「……ちんきゅ、めっ」こつっ

 

そんなちんちくりんの頭にゲンコツをする恋

 

「あ、あうう呂布殿~、ね、ねねはこの無礼な者にですね~」

 

「かずと、いいひと…、恋の真名許したからいいの」

 

とフォローしてくれる、ああ、ほんとええコや!

 

「ほぉ、いつの間に名代殿と真名を許される関係になったのか聞きたいものだな」

「北郷~」バキバキバキ

「ケダモノ!ケダモノ!ケダモノ!ケダモノ!ケダモノ!」

 

なんか変な目というか、凄まじいまでの殺意を感じるんですが、あと桂花さん、ケダモノ連呼はやめて下さい…

 

「いや、何もやってないって!このコが空腹で街で行き倒れになってた所を見つけてご飯をご馳走しただけだから」

 

「……ごはん、おいしかった、かずと、いい人」

 

そう言うと俺にててててって近づいてきてピタッと腕に寄り添ってくる、胸、胸当たってます恋さん!

 

「へぇ、よっぽど気に入ったんやなぁ、恋にここまで好かれるなんてそうないで~」

 

名代副官さんの言葉にちょっと嬉しい反面、なんか陳留の皆さんが俺を見る目が何か痛いです…

あとちんちくりんさんが今にも飛んでキックをしそうです。

 

「恋、なつくのは仕事してからにしてくれんかな?あんたが今まで行方不明だったせいでここの人ら結構待ってたんやから、な」

 

そう言った名代副官の人、その言葉に恋は何か考え、名残惜しそうに俺の手から離れると玉座の前に立つ。

 

「………」

 

えっと何もしゃべらないんですが恋さん、周りの皆も何か色々微妙な表情してるし、春蘭は何かイライラして今にも恋に襲いかかろうって感じになってるし、と、そんな中ちんちくりんさんが言葉を発する。

 

「北郷一刀というのはどの者であるかー と呂布殿は仰せなのである」

 

「え、えと、はい、俺です」

 

「お前だったのですか!このち●こ!よくも呂布殿をたぶらかしてくれたのです!」

 

「いや、だから俺は何もしてないってのに、あとその俺の呼び方やめい!」

 

「問答無用なのです、ちんきゅうきーー……いたっ!」

 

ちんちくりんさんが助走を着けてキックをしようとしたのを恋がゲンコツしてやめさせる。

 

「ちんきゅ、恋お仕事中」

 

「は、ははっ!申し訳ありませんです!ぐぬぬ、後で見てるですこのち●こ!」

 

全然人の話聞いちゃいねぇ、このちんちくりん!

ほんと頼むから人を男性生殖器で呼ぶなってぇの、色々きついんだよ、特に桂花さんとかが…

 

「………」

 

それでも相変わらず何もしゃべらない恋、なんかさすがに心配にもなってくるが、そこをちんちくりんが。

 

「えーー、此度の黄巾党の討伐大義であった!と仰せなのです!

 その上でこのたびの功績を称え、北郷一刀を陳留の州牧に任命するのであります!」

 

俺はその言葉にはっ!とした、今まで陳留は春蘭秋蘭の夏候姉妹が実質盟主という事になっていたのだった。

俺は二人からはいつか御旗として、とだけ言われて表舞台には出ないようにしていたのだが、

今回はどうやらその辺りの根回しを俺の知らない所でやってたらしい、俺はその事に気付くと。

 

「はっ!謹んでお受けいたします」

 

と答える、これはきっと儀式なのだ。

 

ちんちくりんは何か納得してない感じだが、そんなちんちくりんはさらに言葉を続ける。

 

「さらに貴公を西園八校尉の一人に任命するという陛下のお達しを伝える、と仰せなのです!」

 

俺はそれがどういうものか知らないが、秋蘭がとりあえず受け取っておけ!って感じにジェスチャーしてるのでそれに対して頭を下げる。

 

「………」

 

「これからも陛下の為に働くように!では用件はこれだけはであるが失礼させてもらう!と仰せなのです!」

 

