No.111700

新たなる外史の道 外伝 桃香内政建て直し編

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。


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2009-12-11 23:55:07 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:8175   閲覧ユーザー数:6122

私が蜀に帰ってきてから1ヶ月がすぎました・・・

 

それなりに忙しいです・・・

 

不況の処理で皆テンテコマイです・・・

 

でも、どうにかこうにかなっています・・・

 

 

私は天の言葉で言う、パブロフの犬よろしく、朝5時に起き、重りを背負って全力疾走した後、仮想組み手を行い、瓦版を読み、朝食を取った後、朝議に参加しています。

 

1年間の癖が抜けません・・・

 

今考えたら、すりこみで国に帰っても訓練するように鍛えたのだと考えました。

 

あの四人なら出来る気がします・・・マジで・・・

 

そんな事を考えながら朱里ちゃんと雛里ちゃんの話は軍の兵員状況から、経済の方に移り変わる。

 

「今現在、私達、蜀の国力は最低の2.5から一気に4に回復しました」

 

朱里ちゃんは嬉しそうに報告する。

 

「国力が上がった背景には、蒼外資系企業の事業活動再開と蒼との輸出入の再開が経済を回復したばかりか成長に転じさせました」

 

雛里ちゃんも嬉しそうに報告する。

 

「民衆の支援状況は?」

 

「はい、生活困窮者への食糧配給や援助金、公共事業への労働での報酬で減ってきています♪」

 

私の質問に、朱里ちゃんは嬉しそうに声を弾ませながら報告する。

 

良かった・・・今の所、一刀さんの支援や、外資系企業の参入で成長を遂げたみたいだけど、油断は出来ない・・・

 

何時転落しても可笑しくない・・・それはこの不況で実感している・・・

 

「何時これが転落して不況になるか解らないよ、皆、気合入れて頑張ろう!!」

 

私の激に皆が答える。

 

『御意!!』

 

 

しかし、この掛け声の後に焔耶ちゃんが口を開いた。

 

「しかし、桃香様? 今の所別段慌てる必要も無いのでは?」

 

・・・このコ・・・アホの子ですか・・・?

 

そんな認識が私達にあったからこの大陸に不況が起こった事、忘却の彼方へ追いやっちゃたのかな・・・?

 

「どうしてそう思うのかな? その根拠や推論は何処から出てくるのかな? 客観的かつ現実的に説明して」

 

私がそう言うと焔耶ちゃんは詰まりながらも説明する。

 

「それは・・・今の状態はから考えて・・・今の状態が続けば・・・」

 

甘すぎる・・・甘すぎる認識だよ・・・それ・・・

 

意識改革が必要だねこれは・・・

 

皆、喉喪と過ぎれば熱さ忘れるの状態だよ・・・

 

何とかしないと国が潰れちゃう・・・

 

軍事的な危機管理だけが優れていても意味が無いだよ・・・

 

経済、国民の意識、国民生活、その全てが国家と言う生き物を見る上で重要な要素なのに・・・

 

・・・皆何処か他人事で、あの朱里ちゃんや雛里ちゃんでさえ他人事の様な雰囲気が出ている・・・

 

これは不味い・・・

 

改めて一刀さんの凄さと、目指すべき所の高さを思い知らされた。

 

何とかしないと・・・

 

 

私は寝ないで考えた・・・皆の意識改革を如何すべきか、私達の国家の進むべき方向性は如何すべきか、理論的で現実的な方法を私は考える。

 

考えている時、ふと、一刀さんの言葉が思い出される。

 

『学ぶとは即ち模倣、真似ることから始める』

 

と、言う言葉が・・・

 

「模倣・・・か・・・」

 

不意に私はそう口ずさむ・・・

 

国家戦略を長期的に見たとき明らかに一刀さんの方が優れて有効なのは決まっている。

 

だが、その国の慣習や習慣を壊した考え方は余り良いとは言えない・・・

 

一刀さんは良くも悪くもこの世界の破壊者だった・・・

 

漢王朝の古い考えや政治体制、王と国民の距離、国民の教育・・・

 

風習、軍事、ありとあらゆる物が北郷 一刀と力の名の下に瓦礫残さず、ぶち壊された。

 

この古い体制や秩序の崩壊した更地の上に新たな秩序が誕生した。

 

蒼を頂点に魏、呉、そして、私達、蜀・・・

 

この3大国を相手に如何にして、国家戦略を、我が国の舵取りをしていかなければならない状況に、皆は何処か他人事の様な気がした・・・

 

まず、方向性の確認では、この大陸の人たちの安定の為、今の状況こそが最良と言えるが発展はしたい・・・

 

国の産業の再生と新展開、交通網の新開発と見直し、地方政治の充実、軍隊の再編成、生活困窮者の救済の継続、傷病兵の福祉、孤児や未亡人の救済、などなど・・・

 

上げれば上げるほど、探せば探すほど、仕事は溢れている・・・

 

どうしよう・・・

 

 

私は朝議の時、皆にこう言いながら竹巻の山、千本を置いて言う。

 

