この作品はキャラ設定が崩壊しています。原作重視の方はご注意下さい
時代背景がめちゃくちゃです
一刀くんがチートです
それでもいいかたはどうぞ
袁術・呂布連合を何とか撃退した桃香たちは、敵として戦った呂布と陳宮の二人を仲間にした
戦いに勝利した桃香たちとは逆に袁術たちは行方不明状態
主な原因としては、桃香たちと袁術が戦っているときに、その後方で雪蓮が武装蜂起し、本城を奪われたからである
こうして桃香たちは隣国に英雄が誕生してしまった
そんなとき、桃香たちのもとに、北方に放っていた細作の一人が、緊急事態を携えて城に戻ってきた
緊急事態の内容は袁紹の滅亡
桃香たちが戦っている間に、大陸の北方では曹操と袁紹が雌雄を決していた
世に言う官渡の戦いである
その後、戦いに敗れた袁紹は、猪々子、斗詩、麗羽の三人は桃香たちの領土内をうろうろしていたところを鈴々が見つけ保護する事となった
こうして桃香たちの勢力は大陸内でもそれなりのものとなっていた
そんなある日……国境を守っていた兵士の一人が、傷ついた身体と共に駆け込んできた
兵士「も、申し上げます! 北方の国境に突如、大軍団が出現! 関所を突破し、我が国に雪崩れ込んできております!」
桃香「ええっ!? 大軍団って一体どこのっ!?」
慌てた様子の桃香に星が
星「桃香様、それは愚問だ。北方に最早勢力は一つしかない」
桃香「あっ、そっか」
桃香はそう言いながら手をポンッと合わせる
一刀「曹操。動き出したか……」
愛紗「ぬぅ……。北方を平定し、治安を維持している曹操の手腕は認めるが、何故更なる戦いを望むのだ」
朱里「覇王として大陸を統一し、己の理想を現実の物とするためでしょう」
雛里「あの人が本腰を入れて動き出せば、大陸は再び戦乱の渦に巻き込まれます……」
鈴々「だけど攻めてきている以上、戦うしかないのだ」
星「鈴々の言う通りだな。……して、敵の兵数は分かっているのか?」
兵士「はっ、それが……」
愛紗「んっ? どうかしたのか?」
兵士「……はい。敵の兵力はおよそ五十万ほどかと」
兵士の報告を聞いた瞬間、その場にいる一同の顔が驚きの色に染まる
桃香「ご、五十万っ!?」
兵士「はい。地平線を埋め尽くすほどの人の波が、あっという間に関所を覆い尽くし、まるで蝗の群れのように瞬く間に関所を破壊し尽くしてしまってのです」
一刀「五十万か……」
この時一刀の脳内では地平線を埋め尽くす程の人の波を上空から見たら、意外と『曹操』とか描いてたら面白いのになと考えていた
朱里「我が軍の規模は約三万。義勇兵を募るなどすれば何とか五万人には届きますけど……」
星「……勝負にならんぞ、これは」
そう言う星は苦々しい表情をしていた
雛里「敵よりも多くの兵を準備するのが、兵法の基本ですからね……」
愛紗「しかし、我が国の住民を守るためにも、曹操軍を止めなければ……!」
愛紗は強く拳を握る
桃香「何か方法を考えないと……」
鈴々「五万人で五十万人に勝てる方法なんて、考えたって見つからないのだ」
朱里「ですが何か策を考えないと……」
雛里「策……策……策……策……」
一刀(sakusaku? あれは面白かったな……木村カ○ラの時だけ見てたぞ)
桃香「うーん……」
愛紗「五十万の相手をまともに戦えるはずはありません。しかし、せめて一太刀浴びせ、われらの信念を見せるべきかと」
すでに愛紗の瞳は覚悟を決めようとしていた
星「愛紗よ。今の時点で捨て身になってどうする。まだそのように思い詰めるには早い」
