ある日の風天中学校……。

 

「ぶえっくしっっっ!!!」

いきなり猛烈なくしゃみをしたのは宮本久司。

 

「あー、なんやえらいくしゃみしとるな自分。大丈夫かぁ?」

「もしかして花粉症?」

その様子を見ていた天満橋テムナと飯田橋ミウが声をかける。

 

「じ、実はそうなんだ……」

鼻をかむ久司。

その様子を見ていた大鳳翔子とメル・レトリバーは……。

「あー……わかるなぁそれ。ちょうど花粉のつらい時期だもんね」

「もう戦闘中もくしゃみしっぱなしでカッコつかなかったわよ……」

 

と、そこへ。

「うーん、わかるようなわからんような……」

「あ、瑞香ちゃん」

やってきたのはスライム娘の池野瑞香。

「瑞香ちゃんも花粉症とかあるの?」

「ほら、私の身体ッてスライムだからさ……全身が粘膜みたいなもんなの。だからもう全身めちゃくちゃ痒いし体の形保てないしでつらいのなんのって」

「そういえば由羅とか麗子は?」

 

ミウに名前を呼ばれたゾンビ娘の津島由羅、幽霊娘の児玉麗子が答える。

「あたしはゾンビだから花粉症とかそういうのないなー。一度死んでるしね」

「私も幽霊だから花粉症の悩みとかないなー……生前は散々悩まされたけどww」

 

「せやったらドラゴ郎とかゆかりんとか、鈴菜も花粉症の悩みとか無縁なんとちゃう?マシーナリーやし」

「いや、それがさぁ……」

頭をかきむしるしぐさをしながら、ドラゴ郎こと龍野吾郎が答える。

 

「花粉って微粒子なわけなんだけど、鼻とか喉の奥のフィルターに詰まるんだよね。もう掃除が大変だし、かといって冷却性能が落ちるから放っておくわけにもいかないってのがなぁ……」

それに続くのは奥沢由香利と仙川鈴菜。

「ロボにはロボの悩みってものがあるのよホント」

「そうそう……視覚センサーにも異物が付着するし視界が悪くなるったら」

そんな中、アンネ・フライベルクが何かに気付いた。

「あれ、そういえば光太郎君とおれなちゃんは?」

それを聞いたドラゴ郎がはっとする。

「……そういえばおれなちゃんは花粉症だったんだよね……?」

さらにそれを聞いたメルが戦慄する。

「くしゃみの衝撃で光太郎君もろとも別次元に行っちゃったとか!?」

 

「いや、いくらおれなでもしょっちゅう別次元に行くことは……」

「いや、おれなちゃんならありえる……しょっちゅう特異点発生させてるから」

あきれ顔で答える由羅に、麗子がツッコミを入れる。

その様子を見てミウが一言。

 

「まったくどこ行っちゃったのよあの二人!」

その頃の光太郎とおれなはというと……。

 

「……江戸時代かと思ったら古代エジプト。かと思えば1970年代。今度はどこへ行くんだろう……?」

「はっ、はっ、はっくしょんっ!!」

「あっ、また……!!」

 

と、こんな具合で時空のはざまをさまよっていたのでありました。


 
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