No.115798

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編  拠点物語  北郷一刀VS夏侯惇

BLACKさん

基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
それと今回は変身もせず、仮面ライダーに関することはあまりありません。しかし先にも書いたように台詞が原作と違う部分もございます。それを了承の上で閲覧することをお願いします。ではお楽しみ。

2010-01-01 16:48:36 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:7596   閲覧ユーザー数:6660

 

 

反董卓連合解散からはや数日が過ぎた。一刀は中庭で訓練用の木刀を振っていた。

 

「はあっ!」

 

一刀は木刀で素振りをしていたのだ。

 

「あれ、隊長。どしたん? そんなモン振り回して」

 

素振りをしていると真桜が声をかけてきた。

 

「何って素振りだけど何か?」

「隊長。その様子からすると……剣術の心得がおありだったのですか?」

 

凪が一刀の型を見て、そう判断した。

 

「よくわかるね。まあちょっとかじった程度だけどな」

「へぇぇ……意外ー」

「おいおい、意外とは失礼だな」

「だって、隊長。戦うときはいつもそんな型してないもん」

 

沙和の言うとおり、仮面ライダーとして戦う時はこの型ではなく、完全にバラバラな型で戦っている。

もっとも戦場で剣を抜いた回数は数えるほどしかなく、ブレイドやカブトの武器はどう考えても剣道向きではない。

 

「隊長。良かったら、一手お相手願えませんか?」

「ウェ? 無理無理、仮面ライダーにならなかったら俺が凪に勝てるわけ無いって」

「面白そう。見てみたいよねー」

「せやせや。どーせ皆一刀が勝てるなんて思ってへんし、軽い気持ちでやってみたらええやん」

 

霞の言葉は微妙に一刀の心をえぐる。

 

「ひどいな~。でもやってやるか」

「なら、お願いします」

 

凪も戦闘態勢をとる。

 

「鍛えてるとは言え、剣道で戦った事ないな。やってやるか……」

「判定はウチがしたる。双方、構え………始め!」

 

 

一刀と凪の訓練戦闘が始まる。そんな時華琳、春蘭、秋蘭、桂花が来る。

 

「へぇ……一刀に武術の心得があったなんて、知らなかったわ」

「なるほど。だから警備部隊に入ってすぐに、それなりに働く事ができたのですね」

「でも、腕の方はたいしたことないわね」

 

まあ桂花の言う事はそんなに間違ってはいない。

 

「双方、やめっ!」

 

霞の終了の言葉が聞こえる。

 

「終わったようですね」

 

終わりと同時に一刀は少々、汗をかいた感じであった。

 

「やっぱり生身では凪に勝てないか…」

「いえ、こちらも結構必死でしたよ。やはり仮面ライダーとして戦っている分の経験があるのでしょう。

筋は悪くないと思いますし、これを機会にさらに修行を積んでみては?」

「考えとくよ。(といってもブレイドもカブトも剣道向きじゃ…、あっそっかアギトのフレイムフォームは剣道に向いてるな)」

「隊長ー。かっこよかってでー」

「おつかれさまー」

「一刀~、惚れ直したわ」

「そいつはどうも」

 

霞達の言葉を返していると華琳達が来ていることに気付く。

 

「華琳達も来てたのか。見苦しいところ見せちまったか?」

「そうでもないわよ。なかなか面白い見せ物だったわ」

(見せ物とはひどいが、まあ仕方ないか)

「北郷。あれは、お前の国の剣術なのか?」

 

春蘭が先ほどの一刀の型について尋ねる。

 

「ああ。剣道って言ってな、実戦よりも訓練の方に向いてる剣術だな」

「そんなものが実戦に役立つのですか?」

「まあブレイドやカブトは武器が武器だから役に立ってないけどな…。

それにあれは戦う事じゃなくて礼儀を学んだり、精神修養の方を大事にするものだ」

「? 剣とは戦うための技で心構えや礼儀などを養おうとする方が間違っているだろう」

「う~ん」

 

一刀は少し考え込む。華琳がそこに質問してきた。

 

「秋蘭。弓で相手を射るときに必要なものは?」

「冷静な判断と、必中を狙う集中力です。華琳様」

「春蘭。剣で相手を倒すときに必要なのは?」

「気迫と気合です。華琳様」

「……十分精神修養の価値はあると思うのだけれど?」

「ぐぅ……」

 

華琳の言葉に春蘭は返す言葉がなかった。

 

「まあ、戦の最中の世界の剣術と、平和な世界の剣術じゃ目指すものが違うからな。考えが違っても無理はない」

「北郷…」

「うん?」

「私と、しろ!」

 

その言葉にその場にいたもの全員が凍りついた。

 

 

そこに今度は月と詠と恋とねねがやって来た。

 

「あの皆さん、どうしたのですか?」

「ねえ、春蘭。皆どうしたの?」

 

月と詠が凍りついた皆を見て、春蘭に尋ねる。

 

「私もよくわからん」

「何か言ったのではないのですか?」

 

ねねが尋ねると春蘭が丁寧に答えた。

 

「ああ、それならな。北郷に、どちらの剣術がこの時代で正しいといえるのか、体に教え込んでやるからいざ尋常に勝負しろ覚悟しておけよふははははーと言ったつもりだが……」

 

その言葉でようやく凍りついた皆が動けるようになった。

 

「姉者。間を全部飛ばして話すのはやめてくれ」

「……ふむ? 気をつければいいんだな? わかった」

 

春蘭はあまり分かってなさそうだった。

 

「あの、一刀さん。春蘭さん、なんて言ったのですか?」

「聞かない方がいいと言っておくよ」

 

