No.1153365

英雄伝説~黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達~

soranoさん

第52話

2024-10-02 10:57:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:690   閲覧ユーザー数:649

 

 

~アルジュメイラホテル・最上階・受賞式会場~

 

「は、疾(はや)い…………っ!」

「何なんだ、あのローブ野郎は!?」

「ルファディエル様がそちらの方に対して呼んだ”名前”に、かの”大英雄”と同じ得物でもある”太刀”の使い手にして先程の超高速の剣技。まさか彼はかつて”クロスベルの英雄”とも謳われた――――――!」

「ったく、まさかアンタまで”キリングベア”のように”司法取引”をして”エースキラー”のメンバーになっていたとはな――――――”風の剣聖”アリオス・マクレイン!!」

ローブの男が見せた凄まじい疾さと強さにフェリとアーロンが驚いている中、ローブの男の正体に気づいたリゼットは驚きの表情を浮かべ、苦笑を浮かべたヴァンがローブの男――――――アリオスの正体を口にしたその時アリオスはローブを脱ぎ捨てて姿を顕わにした!

「か、”風の剣聖”…………?”灰の剣聖”という異名で有名なシュバルツァー総督の異名に似ていますが、もしかして…………!」

「ああ。”灰の剣聖”もそうだが、”剣迅”とも同門――――――”八葉一刀流”の”皆伝者”の一人にして、かつてSランク正遊撃士の最有力候補でもあった元A級正遊撃士だ。」

「ハアッ!?――――――って、ちょっと待って!確か”風の剣聖”って4年前の”クロスベル異変”の”主犯”の一人で、異変後は逮捕されたって聞いているわよ…………!?」

「先程ヴァンさんは”司法取引”と言っていたから、恐らくアルマータの壊滅の為には彼の力も必要と判断したクロスベル政府や皇家が彼と”司法取引”をして、彼もエースキラーの一員として加えたのじゃないかしら?」

「改めて思ったけどエースキラーの面々って、本当に豪華な面子ね…………そういえばそちらの女性もエースキラーなのかしら?」

驚きの表情で呟いたアニエスの疑問に答えたヴァンの説明を聞いて困惑の表情で声を上げたグリムキャッツの疑問にマルティーナは自身の推測で答え、ユエファは苦笑した後ルクレツィアに視線を向けて訊ねた。

 

「またまた正解やぁ。傭兵のルクレツィア・イスレどすえ。昔の二つ名――――――”黄金蝶”とも呼ばれているでぇ。”裏解決屋”のお兄はんとは3年前の”親睦会”以来やけど、助手の子達共々改めてよろしゅうなぁ。」

「え――――――」

「あの見るからに怪しい女もテメェの知り合いなのかよ!?」

「ああ。チョウ同様、あまり知り合いたくなかった口だがな。」

(”黄金蝶”…………なるほど、彼女がメンフィル・クロスベル連合によって滅ぼされたかの結社の。)

ユエファの疑問に対して答えたルクレツィアは自己紹介をしてヴァンに声をかけ、ルクレツィアの口ぶりからヴァンとルクレツィアが知り合いの様子にアニエスは呆けた声を出し、困惑の表情で訊ねたアーロンの疑問にヴァンは苦笑しながら答え、リゼットは真剣な表情でルクレツィアを見つめた。

 

「だぁはっはっはっ!俺様達がまさに勢揃いの状況に立ち会ったテメェらは本当に運が良いぜ、裏解決屋(スプリガン)?」

「”仮面の紳士”さん達――――――”エースキラーが勢揃い”という事は…………」

「この場にいる面々が”クロスベル側のエースキラーのフルメンバー”という事を指し示しているかと。」

「”中央”の二つ名持ちのエリート刑事に”キリングベア”、”暴君”に”銀”、更には”風の剣聖”と元執行者とかカオス過ぎんだろ…………クロスベルの面々だけでそんだけ混沌としているんだったら、メンフィルのエースキラーの面々もさぞ混沌とした面々なんじゃねぇか?」

