反董卓連合が結成されてはや四日目
汜水関を放棄した将達は、虎牢関の将達と合流する
音々音「なんですと!!?氷環と炉青が捕まったですと!!?」
風鈴「ごめんなさい、軍師の私が不甲斐ないばかりに・・・・・」
楼杏「謝ることはないわ、風鈴・・・・・」
傾「ああ、あれはどうしようもなかった」
汜水関から撤退してきた部隊の報告に、虎牢関に陣取っていた呂布隊と涼州連合の将達は目を丸くしていた
氷環と炉青は優秀な副官である、それが消えたのではこちらの戦力低下は免れない
鶸「因みに、どこの軍に捕まったんですか?」
霞「公孫軍や」
翠「それって・・・・・好都合なんじゃないか?」
蒲公英「御遣い様の軍でしょ、だったら何も問題ないんじゃないの?」
蒼「うん、一刀さんならこっちの事情も分かっているし、ちゃんと保護してくれてるよ~♪」
雅「ああ、一刀なら上手くやってくれるだろう」
翠「あの御遣いって、そんなに信用できる奴なのか?」
鶸「はい、一刀さんなら大丈夫です♪」
恋「(コク)・・・・・ならいい♪」
蒼「あの二人も一刀さんの事が大好きみたいだから、きっと今頃一刀さんと乳繰り合ってるんじゃないかな~♥/////」
鶸「羨ましい・・・・・じゃなくて、破廉恥だよ!///////」
生きていればいつかは再開できる
氷環と炉青の無事を確信する一同
葵「よう、帰って来たか♪」
霞「うひゃ~~、相変わらずどでかい偃月刀やな・・・・・」
雅「涼州筆頭の噂は聞いていたが、これほどか・・・・・」
その時、虎牢関の奥から巨大な偃月刀、戦皇刀姫を肩に担ぎながら、葵が悠々と歩いてきた
翠「母さん、病み上がりで無茶すんなって!」
葵「舐めてんじゃねーぞ翠、あの御遣いのお陰で若返った気分だぜ♪」
鶸「お母様、元気になったのはいいけど・・・・・」
蒼「うん、元気になり過ぎだよう・・・・・」
蒲公英「すっごいねぇ、鶸ちゃんと蒼ちゃんの言っていた通り、あの御遣いさんっていろんなことが出来るんだね」
あの後、一刀は葵に治療を施す決断を下していた
彼女の病は想像以上に進行していたため、回天丹田を五斗米道に上乗せし病魔を滅却した
その結果、全盛期かそれ以上の力を取り戻したようで、四姉妹も手を焼いていた
翠「まいったな、母さんを治してもらったってのに、あたし達あいつに何も礼をしてないぜ・・・・・」
蒲公英「うん、真名くらい預けとけばよかったね・・・・・」
葵「時間も押していたからな、次の機会に回すしかない」
今の一刀は連合側なので、漢王朝にとって彼は裏切り者という立ち位置である
しかし、それもこれも空丹と白湯の命を救う為に敢えて被った泥である
そこまでして王朝の為に尽力してくれているのでは、彼こそが一番の忠臣と言えるであろう
逆に言えば、外ならぬ自分達こそが、そこまでの事をさせてしまっているのである
空丹と白湯を救い出した暁には、色々と口添えをしてやらねばなるまい
その時にでも、真名を預けることにすると、馬一族は心の中で固く誓った
葵「んで、真名を預けた後は、翠と蒲公英はどうするよ?」
翠「どうするって、何をだよ?」
葵「鶸と蒼は、もう決まっているみたいだがな♪」
蒼「うん、蒼ぜ~~~~ったい一刀さんのお嫁さんになる~♪♥///////」
鶸「え、え~~と・・・・・出来れば、私も・・・・・////////」
蒲公英「鶸ちゃんと蒼ちゃん、同じ人と結婚しちゃうんだ・・・・・蒲公英も混ぜて~♥/////////」
翠「蒲公英、お前何考えてんだ!?鶸と蒼も正気か!?////////」
蒼「うん、蒼大真面目だよ~♥」
鶸「私も、蒼がよければ、一緒に♥///////」
葵「こりゃいよいよもってあいつと徹底的に話し合わないとならんようだな・・・・・俺もあとニ,三人産んでもよさそうだな♥」
翠「母さんが一番正気じゃないぞ!!//////////」
葵「お前こそいいのか?このままじゃ妹に先越されるぜ♪」
翠「う・・・・・」
蒼「いいじゃん、お姉ちゃんも一緒に一刀さんのお嫁さんになっちゃえ~♥♥」