愛紗「しかし! 五十万対五万という戦力差がある以上、捨て身になるしか方法は無いではないか!」
星「捨て身になるのは最後の最後だ。勝敗さえ決していない今の段階では、勝つ方法を探すことに力を注がねば……」
そういいながらも星自身も心のどこかでは捨て身になる愛紗を理解できていた
皆が黙る中、一刀が発言をする
一刀「この状況を打破する方法なら一つだけある……」
朱里「……!! 一刀さん! その方法ってなんですか!?」
一刀の一言に皆が食いつく
一刀「この国を捨てて他国に逃げる事だ……幸い、今は蜀のあたりが跡継ぎ問題で荒れている」
しかし、一刀が言った案とは自分の国を捨て、他人の国を奪うというもの
雛里「そこに入り込もう……ということですか?」
一刀「…そういうことだね……」
当然、一刀の案に反対するものもでてくる
愛紗「何を馬鹿な! 我々が逃げ出せば、この国の人たちはどうやって自分の身を守れば良いんです!」
一刀「愛紗はさっき、治安を維持している曹操の手腕は認めるって言ってたよね」
愛紗「……!! それは……」
一刀「それにこれは愛紗がいうには勝ち目の無い戦なんだよね? そんな戦に愛紗は守るべき民を巻き込もうって思うのかい?」
愛紗「……いいえ。思いません」
一刀「なら……。わかってくれるよね」
愛紗「……はい」
一刀「他に反論のある人はいるかな?」
そう問いかける一刀に反論を持ち出すものは無く
一刀「それじゃあさっさと逃げる準備に入ろう。曹操は待ってはくれないだろうからね」
桃香「そうだね。それじゃあ私と朱里ちゃんは長老さんと、他のみんなの説得。愛紗ちゃんと星ちゃんは兵をまとめておいて。雛里ちゃんと一刀さん、鈴々ちゃんは書類をまとめて持ち出せるようにしておいてね」
白蓮「私はどうする?」
桃香「えーっと……袁紹さんのお守り」
白蓮「……はぁ、貧乏くじだなぁ……」
そう言いながら白蓮はがっくりと肩を落とす
桃香「それじゃあみんな、急いで準備して!」
全員「「「御意!」」」
その後、華琳たちが徐州に入る頃には桃香たちは撤退の準備を完了して、蜀を目指していた
朱里「桃香様ー!」
朱里は叫びながら桃香のもとへと駆けつける
桃香「朱里ちゃん、お帰りー! 後方の様子はどうだった?」
そう訊く桃香に朱里は身だしなみを整えてからゆっくりと話し出す
朱里「国境の拠点を落として以降、曹操さんの軍は破竹の勢いで進軍していますね」
一刀「敵の進路はどうなってる?」
朱里「東方から彭城に向かう一隊と、西方から彭城に向かう一隊。そして、そのまま南下している曹操さんの本隊。あとは……」
愛紗「あとは?」
朱里「先行し、私たちの動きの偵知を目的とした部隊が、他の部隊と連携を取りつつ動いています」
星「偵察を目的とする一隊? ……ということは、奴らはまだ我らの動きに気付いてないということか」
朱里「まだ気付いてないとは思いますが、バレるのは時間の問題だと思います」
愛紗「先行している部隊がいるのならば、それも当然か……」
自然と顔を伏せる二人
白蓮「後退して先行してくる部隊を叩くか?」
そう白蓮が発案するが
桃香「それはダメだよ。折角素早く引越しする事に決めたのに、意味がなくなっちゃう」
一刀「桃香の言うとおりかな。……今は逃げる事に全力を尽くさないと」
雛里「今の段階ではそれしか方法は無いかと……」
白蓮「あぅ……」
三人に完全否定される
愛紗「うーむ……しかし」