一刀が月にそう言った。

そして皆に煽られて、一刀は春蘭と戦う事になった。

もちろんこれは訓練の一環なので、一刀は仮面ライダーには変身せず、生身のままで戦う事になった。

そこにいつもの武装をしてきた春蘭が来る。

 

「ほほう、良い面構えではないか」

 

一刀が構える。一刀は観客たちの方を見るといつの間にか観客席が出来ていた。

 

「頑張ったんやで! 褒めて!」

「褒めるけど、その調子でいつも仕事をしてくれ」

「隊長のいけず……」

 

一刀と春蘭の戦いを実況が真桜といつの間にか来てた地和、解説は華琳と桂花になった。

 

「あら、こちらを見ていていいの?」

 

 

華琳の言葉を聞いた一刀が春蘭の方を見直す。すると春蘭は突然攻撃してきた。

 

「うおっと!」

 

一刀は何とかその攻撃をかわした。

 

「春蘭! お前、まだ試合開始の合図は……」

「そんなもの待っていられるか! そもそもお前は、合図がなかれば喧嘩も戦も始まらんと思っているのか?」

「喧嘩はともかく、戦で合図がないのは礼節的に悪いだろ!」

 

そうこうしている内に春蘭の攻撃は続き、一刀は避けるだけだった。

 

(くそ! 仮面ライダーになれれば、素手で……は少し難しいにしてもこうまで逃げ回らなくてもいいんだけどな……)

 

一方的な試合展開に地和が解説の華琳の言葉を聞く。

 

「春蘭と一刀では、技量も体力も胆力も、全てにおいて天と地ほどの開きがあるもの。

仮面ライダーになれないとなるとなおさらだわ」

「勝ち目は?」

「ないでしょ。どう見ても」

 

そこで華琳は一つ春蘭に提案を出した。それは一太刀でも一刀が春蘭に入れれば、一刀の勝ちとするもので春蘭も合意した。

 

「はぁあああああああ!」

 

春蘭は気合を入れる。それも本気である。

 

(くっ! これほどの気迫、虎牢関で恋と戦って以来か…。

あの時は仮面ライダーだからよかったけど、今は少しまずいな……)

 

一刀は迫り来る春蘭の太刀をうまく受け流すが、それが続いているうちに木刀がもうもたない状態にまでなった。

 

「そろそろ終わりにしてやろうではない! はああああああああっ!」

 

春蘭が剣を振ろうとする。その時一刀の頭にはあることが過ぎっていた。

 

(スペード10、ジャック、クイーン、キング、エース)(ロイヤルストレートフラッシュ)

 

一刀の頭ではロイヤルストレートフラッシュを春蘭にぶつけるように春蘭の前に5枚のカードが並んでるように想像し、春蘭の攻撃をよく見る。

 

「はああああああああああ!! ウェエエエエエエエエエエイ!!」

 

春蘭の上からの太刀をうまく横に紙一重にかわし、木刀は春蘭の剣の真下をこすれて行き、春蘭の体を斬りつけるように一太刀を浴びせた。

 

「一本! 勝者、北郷一刀!」

 

勝負は一刀の勝ちである。

 

「な、ななななな」

 

春蘭は信じられずにいた。

 

「ふう、疲れた」

「一刀さん、お疲れ様です」

 

その場で座り込む一刀を介抱する月。

 

「ふん、あんた。仮面ライダーだけが取り柄の男じゃなかったのね」

 

素直ではないが褒めてくれる詠。

 

「………一刀、強い」

 

恋も褒めてくれる。

 

「ありがとう……」

 

みんなの言葉に一刀は笑みを浮かべる。

そこに華琳もやってくる。

 

「なかなか面白い試合だったわよ、一刀」

「あれは華琳のおかげだよ。あんな有利な条件なかったら、俺は勝てなかっただろうし…」

「確かに条件を付けるように指示したのは私ね。ただ、その後の事はあなたの才よ。

普通なら、あの条件でも春蘭に勝つのは難しかったでしょうけどね…」

「そうか……」

「でもあの一太刀を浴びせる時、あんな突撃して潔く玉砕する…なんて考え方軽蔑するわよ」

「玉砕する気はなかった。いけると思ってやったまでだよ」

「……ま、春蘭に正面から立ち向かって勝った姿も、少し格好良かったけどね」

「何か言った?」

「何も言ってないわ」

 

そう言って華琳はその場を去った。もっとも一刀は何って言ったのかちゃんと分かった上でまた聞いたのだ。

 

(格好いい……か…。やっぱり華琳には笑顔が一番だ)

 

一刀は背を向ける華琳に向かって笑顔になった。

 

 

おまけ

 

作者「新年明けましておめでとう。早速だけどどうだったかな? 今回の拠点物語は?」

一刀「俺が春蘭に勝つのは変わらないけど、勝ち方が違うな」

作者「そりゃあ仮面ライダーだもん」

一刀「そういえば去年の最後に投稿したあの超番外編は…」

作者「時期もあったとは思うが、皆カオスという意見が多かったな。俺個人としてはそこまでカオスにしたつもりはないんだけど…」

一刀「まあどう捉えるかなんて人それぞれだしな」

作者「それはそうと終章の後のおしらせでアンケートしてみたら、蜀編が圧倒的に多かったな」

一刀「あれは俺も驚いたぜ」

作者「まあ実際書いてみたら、蜀編も蜀編で呉編と比べると書きやすいけど、魏編と比べたら中々書きにくいな」

一刀「早速弱音か?」

作者「そういうつもりではないぜ。まあアンケートした以上蜀編も投稿しようとは思うけど魏編よりもいろんな意味で時間がかかるかも…。それでは皆さん、今年もよろしくおねがいします!」


 
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