No.1121822

【サイバ】強いぞ!美鈴さん・改【交流】

Dr.Nさん

2023-05-27 07:25:46 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:283   閲覧ユーザー数:257

でんきの梶谷。

折込チラシを見ている美鈴。

 

美鈴「なになに、ファミリーレストランてんくうで新作チキンバーガー発売だって!? これは行くしかないね!」

ファミリーレストランてんくう。

シカ型のウエイトレスが声をかける。

 

ウエイトレス「ご注文はお決まりでしょうか?」

美鈴「新作のチキンバーガーお願い出来るかしら?」

ウエイトレス「かしこまりました。しばらくお待ち下さいませ」

 

美鈴「さあて、どんなバーガーが出てきますやら。楽しみだねえ」

 

ブオン! ブオン! ブオォォォーン!!

 

美鈴「おや?」

 

窓の外を見やる美鈴。

フルフェイスのヘルメットにバイクスーツ姿の巨デブの男が二人、バカデカいバイクから降りて入口に向かってくる。

 

美鈴「あんな無駄にデカいバイクに。兄ちゃんたち、他に乗るもんがないのかねえ?」

♪~(入店チャイム)

 

ウエイトレス『いらっしゃいませー!』

男1『どっこいしょっと! あー、疲れたやで』

男2『ホンマやなあ。長時間のバイクは腰に来るで』

 

メットを付けたまま、壁際の長椅子にふんぞり返る二人。

 

美鈴「なんだいあの二人。あんなにふんぞり返って、あれは共用スペース、隣のテーブルの客が迷惑しているじゃないか。しかも、片足乗せて、バイクブーツに着いた泥まで椅子に着けちゃってさ」

 

ウエイトレス『あの、お客様』

男1『なんや姉ちゃん?』

ウエイトレス『申し訳ありませんが、そこは隣のテーブルとの共用になります。占有は他のお客様のご迷惑になりますので…』

 

美鈴「おおっ、言ってくれた言ってくれた! 誰だってあんな珍走野郎には関わりたくないだろうに、あの子なかなか勇気があるわね」

 

男1『あぁ?』(ギロッ)

ウエイトレス『ひっ!』

男2『ワシら誰や思とんねん! 舐めると承知せえへんで!』

ウエイトレス『ううっ…』

 

美鈴「あーあ。かわいそうに、怯えちゃってるよあの子。仕事とはいえ、いやなもんに関わっちゃったねえ」

 

男1『それよりも姉ちゃん』

ウエイトレス『な、なんでしょう?』

男1『せっかくのツーリング記念や、このスマホでワシらの写真撮ってくれへんかやで?』

ウエイトレス『そ、それはちょっと…』

男1『なんや自分、ワシの言う事が聞けへんのかー!!』

 

ガシャーン!!

 

男1は、力任せにテーブルの上のメニューを床に叩き付けた。

 

美鈴「!!」

 

ウェイトレス『きゃあーっ!! て、店長ー!!』

 

逃げるように奥に消えていくウェイトレス。それと入れ替わるように、犬型セリアンスロゥピィの店長が出て来る。

 

店長『あの、お客様』

男1『何や?』

店長『迷惑行為はおやめ下さい。これ以上迷惑行為をされると退店していただきます』

男1『あぁ?』

男2『ワシらがいつ迷惑行為をしたんや、言うてみーっ!!』

 

ガッシャーン!!

 

店長『うわあっ!!』

 

今度はテーブルをひっくり返す二人の男。ひどい狼藉ぶりである。

 

美鈴「もう我慢ならない!!」

美鈴「ちょっと、あんたたち!」

男1「なんややで?」

美鈴「暴れるんならよそでやっとくれ! 店の人も他のお客さんも迷惑してるじゃないか!」

男1「誰が暴れとんねんやで、あぁ?」

男2「ワシら長時間のツーリングで疲れとるんや。関係ないチビは黙っとれ!」

美鈴「チ、チビ…」(ブチッ)

男1「せやせや。ガキはファミレスなんかに来んと、家で母ちゃんのおっぱいでも飲んどきやでw」

男2「怪我しないうちに帰ったほうが身のためやw」

美鈴(ブチブチブチイッ!!!!)