そう言いながら愛紗は後方に視線を向ける
愛紗「兵と輜重隊だけでも動きが鈍重になるのに、これほどまでに民たちがついて来ているのですから……」
そう言う愛紗の視線の先には遥か後方までに渡って民の列が出来ていた
星「これ以上は速度は上げれんな」
一刀「そうだね……。この人たちを守る事こそが今の俺たちにとっては最重要なことだからね」
愛紗「部隊を二つに分けましょう。先導し、先行して益州の城を落とす部隊。それと共に、後方にて曹操軍の追撃を防ぐ部隊を用意しましょう」
星「それしか方法は無いか。……後方の部隊に二万。前方の部隊に三万を割り振り、残りを民たちの護衛に廻す、というのでどうだろう?」
朱里「問題は無いかと。では先鋒は愛紗さんと鈴々ちゃんを。護衛部隊の指揮は星さんが指揮を執って下さい。恋さんとねねちゃんと白蓮さんは桃香様の護衛をお願いします。あと、殿ですが―――――」
桃香「殿は私が受け持つよ」
そんな桃香の言葉にその場にいる一同がおさえにかかる
白蓮「桃香っ!? そんなこと、させられるはず無いだろう!」
愛紗「そうです! そんな危険な役目は我らに任せて――」
桃香「でも! 私についてきてくれているこの人たちを、私自身の手で守りたいの……!」
一刀「……落ち着いて、桃香。桃香の気持ちはみんなも充分に分かってるんだから」
桃香「一刀さん……」
一刀「でもね。皆を導いていくことと、皆を守るってことは同じじゃない」
桃香「……どういうこと?」
一刀「人の先頭に立って、手を引いて歩いていく。……これは誰にでも出来る事じゃない。それと同時に自らの力で誰かを守る。これも誰にでも出来る事じゃないんだよ」
星「一刀殿の言うとおり。……桃香様は導き手だ。それは桃香様にしか出来ないこと」
朱里「そして私たちは守り手なんです。……だから桃香様にはみんなの先頭に居て貰わないと」
一刀「それで、殿は俺にでも任せといてくれればいいからさ」
桃香「一刀さん……」
一刀「わかってくれた?」
桃香「……(コクッ)」
一刀「ありがと。……じゃあ配置につこう」
そう言うと一刀は部隊を率いて後方に向かおうとするが
愛紗「一刀殿!」
一刀「ん? どうしたの?」
愛紗に呼び止められる
愛紗「一刀殿……どうかご無事で」
一刀「愛紗もね、他の皆も……」
星「少なくとも私は平気ですな」
鈴々「鈴々も平気なのだー!」
一刀「そっか」
一刀は一度、その場の全員に笑顔を向けると兵を率いて後方に向かっていった
桃香たちの後方
一刀「……さすがに緊張するな~」
そういいながら一刀は背に担いだ包みを見る
一刀(こいつも初めての戦場だからな……期待してるよ)
そう思いながら包みをポンポンと叩いていると
兵士「申し上げます!」
一刀「城が落とされた?」
兵士「はい……」
一刀「残った民の様子は?」
兵士「はっ。曹操は民に手を出す事は無く、特に問題は無いようです」
一刀「ありがと。下がって休んでていいよ」
兵士「はっ! あの、北郷様……」
一刀「どうしたの?」
兵士「本当にお一人でよろしいのですか?」
一刀「大丈夫だよ。みんなは後ろの茂みにちゃんと伏せといてね。それと合図も見逃さないように」
兵士「了解しました」
そう言って兵士は下がっていく
兵士たちを後方の茂みに潜ませてからしばらく、一刀の視界に砂塵が入る
一刀「来たか……それじゃあ、挨拶といきますか」
そう言う一刀の横には槍が十本、そのうち一本を手に取ると
一刀「貫けーーーー!!」
