天空市晴天区、晴天おさかなセンターから
少し北に向かって歩くとそこに
そこは天然の砂浜に松原が広がり、毎年夏になると多くの海水浴客でにぎわうリゾートビーチなのだ。
そんなサマーシーズンの日暮浜をパトロール中のアクアプラネットてんくうの面々。
半ばけだるそうに悪態をつくホッピーにはファスティが随伴して監視に当たっている。
「はぁ~~ぁ、なんであたし達がこんなことしなきゃなんないのよ……」
「愚痴るな愚痴るな。海岸のパトロールも俺たちの重要な任務なんだぞ」
「わかってるわよ、でもなんか納得いかないのよね……」
と、ホッピーが目をやると同じくパトロール中の今井浜瑠美とジャンピーの姿が。
「よし、ここは異常なし!さぁ次行くよ瑠美ちゃん!」
「はい!」
「……よりによって、その任務にかこつけて……見せつけてくれンじゃないのよっ!!!」
「おいおい……」
一人で勝手に嫉妬するホッピーをなだめるファスティ。
その後ろからリフティが近づいてくる。
「まぁまぁ、あちらのパトロールは若い二人に任せて、私たちは次のエリアに行きましょう」
「そうするか」
「うへーい」
などと談笑しながら砂浜を歩く三人の目の前に、ある光景が飛び込んできた。
「浜辺のバーベキューか……」
「にぎやかで楽しそうですねぇ」
「そうかしら?あたしあんまりああいうバカ騒ぎは性に合わないのよね……」
バーベキューをしているのは海パン姿のマントヒヒ男、チンパンジー男、クロザル男ら6人。
「……ここってバーベキューはOKなんでしょうか?」
「一応禁止にはなってないみたいだが……」
「にしても騒ぎすぎよ。あぁもうキーキーキーキーうるさいったら」
「猿だけに?」
「うまいこと言ってんじゃないわよリフティ」
しかし次の瞬間。サル男たちは信じられない行動に出たのだ!!
「あぁっ!ちょっとあれ見てよファスティ!」
「マジかよ!あいつら飲み終わったビールの空き缶をポイ捨てしたぞ!!」
と、言っているそばからポイポイと缶を捨てていくサル男たち。
「ど、どうしましょう、このままじゃ他の人たちの迷惑に……」
「そうね……それにもし人に当たったら」
などと言っていたその時、一人のチンパンジー男が缶を放り投げる。
そして……。
5回、いや6回だろうか、金属がぶつかる音がした。
「ほら見なさい!早速被害が出た!行くわよ二人とも!!」
「は、はいっ!」
急いでその男たちのもとへ駆けだそうとしたホッピーとリフティだったが。
「待てホッピー、リフティ!」
「え!?」
「ちょっとファスティ、何で止めるのよ!海岸のピンチなのよ!!」
「よく見てみるんだ」
「……?」
「……おーい、そこの兄さん方……?」
一人の少年がバーベキューをしていた猿男たちに近づいてきた。
見るからに怒っているようだ。
「な、何だよお前!なんか文句あんのか!!」
「そうだそうだ!バーベキューの邪魔すんじゃねえ!!」
「文句大アリだよ。人目もはばからずその辺にポイ捨て投げ捨て。おまけに人の頭にぶつけてくれちゃってさ……」
「なんだとぉ!?てめえやるのか!!」
殴りかかろうとするマントヒヒ男。だが後ろにいたニホンザル男が急におびえた表情になる。
「……お、おい、見ろ、見ろって!こいつ……どっかで……」
ニホンザル男がビビったのも無理はない。
空き缶をぶつけられた彼は風天中学校3年生にしてヒーロー勢の一人……ドラゴ郎こと龍野吾郎だ!
「さて……覚悟はできてるよね……?」
「「「「「「あ、あわわわわわ……」」」」」」
急にビビって腰を抜かす6人組。
「アイスストーム!!」
「「「「「「ぎゃあーーーーーっ!?」」」」」」
あわれ六人は氷漬け。まさに天罰である。
「……まったく、ハタ迷惑な奴らだよ……」
ぶつくさ文句を言いながら捨てられた空き缶を次々回収していくドラゴ郎の様子を見ていたファスティたち三人。
「……あいつら、偶然とはいえ怒らせちゃいけない相手を怒らせちゃったわね……」
「ですねぇ……」
「迂闊に悪いことはできないってことだな。いい薬になればいいんだが」
ちなみにこの迷惑な猿男6人はその後通報を受けた警察によって事情聴取を受け、
もれなく御用となりましたとさ。
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■出演
ホッピー:https://www.tinami.com/view/947649
リフティ:https://www.tinami.com/view/947774
ファスティ:https://www.tinami.com/view/947663
ジャンピー:https://www.tinami.com/view/947564
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