No.1081411

英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

soranoさん

ハーケン会戦~大号令~


明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年は黎の軌跡の続編が出るとの事ですから今から楽しみですね!

2022-01-03 00:17:22 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1641   閲覧ユーザー数:1356

 

~ガルガンチュア1号機・ブリッジ~

 

「なあ………ッ!?」

「ガ、ガルガンチェアが……ッ!?」

「何なんだ、今の攻撃は……!?」

「に、二号機、三号機、四号機の3隻全てが轟沈!並びにその周囲の空挺部隊も巻き込まれた模様……!」

映像端末で3隻のガルガンチュアが破壊される様子を見たレリウス中佐や周囲の軍人達は信じられない表情で声を上げ、更には悲痛そうな表情を浮かべて状況を報告する軍人もいた。

「まさかこれも連合――――――いや、”メンフィルの力の一端”だと言うのか……!?戦艦すらも容易に破壊する等、儂らは一体”何”と戦っているのじゃ……!?」

ヴァンダイク元帥は信じられない表情で声を上げた後愕然とした表情を浮かべて声を上げた。

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

「エ、エレボニア帝国軍の戦艦が………」

「一瞬で三種類の方法によって破壊されたね。」

「戦艦を容易に破壊する手段……まさかとは思うが……」

「……エヴリーヌ君達――――――”魔神”達によるものかい?」

映像端末で三隻のガルガンチュアが破壊される様子を見ていたエリオットは信じられない表情で呟き、フィーは真剣な表情で呟き、察しがついたミュラーは複雑そうな表情を浮かべ、オリヴァルト皇子は重々しい様子を纏ってレンに問いかけた。

「正解♪エヴリーヌお姉様、ベルフェゴールお姉さん、アムドシアスお姉さんの三柱の”魔神”が見せた”力”はどうだったかしら?」

「な――――――」

「何ですって!?」

「ええっ!?それじゃあさっきの戦艦はベルフェゴール達が……!?」

「という事は今のが闇夜の眷属の中でも”最強”と恐れられている”魔神”の”力”………」

「じょ、冗談抜きであの”劫焔”よりもとんでもない”化物”なんですけど……」

レンの答えを聞いたその場にいる全員が血相を変えている中エレインは絶句し、サラとアリサは信じられない表情で声を上げ、ガイウスは呆けた表情で呟き、ミリアムは表情を引き攣らせながら呟いた。

 

「エレボニアの旗艦以外の戦艦を”魔神”達の”力”で落としたって事は、まさかとは思うがクロスベルの時のように残った空挺部隊はヴァリマール達に全て落とさせて、最後は旗艦に乗り込んで学院長を討ち取る算段か!?」

「あ…………」

「確かに今までの灰獅子隊――――――いや、リィン君達の行動を考えれば、クロスベル、ルーレ、オルディスのどれも彼らはエレボニア帝国軍を率いる”総大将”である立場の人達の”討伐”を狙っていたね……」

一方ある事に気づいたクロウは厳しい表情でレンに問いかけ、クロウの推測を聞いたトワは不安そうな表情で声を出し、アンゼリカは複雑そうな表情を浮かべながら呟いた。

「へえ?中々いい線を突くわね。――――――だけど、残念。”エレボニア帝国軍の空挺部隊を落とす役目はレン達じゃなく、エレボニア帝国軍を絶対に祖国に一人足りとも一歩も踏み入れさせる訳にはいかないと決意している人達の役目よ?”」

「”エ、エレボニア帝国軍を絶対に祖国に一人足りとも一歩も踏み入れさせる訳にはいかないと決意している人達”ってもしかして……!」

「リベール王国軍の空挺部隊か……ッ!」

意味あり気な笑みを浮かべて答えたレンの答えを聞いてある事を察したアネラスは不安そうな表情で声を上げ、アガットが厳しい表情で声を上げたその時

「!どうやらエレボニア帝国軍や我々からその存在を誤魔化していたのはメンフィル・クロスベル連合軍とヴァイスラント新生軍だけではなかったようだな……」

映像端末を見つめて次々と突如姿を現し始めたリベール王国軍の空挺部隊に気づいたアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って呟いた。

 

~リベール王国軍・攻撃艇~

 

