No.112868

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 序章

BLACKさん

基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。何が出るかはお楽しみ。

2009-12-18 13:32:38 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:13507   閲覧ユーザー数:10918

 

作られた外史、外史と言えど基本の流れは正史と同じはずだったが、この外史だけは何か少し違っていた。

 

その始まりは嵐のように突然のことであった。

 

 

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編

 

「…流れ星? 不吉ね…」

 

ある領土を治める少女は昼間から見る流れ星を見てそれを不吉なものだと判断した。

 

「華琳様! 出立の準備が整いました!」

 

華琳と呼ばれる少女の部下であろう女性二人が華琳を呼ぶが、その華琳は空を眺めたままだった。

 

「華琳様? どうかなさいましたか?」

 

心配になった部下二人が華琳に尋ねた。すると華琳は答えた。

 

「今、流れ星が見えたのよ」

「流れ星、ですか? こんな昼間に」

「あまり吉兆とは思いませんね。出立を伸ばしましょうか?」

 

やはり昼間の流れ星はいい印象はないようだ。

 

「吉と取るか凶と取るかは己次第でしょう。予定通り出立するわ」

「承知いたしました」

「総員、騎乗! 騎乗っ!」

 

流れ星が昼間に落ちようが今の華琳には関係ないことだった。

 

「無知な悪党どもに奪われた貴重な遺産、何としても取り戻すわよ! ……出撃!」

 

華琳達は馬に乗り街を出た。

 

ちょうどその頃昼間に流れ星が落ちた辺りでは……。

 

「…痛ててて…」

 

青年が一人尻から地面に落ちたように尻を押さえていた。

 

「え~と、何か暗い気がするけど何でだ? 記憶は……、あるし体も動きそうだな」

 

青年はとりあえず自分の事を思い出してみた。

 

「俺は北郷一刀、聖フランチェスカの二年生で、所属は剣道部…」

 

とりあえずだが記憶ははっきりしている。

 

「え~と暗いのはああ、目を閉じてるからか」

 

一刀はゆっくりと目を開けるとそこには見たことない荒野が自分の目の前に広がっていた。

 

「な、何じゃこりゃ~~~~~~~~!?」

 

どこかの銃で撃たれた刑事風に言ったのは置いといて、一刀の目には透き通るように青い空に現代では見られないくらいの白い雲、そして聳え立つ多くの山。

 

「どこだここは!?」

 

当たり前の反応だがこれが普通の反応かもしれない。

 

「とりあえずポッケには……」

 

ズボンのポケットを漁ってみると携帯電話にハンカチ、小銭少々があり、携帯を使っても圏外としか出なかった。

 

「使えないな、……うん?」

 

一刀が立ち上がろうとすると自分のすぐそばにあるバックルと一枚のカードが落ちている事に気づく。

 

「何だろう?」

 

一刀がそのバックルとカードを拾いに良くとバックルはそのカードを入れるためのもののようである。

そしてカードにはトランプのスペードにAのマークそしてカブトムシの絵が描かれていた。

 

「これってもしかして……」

 

一刀はこれらに見覚えはあった。それは自分が昔見ていた特撮番組『仮面ライダー剣(ブレイド)』に出てくる主人公ライダー「仮面ライダーブレイド」の変身ツールだったのだ。

 

「でもこれおもちゃ……、だよな?」

 

仮面ライダーはTV、つまり架空での存在。本当に変身出来る筈がない。

 

「まあでもせっかくだから拾っておこう」

 

一刀はブレイバックルとカテゴリーAのカードを拾うととりあえず街に行こうと南に向かおうとするが、どっちが南かわからなかった。

 

「どこへ行けばいいんだ~~~~~」

 

これまたどこかのバラエティ番組ドラマの主人公風に困っていると後ろから声が聞こえてきた。

 

「よう兄ちゃん、珍しいもん持ってるじゃないか?」

 

一刀が後ろを振り向くとそこには長身のヒゲヅラ男と太った男、小さい男が一人ずついた。

 

「何ですかってその格好はコスプレ?」

 

三人の男の格好はどうも鎧みたいな服を着た現代では普通着ない服を着ていた。

 

