No.1138568

精鋭なる横須賀艦隊

戸川さん

新たな仲間

艦娘の口癖や提督の呼び方が曖昧だったり、分からない艦娘がいるので間違っていてもご容赦ください

2024-02-13 02:32:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:104   閲覧ユーザー数:104

年が明けて数日。横須賀鎮守府では通常の運営を再開していた。もっとも戦力的観点から近海で水雷戦隊による遠征及びに重巡織り込んだ戦隊による深海棲艦の討伐が主であるが。以前では考えられない程軽い運用。しかも週休二日という人間の一般企業と変わらない運用になっていた。また、色々な艦娘同士が交流できるように配慮もされていた。いつも泰治郎が見送る時は、全員が泰治郎に傾注する。

 

「まだ寒いが今日もいい天気だ。遠征、出撃。どちらもそう難しくない近海での任務だか、油断するな。俺が出す命令はただ一つだけだ。全員、絶対死ぬな!生きて帰ってこい。以上だ。」

 

「了解!」

 

その言葉に艦娘が大きな声で応え敬礼をする。泰治郎も敬礼を帰す。艦娘達の艤装は、全員が明石の修理、改装を受けて新品のようだ。また妖精さん達も各艤装にたくさん。やる気も十分だ。

 

「提督、行ってきます。」

 

「ああ、阿武隈。第一遠征艦隊旗艦を任せたぞ」

 

「私達も行ってきますね、提督さん。」

 

「ああ、名取も第2遠征艦隊旗艦を任せた。」

 

「それじゃ提督、あたしらも行くぜ。近海をうろついているはぐれ艦共を討伐してくる」

 

「摩耶、みんな。気をつけてな」

 

泰治郎がみんなを見えなくなるまで見送り、帰ってくると母港で待つ泰治郎の姿。母港に帰ってくると一人一人の頭を撫でてお疲れ様と声を掛けてくれる。この安心感と嬉しさが艦娘達のモチベーションを大きくあげた。吹雪も、さっさと行け等と言われる事もなく、出迎えもなく、矢継ぎ早に次の出撃をさせられない事に嬉しさを感じた。工廠では明石が素早く、完璧に艤装を修理、改装してくれるので次回も万全で出撃ができた。このような恐らくだが、ここまで艦娘の事が第1になっている鎮守府や泊地、基地は横須賀以外には無いだろう。だが、そのような運営のおかげで横須賀の雰囲気はとても良くなり、常に何処かで笑い声が響いていた。

 

「おふろそうじおわったよー」

 

「どっくのおそうじも、おわりました。」

 

「ゆかがこわれていたのでなおしておきました」

 

「つぎのしゅうりばしよは、どこだみなのものわれにつづけ!」

 

それに比例して妖精さん達も増えてきた。泰治郎が知らない妖精さん達が壊れていても手付かずの所を次々と修復してくれているため助かっているが。そして、お礼に金平糖をあげると翌日にはさらに増えているのである。

 

鎮守府の運用には実働部隊である艦娘、修理や開発、維持、艤装能力十分に引き出すのに必要な妖精さんそしてそれらを統括する提督が必要だ。特に妖精さんは多ければ多いほど安泰、安定するのだ。かつて、何処かの泊地では妖精さんをぞんざいに扱いすぎて運営が傾きそのまま閉鎖されてしまった所があると聞いた事ある程だ。これは妖精さんの存在は鎮守府運営に必須である事を示していた。

 

「司令官さん。大本営より手紙が来ております。」

 

「大本営から?」

 

そう言い鳥海が持ってきた手紙を受け取り差出人を確認すると、それは永田司令長官であった。

 

「・・・」

 

(なんだ・・・:ものすごく嫌な予感がする・・・)

 

「あ、あの・・・司令官さん?」

 

「提督、どうかされましたか?」

 

手紙の差出人を見た瞬間固まった泰治郎を心配し大淀と鳥海が話しかけ、それによってようやく現実に戻ってきた泰治郎。

 

「はっ!何でもない。ただ嫌な内容な予感がしてな。大淀、すまんが代わりに読んでくれないか?」

 

「は、はぁ。わかりました。それでは、拝見させていただきますね。」

 

そう言い手紙を受け取り黙読した大淀は唖然としたまま固まった。

 

「あ、あの大淀さん?」

 

鳥海が話しかけると泰治郎が手紙を大淀の手から取り読むと大きな溜息を吐いた。

 

「ハァー・・・」

 

「あ、あの司令官さん?」

 

「読んでみろ。頭が痛くなってくるから」

 

「はぁ・・・拝見させていただきます。」

 