豪快に笑った後ヴァンへと指摘したランドロスの指摘にアニエスは目を丸くし、リゼットは冷静な様子でロイド達を見回して推測を口にし、ヴァンは呆れた表情で溜息を吐いた後ある推測を口にした。

「いや、別に俺はエリートじゃないんですが………というか、そういうことは俺達を選出した陛下達に言ってください。」

「あはは………………何にしても”向こう”も何とかなったようですし、後は私達だけですね。」

「あ…………」

疲れた表情で呟いたロイドの様子に苦笑したリーシャは映像に映っているパレードに視線を向けて呟き、リーシャの言葉を聞いてパレードの様子を見つめたアニエスは呆けた声を出した。

 

少し前――――

 

~サルバッド市内~

 

少し前パレードカーの舞台で”踊り”の対決をしていた姉妹だったが、踊りの最中にゲネシスによる黄金の力が途絶えた事でシャヒーナの仮面に罅が入った瞬間仮面は割れた。

「―――――ぁ――――――」

「シャヒーナ…………!」

仮面が割れたシャヒーナは呆けた様子で崩れ落ち、シャヒーナの様子に気づいたサァラは踊りを中断して崩れ落ちたシャヒーナを抱きとめた。

「あ、あれ…………?」

「俺達、一体…………?」

仮面が割れたシャヒーナに続くように黄金の力が消滅した住民や観光客達は正気に戻った。

「シャヒーナ、大丈夫…………!?」

「…………お姉…………あ、あたし…………あたし、なんてことを…………!お母さんから受け継いだ踊りで…………サルバッドのみんなを――――――!!」

仮面が割れた事で我に返ったシャヒーナは仮面に操られていた自分の所業を思い出し、辛そうな表情で声を上げた。

「―――――しっかりしなさい、シャヒーナ!舞台を降りるのはまだ早いわ。まだパレードは終わってないもの。最後までやり切りましょう――――――沢山の人が後押ししてくれた私達の”これからの”踊りを。」

「…………お姉…………」

サァラの言葉で今自分が成すべき事に気づいたシャヒーナは舞台でサァラと共に踊りを始め

「…………おお…………」

「…………みんなの心が…………」

二人の踊りを目にした俳優や女優は驚いたり、観客達が二人の踊りに集中し始めていることに気づいた。

「…………ねーちゃんたち、頑張れーっ!」

サルバッドの住民であり、姉妹とも仲が良い子供の一人がサァラとシャヒーナに応援の言葉をかけた。

「さあ――――――ご覧の皆さんも!」

「せっかくの映画祭、このまま最後まで楽しもうっ…………!」

姉妹の呼びかけに答えるように俳優や女優達は踊りを、観客達は拍手や俳優達のように踊りを始めた。

 

「やれやれ、凄いね…………」

「フフ、そうだね。でも、何とかなったようで何よりだね♪」

パレードカーから降りてパレードの様子を確認したフィーとアネラスはそれぞれ安堵の表情を浮かべた。そこにダスワニ警部達がメンフィル帝国軍と共に到着したが、事態が既に収まっていることに気づくとダスワニ警部達は警備を再開し、メンフィル帝国軍は撤収を始めた。

「うわあああっ…………!スクープ間違いなしですよぉっ!!」

「ま、GIDに加えてメンフィル帝国軍まで介入してるから何らかの情報規制はありそうだけど。」

「ああ――――――だが少しくらいはこの”熱”を届けられるだろう。」

マリエルははしゃぎながらパレードの様子の写真を撮り続け、ベルモッティの推測にディンゴは頷いた後口元に笑みを浮かべた。

 

~アルジュメイラホテル・最上階・受賞式会場~

 