「はあ? 何言ってんだこいつ?」

 

長身の男が一刀の言葉に疑問を持ち、子分の二人に聞くがわからないとしか答えは返ってこない。

 

「まあそれは置いといてここはどこですか?」

 

一刀は格好の事を置いといて、場所を尋ねてみた。

 

「はあ? 言葉は通じてるみたいだな。金を出してもらおうか」

 

男達はそう言うとどこからか刀を取り出してきた。

 

「ウェ?」

 

一刀の言葉が思わずオンドゥル語になってしまったが、冷静に見ると男達は古代の中国で一般的に使われていただろう刀を持ってることに気づいた。

 

「ウェ? どういうこと?」

 

一刀は思わずまた聞いてみた。

 

「もう一度言う。手前の持ってる金を全部置いていけ。ついでにそのキラキラした服もな」

 

これはよく言う追いはぎであった。

 

(ま、まずいな……)

 

一刀は考えた。このまま従っても恐らく殺される。かと言って逃げても多分追いつかれる。一刀は自分の手に持っているバックルとカードを思い出す。

 

「こうなったら一か八かだ!」

 

一刀はバックルを自分の腹部近くに持ち、カードをバックルの中に入れる。

するとバックルから突然無数のカードが現れ、一刀の腹部に巻きつきベルトになる。

 

「ひいっ!」

「ア、アニキ。な、何だあれ?」

 

チビとデブが突然の変化に驚く。

 

「構うもんか、やれ!」

 

アニキが子分二人に命令して一刀を襲おうとするがそれよりも早く一刀の手がベルト横にあるバックルを回すレバーを引くのが早かった。

 

「変身!」

「ターンアップ」

 

音声とともにバックルからは先ほどのカードの絵が描かれた青い壁が飛び出てきて、子分二人はその壁に押し出され、後ろに吹き飛んだ。

 

「な!?」

 

アニキも驚くがそれ以上に一刀が驚いていた。

 

「本物だったのか?」

 

一刀は自分の前に止まっている青い壁目掛けて走り抜ける!

そして壁を抜けたと同時に一刀の姿はTVで見た「仮面ライダーブレイド」の姿へを変わっていた。

 

「こ、これは……」

 

一刀は自分の手、自分の腰につけられているブレイラウザーを見て改めて自分の拾ったものが本物の変身アイテムだということに気づく。

 

「よ、妖術使いだーーーーーー!!」

「逃げろーーーーーーー!!」

 

突然の一刀の変身に盗賊の三人は驚き、一刀から逃げて行った。

 

「何とかなったなっとその前に……」

 

一刀は変身を解く前に自分が何のカードを持っているかを確認するとスペードのシリーズは全部持っていることがわかった。

 

「ジャック、クイーン、キングはあってもラウズアブソーバーがないと意味ないんだよな」

 

一刀はそうつぶやきながらベルトのレバーを引く。そして青い壁が再び現れ一刀の方に進んで行き、壁がなくなると同時に一刀の姿は元に戻っていた。

 

「さてとどうしたものか」

 

いくら仮面ライダーの力があっても今の状況を打開できるわけではないするとそこに……。

 

「なんだあれは?」

 

騎馬隊が自分のところに向かってきたのだ。

 

 

 

「華琳様、こやつは?」

 

一刀が目覚める前にどこかの街を出た華琳と呼ばれる少女の部隊が一刀と接触したのだった。

 

「どうやら違うようね、連中はもっと年かさの中年男だと聞いたわ」

「どうしましょう。連中の一味の可能性もありますし、引っ立てましょうか?」

 

一刀は華琳と呼ばれる少女とそのお供の女性二人のやり取りを聞いて探しているのはさっき自分を襲おうとして逃げた三人のことだと気づいた。

 

「ところで、君誰?」

 

一刀はとりあえず目の前に居る華琳に誰かと尋ねた。

 

「それはこちらの台詞よ。あなたこそ、何者? 名を尋ねる前に、自分の名を名乗りなさい」

「(女性の名を聞くときは自分の名前からってやつか)俺は北郷一刀、日本にある聖フランチェスカ学園の学生の日本人だ」

 

一刀は正直に答えたが、三人とも何のことかわかっていない様子だった。

 

