30℃を超える甲子園球場では、この蒸し暑さにも負けない熱戦が繰り広げられていた。
「よーし!この回を抑えて、裏の攻撃に逆転するよー!」
キャプテンの有原は流れた汗をぬぐいながらマウンド上の東雲に声をかける。
「わかってるわよ!それくらい!」
しかし、この猛暑でスタミナが切れた東雲が投じたストレートは真ん中に甘く入り、打ち返されると無情にもライトスタンドへ消えていった。
その後の裏の攻撃では先頭の竹富がファーストファールフライで倒れたものの、東雲、朝比奈、野崎と繋いで一死満塁の場面で有原が犠牲フライを放つも、反撃はここまでだった。
「6-2で界皇高校の勝ち。礼!」
「「ありがとうございました!」」
里ヶ浜ナインは荷物をまとめ、甲子園球場を後にした。
「私たちももう引退ね…」
「そうですね。このきれいなグラウンドとも今日でお別れなのですね。」
ひまわりグラウンドに到着すると、本庄と塚原がそうつぶやいた。
「あおいは物足りないのだー!もっと野球がしたいのだ!」
「あおい、それなら今度はOBとして一緒に行こうか。」
「それならオッケーなのだ!」
じたばたと暴れる阿佐田を九十九が止める。その九十九も少しではあるが涙を浮かべていた。
「そういえばあんた、卒業できるの?」
「うぐっ!な、なにを言ってる舞子!う、うちの1学期期末のテスト結果を聞いて、腰ぬかすなよ!」
「赤点はいくつあったのよ。」
「えっと…数学に化学にえっとえっとぉ…」
「1教科でも赤点があったら危ないって言ってたわよね。」
「すまない舞子ぉ…」
「まぁまぁ。舞子さん落ち着いて」
少し盛り上がる倉敷を本庄がなだめる。
「そういえば、舞子さんは野球を続けるのかしら?私は大学に行っても続けるけど…」
「私も続けるわよ。この部で初めて仲間ができたし、野球続けたいし。」
「先輩方、集まってくださーい!」
「写真を撮るわよー!」
キャプテンの有原と掛橋先生が手を振る
「私たちも行きましょうか」
「そうね。」
こうして、3年生の高校野球生活は幕を閉じたのだった。
「それで、少し早いけどお盆休みにしましょうか。みんな疲れてるでしょうし!心も体もメンテナンスが大事よ!またお盆休み明けに会いましょうね!」
「先生、ありがとうございました!」
「「ありがとうございました!」」
掛橋先生は次の仕事があったのか足早にグラウンドを後にした。
「さぁーて、お盆休みになったしラーメンでも食べに行きますか!」
「また、食べに行くのぉ…甲子園の時も食べたじゃん…」
「何言ってるの天草!あれは朝ごはんなの!それに今度はこってりだから全然違うのー!」
「これじゃあ、いくら胃袋があっても足りないよぉ…」
「それに毎日ラーメンを食べると健康になるって動画で言ってたから!ねっ?行こ天草!」
「な、何してるの?」
天草と朝比奈を少し冷ややかな目で見ながら東雲が声を掛ける。
「だから、お盆休み中は毎日ラーメンを食べようって!」
「体調崩すわよ。」
「大丈夫!大丈夫!あっさりとこってりを交互に食べるから!それにたくさん食べても体調悪くならなかったし!」
「そ、それならいいけど…」
「そういえば、東雲はお盆休み中は何するの?」
「えっ?自主練だけど」
「うわぁ…ストイックだねぇ~」
「私も東雲先輩の自主練に行きたいっすけど、いいですか?」
天草が感心すると少し小柄な赤髪の後輩が東雲に話しかけた。
「えぇ、いいわよ。」
「千代も行くよな?」
「うん!天ちゃんの干からびたイカみたいな表情見たくないし!」
「いや、言い方!」
「リンも行くわよね?」
東雲はたまたま通りかかったリンに話しかける。
「すみません東雲先輩。行きたいのは山々なのですが…お盆休み中はプロテインの調合をしたくてですね。」
「そうなのね。どんなプロテインを作るのかしら。」
「あのですね、鼻から吸うだけで筋肉になるプロテインをですね…」
「それ、大丈夫かしら…」