「マアアアアアアアベラス!!ワシの思い描いていた以上のパレードじゃああっ!!」

「凄いですね…………」

「…………ええ、本当に。”生のステージ”か…………彼女も…………」

映像に映るパレードの様子を目にしたゴッチ監督は興奮し、呆けた様子でパレードを見つめて呟いたニナの感想にグリムキャッツは同意した後リーシャを見つめた。

「え…………?」

「ううん――――――って近いわよ!?」

グリムキャッツの独り言の一部が聞こえたニナは不思議そうな表情でグリムキャッツを見つめ、ニナに見つめられたグリムキャッツは答えを誤魔化した後自分とニナの距離が近いことに焦った様子で指摘した。

「すみません。でも、できれば手当を――――――」

グリムキャッツの指摘に謝罪したニナは手当を申し出た。

 

「”暴君”と”黄金蝶”に加えて”風の剣聖”の加勢には驚いたが…………何にしてもテメェらにとっては最悪の状況に陥っちまったようだな、アルマータ?」

「そちらは満身創痍の状態であることに加えて、こちらは万全状態かつ圧倒的人数差による優位もありますし、”ゲネシス”も奪還しました。もはや今の貴方達に戦況を覆すことはできません!」

「ハッ、どうやら年貢の納め時が来たようじゃねぇか。」

「武器を捨てて大人しく投降しろ――――――さもなければ次は頭を撃つ。」

「あたし達の為にも逃げるような面倒なことはせず、大人しく捕まってね~?」

ロイド達を見回した後ヴァンは真剣な表情でジェラールとメルキオルを睨んで指摘し、フェリはジェラールとメルキオルに宣言し、アーロンは不敵な笑みを浮かべ、ラヴィはジェラールとメルキオルにそれぞれ銃口を向けながら投降を促し、イセリアは口元に笑みを浮かべながらも目は真剣でジェラールとメルキオルの動きに警戒しながらラヴィのように両手に持つ銃をそれぞれジェラールとメルキオルに向けていた。

 

「投降?逃げる?――――――何を言っている?」

対するジェラールは満身創痍の状態でありながらも余裕の笑みを浮かべてヴァン達に指摘した。するとプロペラの音が聞こえた後ジェラールとメルキオルの背後に飛行艇が姿を現した!

「何ぃっ!?」

「いけない――――――皆さん!!」

「下がれっ…………!!」

「シャードによる防御フィールドを展開しろっ!!」

飛行艇の登場にガルシアは驚きの声を上げ、次に何が起こるかを察したリゼットとヴァン、アリオスはそれぞれ警告した。すると飛行艇からガトリング砲が現れてヴァン達目掛けて怒涛の銃撃を放ち始め、放たれた銃弾は易々とガラスを割ってヴァン達に襲ったがヴァン達はそれぞれのザイファによる防御フィールドを展開して自分達に襲い掛かる銃弾を防いでいた。

「きゃあああああっ!?」

「ぬおおおおおおおっ!?」

グリムキャッツが展開した防御フィールドに守られているニナとゴッチ監督は防御フィールドに守られているとはいえ、間近に迫る銃弾や防御フィールドに銃弾がぶつかった際に起こった衝撃に思わず悲鳴を上げた。一方銃撃を行っていた飛行艇はヴァン達だけでなくメルキオルにも放ち

「うわっと~っ!?」

襲い掛かる銃弾をメルキオルは軽やかな動作で回避していた。

 

「め、滅茶苦茶じゃない…………!!」

銃撃が終わるとグリムキャッツは思わず声を上げ

「ああ、いたのかいメルキオル?うっかり巻き込むところだったねェ。」

「うふふ、気にしないでよ!スリルは大好きだからさぁ、僕♪」

飛行艇の甲板にいるヴィオーラの言葉に対してメルキオルが呑気な様子で答えるとヴィオーラは厳しい表情を浮かべた。

「…………メルキオル。やはり無用に挑発的ですね。」

「まあ、彼女にも問題はある。じゃれ合っているだけだろう。」

「ふざけんじゃないよっ!!」

そして人形使いの娘とアレクサンドルの会話を聞いたヴィオーラは厳しい表情で二人に反論した。一方ラヴィとイセリアは初対面の人形使いの娘がアルマータの幹部であるヴィオーラとアレクサンドルと共にいる事から人形使いの娘もアルマータの幹部である可能性に気づいていた為、互いに視線を交わした後人形使いの娘の写真を撮った。

