No.1129882

【サイバ】ひろみと長官【交流】

Dr.Nさん

2023-09-21 18:58:45 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:323   閲覧ユーザー数:303

雪天署署長室。

 

ひろみ「へえーっ、蛭島長官と由布子署長が幼馴染みだったとは知りませんでした」

由布子「そうなのよ。子供の頃は、『愛美ちゃん』『由布子お姉ちゃん』って呼び合う仲だったわ」

ひろみ「でも、わざわざそんなことを話すために俺をここに呼んだんじゃないんでしょう?」

由布子「ご明察。長官が今日の16時の新幹線で東京にお帰りになるの。それでひろみさん、あなたに天空駅まで送ってって欲しいのよ」

ひろみ「俺が? でもそういうのでしたら俺みたいな平巡査ではなくもっと上の方、それこそ署長のような方が適任なのでは?」

由布子「それがねひろみさん、昨夜の飲み会であなたの話題が出てね、蛭島長官があなたに強い興味を持たれたのよ。帰る前に是非一度お話ししてみたいんですって」

ひろみ「何かむず痒いな…。でも、そういうことでしたら喜んでお引き受けいたします!」

由布子「よかった! 長官、応接室でお待ちだから、今すぐ行ってあげてね」

ひろみ「はいっ!」

応接室前。

 

ひろみ「とは言ったものの、この国の警察の最高の地位にある方とお会いするんだ。あー緊張するなあ~」

 

コンコン。

 

ひろみ「失礼します!」

『どうぞ』

 

ガチャ。

 

ひろみ「失礼します! 俺…いや、(わたくし)、雨天署の八女大海巡査と申します! 長官、本日はお目にかかれて大変光栄です! 何かと至らないこともあると思いますが、よろしくお願いいたします!!」(敬礼!)

長官「固いわ」

ひろみ「はい?」

長官「固いわよひろみさん。巡査だろうが長官だろうが同じ警察官じゃないの。もっとフランクに行きましょうよ」

ひろみ「し、しかし、それはあまりにも…」

長官「いいの! 私がそれでいいって言ってるんだからw」

ひろみ「はあ…。では長官、お車までご案内いたします!」

長官「やだ、車なんてつまんなーい」

ひろみ「えっ?」

長官「まだ時間もたっぷりあるし、歩いて行きましょ」

JR天空駅に通ずる大通り。

並んで歩いている長官とひろみ。

 

長官「どう、女性の体には慣れた?」

ひろみ「はい、大分慣れました! でも今でもボーッとして、男子トイレや男湯に入って行こうとすることがありますけどw」

長官「うふふふふw で、味鋺さんとは上手く行ってる?」

ひろみ「ブフッ!? ちょ、長官、どこでそんな話を!?;;;;」

長官「飲み会で由布子さんから色々とねw 結婚するつもりなんでしょ?」

ひろみ「はい、出来れば。先輩がどう思ってるかは分かりませんけど…」

 

ポトッ。

 

ひろみ「あ、長官何か落としましたよ。これは…ネジ?」

長官「あらごめんなさい」

ひろみ「長官のお体から脱落!? 大丈夫ですか!?」

長官「違うの。これは昔、私が子供ボディーだった時に使っていたものなのよ。このネジを使っていた時に、隣に住んでいた由布子お姉ちゃんや愛生美お姉ちゃんとよく遊んでもらってね、その時の思い出として今も持ち歩いているのよ」

ひろみ「へえーっ、そうだったんですかー」

 

ワーイ!

ワーイ!

ワーイ! ワーイ!

 

子供たちが二人の横を走って追い越して行く。

 

長官「それにしてもこの通り、さっきから小学生が多いわね」

ひろみ「今は下校時刻ですからね」

長官「あー。君たち、走っちゃ危ないわよー。そこの子、横断歩道は気を付けて渡りなさーい」

ひろみ「長官ったらw」

長官「ウフフ、これも職業病かしらw」

 

ドンッ!