「貴様、華琳様の質問に答えんかぁっ! 生国を名乗れと言っておるだろうが!」

「いや、日本とちゃんと答えているのだが?」

 

どうやら言葉は通じても意味がわかってないようだ。

 

「姉者。そう威圧しては、答えられる者も答えられんぞ」

「しかし秋蘭、こやつがやつらの一味の可能性があるんだぞ。ねえ、華琳様」

「そう? 私には殺気の一つも感じさせないほどの手誰には見えないけれど。春蘭はどう?」

「それはまあ、確かに……」

 

春蘭は華琳に言われて納得したようだ。

 

「あなた、北郷と言ったかしら?」

「そうだが?」

「ここは陳留。そして私は陳留の刺史をしている者」

「しし?」

「刺史も知らないの?」

「初めて聞くからな」

 

刺史を聞いたことがないという一刀の反応に華琳は多少驚きの様子を見せる。

 

「呆れた、秋蘭」

 

華琳は自分の代わりに秋蘭に説明をさせた。

 

「刺史というのは町の政事を行い、治安維持に従事し、不審者や狼藉者を捕まえ、処罰する勤めのことだ。これなら意味はわかるか?」

 

秋蘭の丁寧な説明で一刀は理解した。

 

「ああ、ばっちりだぜ!」

「じゃあ、今の状況はわかっているわよね?」

「俺は怪しさ満点だって事だろ?」

「よくわかってるじゃない、春蘭、引っ立てなさい」

「はっ!」

 

春蘭は一刀を引っ立てようとすると一刀は逆らおうとしなかった。

 

(ブレイドのカードは全部揃っているなら、これだけの人数どうって事ないが状況がわからない以上やめたほうがいいな)

「まだ連中の手がかりがあるかもしれないわ。半数は辺りを捜索。残りは一時帰還するわよ」

 

華琳達は一刀をつれて街に戻った。

 

 

 

町に戻って改めて一刀の身分確認をさせられた。

 

「名前は?」

「北郷一刀」

「おぬしの生国は?」

「日本」

「この国に来た目的は?」

「さあな、俺が知りたいくらいだ」

「ここまでどうやってきた?」

「さっきと同じ答えだが俺が知りたいくらいだ。気がついたらあの荒野に居たからな」

 

名前以外の答えがまともでないと判断した華琳は埒があかないと春蘭に指示を出そうとする。

 

「拷問にでも掛けましょうか?」

「拷問してもあれ以上の答えは出ないぜ」

「本当に埒があかないわね」

「後はこやつの持ち物ですが……」

 

一刀は携帯電話にハンカチに小銭、そしてブレイドの変身バックルとカードを出していた。

華琳は日本の小銭のデザインを褒めたりしたが、やはりブレイドの変身道具を一番気にしていた。

 

「これは何かしら?」

「それは仮面ライダーブレイドに変身するための道具だ」

「かめんらいだー?」

 

やはり仮面ライダーも聞いたことがないようだった。

 

「まあそれは後で説明する。ところでここはどこの国だ?」

「貴様、こちらが下手に出ていれば、いい気になりよって!」

 

春蘭はどうも一刀が上から目線言ってるように聞こえていたようだ。

 

「あんたは下手に出てないだろ」

「何だと、貴様!」

「ま、いいさ。ところで君達名前はなんていうの? 今呼び合ってる名前で呼んでいいのか?」

「駄目に決まっておるだろ!!」

「うおっ!?」

 

春蘭の迫力に思わず一刀は恐怖した。

 

「なんとなく駄目だろうと思ったが、何でだ?」

「貴様ごときが華琳様の真名を呼んでみろ。その瞬間、貴様の胴と首が離れているものと思え!」

(もしそうなったらブレイドにならんとまずいな)

 

生身のままで勝てる相手ではないと一刀は察知していた。

 

「だが、ずっと君っていうのも変だろ」

「それもそうね、私の名は曹孟徳。それから彼女達は、夏侯惇と夏侯淵よ」

「ウェ!?」

 

その名前に聞き覚えのあった一刀は驚きを隠せない。

 

