No.1155928

【獣機特警K-9ⅡG】名警部ミハエルの事件簿 ~蛇蝎のごとく嫌われて~(改)【交流】

Dr.Nさん

2024-11-09 18:24:30 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:26   閲覧ユーザー数:24

夜11時、ラミナ署。

 

カタカタカタ、カタカタカタ、カタカタカタ。

 

ミウ「あら、ミハエルさんまだいたの?」

テムナ「遅くまで残業ご苦労さんやで」

ミハエル「溜まってたデスクワークを片付けてたらこんな時間になっちまったのさ。てお前らも残業じゃねえか」

ミウ「あたしたちは夜勤」

テムナ「そ。さっき来たばかりや」

ミハエル「ふーん」

ミウ「で、何をしてたの?」

テムナ「どれどれ。報告書か」

ミハエル「おい、勝手に覗き込むなよ!」

テムナ「ええやん、減るもんやなし」

ミウ「ねー」

ミハエル「…たく!」

 

遺族の証言より。

 

日時:○月×日(日) 午後2時頃

場所:救急搬送された△△△の家

 

母親「あの子まだ起きてこないのかしら」

姉1「まだみたいね」

姉2「どうせまだ酔い潰れて寝てるんでしょ。今朝も“仕事”から帰ってきてからずっと呑んでたし」

姉1「そうそう、いつものこといつものこと! 家にいる時はいつも呑んでて酒臭い息吐いてるし、ウザいったらありゃしない!」

父親「ただいまー」

母親「おかえりなさい」

父親「おう。どうしたんだ、何かあったのか?」

母親「それが、あの子まだ起きてこないのよ」

父親「なんだ、まだ酒かっ喰らって寝てるのか?」

母親「そうなのよ。悪いけど、あなたたち起こしてきてはくれないかしら?」

姉1「えー、やだー!」

姉2「そうそう! あいつとは関わりたくなーい!」

母親「まあそう言わずに。確かに酒しか能のないゴミクズだけど、あれでも一応は家族なんだから」

姉1、姉2「「はーい…」」

△△△の部屋。

 

姉1「かぁ~、気持ちよさそうにぐっすり寝てるよコイツ!」

姉2「ホント! いつもながらムカつく寝顔!」

姉1「おい、起きろ!」

姉2「起きろってんだよこの! いつまで寝てやがるんだ!!」

姉1「起きろよこの!!」(ユサユサユサ)

姉2「起きろ、このゴミ!!」

姉1「ん?」

姉2「んん??」

姉1、姉2「「こ、これはwwwwwwww」」

母親「おかえり。あいつ起きた?」

姉1「それがねwwwwwwwww」

母親、父親「「?」」

姉2「あwwwwwいwwwwwつwwwww死wwwwwんwwwwwでwwwwwるwwwwwのwwwwwww」

母親、父親「「は!?」」

△△△の部屋。

 

母親「ホントだわwwwwww死んでるwwwwwwww」

父親「死んでるなwwwwwwwwwww」

姉1「でしょでしょ?wwwwwwww」

姉2「でもどうするの? 一応、救急車呼ぶ?」

母親「そうねえ。呼ばないわけにはいかないでしょうねえ」

父親「まあ待て。すぐに呼んで、万が一にも息を吹き返されでもしたら困る。ここは夜まで待つんだ」

母親「夜まで待つの?」

父親「ああ。それまで待てばいくらなんでも助からないだろ?w あまりにも起きてこないんで、夜様子を見に行ったら死んでいたってことにするんだ」

母親「いいわねそれ、そうしましょ! あたしたちはまだ何も見てない。二人ともいいわね?」

姉1、姉2「「うん!」」

ミウ「ああ、この前あった、水色豚の中年男性が救急搬送された件ね?」

テムナ「運ばれた時は既に死亡していたやつやな」

ミハエル「ああ。死因は急性アルコール中毒、事件性はなし」

ミウ「急性アルコール中毒は分かるけど、事件性はなしなの?」

テムナ「分からへんでー。ほら、推理小説とかでよくあるやん、全く飲めない奴に無理やり酒を飲ませてってのが」

ミウ「そうそう! 家族がしこたま飲ませた後に口裏を合わせたとか」

ミハエル「ところが、報告書にもあるように奴さんは重度のアル中、お酒がだーい好きなアルコール依存症でな、近所の酒屋やスーパー、コンビニでは酒を大量買いをする有名人だったそうだ。特にコンビニでは、肴にするスイーツを嬉しそうに買っていたそうだよ」

ミウ「ふーん」

ミハエル「そして週末には、体が資本の仕事をしていたそうだ」

ミウ「体が資本の」

テムナ「仕事?」

ミハエル「男相手の性的な意味でな」

ミウ「アッー!」

テムナ「アッー!」

ミハエル「司法解剖の結果もバリバリの肝硬変、そして縮みまくった脳味噌、たとえ発見された直後に救急搬送しても助かることはなかった。よって事件性はナーシ!」

ミウ「なるほどね」

ミハエル「お前ら、ミーアさんやシンシアさんとは仲いいか? 上手く行ってるか?」

ミウ「どうしたのよ急に? 仲いいに決まってるじゃないの」

テムナ「せやせや。当たり前のこと言わんといてや!」

ミハエル「家族には嫌われないようにしておいた方がいいぞ。この話には続きがあってな」

ミウ「うん」

ミハエル「数年前に一族のおばあさんが亡くなって、親戚一同が集まったんだが、奴さんだけ葬儀に参列させてもらえなかったそうだ」

テムナ「どういうことや?」

ミハエル「『帰れこの一族の恥晒しが! どうしてもっていうのなら、プロレスの覆面でも被ってから来い!』と言われたそうだよ」

ミウ「うわ。でも当然よね、いつも酒の臭いをさせてるような奴じゃ」

テムナ「家に帰ればすぐに酒に手を伸ばし、休みの日にゃ朝から酒を煽って、トドメは男相手の体が資本のお仕事。無理もないわな」

ミハエル「ということだ。お前らも家族には嫌われないようにしろよ」

ミウ、テムナ「「うん、分かった」」

エルザ「よう」

ミウ「あ、署長」

テムナ「お疲れ様です署長」

エルザ「うむ。なんだミハエル、まだいたのか」

ミハエル「姉さんっ!!」

エルザ「な、なんだ、その目は!?」

ミハエル「愛してるぜ姉さん。血の繋がった姉と弟、いつまでも仲良くしような! んーちゅっちゅっちゅっ♥」(抱きつきっ!)

エルザ「!? えーいやめんか気色悪い!!」

 

ドカッ!

 

ミハエル「んぎゃっ!?」

 

 

=END=

 

 

 


 
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