「し、信じられん……!メンフィル帝国軍より予め伝えられていたとはいえ、まさか本当に生身で”戦艦”を一瞬で破壊するなんて……!」

「あれもメンフィルの”力”か……あんな”力”を持つメンフィルと同盟関係を築きあげるなんて、さすがは女王陛下だな…………!」

一方その頃、リベール王国軍の攻撃艇の中でそれぞれの位置についている軍人達はガルガンチュアを破壊したエヴリーヌ達の圧倒的な攻撃に驚いていた。

「将軍閣下、各攻撃艇所定の配置に着きました。」

「うむ。―――――出撃している全攻撃艇に通信を。」

「アイサー。」

軍人達と共に攻撃艇に乗り込んでいるリベール王国軍の宿将――――――モルガン将軍は通信士を務めている軍人からの報告を聞いた後新たな指示を出して表情を引き締めた。

 

「――――――全攻撃艇、戦闘開始(オープンコンバット)!目標はエレボニア帝国軍の空挺部隊っ!!――――――敵軍は我らが盟友、メンフィル帝国に所属する客将達の攻撃によって戦艦が破壊された事で動揺している!この好機を逃さず、動揺から立ち直る前に敵軍の飛空艇は全機撃破するつもりで攻撃しろ!我らの後ろには我ら王国軍が守るべき王国の民達が!家族が!恋人や伴侶、友人が!そして女王陛下達がいる事を決して忘れるなっ!リベールを13年前のような”悪夢”に陥らせない為にも敵軍の船は我らの命に代えても一隻足りとも後ろに通すなっ!敵軍が降伏を申し出るまで、一切の容赦をせず撃ち落とし続けろっ!!」

「イエス・サーッ!!」

そしてモルガン将軍の号令に対して力強く答えたリベール王国軍の軍人達は攻撃艇を操作してエレボニア帝国軍の空挺部隊に怒涛の連携攻撃を開始した。

 

~ハーケン平原・上空~

 

空挺部隊が主力であり、またどの国よりも”空”での戦闘に一日の長があるリベール王国軍の空挺部隊にとってエヴリーヌ達によって3隻の戦艦が破壊された事で動揺しているエレボニア帝国軍の空挺部隊は絶好の的だった為、エレボニア帝国軍の空挺部隊はリベール王国軍の空挺部隊の猛攻によって碌に反撃できず次々と撃破され始めた。

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

「エ、エレボニア帝国軍の空挺部隊が王国軍の空挺部隊に圧倒されている……!」

「まさか、メンフィル・クロスベル連合軍ではなく、王国軍によってエレボニア帝国軍が圧倒されるとはな……」

「い、一体どうして……数はエレボニア帝国軍の方が王国軍よりも明らかに上回っているのに……」

映像端末で王国軍によって圧倒されているエレボニア帝国軍の空挺部隊の様子を見たマキアスは信じられない表情で声を上げ、ユーシスは重々しい様子を纏って呟き、セドリックは困惑の表情を浮かべて疑問を口にした。

「王国軍の主力は空挺部隊である事から王国軍は”空”の戦いにはエレボニア帝国軍よりも一日の長があるという要因もあるが……」

「……恐らくエレボニア帝国軍にとっては”切り札”となる戦艦が一瞬で破壊された事による動揺で士気は著しく下がっているからでしょうね……」

「対する王国軍は祖国を13年前の”百日戦役”の二の舞にさせない為にもエレボニア帝国軍による王国への侵略を何としても食い止めなければならないという思いで戦っているでしょうから、士気は間違いなく高いでしょうね。」

「はい……少なくても、エレボニア帝国軍の方から降伏の申し出をしない限り、王国軍は攻撃を止めるつもりはないでしょうね……」

ジンとエレイン、シェラザードはそれぞれ複雑そうな表情で、ティータは辛そうな表情で推測を口にし

「うふふ、加えて空挺部隊の指揮を取っているのはリベールの宿将――――――モルガン将軍なんだから、”戦艦という空の主力”を失った事でできたエレボニア帝国軍の空挺部隊の動揺から立ち直らせる隙なんて与えないわよ♪」

「ええっ!?それじゃあ今王国軍の空挺部隊の指揮を取っているのはモルガン将軍なの……!?」

「……確かにあの爺さんなら、こんな絶好な機会は絶対に逃さないだろうな。」

レンの説明を聞いたアネラスは驚き、アガットはモルガン将軍を思い浮かべて複雑そうな表情で呟いた。

 