鶸「皆で一緒に幸せになれるなら、私もそっちの方が♥////////」
蒲公英「叔母さまも乗り気だし、馬家一同御遣い様のお嫁さんけって~~~い♥♥」
葵「こりゃ漢王朝の復興より忙しくなりそうだ・・・・・親子従妹そろって肉欲の宴だな、餓鬼が何人出来るか予想できなくて怖いくらいだぜ♥♥♥」
翠「★■*@▼●∀っ!!?///////」
霞「・・・・・なんやエライことになっとるな、一刀も大変やで///////」
雅「ああ、聞いててこっちが恥ずかしくなってくるぞ//////」
楼杏「私達だって、一刀さんを狙っているのに///////」
風鈴「こうなったら、一刀君をこの国の頂点に据えるしかないかもしれないわね」
傾「それが一番の解決策であろう、余が一刀を婿に迎えるつもりであったが、こうなっては致し方あるまい、瑞姫の案を全面的に採用するしかあるまいて」
音々音「恋殿、こいつらの方が不忠者な気がしますぞ・・・・・」
恋「・・・・・?」
こちらは連合側
汜水関を突破・・・・・とは言えないものの、突破した連合は虎牢関へ進軍していた
その道中
氷環「んふふふ、隊長様ぁ♥////////」
炉青「あ~~に様、すりすりどす~♥////////」
「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
白蓮「なぁ一刀、なんだか周りからの視線が痛いんだが・・・・・」
一刀「・・・・・すまん」
星「ふふふ、一刀殿も隅に置けませぬな♪」
菖蒲「え、っと、その/////////」(モジモジ)
蒼の予想は的中していた
北斗に跨る一刀の膝元に氷環が一刀の首に抱き付きながら横向きに座り、炉青が後ろから抱き付き、その豊満な胸を背中に擦り付けていた
そんな一部の空気を読めない和気藹藹な空間に他の諸侯から熱くも痛い眼差しが浴びせられていた
白い目で見られる覚悟はしていたが、こういう白い目を向けられるとは予想していなかった
当初二人に止める様に言ったが、聞き入れてもらえず共に騎乗することになってしまった
三人も乗っているため、北斗は息を切らし、大変そうである
華琳「まったく、どこぞの皇帝にでもなったつもりかしら」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
桂花「やっぱりあいつは全身精液男よ、女の敵よ」ゴゴゴゴゴゴゴ
風「むぅ~~、お盛んで何よりですね、お兄さん~」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
稟「空気を読んでほしいものです、あらゆる意味で」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
蓮華「私も、あんな風に一刀に甘えたいのに」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
小蓮「も~~~、シャオだって一刀と一緒に乗りたいのに~!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
鴎「見せ付けてくれるわね」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
思春「ああ、いい度胸だ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
愛紗「なんなのだこの感情は、とても許せない気持ちになってくる」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
鈴々「なのだ、鈴々も許せないのだ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
文句を零す一同だが、面と向かって強くは言えなかった
