No.113352

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第2章

BLACKさん

基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。それと今回は変身もせず、仮面ライダーに関することは最後の方しかありません。しかし先にも書いたように台詞が原作と違う部分もございます。それを了承の上で閲覧することをお願いします。ではお楽しみ。

2009-12-20 20:56:27 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:7902   閲覧ユーザー数:6532

盗賊殲滅を終え、桂花と季衣が正式に仲間になってから数日が経っていた。

 

「皆遅いな」

 

一刀は一人、城の中庭で華琳達を待っていた。一刀が待ってどのくらいか経って春蘭と桂花がようやくやってきた。

 

「何だ北郷、随分早いな」

「集合よりも前にいるのが俺の決まりでね。華琳と秋蘭は? まだ昼かい?」

「いや、食事は済んだのだが、髪のまとまりが悪いとかでな。今、秋蘭に整えさせている」

 

一刀は華琳の髪を考えて、その整えの様子を想像し、隠れてクスリと笑った。

 

「あなた今、化粧や髪型なんて大して変わらない…なんて思ったでしょ」

 

桂花が一刀の笑いを察知したかのごとくそう指摘してきた。

 

「いや、そうは思ってないさ。髪型はともかく、俺は化粧とかはしない子の方が好きな派なんでね」

 

一刀は自分の本音をあっさり言った。すると春蘭が呆れたように返してきた。

 

「やれやれ、だから男は馬鹿だというのだ。州牧ともなったお方が、だらしない格好で公の前に出てみろ。臣下たる我々どころか、主の品格まで疑われるわ」

「なるほどね……」

「あら、珍しく意見があったじゃない」

「当然だ」

 

珍しく春蘭と桂花の意見があった。桂花が正式に華琳の下で働くようになってから春蘭と桂花は犬猿の仲のようにお互いを敵対視しているのだ。

 

「しかし華琳も今は、刺史じゃなくて陳留の州牧ってやつになったんだよな」

「何よ、問題あるの?」

「ないさ、ただそこまで出世するのはすごくないかっと思ってな」

「華琳様には既に陳留刺史としての十分な実績があるだろう。州牧など、ごく正当な評価……いや、むしろ低いぐらいだろう」

 

春蘭の言ってることはかなり納得できる。確かに華琳の今までの事っと言っても一刀は華琳の所に来てからそこまで経ってはいないが、

華琳のやって来たことは確かに十分な実績であると思う。ちなみに今まで仕事がなかった一刀だったが先日華琳が何とか仕事を押し付け、今は警備隊の隊長にさせてもらった。

その事等を考えると華琳の功績はすばらしいものである。

そうこう考えているとようやく華琳と秋蘭がやってきた。

 

「その髪、大丈夫か? さっき春蘭に髪がまとまらないとか聞いたが……」

「雨でも降るのかしらね? いつもと違うようにしかまとまらなかったのよ。どう? あなたから見て変じゃないかしら?」

「うん、大丈夫だよ」

 

正直な話、一刀にはそのいつもと違うと言われてもその違いがわからなかった。

 

「ならいいわ。それに州牧になったおかげで季衣との約束を守ることができたわけだもの。言うことないわね」

「で、その季衣はどこだ?」

 

皆で街に行くというのに季衣がいない。すると秋蘭が一刀に伝えた。

 

「今朝、山賊の拠点がわかったという報告が入ってな。討伐は私か姉者が出るから街を見てこいと言ったのだが、聞かなくてな」

「なるほど、それは仕方ないか」

 

季衣の村は盗賊に襲われていたのだ。なら同じような目にあってる村を見過ごすわけにはいかない。

季衣はきっとそう思ったのだろうと一刀は考えた。

 

「だったら土産くらい買ってやるか」

「考えることは同じか…」

「ウェ?」

 

どうやら春蘭も同じことを考えていたようだった。

 

「あんたたち、観光に行くわけじゃないのよ?」

「え!? そうなの!? ってのは冗談で……、視察はちゃんとやるさ。季衣の土産はそのついで。いいだろ? 華琳」

 

冗談交じりの一刀に華琳は少々呆れたように答えた。

 

「仕事をちゃんとするならね」

「はい!」

「返事だけにならなきゃいいけどね」

 

桂花は春蘭の返事に多少不安があったようだ。

 

「さて、揃ったのなら出掛けるわよ。桂花、留守番、よろしくお願いね」

「ウェ?」

「華琳様ぁ。何でこれは連れて行くのに、私はお留守番なんですかぁ?」

 

桂花は一刀を物扱いして指を差す。

一刀はそんな事よりも桂花が一緒に行かないことに驚きがあった。

 

「何だ、桂花はいかないのか。残念」

「残念って……、あんたまさか私を襲う気だったの!?」

 

桂花は一刀との距離をとった。

 

「そんなんじゃないよ。(ただ女の子に囲まれてみたい思っただけさ)」

「一刀に非常時の判断はできないしょう。それとも、補佐で一刀も残したほうが良い?」

「邪魔だと思って切り捨てて良いなら」

 