そう言うとそのちんちくりんは恋の手を引いて急いで出ようとするが恋はそれを無視して歩き出す、ちんちくりんは恋に引きずられる感じ、そして恋は俺の所にまっすぐやってきて。

 

ぴとっ

 

何か俺の所に来てまた腕の所によりそう、そして。

 

くーーーー くーーーーー

 

眠った。

 

「あははははは、ほんまよぅなついとんなぁ、すぐ帰ろう思てたけど、少しこの街におろかな」

 

「では、、ささやかながら宴をを催しましょう、たいしたものはありませんが酒と食事くらいはご用意いたします」

 

「え!酒!ええのん! うわぁ、ここの人はええ人ばっかやなぁ~」

 

秋蘭が宴の提案をすると大喜びの副名代、よっぽどお酒が好きなんだろう、そして気が合ったのか何やらおしゃべり、俺はというと…

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

といった音が聞こえそうな感じで包囲されています、ええ、四面楚歌です、なんていうかボンバーマンで言うと爆弾に囲まれてる感じです、前方にちんちくりん、後方から春蘭と桂花、右から流琉と季衣、左からは沙和、真桜、凪の色々な感情と目が俺に降り注いでいます。

 

何とかせねば!俺は勇気を振り絞って恋に声をかける!

 

「え、えと、恋、寝る所を用意するから、そこで寝ようね、ね!」

 

「………んん」

 

俺の声にまだ眠そうな感じで起きる恋、よし、これでここから解放される!…はい、そう考えてた時期がありました、次の言葉を聞くまで…

 

 

「ん……かずととねる、いっしょ」

 

 

その時どこかから「よーいどん!」って声が聞こえたような気がした。

 

 

「ちんきゅううきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっく!!!!」

「ほんごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

「いやああああああああああ!!変な事する気ね!汚らわしい!この孕ませ男!全身精液男!」

「にいさまぁーー!」「何々?よくわかんないけどにいちゃーーん!」

「北郷様……不潔です!」「北郷さま~寝ている女のコに変な事しちゃダメだと思うの~」

「大将あかん、それはあかんわぁ~」

 

 

前略、天の国のじいちゃん、俺、何か悪い事しましたでしょうか…

 

 

そして、陳留の城にいくつもの湿った音と爆音、一刀さんの断末魔の悲鳴が叫びわたったのでした。

 

 

 

 

陳留の王座の間ではささやかな宴が催されている、料理の得意な秋蘭と流琉が作った料理に皆美味そうに食している。

恋にいたっては触覚(?)をぴくぴく動かしてずっともきゅもきゅしてる、その様子に春蘭、季衣、沙和、凪、真桜がほわわわ~んって感じになっている、うん、わかるぞ、恋のあの姿をみてほわわ~んってならない奴はまずいないと断言できる。

 

で、別の席を見てみると陳宮さん(ちんちくりんの名前を後で聞いた)と桂花が何か談義をしている「男はケダモノ!」だとか「ち●こ切り取るべきなのです!」とか「あんな汚らわしい生き物は女「恋殿」に近づいちゃいけない!」とか何かたまに俺をチラチラ見ながら恐ろしい話をしてはガシッ!と握手してニヤリとする、何か同士よ!って感じだ。

 

で、俺はというと…

 

部屋の隅っこで蜜柑箱的な感じな箱を机がわりにして正座で全身包帯だらけになって一人寂しくお粥をすすっています… 粥うま…

 

「あははは、元気ないなぁ、大丈夫かぁ!」

 

そんな俺に声をかけてきてくれたのはほろ酔い加減の副名代の張遼さん(名前を聞いた)、この人があの張遼、俺はこの人が魏で大活躍したとうろ覚えで知っていた。

この人も曹操の元にいたって事は、俺の仲間になってくれるのかなぁと都合の良い事を考えていると

 

「ここはほんま楽しいなぁ、うちも月より先にあんたに出会ってたらあんたの部下になってたかもしれんなぁ」

 