 

「…………てめぇらは………」

「あ、あの人形使いも…………」

アレクサンドルとヴィオーラを目にしたアーロンは厳しい表情を浮かべ、アニエスは不安そうな表情で人形使いの娘を見つめた。そしてジェラールとメルキオルは飛行艇に向かい始め

「っ…………行かせないっ!」

「ちいっ…………!」

それを目にしたフェリはアーロンと共にジェラールとメルキオルに向かったが飛行艇による牽制射撃によって阻まれた。

「くっ…………まさかあんな物まで保有しているなんて…………!」

「当たって欲しくなかった予想が当たってしまったようね…………」

「マティ、高位の天使の貴女やメイヴィスレインなら高位の魔術で飛行艇を撃ち落とせるのじゃないかしら?」

「やろうと思えばできるけど…………場所が悪すぎるわ。」

「ええ。この場で撃墜等すれば、市内が大惨事になることが目に見えています。」

ロイドは唇を噛み締めて悔しそうな表情で飛行艇を睨み、ルファディエルは真剣な表情で呟き、ユエファの疑問にマルティーナは複雑そうな表情で答え、マルティーナの言葉に頷いたメイヴィスレインは目の前に敵がいながら逃がすしかない状況に僅かに不愉快そうな表情を浮かべてマルティーナの答えを補足した。

 

「チャオ、さすがに今回はちょっと焦ったよ♪」

「つくづく縁があるようだ――――――また、会うこともあるだろう。そしてエースキラーよ、”お前たちの話を聞かされた俺達が公太子に危害を加えるように罠を張って”俺とメルキオルを追い詰めたことには素直に称賛してやろう。」

メルキオルとジェラールはそれぞれヴァン達に声をかけた後跳躍して飛行艇の甲板に着地した。

「待て…………!最後に一つだけ聞かせろ!お前ら――――――どこまでやるつもりだ?」

それを目にしたヴァンは窓際まで走り、ジェラールに問いかけた。

「決まっているだろう、裏解決屋(スプリガン)。――――――”どこまでも”だ。」

そしてヴァンの問いかけにジェラールが答えた後ジェラール達を乗せた飛行艇はステルス状態になり、飛び去って行った。

 

「最新鋭のステルス艇…………あんな代物まで使ってるとはな。」

「ええ――――――まだ市場に出回っていないタイプです。」

「あ~あ、”貢献ポイント”を一気に140ポイントも稼ぐ絶好のチャンスだったのに、まさか逃がしちゃうなんてね~。というかマフィアが軍用飛行艇――――――それも最新のステルス艇を所有しているなんて、予想外過ぎよ…………」

「…………次は絶対逃がさない。」

ヴァンの言葉にリゼットが答え、ジェラール達を逃がしたことにイセリアは残念がり、ラヴィが決意の表情を浮かべて呟いたその時パトカーのサイレン音が聞こえてきた。

「ヤバッ…………!あ、あたしはこれで失礼するわ!後の事は任せたわよ、それじゃっ!」

「あっ、手当てがまだ――――――」

サイレン音を聞いたグリムキャッツは焦った様子でニナの制止の声を無視して割れている窓から姿を消しながら飛び降りた。

「…………行っちまったか。」

「ちょっと水臭いような…………」

グリムキャッツが去って行った後ヴァンとフェリはそれぞれ苦笑を浮かべたその時焦った様子のジュディスがその場に駆け付けた。

「ハアハア…………ニナ、無事っ…………!?」

「オイオイ…………」

「あはは………………」

去って行った後即座に現れたジュディスにアーロンは呆れ、アーロン達同様グリムキャッツの正体に気づいていたアニエスは苦笑していた。

「ジュディス先輩…………!よかった、はぐれてからずっと心配して―――――!凄く消耗してるみたい…………大丈夫ですか!?」

「せえはあ、平気よ平気…………ずっと逃げ回ってただけだから…………」

「えっと、リーシャ。グリムキャッツの正体ってもしかしなくても…………」

「あはは………………さすがにロイドさんやルファディエルさんは誤魔化せないと思っていました。」

「クク、遊撃士の頃共和国にも出張していたテメェも気づいていたんじゃねぇのか?」

「…………俺だけでなく一部の遊撃士達も気づいている。最も”彼女”の”標的”の関係上遊撃士(おれたち)が動くことはなかったし、今後も”民間人”に手を出しさえしなければギルド自らがわざわざ取り締まる事はないだろうがな。」

