プロローグ 過去失った日々
俺が始めてアレを使えるようになったのは俺が小学4年生の時だった。
あの日の俺はいつものように一人で家に帰っていた。
もともと、人と話をすることが苦手な俺はいつも一人だった。
うまく自分の意見がいえない。
人の顔を見るのが苦手。
そういったことから俺はいじめられていた。
学校でいじめられ一人で家に帰る。
そんな日が毎日が続いていた。
あの日も学校で靴を隠され裸足で帰っていた。
惨めだった。
あまりにも惨めで涙をこらえるのさえ億劫になってしまった。
そうやって家に戻ると母の叱咤。
学校では同級生にいじめられ家では母にいじめられる。
俺はそんな日々に耐えられることができなかった。
俺はその時、母を殺した。
いや……母を殺してしまった。
殺したいとは思わなかった。
でも、母は俺の前で絶命していた。
心臓を何かに貫かれ死を感じる前に死んだ。
始めは誰かが母を殺したのだろうと思った。
しかし、その場には俺以外の人は見当たらない。
俺はふと、母の胸に刺さったものを見た。
それは1連の鎖。鎖が胸に刺さっていた。
しかし、よくよく見ると鎖の胸に刺さった部分はナイフになっていた。
どこからこれはのびてきたのだろうか?
俺は鎖の出所を探す。
長い鎖が繋がっている場所。それは俺だった。鎖は俺から生えていた。
「あ、あ。」
それを見た瞬間、俺は悟った。
声にならない声が口から漏れる。
俺の恨みが鎖になって母に突き刺さったのだ
あの時はそう思っていた。
だから俺が母を殺してしまった。
その日から俺はどこからともなく鎖を取り出し扱うことができるようになった。
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新たに書いた三重世界という小説のプロローグです。
これをみて興味がわいた人は本編もみてくださいな~