No.110630

シリカロイド

氷守緋羽さん

とりあえず、見習いから卒業してくて^^

2009-12-05 16:48:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:967   閲覧ユーザー数:945

私はリザリア。 透明な殻 樹脂の肉 水晶の鼓動を有する者。

 

大海の羊水に 揺蕩う細胞を 同じ珪素の透鏡で覗かれて 

大地の揺り篭 気が付けば  私は人のカタチを成していた。

 

海の血潮に 陸の骨格  流れるしか出来なかった私に

二本の足で歩く事を 教えてくれた。

 

貴方は 私の眼に拘った。 瞳石は合成カラーチェンジサファイア。

自然光では青紫 人工光では赤紫に変化する。

 

私の目を見つめる貴方は まるで水面から射す光のようで

無性に 懐かしく思いました。

 

私に 最初に教えてくれたのは『アイ』でした。

私は 貴方の側に居るだけで『シアワセ』だった。

 

貴方がくれた大事なモノを 他人に壊されたくなくて 私は

 

ココを出る決意をしました。

 

物質世界には もう、貴方が居ない事を 私は知っている。

 

だから―――・・・

不透明な体を海に還し 透明な魂は 天へと帰ろう。

 

昔 貴方が言っていたから。

 

肉体が冷たくなったら 中身は天へ召される って。

私は元々冷たいから いつでも 天に行っても良い筈だ。貴方の言う通りに。

 

 

でも、もう少し待っていて ココを掃除してから  貴方に会いにゆきますから。


 
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