一刀はその答えに苦笑いした。

 

「邪魔ってどういうときだ?」

「視界に入ったとき」

「切り捨て前提か、お兄さんは悲しいぞ」

「お兄さんじゃないし、当たり前じゃない」

 

一刀は泣く真似をして腕で目を隠し、桂花が色々ツッコミを入れる。

 

「ともかく、何かあったときの判断は桂花に任せるわ。一刀を切り殺してもかまわないから、あれは連れて行く。いいわね?」

「はぁい、……残念」

(俺も残念(笑))

 

その頃陳留の門前ではある少女達三人が立っていた。

まじめそうな少女とやる気が少々なさそうな少女とおちゃらけみたいな少女とそれぞれ個性があった。

三人は遠い村から竹かごを売りに来ていたのだ。三人は最近陳留にやってきた州牧の事もあってここなら売れると思い、陳留へと入った。

 

 

 

街に来た一刀達は街の様子を見てみると、旅芸人であろう三人の美人三姉妹が歌と演奏を披露していた。

 

「旅芸人も来ているのか」

「そんなに珍しいのか?」

 

一刀が旅芸人の様子を見ていた秋蘭に尋ねる。

 

「芸人自体はさして珍しくはないが、あれは南方の歌だろう。南方からの旅人は今までこちらまで来なかったからな…」

「これも華琳様のおかげってやつか」

「そういうことになるな」

「特に彼女らは女だけのようだしね。武芸に相当の自信があるか、安全な道がなければこんなところまでは来ないでしょうよ」

「まあそうだよな」

 

その彼女達の歌が終わって、お金を貰おうとする。しかし集まりはさほど良いわけではなく一刀の予想より少なかった。

 

「まあ、腕としては並という所ね。それより、私達は旅芸人の演奏を聴きに来たわけではないのよ?」

「わかってるって」

「狭い街ではないし、時間もあまりないわ。手分けして見て行きましょうか。ああそれと一刀は私に付いてきなさい」

「ウェ」

「えーーーーーーー」

 

春蘭が思わず不満の声を上げる。

 

「そういうことだ、姉者。私達は自分の身を守れるだろう」

「北郷」

「何だ?」

「お前の腕っ節の弱さがたまにうらやましくなる。どうやればそんなに弱くなれるんだ?」

「俺が坊やだからさ」

 

一刀は微笑みながら答えた。もっとも一刀はちゃんとブレイバックルやカードを持っているのでいざとなったら変身はできる。

秋蘭の意見により秋蘭は右側、春蘭は左側を見て回り、突き当りの門の所で落ち合うことになった。

 

 

華琳と一刀は中央の通りを見ていたが、華琳は大通りではなく裏の小さな通りを見ていたので一刀は尋ねた。

 

「大通りじゃなくて良いのか?」

「大通りは後でいいのよ。大きなところの意見は、黙っていても集まるのだから」

「ああ、なるほど」

 

華琳の答えに一刀は簡単に納得した。

 

「それより一刀。この辺りは見て、あなたはどう思う?」

「う~ん、何か変わった様子が見当たらないが……」

 

ありきたりな事を聞いているのではないのと一刀は気づいているがなかなかその答えがわからない。

とりあえず一刀は思ったことを口にした。

 

「食べ物屋が多くて料理屋も多い」

「でしょうね、食材がすぐに手に入るのだから。で?」

「でって……」

「他に気づいたことは? 何でもいいわよ」

 

華琳に言われてまた周りを見てみる。

 

「包丁…」

「包丁?」

「包丁を研ぐ店や、調理器具を売る店があったら儲からないかな」

「……鍛冶屋のこと?」

「そう、それ」

「鍛冶屋は三つむこうの通りに行かないとないわ」

「それは不便だけど、何かこっちにそれっぽい職人が多いな」

「向こうの通りには料理屋がないの」

「ところでなんで華琳はそんなに街に詳しいの?」

 

一刀はちょっとした疑問を華琳にふっかけた。

 

「そのくらいは街の地図を見れば分かるもの」

「となると知ってて来てるってことは客層や雰囲気を実際に見ておきたかってことか」

「あら、よく気が付いたわね」

「華琳の考えそうなこと、少しずつだけど分かった気がしたから」

「なかなかね。それとね」

「うん?」

「あれの様子は地図じゃ分からないもの」

 

華琳が見る方向を一刀が見る。その先には先ほど陳留に入ったばかりの三人の一人がいた。(ちなみに少々やる気がなさそうな女の子である。)

 

「何だこれ?」

「カゴ屋のよう……だけれど?」

「そうじゃなくて、こっち」

 

一刀が指を刺すほうにはなにやら木材でできたよく分からない機材(?)が置いてあった。

 

(歯車つきとはな……。この世界はどうやら俺の知ってる時代よりも技術が進んでるようだな)

 

「これはなんだ?」

「さあ?」

「そこのお二方、なんともお目が高い! こいつはうちが発明した、全自動カゴ編み装置や!」

「(こいつ関西弁なのか? 本当にこの世界は……)全自動?」

「カゴ編み装置?」

 

