No.110004

新たなる外史の道 外伝 華琳修行編 2

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。


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2009-12-01 22:32:01 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:6557   閲覧ユーザー数:5236

私こと華琳が蒼に来てから半年が過ぎた・・・

 

ココに来てから最近思うことは兎に角楽しい・・・

 

自分の知らない事が沢山知れた・・・

 

力もついた気もする・・・

 

あの四人には敵わないが・・・

 

だが、我が覇道に一つずつ近づいている気がする・・・

 

そして、こうも思うようになった・・・

 

何時か桃香や蓮華を倒しあの四人に挑みたいと・・・

 

 

朝の走りこみが終わり、朝の訓練が始まった。

 

最初の試合は蓮華か・・・

 

「両者! 前へ!!」

 

私達は奥方の号令で中央まで歩み寄る。

 

「「・・・」」

 

お互い無言のままそれぞれの得物を構える。

 

「始め!!」

 

私達は共に内氣孔を練り上げ、筋力を強化、高速で移動しながら相手の隙を窺う。

 

隙が全然無い・・・

 

なら!! 隙を此方が作り出す!!

 

私は絶に氣を送り込み、それを蓮華に飛ばす。

 

斬撃は一つから無数に別れ蓮華を襲う。

 

はずだった・・・

 

蓮華は何とそれを除けたのだ・・・

 

全て・・・

 

「な!?」

 

私は蓮華を見て驚いた。

 

蓮華が氣で赤く光輝き、高速で移動するたびに赤い氣の残像があったのだ・・・

 

しかもその残像は気配が感じられる・・・

 

言うなれば気配がある赤い残像・・・

 

しかも移動速度が速いから赤い残像の距離は段々離れていく・・・

 

私は目で追うことはが出来ないと判断、気配で追っていたがそれすら有効でない・・・

 

「なめるな!!!!!!!!!!」

 

私は絶の斬撃を全ての残像に飛ばすが全て外れだった・・・

 

「なんと!!!!!!!!!!」

 

そう言い除ける蓮華・・・

 

よく見ると私の斬撃がかすり、右足から血が出ていた。

 

私は斬撃を連射するがかすりもしない・・・

 

マズイ!! 詰められる!!

 

そう思った時には遅かった・・・

 

私の懐に入った蓮華は私の鳩尾に剣の切先を突きつけていた・・・

 

「それまで!! 勝者! 蓮華!!」

 

 

ま、負けた・・・

 

勝てると思っていた相手に負けた・・・

 

そういえば蓮華は一人夜遅くまで訓練をしていたがこの為か・・・

 

「すごい・・・きれー・・・」

 

桃香はそう呟きを漏らした・・・

 

桃香に続き蓮華にも負けた・・・

 

辛かった・・・

 

蓮華は実戦を経験しているとは言え安全な所にいる方が多い・・・

 

桃香にいたっては実戦経験は二ヶ月前だ・・・

 

そんな二人に負けた・・・

 

私は自分の誇りが崩れる音を聞いた気がした・・・・・・

 

私は誰よりも強い王を目指し戦ってきた・・・

 

それが世間知らずの次期王と夢ばかり見る現実が見えない王に負けた・・・

 

屈辱だった・・・

 

格下と侮っていた者達にあっさり敗れた自分が許せなかった・・・・・・

 

この時私の誇りはズタズタになった・・・

 

いや・・・勝手に私が決め付けていただけだ・・・

 

あの二人は途方も無く進化している・・・

 

私は今焦っている・・・

 

自分だけが取り残される事に・・・

 

 

≪一刀サイド≫

 

「今度は華琳が元気がない?」

 

俺は愛紗の報告を受けてそう聞き返した。

 

「ええ、何かに焦っているみたいな感じが見受けられます」

 

「そいつはらしくないな・・・あの華琳が・・・」

 

「ええ・・・あの子は自信の塊みたいな子ですから・・・」

 

そう呟く愛紗・・・

 

「その様子だとかなり悩んでるみたいだな・・・華琳は・・・」

 