月?誰だろ、真名のようだけど、多分張遼の主なんだろうけど、張遼って呂布に仕えてたんじゃなかったっけ?とか何か訳わかんなくなってきてたり。

 

「えと、張遼さん…」

 

「霞や」

 

「え!いやそれ真名でしょ?いいの?まだたいしてしゃべってない俺なんかに預けちゃって」

 

と、急に真名を預けた張遼さんにあたふたと確かめてみる

 

「かまへんかまへん、ここの連中見とったらあんたが悪い奴やないってわかるし、実際うちもそう思ったし、何より恋がなついとるしな!あの子は少なくとも悪い奴には絶対なつかへん!」

 

「いや、恋はなんていうか、俺にご飯食べさせてもらったからなついたって感じだし、それもセキトが恋の所に連れて行ってくれたからだし…」

 

「へぇ、セキトもなついたんか、こらほんま珍しいなぁ、セキトは恋以上に人になつけへんねんで」

 

「うーーん、俺動物に好かれてたって事なかったんだがなぁ、なんか美味そうな匂いでもしてたのかな」

 

ははは!って感じで笑いながら酒をぐぶぐびと飲む霞さん

 

「しかし、天の御遣いってゆうからどんだけ凄い奴かと思ったら、なんか拍子抜けしてもうたわ」

 

「はは、よく言われるよ、たいした事もできないし、皆に頼りっぱなしだし、ほんと情けない奴だと思うよ、今もこの有様だし」

 

「けど、その割には皆から好かれてるようやけどな」

 

「だといいけどね」

 

なんか霞さんはいいお姉さんって感じで話易い、秋蘭と似たような雰囲気だけど、秋蘭より気さくな感じだ。

 

「あんたは…月に似てるかもしれんなぁ、なんていうか、守ってやりたくなるような、そんな感じがするわ」

 

「えと、ゆ…その人は、霞さんの主の人?」

 

つい真名を言いそうになってしまったのを堪えて、霞に聞いてみる。

 

「ああ、凄いええコやで、恋も月の事は大好きやし月も恋の事大好きやからな、うちはあの子の為やったら死んでもええ思とる」

 

「あんま物騒な事は言わない方がいいよ、それに霞が死んだらその人も悲しむんじゃないか?好きな人を悲しませるような事をしたらダメだと思うぞ」

 

俺が霞の話に答えて粥をずずっとすすってると どおおん! って勢いで背中を叩かれ粥を噴出すわこぼすわな状態に。

 

「あちあちあち!!!な、急に何すんだよ!うあああ、唯一許された貴重な粥がぁ…」

 

「あははははは!、ごめんごめん、いや、ほんまあんたは月に似とるわ、恋やセキトが懐くのもわかるわ」

 

「?」

 

俺は何か訳分からなかったが何か霞さんが楽しそうに酒を飲んでるのを見て、まぁいっかと思うのだった。

 

一方周りでは、恋はご飯に満足したのかきょろきょろした後俺を見つけてテテテテって感じに俺の所にくると、ぴとっと腕にからんできて。

 

すーーーー すーーーー

 

と可愛い寝息を立てて眠った、ふふ、愛い奴め!と眺めていると ザシャァ! って感じの音がして俺の前に幾人かの影が…

 

 

「えと… 、霞さん、恋さんを退避させてもらえませんかね?」

 

という俺の願いに笑いながら答える霞さん、寝てる恋を静かに俺から引き離して、俺から離れる、それを見た俺は両手で頬をパシッ!と叩いて。

 

 

「よっしゃ!ばっちこーーーーーーーーい!」

 

 

その後の記憶がアリマセン

 

 

 

 

宴の後、恋と霞は名残惜しそうに、陳宮さんは桂花と何やら堅い握手なような事をして陳留から去っていった。

 

恋と霞、そして陳宮を見送った俺達は玉座の間に集まる。

 

 

「さて、これでようやく我らは北郷を御旗に立てて進む事が出来ることになった」

 