なにせ捕虜を取ったとしても、そのことには一切触れないという条件を飲んでしまっているのだから
せめてもの意趣返しの如く、この後宮空間に嫉妬やら妬みやら、あらゆる感情がぶつけられていた
炎蓮「はっはっは~~~、やっぱ男はこうでなくちゃな♪」
粋怜「うふふふ、男らしいわよ、一刀君♪」
祭「うむ、ワシらが認めた男がそれくらいの甲斐性なしでどうするよ♪」
猪々子「ひゅ~~ひゅ~~、やるじゃねぇか兄貴♪」
悠「羨ましいぞぉ、一刀ぉ~♪」
一部の者は、そんな後宮空間にエールを送っていた
真直「はぁ~~~・・・・・」
先頭を進む袁紹軍を率いている真直は、後ろから聞こえてくる後宮エールにため息を漏らす
斗詩「文ちゃん、悠さん、悪乗りが過ぎるよ・・・・・そろそろ着く頃合いですね、麗羽様」
麗羽「え、ええ、そうですわね・・・・・全く後ろの皆さんは何をやっているのでしょう、この戦いは陛下を不届きな董卓からお救いする為の聖戦だというのに!」
そう信じて疑わないのは麗羽だけである、殆んどの者はこの戦いに疑問を感じ始めていた
真直「・・・・・見えてきましたね」
斗詩「気を付けてください、麗羽様・・・・・虎牢関には黄巾党を単騎で三万も倒したっていう、呂布さんがいるそうですから」
麗羽「ふん、誰であろうとこの連合の敵ではありませんわ・・・・・虎牢関なんて即効で突破して一刻も早く陛下をお助けしますわよ、お~~~~っほっほっほっほっほ♪♪」
そしてさらに進んでいき、駐屯に使えそうな地面を見つけここで野営の準備をしようかと思っていると
斗詩「あ、麗羽様、あれを見てください!!!」
麗羽「どうしましたの斗詩さん、そんな大声を出して・・・・・」
斗詩「あの、虎牢関に立っている旗を!!」
麗羽「旗ですか?一体何の旗が立っていると・・・・・えええええええええええ!!!??」
真直「うそ、あれって・・・・・」
虎牢関に翻る旗に、三人は仰天する
そこに堂々と翻っていたのは、馬の牙門旗であったからだ
緊急会議が行われる
虎牢関に立つ馬の牙門旗に公孫軍以外の軍勢が驚きを禁じ得なく、どう攻略するかの大激論が展開される
しかし、そう簡単に名案が出てくるはずもない、なにせここは天下に轟く泣く子も黙る虎牢関なのだ
なぜに暴君董卓に大陸でも三本の指に入る漢王朝の忠臣の涼州連合が味方をしているのかが分からなく、連合は混乱の渦中にあった
汜水関で敵対した将達も合流しているはずなので、汜水関とは比較にならないほどの苦戦が予想される
情報を得るために、捕虜とした董卓軍の副官である徐栄と張済を尋問しようという案が出てきたが、当然の如く一刀がこれを却下
けっして連合に氷環と炉青を引き渡しはしなかった
氷環「隊長様、お肩が凝っておられますね♥♥///////」
炉青「はい、あ~~んどす、あに様♥♥////////」
一刀「氷環、炉青、そこまでしなくていいから//////」
ここは公孫軍首脳陣の天幕
その中で、先ほどの三割増程の後宮空間が築かれていた
自分達を決して連合に渡さなかった一刀により一層、過剰なまでに世話を焼いてくる
椅子に座った一刀の後ろから氷環が肩もみをしている
しかしそれは建前で、一刀に寄り掛かり、その豊満な胸に首を挟んでいる
炉青は、一刀の膝に座り、食べ物を食べさせようとしながら、胸の谷間を強調し見せつけてくる
白蓮「一刀よぉ、余り見せ付けないでくれるかぁ///////」
星「ふふふふ、本当に見目麗しい二人であるな♪///////」
菖蒲「うう、凄い体です、羨ましい////////」(モジモジ)
一刀「いや、本当・・・・・ごめん・・・・・」
二人共、Iカップあるかないかの胸の持ち主で、おまけにその形は決して崩れていなく美しい美乳である
お尻も大きく形の整った安産型で、膝に乗られても決して痛くない、それどころか優しく包み込んでくるようだ
出る所は出てるくせして、腰のくびれ具合は芸術品といえる
まるで愛紗と蓮華の良い所を足して何も割らないかのような、それでいて引き締まった体つきである
