仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第8章 前編 迫り来る死
劉備軍を退け、どのくらいかの時が流れた。その間に馬騰達の西涼との戦いがあり、
その戦いは華琳の勝利で終わったが、馬騰は病などのことがあり、自害。その時の華琳は少し寂しそうな顔をした。
馬騰の子、馬超は従姉妹の馬岱と共に劉備が治めるようになった国、蜀へと向かったそうだ。
そして会議が開かれた。
「そう。劉備は益州の周りを次々と取り込んでいるのね」
「はい。荊州も大半は我々が抑えていますし、益州の一部も先日の反撃で手に入れましたが、それが諸侯の反感を買ったようで、黄忠や厳顔、魏延といった主要な将は、劉備に降ったと」
「黄忠か」
「黄忠がどうかしたの? 一刀」
「確かに黄忠は弓の名手として名高いが、他の厳顔たちと比べて、殊に警戒すべき相手と言うわけでもないと思うぞ?」
「気にしないで、続けてくれ」
一刀は黄忠が劉備の元に言ったことで蜀の五虎将軍が揃ったことを気にしているのだ。
(かといって華琳には俺の知ってる歴史は話すなと言われてるからな。言いたくてもに言えんだろ)
「それで今劉備は? 私達に奪われた領を取り返そうとはしていないようだけれど…」
「南蛮の連中と戦っているとの事です。既に何度か大きな激突があり、そのたびに劉備の側が南蛮を打ち破っているとか」
(南蛮夷平定戦か…。だがあれは劉備の死んだ後だぞ)
一刀が該当する戦いを思い出すが、それは西涼との戦いの後であるが赤壁の戦いはまだやっておらず、
ましてや南蛮平定は劉備の死後に行われるものだが、その時期が早いことを知る。
(この世界は起こる戦いの順番がバラバラになってるのか)
劉備の話を終えて、次は孫策の話をすると孫策は袁術に奪われていた江東の自領を制圧し、周辺の袁家筋の豪族と戦っているとの事。
そして軍師達が自分達の意見を述べ、結果としては稟の意見が採用され、相手が同盟を組んで一緒に攻めるまで、力を蓄えて待機する方針になった。
一刀は会議を終えるとすぐに街に出ていた。
「ふう、この世界は何なんだろうな…」
会議で聞いた事を一刀は空を眺めながら考えていると季衣がやってきた。
どうやら季衣は秋蘭と流琉が劉備軍が国境辺りで何かしているので偵察に行くことになり、
流琉達が帰ってきたら肉料理を作るとの事で買い出しにきたのだ。
一刀が季衣が持っている荷物を少し持とうとする時、二人の前には興行から帰ってきた天和と地和がいた。
「おーい、天和、地和ー!」
「馬鹿! 何大きな声出してるのよ! 周りに気づかれちゃうでしょ!」
「わるいわるい、けどいつ帰ってきたんだ?」
「さっき帰ってきたばかりなんだよ」
「人和がいないみたいだけど報告?」
「ええ、華琳様の所に行ってるわ。だから私達とは別行動」
「何か、頑張ってるみたいだな。軍への参加希望も凄いって」
「華琳様が頑張ってるおかげで、旅して回れる所も増えたしね。また明日からは来たに行くことになってるし、休む暇もないわ」
「そうか…、体壊さないように無理せずに頑張れよ」
そんな二人に励ましの言葉を送っていると今度は霞が来た。
霞は南で偵察をしていて帰りに天和達と会ったそうだ。
「そういえば、季衣、秋蘭と流琉はどこに行ったんだ?」
「ええっと、確か定軍山……かな」
その「定軍山」という言葉を聞いて一刀の顔は一気に青ざめた。
「それは本当か!?」
「兄ちゃんどうしたの!?」
一刀が季衣に詰め寄る!
「くそったれ! 何で誰も止めなかったんだ! 早く秋蘭を止めないとまず……」
一刀は突然倒れた。
「一刀! どうしたの!?」
「一刀!」
「兄ちゃん!」
(これはいったいどういうこと………)
一刀の意識が途絶える。
そのとき一瞬だが、一刀の腰には金色に光るベルトが現れたが、一瞬で消えたのだった。
小休止
一刀「俺、倒れたけど大丈夫なのか」
作者「さぁね~」
一刀「そんな返事はやめてくれ」
作者「どうなるかは己次第」
一刀「いや、お前が書いてるならお前次第だろ」
作者「続きをどうぞ」
仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第8章 後編 覚醒めよ、その魂!
「ここは……」
一刀が目を覚ますと、そこは一刀の部屋の天井。そして隣には華琳がいた。
「季衣達が運んだのよ。何かあなたの腰に金色に光るベルトが一瞬だけ出てたって聞いたけど」
(金色に光って、体内に入るもの……。あれのことか?)
