荒野に金属と金属の音が響き渡る。
その金属音はとても速い速度で奏でられる。
「「おおおおおおおおおおぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~!!」」
獣じみた少年達の雄叫びがその戦いの凄まじさを否応無く物語っていた・・・
「俺は・・・負けない!!」
「俺は・・・勝つ!!」
少年達はそれぞれ叫びながらお互い刃を向け、構える・・・
そして・・・
「はぁ~~~~~~~~~~~~!!」
「おぉ~~~~~~~~~~~~!!」
そう叫びと共に刃が振り下ろされる・・・
そして、二人は世界から消え去った・・・
「・・・ここは・・・」
霞むしか視界をどうにか正常に戻し、俺は辺りを見回す・・・
何も無い空間だ・・・
・・・コレが“死”と言うものなのだろうか・・・
コレは余り理解はしたくないな・・・
「こう、何も無いんじゃあ気が滅入る・・・」
俺は何も無い空間と言う名の世界を見渡し、考える。
(俺はあの時、アイツと戦っていた筈だ・・・それから・・・それからどうなった・・・?)
俺が暫く思考の海へとその身を委ねていた時、俺の耳に声が響き渡る。
『マスター、マスター・・・』
俺はその声に反応して辺りを見回すが何も無い世界だけだ・・・
『ここです・・・我が主・・・』
俺は声のする方向に目を向けた・・・
首に何かぶら下げている・・・
何だ・・・と思い、胸元を弄ると、
そこには、ライオンの頭の形をした銀製のネックレスが銀色に光輝いていた・・・
「お前か・・・? 俺に語りかけてきたのは・・・?」
『はい、マスター・・・私の名前は『ライオンハート』獅子の心を宿せし、インテリジェントデバイス・・・マスター、ジン・キサラギ・・・私は貴方と話すことが出来て光栄です。
マスタージン・・・」
「お前は・・・俺の何だ?」
俺の質問にコイツは誇らしそうに答えた。
『私は貴方の唯一無二の武器。誇り高き、リボルバータイプのガンブレード。わが刀身に刻まれるは、獅子の誇り。私の名はライオンハート!! 気高き獅子の魂を持つデバイス!!』
「ライオン・・・ハート・・・」
俺はそう呟いた・・・自分のガンブレードがアクセサリーになり、そして喋り、俺の前にいる・・・
そう思うと俺は嬉しくなった・・・
ガンブレードを握り戦い始めて五年・・・
今十の年・・・
戦場で苦楽を共にしてきた相棒が・・・
共に勝利の喜びと敗北の苦しみを味わってきた戦友がこうしている事に・・・
俺は感動した・・・
『マスター・・・我が主・・・私の名と共に叫んで下さい・・・セットアップと・・・』
俺は、ライオンハートの言うがままに唱える・・・
「セットアップ」
と・・・
俺は光に包まれ、その光が無くなると同時に、俺の服が変わっていた・・・SeeDの軍服だった・・・
7歳でそれを身に纏った軍服を俺は身に纏っていた・・・
そして左腰には『リボルバー』があった。
「これは・・・」
『バリアジャケットです・・・物理攻撃、魔法攻撃から身を守ります。このタイプですとミッド式のバリアジャケットではなく、ベルカ式の騎士甲冑や騎士服の方が近いかと・・・』
俺は聞きなれない単語を耳にする。
「ミッド式? ベルカ式? 何だそれは?」
『ミッド式は正式名称をミッドチルダ式魔法といい、この世界では最も一般的な魔法術式です。魔法陣は、円形の中で正方形が回転する形を取っています。この世界の主力魔法と言った所でしょうか・・・
ベルカ式は古代ベルカ式と近代ベルカ式があります。古代ベルカ式は嘗て、ミッドと双璧を成す魔法でしたが、廃れてしまい今では使い手事態が少ないみたいです。近代ベルカ式はミッド式魔法をベースに、古代ベルカ式魔法をエミュレートして再現した魔法体系みたいです。 魔法陣は古代ベルカ式と同様に、正三角形に剣十字の紋章ですね・・・古代、近代に共通している事は砲戦戦闘をほぼ排除した状態で近接戦特化に徹しているみたいです・・・』
俺等とは違う魔法形態だな。
「俺等はデバイスなんて物は必要が無いからな・・・魔法をジャンクションして使用したり、防御力を上げたりしているからな・・・と、言う事はお前はベルカ式なのか?」
俺の質問にライオンハートは考えながら答える。
『・・・多分・・・近代ベルカに近いのではないかと・・・私も世界の法則によりこの様な姿になりましたが・・・』
確かに、ガンブレード事態が明らかに接近戦を主眼においている・・・中長距離戦も出来るが、メインはやっぱり白兵戦だ。
そういえば俺がジャンクションした魔法はどうなっている?