「大丈夫ですよ。この前も竹富先輩と一緒に20種類のプロテインを調合して、それを吸いましたから」
「何やってるの、あなたたち。」
「あっ、話してたらこんな時間に。では竹富先輩とプロテインを調合してきます。」
「リン!待ちなさい!その前に我妻さんと桜田さん、明日8時にひまわりグラウンド集合よ!」
「「わ、わかりました」」
「私たちもそろそろ行こうか。」
「う、うん…」
朝比奈と天草は近藤が手伝いをしているラーメン店「鉄人」へ向かう。
「あら、朝比奈さんと天草さんいらっしゃい。」
「2人なんだけど、空いてるかな?」
「うん、空いてるよ。カウンターがいい?それともテーブルがいいかな?」
「それじゃあテーブル席で」
「わかった!案内するね。」
近藤に案内され、朝比奈と天草は椅子に腰を落とす。
「注文が決まったら教えてね。」
「わかった!」
近藤はテーブルに水が入ったコップを置く。
「お腹ペコペコで、お腹と背中がくっついちゃいそうだよ。」
「いろははお腹に脂肪があるからくっつかないでしょぉ~」
「うぐっ…!し、失礼な!これでも痩せたんだから!」
「何キロくらい痩せたのぉ?」
「え、えっと…500gくらい?」
「それ、誤差でしょ。服脱ぐと1㎏くらい変わりそうだし。」
「そういう天草はどうなのさ!」
「私は気にしたことないからわからない…」
「あーまーくーさぁー!」
朝比奈は頬を膨らまして、むすっとした表情を浮かべた。
「それで、いろはは何にするのぉ?」
「私はもちろん鉄人全席チャレンジよ!」
「すごい量って美奈子から聞いたけど、大丈夫?」
「新田は私より小食だからだよ!行けるって!」
「それなら、いいけどぉ…」
「ねぇねぇ近藤、注文してもいいかな?」
「うん、いいよ!」
「私が鉄人全席チャレンジで、天草がチャーハンで。」
「わかった!それじゃあ、待っててね。」
「お父さん、鉄人全席チャレンジとチャーハン!」
「わかった。」
注文してから少し経ち、朝比奈の前に餃子が置かれる。
「うわぁ~!すごくおいしそー!いただきます!」
「ふふ、どうぞ♪」
「もぐもぐ…ふぃふふぅふふふぁふっふぉいふぇふぇふぇ…」
「いろはぁ、口の中のものを無くしてから喋ってよぉ…」
「ふぉふぇんふぉふぇん!もぐもぐ…んふぅ~!噛んだ瞬間に肉汁が溢れて、すごくおいしい!」
「一つだけ食べていい?」
「うん、食べていいよ!」
「ホントだぁ!すごい溢れて絵のアイディアが浮かんできそうだよぉ」
朝比奈が餃子を食べ終わると、近藤は朝比奈の机の上にラーメンを置く
「お待たせしました、鉄人特性ラーメンです!」
「おっ!待ってました!んはぁ~!この豚骨スープのいい香り!そして、この黄金に光る麺!それから…」
「麺が伸びるから早く食べたほうがいいよぉ」
「えへへ、ラーメンを見るとつい…それじゃあいただきます!」
朝比奈はラーメンを勢い良くすする。
「んふぅ~!このこってりスープに麺が絡み合って、すごくおいしい!」
「本当、いろはって幸せそうに食べるよねー」
「美味しいものを食べると自然と幸せな気持ちになるのよねー!」
「あと、このチャーシューも肉厚ジューシーで、見て!こんなに分厚い!」
「まるでいろはのお腹のお肉みたいだねー!」
「ま、まだそんなに分厚くないもん!」
「でも、つまむとこんなに…これ、加奈ちゃんよりも分厚い!」
「こ、近藤までぇー!い、いいもん!この後自主練するし!」
朝比奈は頬を少し赤らめながら、ラーメンを完食した。
その後、中華丼と杏仁豆腐も平らげ、パンパンに膨らんだお腹をさする
「うぷぅ…!ご、ごちそうさまぁ…も、もう入らないぃ…」
「いろはぁ、制服からお腹が出てるよー!」
「んふぅ~ほ、ほんとだぁ…で、でも制服にお腹入らないし…げぷぅ…」
「じ、自主練できそう?」
「今日はお腹いっぱいでもう動けないぃ…あ、明日からやるよぉ…うぷぅ…」
「も、もうーいろはったらぁー!」
でっぷりと膨らんだお腹を抱えた朝比奈と天草は鉄人を後にした。