「いったいどうしたの? 体は丈夫だと思ったのに」
「分からんが、俺が倒れてどのくらい経った!?」
「二日よ」
「まずい、早く秋蘭の所に行かないと……」
一刀が病み上がりでベットから起きようとすると華琳が止める。
「秋蘭がどうしたの?」
「すぐに兵を出せ!」
「何よ、いきなり?」
「定軍山は罠だ、このままだと秋蘭が死ぬ!」
「どういう事?」
「俺の世界の歴史だと……定軍山で夏侯淵は黄忠に殺される。……そうなってるんだ」
「秋蘭が……まさか、ありえないわ」
「俺はこんな言葉を聞いたことがある。『ありえないことなんてありえない』もし本当に秋蘭が死んだら……ぐっ…」
一刀はいつも以上に疲れというか何かが一刀を襲っているように一刀は感じていた。
華琳は一刀をベットに寝かせて、話を勝手に聞いていた春蘭と季衣は既に飛び出して行き、桂花は凪達に軍の準備をする。
しかし一刀は不安があった。いくら華琳達が早く動いても二日という差がある。馬が速くても馬は疲れる。
なら自分がバイクで行くしかないと考え、一刀は部屋を抜け出し、ブルースペイダーの置いてある場所に向かうとそこには桂花がいた。
「あんた、私の計算が信じられないって言うの?」
「そうじゃないが、どうしても不安が残ってるから自分で取り除きに行くだけだ」
「あんた、そんな病み上がりの体で行ったら死ぬわよ」
「ふん、仮面ライダーは死なないさ。俺は何があっても行くぜ」
一刀の目には何があっても行くという覚悟を秘めた何かが映っているのを桂花は気づいた。
「いいわよ、死んでも知らないから」
「悪いな…」
桂花はバイクの前から退くと、一刀はブルースペイダーに乗り込み、城を出た。
「…………馬鹿……」
桂花は出て行く一刀に向けてそう独り言を言った。
翌日、定軍山では秋蘭と流琉が黄忠、馬超、馬岱の奇襲を受けてしまい、部隊が半分いるかいないかになっていた。
「たった一晩でこのざまか。それとも、この手勢でよく保ったと言うべきか…」
「敵がいなければ、探して回りたいですけど……」
「こういう時の訓練も受けさせている。敵に囚われたのでなければ、上手くやるだろうさ」
「……ですね」
「いたぞ! 夏侯淵だ!」
そうしているうちに劉備軍の兵達が秋蘭達を見つけてしまった。
「ちっ!」
秋蘭はひとまず叫んだ敵兵を倒し、皆に急ぐよう指示する。
「もはや森の中を逃げ回っても埒が開かんな…」
「なら、出ますか?」
「仕方あるまい!」
秋蘭達は森を出ようとするが、敵兵達の待ち伏せを受ける。
「総員、止まるな! 駆け抜けろ!」
「させないよ! でやあああああああああ!」
「きゃあ!」
馬岱がその道を阻み、流琉をひるませる。
「流琉! ちっ!」
秋蘭は自分に弓が向けられていることに気づき、急いで矢を回避。
お返しとばかり敵に向けるが、その矢は撃ち落とされた。
「私が外した? いや、撃ち落とされたか!」
「良い判断ね。止まっていたなら、私達が全員に射抜いていた所よ」
「その弓の腕……そうか。貴様が……」
秋蘭の前に秋蘭の鬼門とされる黄忠が現れる。
「ええ、初めまして、になるのかしら?」
「そうだな。だが名前は聞いているぞ……黄漢升」
「こちらこそ、弓の名手として名は聞いているわよ。夏侯妙才」
「ならば、どちらが大陸一か……」
「ええ。勝負………と言いたいところだけど、残念。今日は一番を競いに来たのではないの」
「やれやれ。時間稼ぎは無理か」
秋蘭の考えは黄忠に見破られていたのだ。
「あなたたちより、少しだけ経験を積んでるのよね。はっ!」
「くっ!」
二人の弓合戦が始まってしまった。しかも状況的には秋蘭が不利である。
「秋蘭様!」
流琉が秋蘭の身を案じる。
「流琉! 目の前の敵に集中しろ!」
「はい!」
「それは貴方も同じでしょう! 翠ちゃん!」
黄忠の声と共に伏せていた馬超が秋蘭の横から現れた。
「夏侯淵! はあああああああああああ!」
秋蘭は回避が間に合わない!
「なっ!」
「秋蘭様!」
「はあああああああああああああああああああああああああ!!!!」
馬超の槍が秋蘭に届く一歩手前に何かの影が馬超の前を横切った!
その影が消えると同時に馬超の槍の先端が完全に壊されていた。
「なっ!」
「え?」
「……な……」
皆が突然の事で驚く。皆が馬超の横に通り過ぎた影の正体があるのに気づいてそれを見る。
そこにいたのは……仮面ライダーアギト!