そう言い手紙を読み始めた鳥海も読み終わると唖然としていた。横須賀鎮守府の要である提督の泰治郎と秘書艦の大淀と鳥海を唖然とさせた手紙の内容とはなんだったのか?その内容は以下の通りである。

 

『少し遅れたが、新年あけましておめでとう。

年末に行った演習後の話を覚えているかい?横須賀は復興途中にあるから必要な物や物資があったら遠慮なく言えば協力すると約束した件だが、本日の夕方に最低でも6回は建造ができるだけの物資が着くように手配してある。それと、横須賀に艦娘を8人程異動させる事になってね。受け入れてくれると助かる。うち6人は君が知っている子達だが、2人は吹雪君がいた館山基地の提督が逮捕された際に保護し吹雪君の事を話したら吹雪君と同じ鎮守府勤務を希望した子達だ。まぁ、君の事だから上手くやると信じてるよ。後は、頼んだ。

艦隊司令長官 永田修一』

 

である。艦娘が異動してくる書類は届いおらずまた、いきなり8人も受け入れろ言われてすぐにはいわかりました。となるわけがない。

 

「あ、あのどうされますか?」

 

「空いてる部屋は?」

 

「現在は、寮があって無いような物ですので空きはあります。」

 

「大淀。到着したら執務室に連れて来てくれ。鳥海は、間宮にこの事を伝えてきてくれ。」

 

「「はっ!」」

 

(あのクソ親父!!ちゃんと書類を出すか、少し前に連絡ぐらいしろっての!)

 

泰治郎の内心は大いに荒れていた。

 

 

夕方。

 

遠征、出撃していた艦娘達も帰ってきてしばらくした頃横須賀鎮守府に1台の車が入ってきた。その車から降りてきた8人は出迎えた大淀に連れられ執務室へ向かった。

 

執務室

 

泰治郎は鳥海と共に来週の艦娘達の日程表を作成していた。

 

コンコン

 

ドアが叩かれた瞬間泰治郎は、頭が痛くなった気がした。一息吐いてから答える。

 

「入れ」

 

そう言った瞬間

 

「テイトク!バーニングラブ!」

 

「グエ・・・」

 

ドアを破壊する勢いで入ってきて飛びついてきた艦娘によって泰治郎は、後ろにひっくり返えると同時に潰されたかえるのような声が出た。

 

「し、司令官さん!?」

 

「て、提督!?大丈夫ですか!」

 

「・・・マジで死ぬかと思った・・・」

 

大淀と鳥海は急いで泰治郎に飛びついた艦娘を引き剥がした。

 

「相変わらずだな・・・金剛」

 

「当然ね!」

 

「金剛お姉様!何しているんですか!?」

 

「お姉様!」

 

「勝手は榛名が許しません!!」

 

「お前らも久しぶりだな。比叡、榛名、霧島」

 

「司令、お久しぶりです」

 

「提督、お元気そうで何よりです。それと金剛お姉様が申し訳ありません」

 

「司令、またお世話になります」

 

「こちらこそ。ここでも俺の参謀として、主力として頼むぞ。」

 

「感動の再会は後にしてよ、お兄ちゃん!」

 

「阿賀野姉ぇの言う通りです。」

 

「すまん。だが、おやっさんが阿賀野と能代を送り込んで来るとは、予想外だった。」

 

「私達も驚いたよ。」

 

「そうですよ。突然呼び出されたと思ったら、いきなり金剛さん達と白雪ちゃん達を連れて横須賀に異動しろですもん。」

 

「まあ、おやっさんらしいといえば、それまでだが今の横須賀としては2人も来てくれて嬉しいよ。これから期待してるからな。」

 

「任せてよお兄ちゃん!」

 

「お兄様の期待に応えて見せます。」

 

まさかの金剛達と妹に当たる阿賀野、能代が異動となった事に泰治郎は、予想以上に戦力強化ができたと確信した。

 

「あ、あの・・・」

 

「あぁ、君達が館山基地から来た吹雪の姉妹かな?」

 

「は、はい。吹雪型駆逐艦2番艦白雪と言います。」

 

「同じく、吹雪型駆逐艦5番艦叢雲よ」

 

「君達2人は自ら横須賀に来たいと言ったそうだがなぜだい?」

 

「姉妹の吹雪ちゃんが横須賀に異動したと司令長官から聞いたからです。」

 

「叢雲同じかな?」

 

「そうよ。それに、横須賀は、艦娘達にとって安心できる場所だって司令長官から聞いたからよ。」

 

「なるほど。安心しなさい。ここは館山とは違う。2人の部屋は吹雪と同じにしてある。金剛達も姉妹で1部屋使ってくれ、阿賀野と能代は赤城姉さんと明石と同じ部屋になっている。表向きはな」