「……一つ疑問があるわ。何でエレボニア帝国軍の旗艦はまだ残しているのよ?アンタ達がその気になれば、エレボニア帝国軍の旗艦もさっきの三隻の戦艦のように破壊する事も簡単なんじゃないの?」

「い、言われてみれば確かに……旗艦ごとエレボニア帝国軍の総指揮を取っている学院長を抹殺すれば、エレボニア帝国軍の指揮系統を大混乱に陥らせる事もできると思うし……」

「それらの件もありますが、地上のエレボニア帝国軍の背後を突いたメンフィル・クロスベル連合軍やヴァイスラント新生軍もそうですがリィン様達――――――”灰獅子隊”には何の動きもない事も気になりますわね……」

「あの”化物”連中が戦艦を破壊する前に”第二段階”って言ったよな?って事は、まだエレボニア帝国軍の連中を嵌める為の”策”は残っていて、その残っている”策”とやらがテメェらも何らかの動きをするんじゃねぇのか!?」

目を細めたセリーヌの推測を聞いたエマは不安そうな表情で更なる推測を口にし、シャロンは真剣な表情で考え込み、アッシュは厳しい表情でレンに問いかけ

「またまた、大正解♪――――――という訳で”第3段階”がそろそろ始まるわよ♪」

アッシュの問いかけに笑顔で答えたレンは不敵な笑みを浮かべて宣言した。

 

同日、AM10:45――――――

 

~ハーケン平原~

 

「大将軍閣下より通達!第二砲撃を開始せよとの事!」

「了解。―――全軍に通達、第二砲撃準備。繰り返す――」

一方その頃、部下の報告を聞いたシェラは機甲軍団に指令を出した。するとシェラを含めた機甲軍団の兵士達が唸りにも似た騒動音を徐々に高め

「……攻撃開始。」

”火計”に陥りながらも、強引に前進し続けるエレボニア帝国軍目掛けて砲撃をした!シェラ率いる機工軍団が放った砲撃は平原を轟かす大爆音と共に、業火と爆発が一瞬で炎の海で苦しんでいるエレボニア帝国軍に加えて強引に前に進み続けるエレボニア帝国軍の大勢の兵達を飲み込み、機甲兵や戦車をも跡形もなく吹き飛ばし、更には炎の海すらも爆発の衝撃によって吹き飛ばされた事で地上のエレボニア帝国軍は全体の2割が滅された!

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

「何、あれ…………」

「エレボニア帝国軍がメンフィル帝国軍の砲撃によって炎の海ごと吹き飛ばされた………」

「……”百日戦役”で生き残ったエレボニア帝国軍の関係者達からのラインフォルトグループへの情報提供の際、ラインフォルトグループはメンフィル帝国軍の機工軍団の火力は今で表すなら”列車砲”クラスと想定していましたが……その想定をも遥かに上回る火力ですわね……」

「……ッ!―――――もう十分でしょう!?すぐにエレボニア帝国軍への攻撃を止めて、もう一度アルフィン皇女殿下にエレボニア帝国軍に降伏をするように呼びかけるように手配しなさい!目の前で多くの戦友達を失った上、あんた達連合との”力の差”を思い知らされた今のエレボニア帝国軍なら降伏の呼びかけに応じる可能性は十分に考えられるわ!」

「―――――僕や兄上もアルフィンと共にエレボニア帝国軍に降伏を呼びかけます!ですから、どうかすぐにリウイ陛下達に連絡を取ってください!お願いします!」

シェラ達によって吹き飛ばされたエレボニア帝国軍の有様を映像端末で見ていたアリサは愕然とし、ガイウスは呆けた表情で呟き、シャロンは重々しい様子を纏って呟き、唇を噛み締めたサラはレンを睨んで声を上げ、サラの話を聞いたセドリックも真剣な表情を浮かべてレンに嘆願した。

「それはできない相談ね。連合もそうだけど、王国――――――カシウス中将も”黄昏という呪いの影響によって闘争に駆り立てられたエレボニア帝国軍の戦意を折る為”にはそれこそ”エレボニア帝国軍を絶望させる程徹底的に叩き潰さなければ、エレボニア帝国軍は敗北を認めない”という考えの元、作戦を実行しているもの。」