「俺のジャンクションした魔法はどうなっている?」
そうライオンハートに質問した。
『マスターのジャンクションしている魔法は、全魔法、全体化の二つです』
あの時とジャンクション状況は変わっていないみたいだ。
『この世界の魔法には任意で物理的なダメージを無くし、攻撃対象の魔力値に対してダメージを与える、非殺傷性の魔法ができるみたいです。更に対物破壊などがあり、有機物の破壊も出来るみたいです・・・』
それは便利なんだか不便なんだか解らん力だ。
生きたまま捕獲、逮捕せよと言う任務であれば素晴らしい技術だが、相手を殲滅しろ或いは、確実に殺せとなれば話は別だ。
『この世界での魔法での殺傷は犯罪者かテロリスト位しか使っていないとか・・・』
どうやらこの世界では戦争など無いらしい・・・羨ましい限りだ・・・
そうなると傭兵などご飯が食べれなくなるな・・・
「戦争が無い世界など羨ましい限りだが、俺達、SeeDの傭兵はご飯が食べれないな・・・」
俺の言葉にライオンハートが答える。
『ええ、どうやら治安は時空管理局が管理しているみたいです』
なんだ? そのご大層な組織は?
俺の疑問にライオンハートが補足した。
『時空管理局は次元世界から質量兵器の根絶とロストロギアの規制を働きかけてきた組織だそうです・・・』
「質量兵器? 何だそれは?」
『アリッテイ言えば銃や戦車や戦闘機、ミサイルやABC兵器でしょうか・・・時空管理局解釈では子供でも簡単に扱えかつ、人を殺せる兵器の事ですね・・・』
何とも乱暴な解釈だ・・・銃など大人でも扱える者がいない。
弛まぬ地道な訓練が適切な兵器の有効性が始めて実証される。
何も知らない子供が扱える訳が無い。
まあ、俺も子供だけど・・・
俺は一通りライオンハートから説明を受けた。
暫くして視界が妙に開けてきた。
『どうやら世界の門が開いたみたいです・・・』
ライオンハートの言葉に俺は世界を見つめる。
「・・・その様だな・・・」
俺はそこから歩みだす・・・
新たな世界に何が待ち受けているのかを楽しみにしながら。
暫くして目を開けると星空が眼下に広がり、下に目を向けると、町の光が見えた。
「グラビデ」
俺はグラビデの応用で自分の世界に重力変換を行い、自分を浮遊させた。
そして、ゆっくりと大地に降り立ち、辺りを見回す・・・
夜みたいだ・・・
そして自分の服装を見てみる。
バリアジャケットが解除されている。と、いうことはセットアップしなくとも魔法は使えるみたいだ。
試してみる価値はあるな。
「ライオンハート。リボルバーを」
『了解』
そう応えたライオンハートは、首から下げていたペンダントが離れ、俺の手前でリボルバーになった。
なるほど・・・こういうことも出来るのか。
暫く歩いていると、住宅地と道路が現れる。
エスタと比べると何とも低い。そう感じられた。ガルバディアやドールに近い。
エスタ自体が超科学で出来た都市国家だからそう考えるとコレが普通くらいか。
そう考えて歩いていると・・・
「きゃあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
闇夜を切り裂く悲鳴と、コンクリートが砕ける音が響き渡る。
俺は、ヘイストを使い加速し声の方に向かう。
そこには、車椅子の俺と同い年女の子がモンスターに襲われるとこだった。
(まにあえええええええええええ~~~~~~~~~~~~~~~!!)