 

泰治郎がそこまで言った時大淀が声をかけてきた。

 

「あ、あの提督?その方達とお知り合いですか?」

 

「ああ、阿賀野と能代は十傑に数えられる艦娘で俺の妹であり、赤城達とも姉妹だ。たとえ血が繋がってなくてもな。そして金剛達は、昔着任していた泊地の頃から付き合いだ。そうだ!なんでお前達がここにいるんだ異動してるんだ!?」

 

「実は提督が引退された後に榛名達と青葉さんは永田司令長官の艦隊に異動したんです」

 

「・・・それだけで納得出来た」

 

そこまで泰治郎が言うと鳥海は、その理由を察し少し驚いたように金剛達を見つめた。

 

「そうですか。なら、先程の態度も納得できます。」

 

大淀が言うと白雪が質問をしてきた。

 

「あ、あの先程表向きは、部屋割りがあると言っていましたけどどういう事でしょうか?」

 

「まさか、ここもブラック鎮守府って事はないでしょうね。」

 

「それは違うよ。部屋割りを決めても艦娘達が全員寝たい人と固まって寝るから寮はあって無いような物だから気にしなくて良いよ。ちなみに、吹雪は夕立達とよく寝ている姿を見るよ。」

 

「分かりました」

 

 

「さてと、そろそろ夕飯の時間だな。みんなに紹介するから着いて来てくれ」

 

そう言い泰治郎を先頭に食堂へついって行った。食堂には、大淀と鳥海、泰治郎をのぞく全員が集まっていた。泰治郎が正面に立つと全員が傾注する。

 

「みんな、普段ならすぐに夕飯になる訳だが、今日はみんなに紹介する人達がいる。」

 

「え、誰だろう?」

 

「もしかしてだけど、鳥海達が遅かったのはそのせいか?」

 

「ええ、その通りよ」

 

周りがザワザワしているのを鎮め話を続ける。

 

「本日付けでこの横須賀に着任する事になった。8人だ。入ってきてくれ。」

 

「金剛型戦艦1番艦。英国生まれの帰国子女金剛デース。みなさんよろしくネ」

 

「同じく2番艦。恋も戦いも負けません!比叡です。みなさんよろしくお願いします」

 

「同じく3番艦。榛名、全力で参ります!」

 

「同じく4番艦。艦隊の頭脳、霧島!」

 

「「「「我ら金剛型四姉妹(デース)」」」」

 

突然の事にあたりは泰治郎以外は呆然としていた。無理もない、突然入ってきたと思ったらこんなインパクトある自己紹介されるとは普通は、思わないだろ。

 

「おーい・・・面白いけど、周りの奴らが置いてきぼりくらってるぞ・・・」

 

「Oh!Sorryネ!」

 

「ハァー・・・お前ら戻ってこい」

 

それから5分程してようやく全員が現実に戻ってきた。

 

「金剛達ついては色々聞きたい事もあるだろうが、もう少し待ってくれ。次は軽巡の姉妹だ。入ってきてくれ。」

 

「こんにちはーっ!最新鋭軽巡洋艦の阿賀野でーす。」

 

「阿賀野型軽巡2番艦、能代。本日付けを持って横須賀鎮守府に着任します。」

 

金剛達の時は呆然としていたせいもあり、反応がなかったが今回は拍手が起きた。

 

「さて、次で最後だがこの2人は吹雪と同じ館山基地から来た。入ってきてくれ。」

 

「吹雪型駆逐艦2番艦、白雪です。よろしくお願いします。」

 

「同じく5番艦、叢雲よ。よろしく頼むわ。」

 

「白雪ちゃん!叢雲ちゃん!」

 

そう吹雪が叫んで立ち上がると2人に走りよるとそのまま抱きついた。

 

「ちょ!?吹雪あんたねぇ。」

 

「うわ!?吹雪ちゃん!?」

 

「2人ともごめんね。突然いなくなったりして、本当にごめんね。」

 

「別にいいわよ。今まで、吹雪に守られてきたんだし。ようやく、あんたが地獄から解放されたと思って安心したわ。」

 

「その通りですよ。今まで吹雪ちゃんに守られて来ましたけど、ここからは3人で支えていきましょう。」

 

「う、うん・・・」

 

「たく、いつまで泣いてるつもりよ・・・」

 

吹雪型のそのようなやり取りを金剛達も含め全員が暖かく見守っていた。ギリギリだったが間宮の作った夕飯は温かいうちに食べる事ができた。その日の夜は珍しく深夜まで、明かりが付いていた。

 

 


 
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