思い切り砂塵の方位向けて投げた。槍は一直線に砂塵に向かっていく
春蘭「ん? あれは……敵か? 何故一人―――」
そう呟いていた春蘭の横を槍がものすごい勢いで通り過ぎ
兵士「ぐわーー!!」
兵士「がああああ!」
兵士「ひでぶ!」
何人かの兵士を貫いた
春蘭「……ちっ! 敵の攻撃だ! 皆、注意しろ!」
春蘭がそう叫んでいるうちにも何本か槍が飛んできて、兵士を貫いていく
そして、最後の一本は春蘭が乗っていた馬に直撃して、春蘭は馬から落馬する
『ブッチーン』
その瞬間、何かの切れる音と共に春蘭が
春蘭「うがーーー!!」
叫び声を上げながら馬にも勝る速さで一刀に突っ込んでいき、魏の兵もそれに続くが
一刀「放てーー!!」
一刀の合図と共に一刀の後方の茂みから大量の矢が放たれ魏の兵を仕留めていく
それを確認した一刀は
一刀「総員! 全力で走れーー!!」
兵士「「「応!!」」
一刀の掛け声と共に兵士達は後退していく
春蘭「逃がすか! 追えーー!!」
霞「敵を逃がすんじゃないで!!」
曹操軍は必死に一刀たちを追撃するが、長坂橋を前に一刀はくるりと反転する
長坂橋の前には一刀以外の姿は無く、既に兵たちは桃香たちのもとへと向かっていた
一刀(逃げ足は速いな~。まぁいつも鈴々や愛紗たちから逃げ回ってるんだろうな……)
そんなことを考えている一刀の前に四人の将が現れる
一刀「我が名は北郷一刀」
春蘭「夏侯惇だ」
秋蘭「ふむ。お主が北郷一刀か、私は夏侯淵」
霞「張遼や。あんた以外には誰もおれへんのか?」
一刀「そうだけど……何か問題でも?」
季衣「ええ~。それじゃあ関羽も張飛も趙雲もいないってこと!?」
一刀「……(コクリ)」
季衣「そんな~。こんな奴相手じゃ盛り上がりませんよね。春蘭さま」
春蘭「そうだな。さっさと終わらせて劉備の本隊に――」
一刀「はぁ、俺ってそんなに弱そうなのかな……」
そんなことを言いながら一刀はすさまじい闘気を四人に向け
一刀「これでも俺は雑魚かな?」
そう笑顔で訊く
霞「……!! ええやん、ええやん♪ あんた中々楽しめそうやん♪」
一刀「そりゃど~も。で、まずは誰が相手かな?」
季衣「まずは僕が相手だ! お前なんか春蘭様たちが相手するまでもないや!」
そう言われた一刀は
一刀「……もう泣いてもいいですか?」
涙目で呟いていた
季衣「いっくぞーーー!!」
一刀「そこまで言うなら本気で行きますよ!!」
季衣が『岩打武反魔』を投げると同時に一刀が武器の包みを取る、中から現れたのは……
秋蘭「槍か!」
一刀は両手に持った黒と白の二本の槍を水平に構えると
季衣「えっ?」
一刀「まず一人……」
一刀は季衣の『岩打武反魔』を避けると懐にもぐりこみ、腹部に打ち込む
季衣「かはっ」
季衣はその一撃だけで気を失った
春蘭「季衣!! 貴様~!」
霞「惇ちゃん! こいつ強いで! 一人じゃ無理や」
春蘭「うるさい!」
春蘭は霞の言葉に耳も貸さずに一刀に突っ込む
一刀も春蘭に合わせて距離を詰める
春蘭「そこだ!」
そう言って春蘭は『七星餓狼』を振りおろすが、一刀はそれをスレスレのところで避けると両方の槍を同時に突き出す
春蘭「ちっ!」
春蘭はその攻撃を転がるような形で避ける
霞「今度はウチの番やでぇー!」
いつの間か一刀の背後にまわっていた霞は、連撃を放つ
一刀「そんぐらいやってもらわないとこっちとしても張り合いが無いですよ」
しかし、霞の連撃も全て避けられ、突きを放たれる
霞「おっと。そないな攻撃――!!」