「これが今朝みんなの課題、千本あるから朝までにやっておく事、出来たら次の課題を出すからやっておいて・・・出来なかったらそれなりの罰が用意してあるからそのつもりでやってくれるかな?」

 

「何ですか? コレ・・・?」

 

愛紗ちゃんの質問に私が答える。

 

「それは皆の意識改革の為の竹巻だよ。ハッキリ言って皆の考えが手緩いし頭の中が常春だから締め上げる為に出した課題。ハッキリ言って重鎮達がコレでは国が滅ぶと判断して締め上げるよ」

 

全員険しい顔になったね・・・

 

「恐れながら桃香様、ここまでしなくとも・・・」

 

愛紗ちゃんは手緩い事を言う・・・

 

「それが手緩いんだよ・・・愛紗ちゃん・・・今余裕がある時期にしておかなければ国が危機的状況になった時に慌ててしたんじゃ、またこの国の国民は貧困にあえぐ事になっちゃうの、今回は国民が回復をみてまだ大丈夫と判断したけどもうそんな甘い判断してくれないよ国民は・・・蜀で生きていけないと判断したら国民は違う国に行くよ間違いなく・・・

だからこそ皆、甘い考えはこの場で捨ててもらうの・・・

ハッキリ言って朱里ちゃんや雛里ちゃんの国民を無視して、軍事に傾けた政治はもう通用しない・・・北郷さんが推し進めた貿易経済で、戦争で方がつく時代は終わりをつげたの・・・

今は国民こそが私達の大事な雇い主だと国民は心の中では認識したよ。

あの不況で・・・だからこその意識改革なの解った? 皆?」

 

「それは解りますが・・・」

 

「解っていないよ・・・皆・・・今この大陸がどれだけ不安定な土台の上にいるのか・・・

何時土台が崩壊し、この大陸が崩れるのか・・・

だからこその決断なんだよ・・・

皆の竹巻の中にはそんな重要案件が全て収められてる・・・一つ間違えばこの大陸の土台の一つが崩れるくらいの案件が・・・

だから・・・心して取り掛かってね、私も確認は全て行うから・・・皆、頑張ろう」

 

そういい私は朝議を締めくくった。

 

 

私は自分の執務室で自分の課題2万本を処理していた。

 

コレぐらいあの四人に比べれば全くもって微々たるもんだから・・・

 

さっさとおわらそ~♪

 

私が鼻歌交じりに書類整理をしていると朱里ちゃんが課題が完成したとの事で私が確認していた。

 

「うん、もう少し、軍事の予算を縮小できないかな・・・コレじゃあ軍事の部分が占めすぎて、後ココ・・・ちゃんと自分の目で見てから視察した? 私が確認した時には酷い状況だったよ。自分の目で確認しない限りは安易に私の所に回すのは控えてね。後、金銭状況は1億6千万から1億6千五百万になってるから再度確認お願いね」

 

「はい・・・解りました・・・」

 

そう言い朱里ちゃんは机に戻り、金額の確認から始めた。

 

ノック音が室内に響き渡る。

 

「はい、どうぞ」

 

「失礼します。本日の課題が完成いたしました」

 

そう言い雛里ちゃんが竹巻を持ってきた。

 

私は雛里ちゃんの書類も確認し、修正、指摘を入れていく。

 

 

全員の修正、指摘が完了した後、私は文官達を集めて、竹巻4万本を今日中に処理するように命じた。

 

文官たちはの反応は・・・

 

「ひ、一人・・・一万本・・・はわわ・・・」

 

と、朱里ちゃんが呻き、目を回した。

 

「あわわ・・・そんなに処理できません・・・」

 

涙目になりながら雛里ちゃんが呟く。

 

「桃香! アンタ、私達を殺す気!?」

 

詠ちゃんは怒鳴りながらそう叫び。

 

「無茶言わないでください!!」

 

と、音々ちゃんが叫んだ。

 

私は彼女達にこう言う。

 

「出来る出来ないの問題じゃないの・・・やるかやらないかの問題なの・・・

 

だから・・・ツベコベイワズニ・・・ヤレ・・・」

 

私は皆にそう言う。

 

((((ひぃ~~~~~~~~~~~!! こ、怖い!! 顔は笑ってるけど目が据わってる~~~~~~~!!それに、そんな無茶な・・・貴女と一緒にしないで・・・))))

 

文官達は頭を垂れて引き受ける。

 

 

続いて私は武官達を招集し、全員で合同訓練をすることにした。

 

「それじゃあ、模擬戦しようか、人数は私一人と後全員、私に一撃当てるか、全滅で終了だよ。質問は?」

 

私がそう言うと、愛紗ちゃんと翠ちゃん、蒲公英ちゃんと鈴々ちゃんと恋ちゃん以外はそんな無茶なと言う感じの顔をした。

 

「・・・本当によろしいのですか? 桃香様・・・」

 

焔耶ちゃんはそう質問してきた。

 

「大丈夫~♪ そんな心配されるほどヤワな訓練はしてきてないよ」

 

私がそう言うと焔耶ちゃんは渋々ながらも了解した。

 