そう秋蘭が言ったのを何人かが「?」って感じになる

 

「あの、今までも陳留の主、っちゅーか御旗やったんやないん?」

 

真桜が秋蘭の言葉に疑問をなげかける

 

「今までは北郷は名だけの存在だったんだよ、天の御遣いがいるぞって言うだけのな」

 

「ようわからんなぁ?大将の事はもう皆知っとるし、街とかふらふら出歩いてるし、他行っても天の御遣いゆーんは結構有名になっとんで」

 

ふらふらて、一応見回りという名の仕事をしてたんだけどな。

 

「その程度なら問題ないのよ、あくまで”いる”というだけだから、何か”する”って訳でもないし噂半分で冗談の一つ程度で片付けられる、でももし俺は天の御遣いだーなんて言って旗を揚げてみなさい、あっと言う間に朝廷に目をつけられるわ、天を名乗って何かをしでかす気だって」

 

「ああ、成る程」

 

真桜の問いに桂花が答える。

 

「下手に天を名乗って兵や民を動かせば、朝廷から朝敵と見なされて討伐される恐れもあったの だ、だから我らは時がくるまでは北郷を名だけの存在にさせていた、その間に色々手を回して北郷を表舞台に立たせる裏工作をやっていたんだ、本来なら金も時間もまだまだかかるはずだったんだが…」

 

と言って桂花を見る秋蘭

 

「桂花のおかげで事がすんなり進める事ができたよ」

 

「桂花はんの?」

 

「袁紹の所って扱いはほんと酷かったけそ中央との繋がりだけは沢山作れたのよ、その辺りを色々とね、ほんと何で私がこんな汚らしいケダモノの全身精液孕ませ男の為に苦労しなきゃいけないのよ!」

 

全身精液孕ませ男って、あ、季衣が流琉に意味聞いてる。

 

「中央に根回しして北郷様を陳留の州牧になるようにしたという訳ですねっ」

 

流琉が赤い顔をして必死で話題をすり替えようとして秋蘭に聞いてくる。

 

「そう、朝廷が北郷の存在を認めてくれれば朝敵にされる事もなく軍や民を統べる事ができる、まぁ黄巾の乱がなければ桂花の裏工作や根回しも上手くいかなかったかもしれんがな」

 

「確かに、黄巾党の撲滅という功績があればこそ朝廷への聞こえもいいですしね」

 

「うむ、その上、朝廷は北郷を西園八校尉の一人に任命した、この意味は大きい、凄くな」

 

「と、言われますと?」

 

凪の質問に秋蘭が答える。

 

「朝廷は北郷を恐れたんだよ、あの黄巾党を壊滅までに追いやったその力に、そして敵にするよりは味方にして取り込もうと考えた、北郷に牙を向けば自分達も黄巾党のような事になるのではないかとな」

 

「あの黄巾党の戦いでの喧伝が効果を発揮したって事だな」

 

「では、これでようやく北郷様は大手を振って天下を目指される訳ですね」

 

凪の言葉に皆が俺に注目する

春蘭、秋蘭、桂花は「言っちゃったのか」ってな感じの顔をする、そんな空気の中、俺は頭ポリポリとかきながら。

 

「まぁ、まだまだどうなるかわかんないけど、とりあえずようやく出発地点に立てたかなって所だね」

 

そんな風に言うと春蘭がズカズカと俺の所にやってきて。

 

「情けない事を言うな!貴様がしっかりせんと他の者がついてこんであろうが!」

 

「そうだぞ北郷、ここはびしっと決める所だ」

 

そう言う春蘭と秋蘭、そうだな、この二人との出会いが全ての始まりだったんだ、そして…

 

 

「うん、じゃあ…

 

 

  みんな!俺についてきてくれ! 」

 

 

「「「「  御意!!!!  」」」

 

 

一刀の言葉に全員が言葉を発する、そして、陳留の城に新しく旗が立てられる、その旗を見た街の人達

は大きな歓声をあげる。

 

 