霞は一刀の突きを後ろに跳ぶことで避けたと思っていたが、何故か一刀の槍は目の前まで迫っていた
霞(もう一本の槍で押しとんのか! これはやられたわ……)
そう思いながら霞は目を閉じるが
秋蘭「させるか!」
一刀の槍は秋蘭の矢によって弾かれ、霞に届く事はなかった
春蘭「はぁぁぁぁ!!」
今度は体勢を整えた春蘭がもう一度一刀に斬りかかる
一刀「でぇぇぇい!」
春蘭は斬撃、一刀は突き。互いの攻撃を防ぎながら攻める
二人は何合か打ち合っっていたが
一刀「ふっ!」
春蘭「……!!」
不意に一刀が今まで以上の速さの突きを放つ。その一撃は春蘭の防御を超えて、春蘭の頭部に向かうが
『ガチン』
一刀「………!! そんな防ぎ方ありですか……」
春蘭「ふぉうふぁ、おふぉふぉいふぁふぁ!(どうだ、驚いたか!)」
一刀の一撃を春蘭は歯で噛んで止めていた
春蘭「ふん!」
春蘭は一刀が驚いている隙に『七星餓狼』で薙ぎ払うが、一刀はそれを後ろに跳んで避ける
秋蘭「まだまだ!」
そう叫びながら秋蘭が矢を連射するが、一刀はその全てを突き落とした
秋蘭「化け物め!」
一刀(いや、君達も普通の人から見たら充分化け物じみてるよ~!!)
秋蘭の一言に一刀はとても言い返したかったが、自分も人のことを言える立場に無いのでやめておいた
秋蘭「お前は確かに強い。だが、いつまでも時間が稼げるとは思うなよ」
一刀「数で勝てないのは充分わかっているさ、ここには俺一人しかいないんだから。………けど、来たければくればいい」
そう言うと一刀は二本の槍を構え、深く腰を沈めて
一刀「この北郷一刀、仲間のためなら修羅になりて君達雑兵の一万くらい、軽く地獄に送ってあげましょう」
叫びながら一刀は今まで以上に闘気を放つ
三人は一刀の闘気に圧倒されて、思うように動けずにいた
一刀「やるならやるで早く来なよ。何回でも叩き伏せてあげますから」
そう一刀に挑発されても中々動き出せずにいた
そんな中、春蘭が
春蘭「くっ、舐めるな北郷! 我が名は夏侯元譲! 魏武の大剣なり! これしきの闘気で圧せられるほど、軟弱な私ではないわ!」
一人、剣を構え一刀の前に立った
秋蘭「姉者っ!」
秋蘭は心配そうに春蘭に声を掛けるが
春蘭「私に任せておけ」
春蘭は秋蘭にそう答えると
春蘭「……北郷一刀! 夏侯元譲が相手致す! 我が大剣の血錆となれぃ! うぉぉぉぉぉーーー!!」
雄叫びを上げながら一刀に渾身の一撃を放つが
『ガキンッ』
春蘭「ぐっ……」
秋蘭「姉者っ!」
霞「惇ちゃん!」
跳ね返されただけでなく、肩を槍で一突きされていた
一刀「これで終わりですか? なら今度はこちらから……!!」
そういうと一刀は一気に曹操軍との距離を詰め
兵士1「ぎゃーーー!!」
兵士2「うわーー!!」
次々と曹操軍の兵士達を殺していく
秋蘭「くっ……一般兵は下がれ! 貴様らの敵う相手ではない!」
兵士3「ひぃ!」
兵士4「助けてくれー」
秋蘭「兵は下がらせたが……。一人の逃亡が全軍の瓦解に繋がるな」
そう呟きながら秋蘭は他の三人を見る
秋蘭(季衣はまだ気を失っているか……姉者は肩に負傷。まともに戦えるのは私と霞のみ……か)「……霞」
霞「無理やな。今のあいつの闘気は尋常やない。……背後にいる民間人たちを、その身を犠牲にしてでも守ろうとする信念がある。今のあいつには誰も勝てへんわ」
秋蘭「くっ、ここまで劉備を追い詰めたというのに!」
秋蘭は悔しそうに地面を叩きつける、そこに
春蘭「秋蘭……」