お盆休みが始まってから4日が経ったが、朝起きて昼に家にあったカップラーメンを食べて夜寝るという生活を続けているからか1回も外へ出ていない。
流石の朝比奈でも4日連続カップラーメンはかなりきつく、心も体も汁を吸ったラーメンの麺のように伸びきってしまった。
「んはぁ~なんか、ラーメンも飽きてきちゃったなぁ…かと言って、他にこれ食べたい!って言うのもないし…」
「んっしょっと…ふわぁぁ~」
寝転がり服から少し出たお腹をさすりながらスマートフォンを操作すると、どこかで見た2人の動画を見つけた。
「あれ、この制服…向月高校の夏服じゃ…」
朝比奈は座り直し、その動画を視聴する。
「こんにちは、向月高校1年の潮見凪沙です。」
「同じく1年の風祭せりなです!」
「今回はラーメン太郎の全商品を食べていきたいと思います!」
「今日はこの日のために朝ごはんを抜いてきたんだから、いっぱい食べるよ!」
「でも、こんなに膨らんでるんだね。」
「こ、これはお腹のぜい肉だから!それに凪沙ちゃんも少し」
「た、確かにせりなちゃんと一緒に行動してから3kgくらい太ったけど…これは筋肉だもん!」
潮見と風祭のいちゃいちゃシーンが終わると、
「えっと…注文ってどうやってするの?」
「食券を購入して、順番が来たらその食券をカウンターに乗せてそれから内訳を伝えるの。」
「わ、わかった…注文の仕方、結構難しいんだね…」
「これも、慣れよ慣れ。」
風祭は慣れた手つきで豚入りラーメンの食券を、潮見は少し戸惑いながらラーメンの小の食券を購入し、カウンター席に向かうが…
「んっしょ…んっしょっと…」
「せ、せりなちゃん大丈夫?」
「カウンター席って椅子の間が狭いから、お腹やお尻がつっかえて…でも、もうすぐ座れるから大丈夫だよ」
「それならいいけど…帰りカウンター席の間に気をつけてね!」
カウンター席に座った潮見と風祭は食券をカウンターの上に置き、店員が潮見の前に立つ。
「麺の硬さは?」
「私は柔らかめでお願いします。」
「トッピングは?」
「えっと…野菜マシでニンニク少なめ、アブラとカラメも少なめでお願いします。」
「あいよー!」
「ふぅ…緊張した…」
「凪沙ちゃん、ナイスファイト!」
「え、えへへ…///島から出て、都会に住んでいるだもん。こういうのにもそろそろ慣れないと…!」
「凪沙ちゃんは真面目だね。こういうのはニュアンスよニュアンス!」
「さっき、慣れって言った気がするけど…」
潮見と風祭が話していると、店員が風祭の前に立つ
「麺の硬さは?」
「普通で」
「トッピングは?」
「野菜マシ、ニンニクマシマシアブラマシマシのカラメマシマシで」
「あいよー!」
風祭が注文を終えると、隣の席で潮見が驚いた顔を見せる。
「凪沙ちゃん、どうしたの?」
「こんなに長い呪文、噛まずに言えるなんてすごいなって。」
「私は入学してからこのラーメン屋に通ってるから、すごい慣れちゃって」
「もしかして合宿の時も?」
「もちろん。ただ、帰れないから合宿近くのラーメン店で食べたよ。」
「ラーメン愛がすごいね。」
「でも、そのせいで高坂先輩からラーメン禁止されたけどね。あの時は嫌だったなぁ…」
「合宿中に夜9時に出て行って食べるからだよ…」
「そして、何日か経ってくると禁断症状がでて目の前がぼやーっとしてきて、目の前にすっごいおおきな麺があるなぁって思ってかぶりついたら、高坂先輩の左のツインテールだったよ。」
「そして、高坂先輩なんて言ったの?」
「急いで謝ったら、高坂先輩に「後ろからゾンビが来たと思ったわぁ」って涙目で言われたよ。」
「そういえば高坂先輩、岸先輩と一緒にゾンビ映画を見てせいでトイレに行けなくなったって言ってたけど…」
「たぶんその直後。」
「高坂先輩、すごい災難だったね。」
「でも、その先輩も引退しちゃったから、今年の秋からは私たちがチームを引っ張らなくちゃね!」