 

子供「ぎゃあっ!!」

長官、ひろみ「!!」

長官「子供が撥ねられたわ!」

ひろみ「なんてこった! 横断歩道の信号は青だったのに!」

 

子供を撥ねた黒塗りのハイエイシターは、そのままスピードを緩めもせず走り去った。

 

ひろみ「あんの野郎! おい君、しっかりしろ!! ダメだ、酷い出血だ!」

──あー、ガキ撥ねちまったかやで。まあええかやで、ワシのヘックスに比べればガキの1匹や2匹どうってことないやで。さーて、次の投稿行くやで。ええっと、『今夜のメシは何がええやろか?』やで──

長官「許さない!」

ひろみ「長官?」

長官「絶対に許さない!! ひろみさん、あなたはその子をお願い。こら待て豚ァーーーーーー!!!!!」

ひろみ「あ、長官!」

ハイエイシターの運転席。

ブクブクに太った髭面の赤豚男がスマホながら運転をしている。

 

豚男「ほい、送信やでっとw ん、やで?」

 

ミラーに写ったのは、全速力で追ってくる一人の女性。

 

長官「待ちなさーい!!」

豚男「うわ、なんやあの女はやで!?」

長官「ひき逃げ犯、直ちに止まりなさい!!」

豚男「クソッやで!!」

 

ギューン!

 

アクセルを踏み込む豚。

 

長官「逃さない!」

 

ポーン!

 

長官が投げた物は、あのネジ。

 

パァン!!

 

豚男「うわあ、パンクやで! 何か踏んだやで!」

 

キキーッ!

 

豚男「制御が効かへんやでー!!」

 

ドーン!!

 

ハイエイシターは、遊園地のコーヒーカップのように回転しながら、ガードレールに衝突して止まった。

 

豚男「いてててて、なんやねんやで…」

 

豚男が顔を上げると、そこには割れたフロントガラス越しに銃口を向けている長官の姿が。

 

長官「降りなさい! ひき逃げの現行犯で逮捕する! 少しでも変な動きをしたら問答無用で撃つ!!」

豚男「へっへっへ、たかが女1匹で何が出来るかやでw 撃てるもんなら撃ってみやがれやでーwww」

 

ダーン! ダーン! ダーン!

 

シートに3つの穴が開いた。

 

豚男「うわあーやでー!!」

長官「さあ、次は脳天がいいかしら? それとも心臓? 選びなさい! でもその醜い脂肪に阻まれて弾が心臓まで届く自信がないから、出来れば脳天を選んで欲しいな♥」

 

ダーン!

 

4発目の弾が、豚男の顔の1センチ横をかすめた。

 

豚男「やでー!!」

 

じょぉ~っ…。

 

豚男は叫びながら泡を吹いて失禁、失神した。

 

・・・・・・

日付が変わって午前1時、JR天空駅新幹線ホーム。

 

長官「結局最終になっちゃったわね。こんな時間まで付き合わせてしまってごめんなさいね、ひろみさん」

ひろみ「いえ、長官。ひき逃げ犯は逮捕、撥ねられた子供も命に別状なし。本当によかったです」

長官「お医者様がね、救急車が来るまでのあなたの応急処置をとても褒めていたそうよ。あれがなかったら、あの子命が危なかったんですって」

ひろみ「ハハ、そんな////// 俺は警察官として当然のことをしたまでです」

 

『上り 東京行き新幹線最終、まもなく発車いたします』

 

天井のスピーカーが、別れの時間が来たことを告げる。

 

長官「じゃあね、ひろみさん。元気でね」

ひろみ「長官もお元気で。また遊びに来て下さい!」

 

『上り 東京行き ドアが閉まります、ご注意下さい』

 

プシュー。

プアアァァン。

 

・・・・・・

数日後、雪天署署長室。

 

由布子「この前はお疲れ様、ひろみさん」

ひろみ「いえ署長。しかし驚きましたよ。長官、突然物凄いスピードで走り出すんですから」

由布子「うふふふふw 実はあの方、普段は封印していらっしゃるけど、時速200kmの脚力と人間の1000倍の聴力をお持ちなの。その能力を活かして、現役の警官時代はたくさんの犯罪者を逮捕してきたのよ」

ひろみ「へえーっ、それは知りませんでした」

由布子「あ、そうそう。長官、あなたにお手紙送って来たわ」

ひろみ「俺に手紙を?」

長官(手紙)『こんにちはひろみさん。短い時間だったけど、この前はとても楽しかったわ。今度はゆっくり一緒に食事でもしましょうね』

ひろみ「はい、喜んで!」

由布子「それからこれも」

       辞   令

 

 

八女大海

 

右の者、天空市雨天署所属巡査長を命ずる

 

令和五年十月一日

 

 

         警察庁長官 蛭島愛美

ひろみ「こ、これは!?」

長官(手紙)『味鋺さんと家庭を持ったら、お金もたくさん必要になるわね。頑張ってもっともっと稼いでちょうだいw』

 

 

=END=

 

 

 


 
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