「はい・・あの2人に負けたことがよほどショックだったのでしょう・・・」

 

愛紗の言葉に俺は思う所あった。

 

「まあ、華琳は才能、器量、実力、覇気、どれをとっても一流だからな・・・

更に、自己意識も高く、頭もいい・・・

性格も向上心があり、何事も意欲的に取り組む・・・

だが・・・」

 

俺の言葉を愛紗が引き継ぐ。

 

「自尊心、自負心があの三人の中で一番強いですからね・・・」

 

「ああ、更に才能があったからそれらを無茶苦茶高くしている・・・

最初俺の修行を受ける時、基礎を徹底的にやったが最初に反発したのはやはり華琳だった・・・

『基礎など不要!! 何故貴方達の技術をおしえないのか!?』そう怒鳴りつけたからな・・・

基礎には自信があったのだろうが・・・俺達からしたら半端もいいところだった・・・

ためしに基礎訓練をやらせたが、1分と持たなかった・・・余りにお粗末過ぎたから佑が『文句垂れるんやったら、それくらい鼻歌交じりに10時間やってみせいや!! ボケ!!』と怒鳴った位だからな・・・まあ、俺等からしたら簡単な基礎だが彼女達からしたら地獄が生ぬるく感じる訓練内容だったからな・・・

その時、かなりプライドズタズタにされ、悔し涙をその場で流したほどだ・・・」

 

「我々マスタークラスと一般人を比べるのが間違ってるんでしょうが・・・我々の実力が数千万位、我々の世界のSAランクのマスタークラスがそれ位考えると昔の華琳は精々百がいいとこですか・・・恋、呂布が五千位ですから・・・そう考えると低過ぎますね・・・今でようやくあの三人は約一万位ですからまだまだですね・・・準マスタークラス位ですかね・・・」

 

そう苦笑しながら愛紗は俺の言葉に呟いた。

 

 

俺達が今まで相手にしてきたのはSAランクでも最上級ばかりだった・・・

 

軽く一千万超えてくる化物がウヨウヨいたくらいだ・・・

 

コイツ等ホントに人間か!?!?!?!?!? と疑うほどの化物ども・・・

 

我ながら良く生きてこられたものだ・・・

 

ホント良く生きてるな・・・俺・・・

 

そんな化物を倒してきた俺達も化物の仲間入りか・・・

 

少し凹んだのは内緒だ・・・

 

今更ながら自分の悪運の強さに感謝した。

 

「まあ、でも基礎の重要性は解ったみたいだった・・・

しかし・・・あのエベレストより高いプライドをどうにかしないと先へは進めない・・・

プライドが高いのは欠点では無い、むしろ長所だ。しかし、今回はそれが成長を邪魔している・・・」

 

「これほど手のかかる弟子も珍しいですね・・・」

 

「全くだ・・・」

 

俺達は苦笑した。

 

 

その時だった、俺等の執務室のノックの音が響きわたった・・・

 

「かずピー、ワイや入るで!!」

 

そういい佑が入室してきた。かなり慌てている・・・珍しいな・・・

 

「テロがあった・・・魏大使館にテロリストが侵入、大使含め大使館職員が人質になっとる!!」

 

「現状は?」

 

「大使館一体を警察ならびに軍が包囲とる、まあ、お決まりのパターンやな」

 

「テロリストの要求は?」

 

「魏で逮捕された仲間の釈放が要求や。詳細は書類があるから見てくれ」

 

そういい佑は書類を俺達に手渡す。

 

「助かる」

 

「拝見します」

 

そう言い俺達は佑の書類を見た。

 

「フム・・・これは使えるな・・・」

 

そういい俺は佑と相談した・・・

 

 

私は佑と星で、ある任務についていた・・・

 

その任務とは、我が魏の大使館に人質を取り立て篭もると言う蛮行をしでかした輩達の殲滅だ。

 

天の世界の言葉にするならテロリストだそうだ。

 

辺りは警察や軍隊、報道機関や野次馬で騒然とした状況だった・・・

 