「ぜ、”エレボニア帝国軍の戦意を折る為にエレボニア帝国軍を絶望させる程徹底的に叩き潰さなければ、エレボニア帝国軍は敗北を認めない”って、もう十分徹底的にエレボニア帝国軍を叩き潰しているじゃないですか!?後一体どれ程の多くのエレボニア帝国軍の人達を殺すつもりなんですか……!?」

小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンにエリオットは悲痛そうな表情を浮かべて声を上げて問いかけた。

 

「ア、アガットさん!それにシェラさん達も!エステルお姉ちゃんみたいに――――――3年前のリベールの異変の時にリベル=アークを破壊する為にリベール王国に押し入ろうとしたエレボニア帝国軍を撤退するように要請した時みたいに、遊撃士協会が介入して戦闘を止める事はできないんですか……!?」

「俺達も真っ先にそれは考えたさ……だが………」

「王国軍もそうだが、連合軍も王国に侵攻しようとしているエレボニア帝国軍を撃退する為に戦闘をしている訳だから、”中立の立場”として止める理由がない為、介入のしようがないという問題もあるが……」

「何よりも、肝心のエレボニア帝国軍がリベール侵攻を諦める意志――――――いえ、”王国軍や連合軍に降伏する意志”を示していないのだから、あたし達遊撃士も介入のしようがないのよ……」

「せめて、リベール侵攻軍の総指揮権を持っていると思われるヴァンダイク元帥が降伏する事を望んでくれたら、遊撃士協会(わたしたち)も戦闘を止めさせるために王国軍の最高司令官のカシウスさんや連合軍のそれぞれの”総大将”を務めているリウイ陛下達に交渉する事ができるのだけど……」

「既にヴァンダイク元帥が乗船しているエレボニア帝国軍の旗艦はカレイジャス(こちら)の通信を拒否していますから、連絡の取りようがないのが痛いですね……」

泣きそうな表情を浮かべて問いかけたティータの問いかけに対してアガットとジン、シェラザードとアネラスはそれぞれ複雑そうな表情で、エレインは悔しそうな表情を浮かべて答えた。

「もう一度――――――ううん、相手がこちらの通信に応じるまでエレボニア帝国軍の旗艦に何度も通信をして!」

「は、はい……ッ!」

遊撃士達の話を聞いたトワは必死な表情を浮かべて通信士を務めている士官学院生に指示を出した。

「うふふ、今更慌てて”まだ敢えて残しているエレボニア帝国軍の旗艦に連絡をした所でもう遅いわよ。”――――――だって、”ここからが本番なんだもの♪”」

「その口ぶりだと、お前達はあれ以上エレボニア帝国軍を叩き潰す”何か”をするつもりなのかよ!?」

「!おい、地上の王国軍側を見ろ――――――」

トワ達の様子を見て不敵な笑みを浮かべて指摘したレンの言葉を聞いたクロウが厳しい表情で問いかけている中、何かに気づいたアッシュが厳しい表情で声を上げた。

 

同日、AM10:50――――――

 

~ハーケン平原~

 

「ステルス機能を切れ!」

「ハッ!」

一方その頃、ハーケン門側でそれぞれ迎撃態勢を取っている王国軍の正面から、ハーケン門側で姿を消して待機していたメンフィル帝国軍を率いる総大将――――――ツーヤとセレーネの養母にしてメンフィル帝国軍の竜騎士軍団長を務めているサフィナ・L・マーシルン元帥の指示によってメンフィル帝国軍の軍人達がそれぞれステルス装置を切ると20万人のメンフィル帝国軍が次々と姿を現した!

 

~ガルガンチュア1号機・ブリッジ~

 

「そ……ん……な………」

「ハーケン門側でも、既にメンフィル帝国軍――――――それも、あんな大軍勢が迎撃態勢を取っていたなんて……」

「げ、元帥閣下……これでは本作戦の達成に必要な前提条件が………」

「………ッ!………我らに”希望の芽”すらも芽吹かせる事すらも許さないとは……これが……これが、世界を巻き込む大戦を引き起こした挙句大恩あるリベールに大仇で返すという”悪行”を犯そうとしたギリアスや我らへの”裁き”なのか、女神(エイドス)よっ……!!」