俺は即時にセットアップを行い、化物にストップを掛け、動きを止める。
そして、ヘイストを全開でかけると、女の子を抱え離脱した。
コレが俺の守り、愛すべき姫、八神 はやてとのファーストコンタクトだった・・・
≪???サイド≫
石田先生の診察が終わり、話し込んででスッカリ遅うなってもうた。
時間にして8時くらいや。
石田先生はタクシーを呼んでくれる言うとったけど、そこまで迷惑かけられんから自分で帰る事にした。
電動車椅子やし大丈夫やろうそんな甘い考えで帰っていたら変な大きい化物に襲われた。
殺されるそう思うて私は叫んでいた。
「きゃあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
と・・・
ウチは化物の腕を見ながら走馬灯の様に記憶が頭の中を駆け巡った。
そしてこう心で叫んだ・・・
(誰か・・・助けて・・・)
と・・・
その時だった・・・
ウチの体は浮遊感に襲われた。
目を瞑っていたので状況は解らなかった・・・
痛みは無い・・・
そして、優しく包み込むような感じを体に感じた・・・
ウチがゆっくり目を開けるとそこには騎士みたいな格好をした私と同じくらいの男の子がいた・・・
「大丈夫か?」
男の子は優しそうな声で語りかけてきた・・・
ウチは暫く呆然としとった・・・
いや・・・今にして思えば見ほれ取ったやと思う・・・
突然現れた騎士に・・・
それが、ウチの・・・愛する騎士にしてウチの伴侶、ジン・キサラギとの初めての出会いやった・・・
――――7年後、ミッドチルダ――――
俺はミッドの机でデスクワークにいそしんでいた。
アレから7年か・・・
色んな事があった・・・PT事件、闇の書事件・・・なのは、フェイト、ユーノ、クロノ、リンディさん、エイミィ、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、リイン、そして・・・
俺がそんな事を考えていた時だった。
けたたましいアラームが鳴り響く。
ハー・・・デスクワークも感傷も出来ない、か・・・
通信回線でオペレーターが俺に通信をしてくる。
『二佐、緊急出動です。ミッド臨海空港で魔法テロが発生、空港関係者及び、乗客を人質に立て篭もりました。人質の正確な人数は20名テロリストの人数は15名、内5名は魔導師でデバイスを殺傷指定にしています。残り10名は質量兵器を所持、使われているのはウージーサブマシンガンと手榴弾及びサイドアームにスタームルガーP85を所持、出入り口をマジックトラップで封鎖している模様』
「被害は?」
俺の質問にオペレーターが答える。
『空港警備員が3名殉職しました。テロの混乱で逃げた人達に転倒などの軽い怪我は見られますが他に被害はありません』
・・・ふざけた事を・・・
「彼らの要求は?」
『管理局に逮捕された同士の釈放及び、逃走用の小型艇を要求してきています』
するわけが無いだろう。管理局がそんなこと。
「現場状況は?」
『陸士104部隊が現場を封鎖、睨み合いが続いています』
まあ、それが限界だろうな。
「地上本部からの出動要請は?」
俺の質問にオペレータが苦笑しながらいう。
『そんな物ある訳がありません。レジアス中将が出すわけが無いじゃないですか・・・』
全く持ってその通り。あの自分がジャスティスと本気で考えるお頭がオリハルコンより堅く出来てるあのオッサンが、仲の無茶苦茶悪い俺達本局、海に助けてくれとは言わんだろうな・・・絶対・・・
「仕方ない・・・緊急出動だ!! クロノに連絡してくれ」
『了解!! また事後処理をさせるのかと言われそうです・・・』
了解の後でオペレーターが愚痴る。
仕方ない・・・アイツにはこう言うところで活躍してもらわないとコッチが困る。
さて・・時空管理局本局直属にして管理局初の特殊部隊、SeeDの出撃だ!!
オマケ
オリキャラ情報
名前・・・ジン・キサラギ
年齢・・・17歳
生まれ・・・エスタ
誕生日・・・8月10日
星座・・・獅子座
性格・・・クールぶってはいるが大切なモノを守る為なら自分を投げ出せる性格
所属・・・時空管理局 本局直属特殊部隊SeeD(バラムガーデンのSeeDから名前を取り名づける)連隊の隊長
管理局階級・・・二佐
魔法術式・・・近代ベルカ式 特殊技能・・・デバイス無しの無詠唱魔法使用
魔導師ランク・・・総合SSS+
家族構成・・・無し
デバイス・・・インテリジェントデバイス『ライオンハート』
備考
PT事件、闇の書事件などで活躍。
管理局入隊は15歳の時に入隊。
管理局の対応の遅さにあきれ返り、レオーネ・フィルス、ラルゴ・キール、ミゼット・クローベル に頼み込み、伝説の三提督の名の下に自由な発想と即時展開できる特殊部隊の創設。
ココに時空管理局初にして唯一の本格的な機動特殊部隊『SeeD』が誕生した。
ちなみに・・・はやてとは婚約者
SeeD
ジンが作り上げた特殊部隊。
構成人数
戦闘部隊・・・300名
輸送要因・・・50名
後方支援・・・100名
管制要因(HQ)・・・50名
医療部隊・・・50名
警備部隊・・・50名
600人の三個中隊、一個大隊構成
武装
隊員兵装・・・H&K G36C 魔法仕様
グロック17 魔法仕様
AI アークティクウォーフェアAW 魔法仕様
AI アークティクウォーフェア AW50 対マジックシールド仕様
輸送ヘリ・・・XJF704式ヘリコプター・・・試作段階のヘリ、輸送ヘリと言うよりはハインドの様な武装搭載型兵員輸送ヘリと言う感じの仕様
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この作品はオリジナル主人公がリリカルなのはを引っ掻き回すお話です。
作者の妄想が生んだ産物とオリジナルが多く含みます。
気を付けて読んでください。