そう、馬超の槍はアギトのキックにより破壊されたのだった。
「お前は?」
「誰?」
秋蘭も流琉も突然の乱入者に驚く。
そしてすぐに春蘭と季衣もやってきた。
「流琉、大丈夫!?」
「季衣!」
「姉者…どうして、ここに!」
秋蘭達にとってはアギトもそうだが、それ以上に春蘭達が来たことに驚きがあった。
「なるほど…これが劉備の戦い方と言うわけか」
春蘭が剣を構えると同時にアギトもフレイムセイバーを取り出し、グランドフォームからフレイムフォームにチェンジした。
「貴様らぁっ! 武人としての恥を知れいっ!」
春蘭とアギトのダブル峰撃ちにより馬超は大ダメージを受けた。
「がはっ!」
「翠ちゃん!」
「甘い!」
黄忠が馬超に気を取られている隙に秋蘭が矢を射る。
「くっ」
「まだまだ!」
秋蘭はさらに矢を射る。その精度は先ほどとは比べ物にならないほど上がっていた。
「さっきより、精度が…?」
「ふっ…姉者が前を固めてくれるのだ。今の私に、貴公に負ける理由は無いぞ? 黄漢升!」
その時劉備軍の兵がやって来て、華琳の軍が自分達が取り囲んできていることを報告する。
黄忠達は撤退し、春蘭が追撃の命令を送る。
「ふぅ…」
「姉者」
「春蘭様! 季衣!」
「待たせたな…秋ら…」
「馬鹿者!」
秋蘭が言った言葉はお礼ではなく怒り。
「へっ!?」
「はぁっ!? それが、危機を救ってやった姉に言う言葉か、秋蘭!」
「当たり前だ馬鹿姉者! もしあいつよりも先に馬超を止めたとしてもあんな無茶な突撃でせっかく北郷が助けてくれた目に矢が当たったらどうするつもりだったのだ! 少しは己の身を省みろ!」
「その時は、お前が私の目になってくれれば良いではないか」
「……」
その言葉に秋蘭は返す言葉が無くなった。
「それでお前の命が救えるのなら、華琳様も喜んでくださるさ」
「馬鹿を言うな!」
「そうですよね、華琳様!」
「え?」
春蘭の言葉と同時に華琳が来た。
「ええ、けれど、秋蘭の言うことももっともよ。もっと己の身を大事になさい、春蘭」
「か、華琳様……」
「お、二人とも無事やったんやな!」
今度は霞が来た。
「霞まで! 華琳様、この事態は……一体?」
「一刀が、貴方の危機だと教えてくれたのよ。帰ったら、よく礼を言っておきなさい」
「その必要は無いよ」
それまで声を発していなかったアギトが声を出す。
「ところでお前は?」
秋蘭が尋ねると、アギトの体は光だし、姿が変わる。そこにいたのは何を隠そう北郷一刀その人だった。
「「一刀!?」」
「「北郷!?」」
「兄ちゃん!?」
「兄さま!?」
その場にいた全員が一刀の存在に驚く。
「一刀、あなた何故……」
「どうしても不安が残ってたからな。心配になったから自分で来た」
「でもあの姿は見たこと無いよ」
「ああ、あれは新しい力、仮面ライダーアギトだ」
一刀がアギトに対する簡単な説明をした。
「なるほど、つまりブレイドやカブトと違って道具なしで変身できるのね」
「ああ、バイクでこっちに来てる最中、変身ベルトを思いっきり忘れちまってな。
だけど季衣が華琳に教えてくれたおかげで、俺がアギトに変身できることに気づいたんだ。ありがとう」
「えへへ…」
「だがどうやってお前はあの蹴りを繰り出したんだ?」
「今はいつものブルースペイダーだけど、アギトに変身している時は『マシントルネイダー』ってのに変わってね。
そんでスライダーモードって言う特殊な形態に変形できて、そこからキックしたんだよ」
「……よくわからんな」
春蘭が頭を抱える。
「まあ無理は無い……さ……」
一刀が膝をつく。
「一刀!」
「少し無理しちまったな。この後戦闘があるんだったら俺は参加できないからな…」
「ええ、わかったわ。今は休みなさい」
一刀は急いで華琳の本隊に送られ、看護された。
その後何とか定軍山から劉備軍を追い払い、華琳達は城に帰っていった。
そんな中一刀は考える。
(これであの占い師の言うとおり、カブトとアギトの力を手に入れた。
だが最後の言葉の意味がまだわからない……)
おまけ
作者「さてさてどうかな? 仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第8章」
一刀「重要な話ってこれの事か…」
作者「まあな。まあネタバレってのは実はアギトのことだったんだけどな」
一刀「という事はそのクリスマスネタにアギトが出るって事か?」
作者「そのとおり、今あと少しのところまで書いているのさ」
一刀「すごくギリギリだな」
作者「とりあえずは今日中には完成させて投稿しようと思ってるからな」
一刀「しかし確認はしないのかよ?」
作者「まあ本当は最低でも一日寝かせたほうが良いって聞くけど、もう最後の部分を少し書くだけから大丈夫だと思う」
一刀「本当に大丈夫か?」
作者「まあ変だと思ったら修正すればいいし、変なところはコメントとかで意見を貰えばいいかと思ってる」
一刀「人に頼るなよ」
作者「いやいや、人に頼らんとダメな時もあるって事だよ。とりあえず投稿するのは夕方か夜かな。それではまた…」
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基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。そして今回の話で新しい仮面ライダーの力が出てきて、3つ全てが出揃います。
何なのかはご覧になるまでのお楽しみ。