 北郷一刀の旗「十」の旗が初めて世に現れた瞬間であった。

 

 

 

 

後から分かった事だが、恋と霞の主は董卓だと言う事を知る。

あの董卓、俺の知る三国志では暴虐の限りをつくした魔王。

 

俺は霞が言った言葉を思い出していた、

”凄いええコや””恋は悪い奴にはなつかへん””恋も月が好きやし月も恋の事が好き”

俺が知ってる董卓とこの世界の董卓は違うかもしれない、だとすれば暴虐と言った事も行われないのか…

 

そしてもう一つ、俺の知ってる三国志では呂布は曹操に殺されたはず、もし、俺が曹操の立場なのだとしたら…

 

 

俺は、恋を殺す事になるのだろうかと…

 

 

 

『楽進、李典、于禁1』

 

玉座の間に集まってもらった三人に俺は街の警備隊の話をする。

 

「陳留は国でも比較的安全な場所ではあるんだけど、そのせいか各地からいろんな人が集まってきて人口が増えまくってる感じなんだ、そのせいで街の治安も少しずつ悪くなってきてて、現在の警備体制も変えないといけないと思ってる、そこで三人にはその新しい警備体制にした警備隊の指揮をしてほしいんだ」

 

「ええ、そんなん面倒臭いわぁ~」

 

「そうなの~、そんなの沙和には無理なの~、別の人にやってもらえばいいの~」

 

拒否された

 

「いや、あのな君達、君達にはいずれ一軍を率いて戦ってもらうわけだし、ってか今までだって大梁義勇団ってので兵を指揮してたりしたんだから問題ないでしょ!」

 

「それはそれ、これはこれなの~」

 

「そやそや、っていうかあん時は必死でそんなんなんも考えてへんかったもん、それに実質指揮してたんは凪やったし」

 

「あ、あの時はお前達が勝手に「この人が隊長だから~」って勝手に決めたんじゃないか!」

 

ああ、見えるよその時の光景が、そして断りきれなくて隊長やって頑張る凪の姿、その横でだべってる沙和と真桜、そして飛んでくる凪の必殺技の猛虎蹴撃

 

「とにかく!三人には街の警備隊の指揮をやってもらうから!いいね!」

 

「はっ!」

 

という凪とは対照的にぶーぶー言う沙和と真桜

 

「よし偉いぞ凪、そうだな、凪にはあとで何かおごってあげるよ、そうだな新しく出来た麻婆豆腐の美味しい店で麻婆豆腐を好きなだけ食べさせてあげよう」

 

「あ、ありがとうございます!////」

 

なんか照れる凪、うんうん可愛いぞ。

 

「あー凪ちゃんだけ贔屓なのー!」

「せやせや!大将贔屓反対やーー!」

 

「えーー、だぁって君達警備隊のお仕事嫌なんだろぉ~?それに引き換え凪さんはとぉってもやる気満々だしぃ~、俺としてわぁ~、信賞必罰というやつでぇ~」

 

そういいながら凪の頭をなでる俺、なんか少し赤くなる凪がほんと可愛い

 

「ぶー、じゃあ沙和も本当は全然、これっぽっちもやりたくないけど警備隊の指揮するのー!」

「うちもや!嫌々やけど大将から色々奢ってもらって色々買って貰う為だけに警備隊の指揮したるー!」

 

「お前ら少しは本心を隠そうとしろよ」

 

本音だだ漏れな二人についツッコミを入れてしまう、こうして三人に街の警備隊を任せた…はずなのに。

 

 

「……何やってんのお前ら?」

 

「んにゅ?」「休憩きゅうけーい」

 

そこには茶店でのんびりくつろいでる沙和と真桜がいた、今は警備の真っ只中のはずなんだけどね。

 

「へぇ、休憩って割には沙和の傍にはなんか装飾品やら服やらの本が大量にあるねぇ、真桜の所には何やら人形の部品が山のように、休憩ってゆうよりは休みって感じしかしないよねぇー」

 