次々と姿を現す新手のメンフィル帝国軍の様子を映像端末で見ていた周りの軍人達が絶望を感じたり呆然としている中、悲痛そうな表情を浮かべたレリウス中佐に視線を向けられたヴァンダイク元帥は唇を噛み締めて黙り込んだ後、思わず天井を睨んで声を上げた。

 

同日、AM10:55――――――

 

リベール王国軍――――――総兵力12万人の内11万人並びにアラン・リシャール特務准将率いる王国義勇兵団”白隼隊”総勢1万人――――――

 

~ハーケン平原~

 

メンフィル帝国軍が全て姿を現し終えると戦場の空に導力技術や魔導技術によってカシウス、リウイ、ギュランドロス、ミルディーヌ公女の顔の映像が現れた。

「――――――まずは王国の危機に駆け付けてくれたメンフィル・クロスベル連合軍、ヴァイスラント新生軍に心からの感謝を。――――――王国軍に問う。もしここでエレボニア帝国軍を後ろに通してリベール侵攻を許してしまえば、13年前の”百日戦役”のような――――――いや、あの時以上のいくつもの”悲劇”が起こってしまうだろう。それをお前達は許せるか?」

「王国を守護する者達の一員として、13年前のような悲劇は2度と起こす事を許せるわけがありません、中将閣下!」

「自分達の後ろには家族が!友人が!国民が!そして女王陛下達がいるのです!絶対にリベールに侵攻をしようとするエレボニア帝国軍を一人たりとも後ろに通す訳にはいきません!」

「自分達には国民達や女王陛下達の命運を託されているのですから、絶対に退けません!」

カシウスの問いかけに対して王国軍はそれぞれ力強く答えた。

 

AM10:56――――――

 

メンフィル帝国エレボニア征伐軍――――――総兵力40万人の内30万人並びに王国軍側での迎撃の為の本国からの援軍20万人、黒月(ヘイユエ)残党3万人、SSS級猟兵団”斑鳩”2万人――――――

 

「メンフィルの兵(つわもの)達に告げる。この戦いは今回の戦争の行く末を決定づける事になる”事実上の決戦”でもある。去年のエレボニアの内戦で我らメンフィルの”怒り”を何度も買ったエレボニアにメンフィルの”誇り”を、”怒り”を思い知らせる為、そしてメンフィルの盟友たるリベールを守る為にもこの戦いで”敗北は絶対に許されない”事は理解できているな?」

「当然です、陛下!」

「卑劣にして愚かなるエレボニア帝国にメンフィル帝国の怒りの鉄槌を!」

「今こそ同胞達を傷つけた挙句盟友を陥れた挙句盟友を滅ぼそうとする愚か者達に報復を!!」

カシウスに続くように問いかけたリウイの問いかけに対してメンフィル帝国軍は次々と武器を天へと掲げて力強く答えた。

 

AM10:57――――――

 

クロスベル帝国軍――――――総兵力6万人の内5万人――――――

 

「聞けぇいクロスベルの兵(つわもの)と将、そして六銃士よ!先にリウイも告げたように、この戦いは先月の初めから本格的に始まった長きエレボニアとの戦いに決着をつける時だ!お前達も知っての通り、敵は腐っても大国の軍人だ!しかしながら、ここにはルイーネ達が、そして今まで俺やルイーネ達と共に戦い抜いたお前達が揃っている。俺とルイーネ達、この戦争で成長したお前達が揃ったとなると、どうだ。宣言しよう!今からこの戦場を支配し、ゼムリア大陸に”新たなる時代”の開幕を告げる役割を果たすのは俺達――――史上最大に超弩級の桁外れの強さに成長したクロスベル帝国軍だっ!」

「オオオオオォォォォォォォォオオオオオオ――――――――――――――ッ!!」

「クロスベル帝国万歳――――――ッ!!」

「去年の”合同演習”から更に成長した俺達の力、エレボニア帝国に思い知らせてやりましょう、ギュランドロス陛下っ!!」

リウイの問いかけが終わるとギュランドロスが大号令をかけ、ギュランドロスの大号令に対してクロスベル帝国軍は次々と武器を天へと掲げて叫んだ。

 

AM10:58――――――

 

ヴァイスラント新生軍――――――総兵力13万人の内10万人並びに高位猟兵団”クルガ戦士団”総勢1万5000人、”アイゼンシルト”総勢1万5000人――――――

 