そのようなピッチピチの我が儘ボディ二人に尽くされて嫌な気分になる健全な男子など居ようはずもない
そんな和気藹藹な空間に困り果てる公孫陣営の天幕を訪ねる者がいた
華琳「一刀、話が・・・・・」
季衣「兄ちゃ・・・・・」
流琉「兄様、え・・・・・」
一刀「あ・・・・・」
固まる一刀
華琳の目には、いや、誰がどう見ても人前で堂々と女を侍らせる山賊の頭がいた
華琳「いくら条件を飲んだと言えど、こちらにも我慢の限界というものがあるのよ、一刀」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
季衣「うわ、麗春様もそうだけど、兄ちゃんって本当にモテるんだね//////」
流琉「//////////////」
一刀「いや、その・・・・・」
言い訳の余地がなく、一刀も言葉に詰まった
華琳「それにしても・・・・・」
改めて、華琳は氷環と炉青を観察する
ボンキュッボン♥♥♥
華琳「(ゴクリ)」
氷環と炉青の体は、華琳も思わず息を飲むほど完成された一品であった
顔も端正で肌に染み一つなく、夜空に瞬く月も思わず溜息を零してしまう程の美貌の持ち主
妖術使いというのを差し引いても、是非ともものにしたくなる魅力的な二人である
この二人を閨で可愛がればどんな声で鳴いてくれるか、想像するだけで涎が出そうである
華琳「徐栄と張済といったかしら?私の陣営に来なさい」
白蓮「おいおい、いきなりだな・・・・・」
星「曹操殿の事は聞き及んでいたが、これはいくらなんでも図々しくないか・・・・・」
菖蒲「はい、正直厚かましいですね・・・・・」
人を口説くのにもう少し段階を踏んで理屈をこねてもいいのではないかと思う
率直過ぎるのも考え物である
華琳「私の陣営に来れば、相応の「お断りしますわ、断るどす」・・・・・」
一も二もなく同時に袖にされるが、ここは華琳も食い下がる
簡単に諦めるには、この二人は魅力的に過ぎるのだ
華琳「なぜ?私ならそこの一刀より貴方達をより健全かつ建設的に使って見せるわ・・・・・そして、私の閨で可愛がってあげるわよ♪」
氷環「あり得ませんわね、私達はすでに隊長様に身も心も捧げると決めているのですから」
炉青「それに健全かつ建設的って、具体的にウチ等をどう使うつもりどすか?」
華琳「決まっているわ、この先に来るであろう乱世でより良い手駒として使ってあげるわ」
氷環「・・・・・お話になりませんわね、隊長様が描く平和な世界の方が断然魅力的ですわ♪」
炉青「はいな、そんなものよりウチ等はあに様と一緒にあに様が作った世界で幸せに生きていきたいどす♪」
華琳「可哀そうな子達ね、貴方達も一刀に毒されてしまったようね・・・・・」
氷環「可哀そうなのは貴方の方ですわ、曹操さん」
華琳「なんですって・・・・・」
この言動に、流石の華琳もカチンとくるものがあった
炉青「そうどす、無駄に争いごとを引き起こそうとする人間が可哀そうでなくて何だって言うんどすか?」
華琳「聞き捨てならないわね、例え私が何もしなかったとしても、他の誰かが確実に事を引き起こすわ、貴方達はその全ての人間を哀れむつもりなの?」
氷環「その通りですわ」
炉青「はいな、この連合に参加しとる人間は全員可哀そうどす」
華琳「止めなさい、それ以上は侮辱と受け取るわよ!」
炉青「あに様がせっかく作ろうとしているものを台無しにしようとしている人に言われたくないどす!」
氷環「隊長様がこれまでどれだけ私達の為に動いてくれていたのか、それが分からないほど貴方は愚かなのですか!?」
華琳「もういいわ、これ以上話しても無駄のようね・・・・・ただし、私は諦めないわよ、いつか必ずあなた達を閨で私の色に染め直してあげる」
不機嫌そうに踵を返し天幕を出ていこうとするが
一刀「待て華琳、この二人を勧誘する為に来たんじゃないだろう、他に話があるから来たんじゃないのか・・・・・」
華琳「そのつもりだったけど、興が削がれたわ・・・・・またの機会にするわ」