「な、なによ?」

「じゃあ、あんたが魏の曹操なのか!?」

「どういうこと?」

「ウェ?」

「どうしてあなたが、魏という名前を知っているの?」

 

どうやら華琳もとい曹操は一刀が言った「魏」と言う名前に反応を示したようだ。

 

「だって曹操って言ったら魏なのは当たり前だろ?」

「貴様、華琳様の名前を呼び捨てにするとは! しかも魏とかわけのわからんことを!」

「春蘭。少し黙ってなさい」

「はい」

「魏と言うのはね、私が考えていた国の名前の候補の一つよ」

「は?」

「近いうちに二人にも言うつもりだったわ。それにあったばかりなのになんで曹孟徳でなく操と言う名前を知っていたの!? 説明なさい!」

 

曹操はすごい迫力で一刀を問い詰める。

 

「まさかこやつ、五胡の妖術使いでは…!」

「そんなんではないが、今のでやっと話の辻褄があうのがわかったから言うよ」

 

 

 

一刀はあくまで推測であろう事を話した。自分が未来から来た人間だと言うことを…。

 

(しかし三国志の人が女性とは、この世界は誰の世界だって言いたくなるぜ)

 

思わず最近までやっていた仮面ライダーであった台詞を一刀は心の中で言った。

 

「秋蘭、理解できた?」

「ある程度は、しかしにわかには信じがたい話ですな」

「ま、俺も信じがたいと言えばそうだが、そうじゃないと辻褄が合わないからな」

「うーん」

 

夏侯惇はわかってない様子だった。

 

「夏候惇、例えばだがあんたが項羽と劉邦に会ってるようなもんだ」

「何を馬鹿な」

「それと同じだ」

「な、なんと…」

「それなら北郷が華琳様の考えていた魏と言う名前を知っている説明はつくな」

「だが、貴様はどうやってそんな技を成し遂げたのだ? それこそ五胡の妖術では……」

「知らんが俺は今ここに居るって事だな。もしかしたら胡蝶の夢ってやつか?」

「たいした教養ね」

「学校で学んだもんでね」

「学校?」

 

一刀は曹操に学校のことを簡単に説明し、曹操もすぐに理解した。

 

(理解力あるな、さすが曹操ってところか)

「春蘭。色々難しいことを言ったけれど、この北郷一刀は天の国から来た遣いなのだそうよ」

「ウェ!?」

「五胡の妖術使いや、未来から来たなんていう突拍子のない話よりはそう説明したほうがわかりやすくて済むのよ」

(なんとなくわかるが…)

「あなたもこれから自分の事を説明するときは天の国から来たとそう説明なさい」

(ま、いいか。それなら仮面ライダーに変身する言い訳にもできるしな)

 

そして一刀はさきほどあった盗賊三人の話をし、曹操の捜査協力をすることになった。

 

「あなたが言う未来の知識、うまく使えば私の覇業の大きな助けになるでしょう」

「そうだな、仮面ライダーの力もうまく使えるかもしれないし」

「その仮面ライダーっというのはさっきから気になってるけど、最後でいいかしら?」

「ああ、そうしてもらいたいね」

 

正直な話、ここでブレイドに変身したら絶対騒がれて混乱になるだろう。ならばそう言った厄介ごとは最後のほうがいい。

 

「なら、部屋の準備をさせましょう。好きに使うといいわ」

「ありがとう。助かるよ」

「そういえば、一刀の真名を聞いていなかったわね。教えてくれるかしら?」

「真名? そんなのないぜ。無理やりだとしたらその一刀が真名になるな」

「え!?」

 

三人とも意外な答えに驚きを隠せなかった。

 

「真名がないと困るのなら今考えるけど?」

「別にいいわよ。一刀、私のことは華琳と呼んで良いわ」

「いいのか」

「良いわよ。あなた達もそうしなさい」

 

と言うことで華琳の意見により一刀は春蘭と秋蘭の真名を呼んでも良いとなり、一刀は曹操の元に居座ることになった。

そして仮面ライダーブレイドの事を実際に華琳達の前で見せたときはかなりの大騒ぎとなったが、

それも天の国の力と言うことで何とか収集したのであった。

 

 

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 序章 終  第1章へ続く

 

 
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