「大丈夫大丈夫、もう少ししたら警備にもどるから~」

 

「おやすみなさいなの~」

 

「おやすみなさいとか言ってるし!!!」

 

なんかもうこいつらダメだ、ってかこいつらに一軍をまかせていいもんだろうかとかほんと不安になってきた…やめようかな、なんかそんな事をふぁーーって溜息はきながら考えてると、後ろから闘気を感じ。

 

「お前らは…何を…やっている…」

 

「「!」」

 

沙和と真桜が気付いた時にはすでに時遅し、凪の猛虎蹴撃が炸裂する。

 

 

どがあああああああああああああああああああああああああああああんんん!!!

 

 

「うっわわわわわーーーー!!!」

「きゃああ~んん!」

 

「お前らは警備隊を何と考えている!北郷様から頂いた大切な仕事をないがしろにするつもりか  っ!!」

 

凪の怒りが沙和と真桜にふりそそぐ、それを恐れたのか二人は俺の後ろに隠れる、ってか来んじゃねぇ!!!ガクガク震える二人をよそに、凪はふーはーと呼吸を落ち着かせ。

 

「北郷様申し訳ありませんこの二人には私からよく言っておきます、それと私達の給金をお返しいたします、働かず遊んでるような者に大切な国のお金を頂くわけにはいきませんので」

 

「そ、それはない!うち今月工具の支払いがあんねんから~」

「さ、沙和も欲しい服とか沢山あるの~」

 

そんな二人をギロッ!っと睨む凪、なんていうかドラえもんの秘密道具のゴルゴンの首の光を浴びて石になった感じ、そんな二人が俺の服をひしっとだき、涙を流しながら俺に訴えてくる… いや、お前ら自業自得だから、とは言えさすがに可哀相かなとか思えてきたので。

 

「え、えと凪…さん、まぁこの二人も反省してるようだし、今回だけはまぁ…おおめに見てあげようかな、とか…」

 

俺の言葉に凪さんはゴゴゴゴゴッていう音がするような感じで二人をみるが、ふーっと息を吐き。

 

「わかりました、北郷様がそう言うのであれば今回は従います」

 

「わーーーい」「よ、よかったぁー」

 

なんか喜ぶ沙和と真桜、疲れきった凪みてると凪が可哀相に思えてきたので、二人をこらしめる意味である提案をしてみる。

 

「沙和、真桜、今回は凪に免じて不問にするけど今度サボったら本当に給金とかなしにするから な」

 

「はーーい、わかったの~」「まかしといてぇな~」

 

ほんとにわかってんのかこいつら。

 

「とはいえこのままじゃ他の者の示しにならんしなぁ、そうだ凪、これからこの二人の給金は凪に渡すから、凪の判断で二人に渡してくれ、ちゃんと働いたと思ったら普通に渡してあげていい、だがサボったと思ったら、その分引いてくれていいから」

 

「なぁっ!そ、それはあかん!それはきっついで大将!」

「そ、そうなの~凪ちゃん真面目だからちゃんと働かないとくれないの~」

 

「いや、だからちゃんと働けよお前ら!」

 

その二人のあたふたする姿をみながら俺は凪の肩に手をかけ。

 

「凪、頼めるかな、凪にしか頼めない事なんだ」

 

その言葉に凪さんは顔を少し赤らめ。

 

「は…はいっ!おまかせください!////」

 

その瞬間沙和と真桜はおわったぁ、って感じになってたり、まぁちゃんと真面目にやれるようになったら元に戻すから。

 

「ほらっ!行くぞ二人とも!この街を守るのが我らの役目だ!」「「ふえぇええ~いいい…」」

 

元気ハツラツな凪とは対照的に生気の抜けた沙和と真桜、まぁ頑張れ。

 

 

そんな陳留での1コマ

 

 

あとがきのようなもの

 

書いてて、そういや恋て華琳様の事どう思ってたんだろうなぁとか思ったり。

曹操が呂布殺したのってあんま影響してないのかなぁとか。

 


 
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