「さて・・・始めますか・・・」

 

そう言うと、愛紗ちゃん、翠ちゃん、蒲公英ちゃん、鈴々ちゃん、恋ちゃんは闘氣を全開で私と向き合う、実戦での臨戦態勢だね。

 

しかし、紫苑さん、桔梗さん、焔耶ちゃんは5人が何故全力を出すのか理解できないみたいだ・・・

 

「・・・行く!!」

 

恋ちゃんがそう言い、先制攻撃を仕掛けてきた。

 

恋ちゃんの全力の右から左の横薙ぎを私は左から右に円を描く様に受け流し、その遠心力で袈裟懸けにする。

 

「がはぁ!?!?」

 

そう呻きながら崩れ落ちる恋ちゃん・・・一人でくるからそうなるんだよ・・・

 

「紫苑・・・お主・・・あの斬撃が見えたか・・・?」

 

「いいえ・・・見えなかったわ・・・」

 

桔梗さんと紫苑さんはそうやり取りしているが別段速い速度で振るっている訳ではないんだけどな・・・

 

それに氣も篭めて無いし、内氣孔、外氣孔、氣の物質転移はつかってないんだけど・・・

 

「さて・・・皆で考えて戦わないとこうなるよ・・・」

 

私がそう言うと残り3人も顔つきが変わる。

 

全員で考えながら戦ってはいるけど連携がお粗末だね・・・さて・・・如何したものか・・・

 

 

暫く戦っていて皆疲れが見え始めた。恋ちゃんも復活して、戦線参加したが人数が増えただけで余り意味が無かった。

 

余りの連携の取れなさに私は憤りを覚えた。

 

私は氣を鎖にし、皆を縛り上げる。

 

「・・・・・・皆・・・やる気があるのかな? 肩で息して・・・今まで訓練を怠っていたんだね・・・・・・

 

・・・・・・少し・・・・・・反省しようか・・・・・・?」

 

私は右側に剣を掲げ剣を回転させ、技を放つ・・・

 

「剣乱風車・・・」

 

そう呟き、回転した剣を目標目掛けて投げつける。

 

剣は回転しながら更に乱回転し目標達をズタズタにしていく・・・

 

刃潰しているからあんしんだね・・・

 

全員は剣乱風車を受けて気を失った・・・

 

 

私が武官達をその場に放置した後、文官達を見に行くと、文官達は半泣きの状態で書類を片付けていた。

まだ・・・終わってないの?

 

私は兵に命じ、武官達を叩き起こさせた。

 

重鎮達全員を招集して私は口を開く。

 

「これで解ったでしょ? どれだけ貴女達が甘い考えでいるか? 悪いけど北郷さん達はコレの百倍位は強いし、書類の数も多いの・・・私達は甘えていたんだよ・・・

それを認識させる為に厳しくしたの・・・でも忘れないでほしいの私達が目指しているこの大陸の人たちの笑顔はコレよりも遥かに高い次元で取り組まないと意味が無いの・・・現状に甘えては私達はそれまでの人達なの・・・今のこの国でさえ満足に治められない・・・私はそれを解って欲しかったんだ・・・」

 

私の説明に皆今までの自分の不甲斐なさに俯き下唇を噛み、握り拳を震わせる。

 

「これからは各自その事を頭に入れて仕事に励んで欲しいの、解った?」

 

『はい!!』

 

全員がそう言い決意を新たにした。

 

大丈夫、まだまだこの国も変わっていける。そう思えた・・・

 

甘いかも知れないけど・・・有効なやり方でもないけど・・・

 

それでも私達は変わる努力を怠らないようにしていきたい・・・

 

そう思った・・・

 

 

オマケ

 

「皆・・・だらしないね・・・私も人の事言えないけど・・・」

 

「桃香様はどうしてここまで強くなられたのですか?」

 

愛紗ちゃんがそう聞いてきた。

 

「それはね・・・朝5時位に叩き起こされ、眠いと文句言うと全力で拳骨を頭に叩きこまれ、床にめり込み、10貫背負って、三里全力疾走で走らされ、朝の訓練で死ぬ一歩手前まで訓練して、昼には巻物1万本処理したら強くなったよ~♪」

 

「そんな無茶を!? 何て人たちだ!? あの四人は!!」

 

愛紗ちゃんは憤慨しながら怒る。

 

「安心して、愛紗ちゃん・・・文官の人達には1万本以上処理してもらうつもりだから・・・」

 

「「「「へ・・・?」」」」

 

「武官の人たちは訓練はそれ位しようね」

 

(((((((無理だ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!)))))))

 

「皆・・・頑張ろう」

 

(だから!! 無理だって!!)

 

全員そう心で叫んだ。

 

「勿論強制参加だから♪」

 

(イヤ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!)

 

またまた、全員心の中でシャウトした。

 

 

その後、蜀は文官、武官、役人や兵士関係なく絶叫した・・・

 

そして、蜀の文官武官達は桃香をこう恐れた・・・

 

『魔王トウカサマ』と・・・・・・

 


 
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