「安心し・・・魏には連絡済みや・・・返答は華琳に一任するそうや・・・自分が思うようにやり・・・人員も貸したるから使いや・・・ちなみにテロリストの人数は10名や」

 

「・・・大使館の見取り図を・・・」

 

「了解、此方です」

 

そう言い黒い覆面をした全身黒尽くめの格好をした特殊部隊兵士は見取り図を見せてくれた。

 

「ワイ等の勝利条件は最低人質全員救出、最高無欠開城や人質が一人でも死んだら魏と蒼は国民からかなり叩かれる。逆に犯人の要求は絶対呑めん、そんな事すりゃあ奴らが付け上がる・・・テロリストは此方が1歩でも譲歩すれば1万歩でも1億歩でも踏み込む・・・それがテロリストや・・・」

 

佑はそう言い私に助言する。

 

「交渉の方は?」

 

「警察の交渉班が交渉に当たっていますが、効果は上がりません。犯人は最初に述べた要求以外は認めない模様」

 

そう特殊部隊の兵士が言う。

 

「・・・強行突入しかないわね・・・」

 

「強行突入するにしても人質がいる・・・ここで人質は殺せない」

 

星がそう言い私の意見に異論を唱える。

 

「せやな・・・強襲よりも奇襲がこの方は適しとる・・・華琳あわてんなや・・・」

 

そう言い佑も嗜める。

 

「そうね・・・見取り図では東側の壁が犯人達から死角ね・・・」

 

私は見取り図の東側の壁を指しながら呟く。

 

 

最終的に死角となっている東側の壁を梯子を使って登り潜入、正面、裏口、窓から潜入し、奇襲をかけることとなった。

 

1班5名の5班で作戦が行われる。

 

部隊は佑の部隊で特殊部隊を配備した。

 

武器は45ACP弾を使用するボルトアクション小銃で銃身自体が消音機という変てこな銃だ・・・何でも天の世界のデ・リーズル コマンドカービンを参考にしたとか・・・

 

私達は配置に着く・・・

 

20時5分前・・・

 

20時4分前・・・

 

20時3分前・・・

 

20時2分前・・・

 

20時1分前・・・

 

20時30秒前・・・

 

20時10秒前・・・

 

「行け!! 行け!! 行け!!」

 

その号令と共に窓ガラスや扉が壊され閃光手榴弾が投げ込まれる。

 

私達は1階窓を破り潜入した。

 

「な、何だ!? テメー等!?」

 

そうテロリストが叫ぶが私は絶で敵を切り裂く。

 

「ぎやあ!!!!!!!!!!」

 

私達は順調に敵を排除していく・・・

 

「あと一人がいない!!」

 

私達は虱潰しに探していく。

 

最後の部屋・・・

 

私達は扉を置け放つ。

 

そこには犯人と大使がいた。

 

見つけた!!

 

「もう、御終いよ・・・投降しなさい・・・」

 

私は慈悲で投降を進めた・・・

 

が、犯人は大使を殺し自らも舌を噛み切り自害した・・・

 

任務は失敗した・・・

 

 

私は悔しさで一杯だった・・・自分の立てた作戦が大使死亡という失敗に終わったのだから・・・

 

「この世に完璧なんて無い・・・だから今回は他の人質が助かっただけでも良しとしようや・・・」

 

佑がそう言い引き上げを命じた・・・

 

 

私は夜道を歩きながら思った・・・

 

確かに世の中完璧は無いのかも知れない・・・

 

実際私はこの頃躓いてばかりだ・・・

 

だけど・・・

 

だけど・・・私は完璧であろうと思う・・・

 

誰もが死の恐怖に怯えず誰も切り捨てず誰にも救いある完璧な政治が出来る王に・・・

 

全て完璧とは行かないまでも完璧を目指せる王に私はなる・・・

 

 

私は夜空を見上げながら昇る満月に誓いをたてた・・・

 

自分が達成すべき誓いを・・・

 

自分自身に・・・

 

 

 

 


 
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