「そうだね、せりなちゃん!」
「お待たせしました。ラーメン小で麺普通、野菜マシ、ニンニク少なめ、アブラとカラメも少なめです!」
「あ、ありがとうございます!」
「そして…」
風祭の前に注文したラーメンが置かれる。潮見の注文したラーメンと比べると約5倍の大きさだ。
「麺普通、野菜マシニンニクマシマシアブラマシマシカラメマシマシです!」
「ありがとうございます!」
「す、すごい量…」
「こんなけ食べないと、すぐお腹が空いちゃうからね…いただきます!」
「いただきます!」
ぐぅぅぅぅぅ…
動画を見ていた朝比奈のお腹が大音量で鳴る。
「こ、こんなの見たらお腹が…」
寝すぎたため朝ごはんもあまり食べていないためか、動画内のラーメンにお腹が反応し、鳴り止まない。
「ラーメン、飽きたはずなのにこんなに求めているのはどうしてなのよ!」
朝比奈は鳴り止まないお腹を押さえて、近くのラーメン太郎に向かう。
「えっと、もちろん私は豚入りラーメンを!」
朝比奈は豚入りラーメンの食券を片手にカウンター席に座る。
「麺の硬さは?」
「硬めで!」
「トッピングは?」
「野菜マシマシ、ニンニクマシマシアブラマシマシカラメマシマシで」
「あいよー!」
「すごいお腹空いてるから勢いで全部マシにしちゃったー!こんなに食べたら天草に「また太るよぉ」って言われるかもだけど、明日自主練したら食べた分の脂肪も燃えるはず!」
お腹をぐぅぐぅと鳴らしながら、明日自主練の予定を立てた朝比奈の前にラーメンが置かれる。
「いただきます!」
ずるずると大量の麺をすする。相当お腹が空いていたのであろう。自分でも驚きの吸引力だ。
「んふぅ~この麺の硬さ…すごくちょうど良くて美味しいし、歯ごたえもあって最高ね!」
「これは、何度でも食べたくなる麺だわ!」
朝比奈は次に朝比奈のお腹の肉より分厚いチャーシューを頂く。
「はむっ!んん~このチャーシュー、すごい分厚いけどすごく柔らかいから、何枚でもいけちゃう!」
麺とチャーシュー、野菜をローテーションしてラーメンを食べると、いつの間にかラーメンがなくなってしまった。
「げぷぅ…さ、さすがにこの量はいろは様にはきつかったかなぁ…うっぷぅ…」
「ふぅふぅ…あ、ありがとうございましたぁ…」
「あんなにお腹が空いてたのに…すごい食べちゃって…お腹がぐるしい…げぷぅ…」
まるで臨月のようなまん丸なお腹を抱えながら、ラーメン太郎を後にした。
お盆休みが終わり、ユニフォームに着替えるために起き上がるが何だか体が重たい。
「ふぅ…んふぅ…あ、あれ…こんなに重かったっけ…?あ、あれ?」
ユニフォームを取る手がクリームパンのように膨らみ、腕は丸太のように太くなっている。
「おっかしいな…ユニフォームのボタンが…閉まらない!」
朝比奈はスイカのようなおっぱいを少し抑えながらユニフォームのボタンを閉めるも、ボタンが弾け飛んでしまう。
「つ、次はお腹…んふぅ…んっしょ…こ、こんなに大きかったっけ…?」
皮下脂肪が詰まったお腹は立っても座っても二段腹になり、ぶよんぶよんと左右に揺れる
「まさか私、太った!?」
朝比奈は全身の贅肉を揺らしながら鏡の前に立つ
着崩されたユニフォームからおっぱいとお腹の贅肉がこぼれ、下半身に目をやるとあざらしのような太さと分厚さ太ももと風船のように膨らんだお尻が揺れている。
「こ、これじゃあ部活に行けないよぉ…歩くたびにお肉が揺れるし重たいし…」
「いろはぁー!もう部活に行く時間だよぉー!」
「あ、天草!えっと…んっと…」
朝比奈は自分の部屋に戻りスカートを手に取るもなかなか入らない。
「んはぁ…は、入らない!どうしよう…」
「いろはぁー!何してるのぉー」
「天草、私の姿を見て笑わないでね?」
「なんでぇ?笑わないから早く行こぉ」
「ど、ドア開けるね…」
朝比奈はユニフォームを着崩し、スカートにお腹の贅肉が乗っかりながら玄関のドアを開ける。
「えっと…あのね…」
「なんだぁ~!」