本当であれば、虎牢関に陣取る涼州連合について聞くつもりだったのであるが、氷環と炉青の言動が相当に頭に来たのか、華琳は仏頂面のまま天幕を後にした
季衣「兄ちゃん、僕分かんなくなっちゃったよ・・・・・」
流琉「はい、兄様が正しいのか華琳様が正しいのか、分からないです・・・・・」
氷環「可愛らしい子達ですわね、このままお持ち帰りしたいくらいですわ♪」
季衣「え、いや、その・・・・・」
炉青「それに、あに様を兄ちゃんとか兄様と呼んでいる辺り、お二人もあに様が好きなんどすね♪」
流琉「あ、はい・・・・・兄様の事は、華琳様と同じくらい尊敬しています、だから・・・・・」
季衣「うん、どっちが正しいのか分かんなくなっちゃって・・・・・」
一刀「俺は華琳を含めて、この連合全体が間違っていると今でも思っている・・・・・だけど情けない事に、こんなことになってしまった以上、俺のやっていることが正しいと胸を張って言えないのも事実だ・・・・・」
季衣「・・・・・・・・・・」
流琉「・・・・・・・・・・」
一刀「だから二人共、今は俺と華琳のどちらが正しいかとかそんなことは考えず、生きて帰ることを第一にしてくれ、死んでしまったら元も子もないからな・・・・・その時は必ず、これまでの遅れを挽回して、二人に平和な世界を見せてやる」
季衣「・・・・・うん、分かったよ♪」
流琉「分かりました、必ず生きて帰ります♪」
笑顔で、季衣と流琉は返事を返したのだった
氷環「ああ、何と愛らしい子達なのでしょう、本当にお持ち帰りしたくなってしまいますわ♪////////」
炉青「あに様と兄ちゃんと兄様どす~、ウチ等は仲間どす~、すりすり~♪///////」
季衣「うわ、凄、うううう////////」
流琉「はにゅうううううう////////」
一刀から離れ、氷環は季衣に、炉青は流琉に抱き付く
その乳圧に、二人ははにかんで顔を赤くしてしまう
そして、二人は護衛の任務もあるので、急いて華琳を追いかけていったのだった
続け様にて入って来たのは
梨晏「一刀、失礼するね・・・・・」
孫呉で一番自分を心配してくれる者だった
氷環「あ、梨晏さん、お久しぶりですわ」
炉青「久しぶりどす~、梨晏さん~」
梨晏「氷環、炉青、久しぶり」
天水で会って以来で、それほど時間が経っているわけでもないが、洛陽での仕事と反董卓連合などという大仰な催しの準備に忙しく、久しぶりという言葉が自然と出てきてしまった
梨晏「ねぇ、氷環、炉青・・・・・私、全然分からないんだけど、本当に月は詠と一緒に洛陽で陛下を人質にして暴政をしているの?」
氷環「・・・・・・・・・・」
炉青「・・・・・・・・・・」
この質問に、二人は口を閉ざすしかなかった
梨晏「二人も、霞や雅と同じで、私に何も教えてくれないんだ・・・・・」
氷環「それは・・・・・」
炉青「・・・・・あに様、どうすればいいどすか?」
一刀「~~~~~~~~~っ!・・・・・」
頭に手を添え唸る
このままではこの三人の仲に亀裂が入りかねない
それが原因でまたもや無用の諍いが発生していては何もならない
今後同じような轍を踏まない為にも、ここは腹を括るしかない
一刀「分かった、話そう・・・・・」
白蓮「一刀!?」
星「よろしいので!?」
菖蒲「この連合が終わるまで、誰にも話さないのではなかったのですか!?」
一刀「分かっているが、このままじゃ、氷環と炉青が梨晏と不仲になりかねないからな・・・・・」
氷環「申し訳ありません、隊長様・・・・・」
炉青「ウチ等の為に、すまんどす・・・・・」
一刀「ただし、他言無用が絶対の条件だが、いいか?」
梨晏「・・・・・なんだか、私が考えているよりよっぽど重大な問題があるみたいだね」
一刀「その通りだ・・・・・心して聞いてくれ・・・・・」
そして、重苦しく一刀は現状を説明した
梨晏「う、うそ、そんなことが・・・・・」
事の真相に梨晏も驚愕を禁じ得なかった
梨晏「納得だよ、霞と雅はなにも言わなかったんじゃなくて、なにも言えなかったんだね」