「フフ、”怪盗紳士”はんが自分と同じ”怪盗”を名乗っている”彼女”の事を知ったらどんな反応をするやろなぁ?」

「…………少なくてもろくでもないことになることは間違いないでしょうね。」

「クク、同じ仮面で正体を隠す者同士として、機会があれば正体を隠す方法を教えてやった方がいいかもしれないなぁ。」

一方ニナはジュディスの登場に驚いた後消耗している様子のジュディスを心配し、状況から察してグリムキャッツの正体がジュディスであることに気づいたロイドは気まずそうな表情を浮かべてジュディスに視線を向けた後リーシャに確認し、確認されたリーシャは苦笑し、口元に笑みを浮かべたガルシアの問いかけにアリオスはジュディスに視線を向けて苦笑しながら答え、呑気な様子である予想をしているルクレツィアの疑問にルファディエルは疲れた表情で指摘し、ランドロスは口元に笑みを浮かべてジュディスを見つめていた。

 

「ジュディス君、見たかねっ!?あの”生グリムキャッツ”をっ…………!あれぞまさにセクシー&スペクタル!!ワシの108ある理想形の一つと言えようっ!ぬおおおっ、こうしちゃおれんっ!ラムのヤツに勝つための作品作りをっ…………!」

「あはは……………さすがはゴッチ監督…………」

「ま、まあ煩悩の数はさておき負けん気は見習いたいかもね…………」

興奮した様子でグリムキャッツの事を語るゴッチ監督の様子にニナとジュディスはそれぞれ苦笑していた。一方その様子を苦笑しながら見守っていたアニエスだったが倒れているシェリド公太子やナージェ、ゲネシスと薬物汚染による暴徒化を思い返して複雑そうな表情を浮かべて回収したゲネシスを見つめた。

(…………今回もとんでもない事に…………曾お祖父ちゃん…………お母さんにお祖母ちゃんも…………)

「ま、それぞれ思う所はあんだろう。だが依頼人も全員無事――――――かは微妙だが、何とか”落とし前”には持って行けた。臨時ボーナスも入りそうだし、よくやった――――――全員及第点をやるよ。」

回収したゲネシスを見つめたアニエスがゲネシスの事についての日記を託した家族の事を想っているとアニエスの頭に軽く手を置いたヴァンが指摘した後アニエスを含めた”助手”達に称賛の言葉を贈った。

 

「あ…………」

「…………えへへ…………」

「へっ…………てめぇごときに採点しきれる器じゃねえっつの。」

ヴァンの称賛にアニエスは呆け、フェリは無邪気な笑みを浮かべ、アーロンは鼻を鳴らして口元に笑みを浮かべた。

「…………ふふ、これにして今回の”出向”も終わりですね。お疲れさまでした――――――ヴァン様、皆様がたも。」

ヴァン達の様子を微笑ましそうに見つめたリゼットはヴァン達に労いの言葉をかけた。

「ああ…………つうかお前さんもな。」

「―――――リゼットさん、本当にありがとうございました。細やかな気遣いにサポート…………ヴァンさんの危機も救ってくれましたし。」

「すっごく心強かったですっ!」

「つうかマジで所長と入れ替えた方が上手く回るんじゃねーか?」

「―――――ってオイ!まあ俺もそう思わんでもねぇが…………」

「こちらこそ――――――良い経験をさせて頂きました。」

こうして…………波乱に満ちたサルバッドでの”出張業務”は無事に終える事ができた――――――

 

 


 
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