朝比奈の姿を見て天草は笑顔を見せる。
「太っただけかぁ~」
「だけってなによ!女の子にとって重大なんだから!」
「ラーメン食べ過ぎで太ったいろはぁに言われても説得力ないよぉ」
「もぉー!あまくさー!」
「ほら、ユニフォーム直してあげるから、制服を着て行こぉ。制服なら太ったいろはぁでもベルトを調整すれば着れるはずだよぉ。」
「う、うん…制服なら着れるかも…」
朝比奈は自分の部屋に入り、制服に着替える。
「ユニフォーム直った…?」
「うん、直ったけどぉ…今の太ったいろはだと着れないと思うから、誰かから借りるか買った方がいいかもね。」
「それがいいかもね…えっと…ユニフォーム直してくれてありがとう…このユニフォームが着れるように頑張るからね!」
「いや、いろははこのままでいいよぉ。」
「えっ!?ど、どうして?」
「この丸々としたいろはを見てたら、いいデザインが湧いてきそうだし!」
「あ、天草ったら…///」
「時間になっちゃったし、そろそろ行こぉ」
「う、うん!」
天草はユニフォームを、朝比奈は制服を着て家を後にした。
「朝比奈さん、早く着替えなさい。」
「えっと…実は…ユニフォームが…」
「忘れてきたの?」
「忘れたというか…」
「はっきりしなさい。」
制服を着てきた朝比奈に東雲が詰め寄る。
「ユニフォームを忘れてきたのなら貸すわよ。」
「ありがとう東雲…部室へ行って着替えてくる。」
朝比奈は部室に入り、ユニフォームを着替えグラウンドに戻ると、野崎と鈴木がキャッチボールをしていた。
「そういえば野崎さん、少し太ったわね。」
「そ、そうですね…少しティラミスを食べ過ぎてしまいまして、おっぱいとお腹周りがきついですね…」
野崎がキャッチボールをしながら鈴木のお腹周りを見る。
「でも、和香さんも少し丸くなりましたよね。」
「そうかしら、私は考えながら食べてるけど…少し食べ過ぎたのかしら。」
「自由な時間が増えて、ついつい食べ過ぎてしまいますよね…たくさん練習して痩せましょう」
「そうね。」
「朝比奈さんを含め、みんなたるんでるわね。体重が増えるとそれだけ打球は飛ぶけれど、太りすぎると動きが鈍るから少し痩せるためのメニューを増やそうかしら。」
「東雲さん?」
「なによ。」
「東雲さんも少し太りました?」
「き、気のせいよ。」
「この写真を見るにゃ!」
中野が野崎と鈴木に写真を見せる。
その写真にはスイーツバイキングでデザートを平らげている東雲の様子が激写されていた。
「東雲さん、これは何ですか?」
「えっと…永井さんと近藤さんに誘われて…で、でもその後に運動はしたわよ…」
「い、いいからその写真を返しなさい!」
ブチッ!パァァァン!
東雲が中野から勢い良く写真を取り返そうとすると、東雲のお腹周りのボタンが弾け、ベルトが壊れる。
「し、東雲さん?そのお腹は…?」
「ふっふっふっ~なんだかんだ言って、一番たるんでるのは東雲だにゃ♪」
「な、中野さん!私のお腹を揉むのをやめなさい!」
「やめないにゃ~」
「東雲のお腹はまるでつきたてのお餅みたいだにゃぁ~」
「中野さんも早く準備しなさい!」
東雲はたぷんたぷんのお腹を手で隠す。
「きょ、今日のメニューはランニングよ!たくさん走って、お盆休み前の引き締まった体に戻すわよ!」
「「「はい!」」」
「まずは走る前の体重を測らないとにゃ!」
「…中野さんはプラス3周走ってもらおうかしら。」
「そ、そんなのひどいにゃぁぁぁ!!」
朝比奈と東雲たちは太った肉体をぶるんぶるんと揺らしながら夕日に向かって走るのであった。
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お盆休みに毎日ラーメン生活をする朝比奈いろは。
ラーメンを夢中で食べ進めるうちにぶくぶくと太っていき…
しかも、部活再開後に部員の様子が…
今回は初めて八月のシンデレラナインで肥満化小説を書きました。