小さな崖の上。
のぶくんは星空を見上げる。
満天の星は手が届きそうで、だけど届かなくて……。
血のにじんだ手のひら。
土に汚れたひざ。
高くもないけど、低くもない崖の上。
一生懸命に上り、やっと辿り着いた崖の上。
星空がちょっとだけ、近くなったような感じがした。
手の届かない星空。
今にも落ちてきそうな星空。
のぶんくんのお願いは、星空のように届かないものではなく、ちいさなちいさなものだ。
だけど、だけど……。
どれだけ待てばいいのだろう?
小さな体に、時間は何倍もの、何十倍もの悪意を持って、圧し掛かってきていた。
Tweet |
|
|
1
|
0
|
追加するフォルダを選択
タイムトラベルSF小説
ノーテンキなママの第二話
続きを表示