一刀「梨晏、分かっているだろうけど・・・・・」
梨晏「分かっているよ、こんなの誰にも言えるはずがない・・・・・十常侍、本当に許せないよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
氷環「はい、必ず捕らえて誅殺しますわ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
炉青「あに様と月様を苦しめた罪、万死に値するどす」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
梨晏「因みに、この事を知っているのは」
一刀「この天幕に居る者だけだ」
梨晏「公孫軍以外では、知っているのは私だけってことか」
一刀「ああ・・・・・陛下達の命が掛かっているんだ、軽はずみな行動は控えてくれよ」
梨晏「了解!」
責任重大である、これでもし空丹と白湯が命を落とせば、その責任はここにいる全員が請け負うものとなる
堅く口を閉ざすことを、梨晏は誓うのだった
梨晏「それにしても、二人は相変わらず一刀にべったりだね・・・・・」
季衣と流琉が去って、一瞬で一刀の世話に戻っていた二人は再び後宮空間を作り上げていた
氷環「うふふふ、当然ですわ、隊長様は私と将来を約束してくださったんですもの♥///////」
炉青「ウチもあに様のお嫁さんにしてもらうどす~♥///////」
白蓮「ちょっと待て一刀、私を嫁にしてくれるんじゃなかったのか!?///////」
星「これはこれは、私を貰ってくれるのではなかったのですかな、一刀殿♪」
菖蒲「え、えと・・・・・できれば、私も一刀様のお嫁さんに・・・・・っ♥///////」
一刀「あ、いや、その・・・・・」
節操無しと思われてもしょうがないとは思うが、一刀とて考えなしにそのような約束をして回っているわけではない、れっきとした理由があるのだ
それは、この時代の出生率の問題がある
なにせ現代社会と違いしっかりとした医療設備があるわけもない原始時代も同然なため、仮に女性が子を宿したとしても、無事に生み落とせる確率は半分も無いのだ
そういった問題がある為、この時代では一夫多妻も決して珍しくはなく、有力な豪族ともなれば複数の妻を持つのが通例なのだ
より多くの女性に子を宿すことで、ただでさえ低い出生率を力ずくで上げるしかないのだ
更に言えば、そこから天寿を全う出来る者も限られる
あらゆる病、疫病等のメカニズムが解明されていない状況ではどうにもならない
ここばかりは一刀も現代日本の倫理観を持ち込めるはずもなく、この時代の現状に従うしかないのだ
氷環「隊長様の貞操は、私がきっともらい受けますわ♥////////」
炉青「そうはいかないどす、あに様の純潔はウチのものどす~♥///////」
白蓮「勝手に話を進めるな、私だって一刀の初めてを狙っているんだぞ!///////」
星「面白いことになって来たな、これはうかうかしていられんぞ♥///////」
菖蒲「出来れば私が、一刀様の初めての人に♥///////」
それぞれが、一刀の貞操を狙って火花を散らすが
梨晏「あ~~~・・・・・そのこと、なんだけどさ///////」
どうにも恥ずかしくて気後れしてしまう
しかし、ここは事実を伝えておいた方が後々に一刀に迷惑を掛けなくて済むため、勇気を振り絞って口を開く
梨晏「一刀、漢中でのこと、覚えてる?//////」
一刀「ん、ああ・・・・・梨晏の病魔を張魯さんに払ってもらった所だな、覚えているぞ」
梨晏「それも、あるけど・・・・・漢中を離れる前の夜のこと、覚えてる?///////」
一刀「え・・・・・・・・・・」
口に手を添え、あの梨晏を助ける為に遥か南の南蛮へ赴き、龍の角を貰い受けた所まで記憶を辿っていく
漢中を離れる前の夜ということは、南蛮から帰還し張魯に龍の角を渡して自分で宿屋を手配し、そのまま眠りこけた夜の事であろう