秋蘭「どうしたのだ姉者」
春蘭「私の代わりに華琳さまを支えろ。……この命と引き替えに奴を倒す。良いな?」
そういう春蘭の目は既に覚悟を決めていた
秋蘭「な……何を言っているんだ、姉者! そんなことこの私が許す訳―――」
だからこそ秋蘭は全力で春蘭を止めようとしたが
春蘭「今はただ、劉備が頸を討ち取ることこそ必要。私の命でそれが叶うのならば安いものだ! 行くぞ、北郷一刀! 命を賭けた我が一撃、貴様の痩身を貫いてみせよう!」
一刀「……馬鹿が」
一刀は春蘭の言葉に小さな声で文句を言うと
春蘭「参る! でやぁぁぁぁーーーーっ!」
両手に持った槍を捨て、真っ向から春蘭に突っ込む。二人はぶつかりあうが、春蘭の口から血が吹き出し、『七星餓狼』を地に落とす
秋蘭「―――! 貴様ぁーー!」
霞「妙ちゃん! あかん、そいつには勝てんって!」
秋蘭は怒りに囚われ、一刀に襲い掛かろうとするが
華琳「待ちなさい!」
秋蘭「華琳様っ!?」
華琳「今の貴方が北郷に挑んでも死ぬだけよ。私の許可もなしに死ぬ事は許さないわよ」
秋蘭「しかし華琳様!? あいつは姉者を!」
華琳「春蘭は死んでないわよ。そうでしょう北郷?」
一刀「あれ? 分かりましたか?」
華琳「ふふふ。なんとなく……ね」
秋蘭は二人が不気味な笑顔をしているのが少し怖かった
一刀は春蘭のおとした『七星餓狼』を拾うと少し前に進み、地面に置いて、その側に春蘭も一緒にねかす
秋蘭は急いで春蘭のもとへ駆けつけ、息を確認すると、安堵の溜息をついた
華琳「この借りは今この場は軍を退くってことでいいかしら?」
そう一刀に問いかける華琳
一刀「そうしてもらえるとありがたいね。さすがに疲れた」
その問いにそう答える一刀
華琳「わかったわ。各部隊に通達。一旦我れらは徐州へと戻ると伝えなさい」
兵士「はっ!」
華琳に命じられた兵士が駆けていくのを見送った華琳は一刀のほうへと向き直り
華琳「それじゃあ、北郷。また会いましょう」
一刀「今度は戦場じゃない事を願うよ」
華琳「それは貴方たち次第じゃないかしら。春蘭、秋蘭、行くわよ。霞は季衣を連れてきてくれるかしら?」
霞「あいよ」
霞は季衣をおんぶすると一刀のほうへと向き
霞「今度はウチと本気でやりあってや……その武器やのうて、あんたの本気が出せるやつで……」
そう言い残すと霞は背を向けて歩き出した
一刀「さてと、俺も帰りますか」
一刀は魏軍が完全にその場から軍を退いた事を確認すると、桃香たちのもとへと向かった
一刀が桃香たちに追いつく頃にはすでに桃香たちは益州の城の幾つかを制圧していた
そして一刀が桃香たちに合うために玉座に入ると、まずは、桃香に抱きつかれ、朱里と雛里に泣きつかれ
愛紗は服の袖を掴んで離さず、星は近いうちに一晩中酒に付き合うことを約束させられ、白蓮は今度一緒に街に行く事を約束した。鈴々は街中の食べ物屋でおごるというこにになった
一刀は皆を落ち着かせているとき、ふと見知らぬ女の子が二人いることに気がついた
一刀は桃香に「どちらさま?」と聞くと、桃香から「新しい仲間だよ」とかえってきたので挨拶をするために二人の前に立つと
一刀「北郷一刀です。これからよろしくお願いしますね。馬超さん、馬岱さん」
そう言って手を差し出した
蒲公英「うん。よろしくね♪ 私の真名は蒲公英っていうの。これからは蒲公英って呼んでね」
そう言って蒲公英は一刀と握手を交わすが
翠「………////(ぽ~~)」
一刀「……馬超さん?」