美鈴「わたしゃこれでも24歳、あんたたちよりも年上だよ!! 食らいな、怒りのスプリングショーット!!」

 

ドカーン!!

 

男1&男2「「ぎゃあーっ!!(やでー!)」」

説明しよう!

 

美鈴の手と前腕は強力な電磁バネで繋がっており、普段は手首側がN、前腕側がSになっている。

しかし、普段は温厚な美鈴の怒りが頂点に達した時、前腕側もNにシフト、その反動で手首から先がもの凄い勢いで飛んでいくのだ!

 

その名も「スプリングショット」!!

 

そして発射した後は、また前腕側をSに戻して回収、何度でも何度でも連射が可能なのだ!

衝撃で二人のメットが吹っ飛んだ。

 

美鈴「あ、豚。しかも若い兄ちゃんかと思ったら、二人ともおっさん、いや初老か!」

豚男1「ギブギブ! ギブやで!!」

豚男2「堪忍や堪忍!」

美鈴「まだまだまだぁ!! 二人ともそんなにデカい図体してて、子供はお前らだよっ!! スプリングショット乱れ打ちイィーーー!!!」

 

ドドドドド、ドカーーーン!!!!

 

豚男1&豚男2「「うぎゃあーーーっ!!(やでー!)」」

 

外でパトカーのサイレン音がし、二人の警官が乗り込んで来た。

 

佐和子「ゴルァーーーー!! 迷惑行為をしてる客はどいつだーーーー!!!」

豚男1「あ、おまわりさん! ワシらなーんもしてへんのに、このマシーナリーのチビ女が一方的にワシらに暴力を!」

豚男2「そうそう! はようこいつを逮捕したって下さい!」

佐和子「ふーん。あんたが店長か? 実際のところどうなんだ?」

店長「違います! この豚のお客様方が店内で暴力行為をはたらいてたんです!」

ウェイトレス「そうです! そのマシーナリーのお客様は、暴れるあの二人を取り押さえて下さったんです!」

佐和子「だ・と・よ(はぁと) ま、そんなことははなっから分かってたさw とことん腐った豚共はこうだーーー!!!!」

 

ドカドカアッ!!

 

佐和子警部怒りのキックが炸裂!

 

豚男1、豚男2「「ぎゃあーっ!!」」

 

ひろみ「お怪我はありませんか美鈴さん?」

美鈴「わたしゃ全然平気さw」

 

佐和子『オラオラオラーッ!! ワーッハッハッハー!!!』

 

ドカッ!! ドカッ!! ドカッ!!

ドカッ!! ドカッ!! ドカアッ!!

 

豚男1『うぎゃあああーっ!!』

豚男2『ぎゃあああーっ!!』

 

倒れた豚男二頭に、容赦なく佐和子キックのシャワーが降り注ぐ!

 

ひろみ「佐和子警部のブーツ、底に分厚い鉄板が入ってるから相当痛いですよアレ…」

美鈴「そ、そうなのかい…?」(滝汗)

 

・・・・・・

<ファミレスで迷惑行為を行った男二人を逮捕>

 

フィーア@TVニュース『今日正午頃、ファミリーレストランてんくうで、店への迷惑行為及び店員や他の客への威圧行為を行った男二人が逮捕されました。逮捕されたのは、いずれも豚型セリアンスロゥピィで、無職の犯 瀉豚容疑者と、自称画家の出 保田容疑者の二人です。犯容疑者らは、居合わせた他の客によって取り押さえられ、駆けつけた警官に引き渡されました』

 

<「豚男二人を取り押さえた お手柄の客」の字幕>

 