露店の少女の言う「全自動カゴ編み装置」に興味を引かれる一刀と華琳。

 

「せや! このからくりのそこにこう、竹を細ぅ切った材料をぐるーっと一週突っ込んでやな…そこの兄さんこっちの取っ手を持って!」

「?」

 

一刀は言われるがままにその装置のハンドルを回す。

 

「でな、こうやってぐるぐるーっと」

 

ぐるぐるハンドルを回すと簡単に竹カゴが完成していった。

 

「すごいけど、これは手動だろ!!」

「兄さん、ツッコミ厳しいなぁ…。そこは雰囲気重視、っちゅうことでひとつ」

「ウェ~~~~」

 

それから門のところで春蘭、秋蘭と合流したのだが、なぜか春蘭も秋蘭も竹カゴを抱えていた。

ちなみに一刀はあの後、全自動という名の全手動のからくりを爆発させた侘びとして一つ竹カゴを買わされていた。

秋蘭はどうも気になったようで買ったそうだが、春蘭は季衣の土産というなんとも苦しい言い訳にしか聞こえないような形で竹カゴの中には服が入っていた。

そして城に戻ろうした時、後ろから声を掛けられた。

 

「そこの、若いの」

「誰?」

「ここです」

 

華琳達は後ろを振り向く。後ろには目深に布を被った、年寄りのようでおじいさんかおばあさんかよく分からなかった。

 

「何だ、貴様?」

「占い師か」

「華琳様は占いなどお信じにならん。慎め!」

 

春蘭がその老人を怒鳴るが、華琳がその春蘭をなだめた。

 

「……春蘭、秋蘭。控えなさい」

「強い相が見えるの…。希にすら見たことの無い、強い強い相じゃ」

「いったい何が見えると? 言ってごらんなさい」

「力の有る相じゃ。兵を従え、知を尊び…。おぬしが力を持つは、この国の器を満たし、繁らせ栄えさせることのできる強い相…。この国にとって、稀代の名臣となる相じゃ」

「ほほう、よく分かってるではないか」

 

春蘭はその老人の見立てを褒めるが…。

 

「この国がそれだけの器があればの」

「どういうことだ?」

 

少々難解なことを言われ、秋蘭が尋ねる。

 

「お主の力、今の弱った国の器には治まりきらぬ。その野心、留まるを知らず…あふれた野心は、国を犯し、野を犯し、いずれ、この国の歴史に名を残すほどの、類い希なる奸雄となるであろう」

(なるほど、大体分かった)

「貴様! 華琳様を愚弄する気か!」

 

怒る秋蘭。しかし華琳は意味を分かっていながらも秋蘭を止める。

 

「しかし華琳様!」

「気に入ったわ。秋蘭、この占い師に謝礼を」

 

華琳が秋蘭に謝礼を命じるが、秋蘭は納得できない様子だったので華琳は一刀に謝礼を出すように言い、一刀は占い師に謝礼を渡そうとする。

 

「それじゃあ」

 

一刀は占い師の前にある茶碗にいくらかのお金を入れる。すると占い師は一刀に声を掛けてきた。

 

「それから、そこのお主」

「俺?」

「お主はこの先、今持っている力と同じようなものを後二つ手に入れるだろう。一つは赤き鎧に身を包み目に見えぬ速さを手に入れる力。

もう一つは大いなる力でありながらなおも進化し続ける存在の力を……」

「そ、そうかい」

「それと大局の示すまま、流れに従い、逆らわぬようにしなされ。さもなくば、待ち受けるのは身の破滅。くれぐれも、用心なされよ?」

(最初の事はわかるが、これはどういう意味だ?)

 

一刀が占い師の最後の言葉を理解するのはそれからかなりの時間が必要であった。

それから数日後、世は大きな戦を迎える。黄巾の乱である。

 

おまけ

 

作者「さてとどうだったかな? 仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第2章」

一刀「戦闘はないし、仮面ライダーの意味がほとんどなかったな」

作者「おいおい、一応最後の方に書いてあっただろ」

一刀「しかしあれはバレ過ぎないか?」

作者「分かる人には分かるだろうけど、分からない人には分からない。分からない人のためにここは言わない方針で」

一刀「まあそれはともかく、前の話といい今回といい投稿するのが何か早くね?」

作者「そりゃあ最初に投稿する前に何話か書き溜めてたんだから当たり前でしょ」

一刀「じゃあ、どのくらい溜めてんだよ?」

作者「それは秘密だ。だが今でも書いているのは確かだ」

一刀「お疲れ様で」

作者「次回からは黄巾の乱だが、原作でも短いからこのSSはさらに短いぜ!」

一刀「んなこと言うなよ」

作者「書くだけでもすごい苦労してんだぞ!」

一刀「キレルなって…」

作者「次回は何か変わったものが出てくるが期待しないでくれ」

一刀「期待しろだろ、普通」

作者「期待しすぎて拍子抜けがないようにするためだ。それではまた!」


 
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