蒲公英「お姉様?」
何故かまったく動かない翠を心配する二人
一刀「……お~い。馬超さん?」
一刀が何の気なしに翠の顔を覗き込むと
翠「 ☆□※@▽○∀っ!?」
一刀「んむ!!」
翠は一刀の顔がすごく近くにあることに驚き、あわてて距離をおこうとしたがバランスを崩して前に倒れる
当然目の前には一刀が居り、二人は事故てきにキスをすることとなった
一同「「「ああーーーーー!!!」」」
その後は愛紗が嫉妬神になったり、白蓮が沸騰してしまったり、二人の軍師は激しい妄想をしてしまったり
星と桃香は一刀に我もといわんばかりにキスしようとし、鈴々はその光景をみてただ笑っていた
小話・一刀の武器
星「そういえば一刀殿。その背に担いでいる二本の槍が一刀殿の新しい武器ですかな?」
星は心なしか笑顔で一刀に問いかける
一刀「う~ん。これが使えればそうしたかったんだけど……」
そう言うと一刀は二本の槍を振り上げて、地面に叩きつけると
『ガキャン!』
甲高い音と共に槍が粉々に砕け散った
一刀「この強度じゃあ使えないかな」
星「ふむ。そんなに脆い槍だったのですか?」
一刀「いや。普通に使うには充分なんだろうけど、この間夏侯惇と戦ったときにたった二合くらいできしみ始めてね。やっぱり『あれ』じゃないと無理かな?」
頬をかきながら一刀はそう答えた
星「…?? 『あれ』とはなんですか?」
一刀「それは……お楽しみってことで」
星「ふむ。そうですか……ちなみに槍ですか?」
一刀「…………」
一刀が星の質問に答えずにいると、星は頬を膨らませて
星「一刀殿はたまに意地悪ですな」
そういいながら去っていった
一刀(早くとどかないかな~……『あれ』)「じゃないと星とかの機嫌を損ねるばかりだ」
そう呟きながら一刀は近いうちに届くであろう武器に思いをはせていた
白蓮日記
最近一刀の周りに女が増えてきた
桃香や愛紗、星。
鈴々、朱里、雛里はどうなのか分からないけど
さらに今日から翠や蒲公英まで加わった
ただでさえ出番も少ないし、麗羽たちの世話で忙しくてなかなか一刀と一緒に居られないのに……
それに翠にかんしてはいきなり……く、口付けしてるし……
でも今度、一刀と街に行く約束をしたから、そのときは………///
一刀にいつ首飾り渡そうかな……
どうもkarasuです
気合の三日連続投稿です
いかがだったでしょうか?楽しんでいただけたでしょうか?
次回はついに五十作品目になるはずなので、なにかやらかしたいと思います
焔耶と一刀の再会を期待していた大佐がた、申し訳ありません
ここまで読んでいただきまことにありがとうございます。これからもほそぼそと続けさせていただきたいと思います
これからも応援していただければ幸いです
ハイドラ大佐;台本小説とは、セリフばかりにするなとういうことでしょうか? それとも原作のセリフなどをそのまま持ってくるのはやめろということでしょうか? よければ教えて下さい
他の大佐がたもなにかご意見等がありましたら遠慮なくコメントなりなんなりしてください。ただし、あまりきつい言葉でくるとガラスのハートのkarasuは空を飛ぶ(落ちる)かもしれないので注意して下さい(笑)
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過度な期待はせずに生暖かい目で見ましょう
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