美鈴『いやー、みんなが楽しい食事をするために来るファミレスであんな迷惑行為をするなんてさ。あのおじさんたち、どんな育ち方をして来たのかねえ。わたしも久しぶりに怒りで我を忘れちゃったよ、フフフw』

 

フィーア@TVニュース『警察は、迷惑客二人の逮捕に協力したこの女性客を表彰する方向で検討しており──』

翌日、でんきの梶谷。

 

唯「ニュース見ましたよ美鈴さん!」

和美「あたしたち胸がスーッとしました!」

雪歩「インタビューに答える美鈴さんもとってもカッコよかったぜ!」

美鈴「よしとくれよ、恥ずかしいじゃないか;;;;」

唯「しかし、バイクスーツ姿でボッコボコにされて連行されていく豚のおっさんたち、あれなあに?www」

和美「二人ともまるでボンレスハムで超ウケるんですけどwww」

雪歩「まさに豚のボンレスハム!www あんな豚共、俺たちがやっつけたかったよなあwww」

 

♪~(入店チャイム)

 

佐和子「ごめんよー」

ひろみ「こんにちは美鈴さん」

美鈴「おや、お二人ともいらっしゃい。昨日はお疲れ様でした」

佐和子「あんたもな美鈴さん」

唯「あ、佐和子警部。警部もニュースに映ってましたね」

和美「そうそう、連行される豚共の後ろに映ってました」

雪歩「カメラに向かってニカーッてVサインしてたな」

ひろみ「やっぱり映ってたんだ…。だから恥ずかしいからやめて下さいって言ったのに…」

佐和子「うるせえ! でな美鈴さん、今日はあんたにお願いがあって来たんだ」

ひろみ「既にニュースでご存知かもしれませんが、警察からあなたに感謝状を贈ることが正式に決定しまして、その贈呈式に出席をしてはいただけないかと思いまして」

美鈴「あらあらそれはそれはw もちろん喜んで出席させていただくわ」

ひろみ「ありがとうございます」

佐和子「あんがとよ! そうだ! ちょうどいい機会だ。唯、お前たちにいい話をしてやろう」

唯「いい話?」

佐和子「ああ。その昔、あたしがまだ中学生だった時に、同じクラスにとんでもねえ悪ガキの豚男がいてな。自分より弱い奴を恫喝するのは日常茶飯事、無免許でバイクを乗り回す、ガッコサボって外で飯食って、その写真をネットに自慢気に上げるとか、好き勝手し放題だったんだ」

唯「うわ、何その豚?」

佐和子「ところがその豚男、ある日自分の悪い噂を耳にして、『何でみんなボクのこと悪く言うん? ボクなーんもせえへんええ子やのに』ってシクシク泣き出したのさ」

唯、和美、雪歩「「「……」」」

唯「何それ…。よく分からんメンタルね…」

和美「全然自分が見えてないっていうか…」

雪歩「自分だけいい子だと思ってんだろうな…」

唯「で、どうなったんですか?」

佐和子「そいつは、ある日学校をサボって悪い仲間とバイクで珍走してな。──事故って帰らぬ豚となったw」

唯、和美、雪歩「「「あー」」」

唯「神様はちゃんと見てたってことね」

和美「うん。周りの迷惑を顧みず自由気ままに生きる豚に天誅!」

雪歩「ま、そういうことだな」

佐和子「つまり何が言いたいのかと言えば、お前たちには真っ直ぐな大人に育って欲しいってことさ」

ひろみ「そうそう。そうしないと佐和子警部みたいになっちゃうからねw」

佐和子「だからうるせえんだよ!」(ぺしっ!)

ひろみ「いてっ!」

美鈴「まあこの子たちに関しては心配要らないよ」

ひろみ「俺もそう思います。あのねじ曲がった豚共に比べたら遥かに真っ直ぐ育ってますよ、この三人は」

佐和子「だよな。あたしの杞憂だったぜ、ガッハッハッハ!!」

 

 

=END=

 

 

 


 
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