「ヴァイスラント新生軍――――――いえ、今だけは敢えて”貴族連合軍”と”正規軍”と呼ばせて頂きます。貴族連合軍は”前主宰”であったクロワールの指示とはいえ、去年の内戦でユーゲント皇帝陛下を含めた皇族の方々を幽閉して”大義名分”として利用した挙句、メンフィル帝国との外交問題を発生させてまで姫様を拉致してユーゲント皇帝陛下達のように利用しようとしたにも関わらず、今回の戦争では恐れ多くも私達の”大義名分”になって頂いたという姫様の慈悲深き御心、忘れていませんわよね?」

「勿論です、公女殿下!」

「今こそ皇女殿下に去年の内戦の償いをする時です!」

「正規軍の方々は去年の内戦で”紅き翼”として活躍し、最後は内戦を終結に導いた姫様の偉業もそうですが、去年の内戦の件でメンフィル帝国に対してエレボニアの”罪”を償う為、そして何よりもエレボニアを救う為もそうですが女神すらも許さない所業を行おうとするエレボニアを止める為に祖国やご家族である皇帝陛下達から”裏切者”と揶揄されてでもメンフィル帝国軍の一員となった姫様の”覚悟”を理解した上で、私達ヴァイスラントに合流したのですわよね?」

「応!!」

「メンフィルへの償いの為にご自身の身も顧みず出奔なされた皇女殿下を切り捨てた挙句、内戦で最も被害を受けたクロイツェン州で”焦土作戦”を行わせるという鬼畜の所業を我らの戦友であった”第四”を”畜生”に堕としたオズボーン宰相達は絶対に許せません!」

ギュランドロスの大号令が終わった後に問いかけたミルディーヌ公女の問いかけに貴族連合軍出身の軍人達、正規軍出身の軍人達はそれぞれ順番に力強く答え

「―――――そしてそれぞれの思いによってヴァイスラントに所属した皆さんに問わせて頂きます。この”決戦”でオズボーン宰相達帝国政府の言いなりになった帝国軍を止めようとした姫様の慈悲深き御心を無下にした帝国軍を許せますか?」

「否!否!否!」

「エレボニアの誇りを穢した帝国政府に従った挙句皇女殿下の思いを無下にした畜生共には皇女殿下ご自身も告げたように、容赦をする必要はありませんっ!!」

ミルディーヌ公女の更なる問いかけに対してヴァイスラント新生軍の軍人達はそれぞれ力強く答えた。

 

AM10:59――――――

 

リベール王国軍・メンフィル・クロスベル連合軍・ヴァイスラント新生軍総兵力75万人――――――

 

「――――――リベール、メンフィル、クロスベル、そしてヴァイスラントの決意は理解した。ならば、我々がここから皆に降す指示は唯一つ。」

そしてカシウスが再び語り出すとカシウスが次に口にする言葉を待つかのようにそれぞれ声を上げて士気を高めていたリベール、メンフィル、クロスベル、ヴァイスラントの軍人達が黙り込んだ事でその場に一瞬の静寂が訪れ

 

AM10:59→AM11:00――――――

 

「「「「総員、戦闘開始(オープンコンバット)!盟友達と協力してエレボニア帝国軍が降伏を申し出るまでエレボニア帝国軍を殲滅せよ(しなさい)っ!!」」」」

「オオオオオオオオオォォォォォォォォオオオオオオオオオ―――――――――――ッ!!!!!」

カシウス、リウイ、ギュランドロス、ミルディーヌ公女による大号令がかかるとリベール王国軍、メンフィル・クロスベル連合軍、ヴァイスラント新生軍の軍人達は空気を震わせ、大地を轟かせる程の勇ましい雄たけびを上げた後エレボニア帝国軍を挟み撃ちにするかのように一斉に進軍を開始した――――――!

 

 

 

 

 

黒月や斑鳩が何故メンフィル帝国軍側として戦っている事もそうですが、リシャール達については次回でレンちゃんが説明してくれる予定です(ぇ)なお、カシウス達の問いかけの所はファイアーエムブレム風花雪月の”誓いを胸に”、大号令がかかる所からハーケン会戦篇が終わるまで流れるイベント、戦闘BGMはファイアーエムブレム風花雪月の名曲の一つ、”天と地の境界”だと思ってください♪


 
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