確かあの時は、一週間碌に睡眠を取らなかったため、丸二日間爆睡していたはず
一刀「・・・・・まさか」
思い至り、血の気が引いていく
今話題に上がっているのは、純潔だの貞操だの初めてだの、色気付いた男女の話
あの夜、妙にリアルで艶めかしい性的な夢を見たが、あれが夢でなかったとしたら
一刀「り、梨晏!?その、あの!//////」
梨晏「あ~~、謝らなくていいよ、あれは私の方から一方的だったし///////」
一刀「・・・・・やけに現実味のある夢だと思っていたけど、夢じゃなかったんだな//////」
氷環「もしや、隊長様は梨晏さんと・・・・・」
炉青「う、嘘どすよな、あに様の純潔が・・・・・」
梨晏「最初から話すと、武都でね・・・・・」
かくかくしかじかと、梨晏は事の詳細を説明した
白蓮「うわ~~ん、一刀~~!!お前漢王朝を復興するまで恋愛はしないって言っていたじゃないか~~、それを信じて待っていたのに、嘘だったのか~~!!?///////」
星「なるほど、太史慈殿は一刀殿に命を救われたのか・・・・・その謝礼としては、安いくらいか」
菖蒲「まさか、噂に聞く龍が実在したなんて・・・・・」
炉青「そんなことより、あに様の純潔が、純潔がああああああああああ!!!」
氷環「うう、私が隊長様の初めてになるつもりでしたのに・・・・・ぐすん・・・・・」
一刀「・・・・・・・・・・」
知らないうちに自分の純潔は無くなっていたという事実を告げられてしまったのだから、一刀も茫然自失だった
漢王朝を復興させるまではそういったことはしないと誓っていたので、なおの事ショックだった
氷環「お待ちください、ということは隊長様と梨晏さんの間には・・・・・」
炉青「そ、そうどす、梨晏さんのお腹には、あに様の・・・・・」
一刀「っっっ!!!???」
この言葉に、一刀も現実に引き戻される
あり得ない話ではない、むしろ確立としては非常に高い
あの日の夢だと思っていた夢は、かなり長いものだったと記憶している
その間中行為に及んでいたとすれば、むしろ無い方がおかしい
一刀「り、梨晏、まさか・・・・・」
恐る恐る梨晏の顔を窺うが、そこには肯定とも否定とも取れる笑顔があった
梨晏「安心して、あの日は大丈夫な日だったから、一刀の赤ちゃんは私のお腹にはいないよ」
一刀「そ、そうか、それを聞いて安心したよ・・・・・」
氷環「ほっ、よかったですわ・・・・・」
炉青「何もかも梨晏さんに先越されたと思ったから、焦ったどす・・・・・」
梨晏「あははは、勿体ぶってごめんね、恥ずかしくてなかなか言い出せなくて・・・・・私もまさかあそこまで激しく求められるとは思わなかったから、覚悟を決めていたんだけど」
氷環「っ!!梨晏さん、隊長様はどのようにして求めてきたのですか!!?」
炉青「そうどす、今後の参考に教えてくださいどす!!」
一刀「お、おい、二人共!!?」
白蓮「私にも教えろ、一番は駄目だったが、二番くらいにはなってやる!!」
星「そうはいきませぬぞ、私とて一刀殿と婚姻を誓ったのですからな!!」
菖蒲「わ、私にも教えてください、一刀様と添い遂げたいです!!////////」
一刀「お前らまで人の羞恥を暴こうとするな!!」
梨晏「ん~~~、どうしよっかな~~♥♥///////」
一刀「頼むから何もしゃべらないでくれ、梨晏~~~~~~~!!//////////」
その後暫くの間、一刀が梨晏の尻に敷かれていたのは言うまでもない
Seigouです
もうちょっと進めてもよかったかもしれませんが、切りがいいのでここで一旦区切ります
一刀の純潔喪失発覚は、ここで書こうか迷ったのですが、ここで書かなかったら最後まで書くチャンスがないのではと思い、踏み切りました
始まってしまったスリラーの中での、一時の安らぎとでも思ってください
待て、次回・・・・・
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狼狽の修羅